魔法使いの妹子 サンプル 魔法使いの妹子 サンプル
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©1985 帝国ソフト
魔法使いの妹子 (帝国ソフト/九十九電機)

・1985年**月**日 PC-8801用? コミケにて頒布された同人ソフト版
・1986年04月**日 PC-8801/FM-7兼用 5インチFD版 3.5インチFD版 (市販品)

同人ゲーム出身の作品で、魔法使い見習いの女の子の活躍を描いた童話風のアドベンチャー。タイトルの読み方は「まほうつかいのでし」。

魔法使いに妹子(でし)入りし、小間使いのように働いていた主人公「リア」は、朝寝坊したい師匠によって旅に出されていた。ある日、偶然立ち寄った村で、リアは名のある魔法使いと見込まれ、村人達から近くに住み着いたトロールの退治を強引に依頼されてしまう。しぶしぶ北の岩屋に向かうリアだが・・・?

ゲームシステムはコマンド入力式で、移動先に自由があるタイプのフィールド探索ADVである。ローマ字入力、カナ入力の両方に対応しており、「ハナス」「ミル」といった日本語コマンドで進行していく。

シナリオは、村を悩ませている悪霊を退治するため、主人公の少女リアが数種類の魔法を駆使して冒険を繰り広げる流れである。ボリューム感はないが、謎解きに適度な歯ごたえがあり、マニュアルと作中のヒントだけで正解が導けるよう工夫された、丁寧な作りとなっているのが印象的である。

作風はほんわかとしたギャグタッチで、ビジュアルも頭身の低い可愛らしいものとなっている。色々と隠しコマンドが仕込まれているのも特徴で、本筋とはあまり関わりがないが、サービス要素として段階的な脱衣CGも含まれていた。アダルト要素はその一点で、規制のなかった当時としては、一般ゲームのお色気サービスといった印象である。

開発元の帝国ソフトは同人ゲームの先駆けといわれており、本ソフトも元々は同人作品だったものが、翌年に九十九電機から市販品として販売された経緯を持つ。市販品は一枚のフロッピーディスクでPC-8801とFM-7の両ハードに対応しているという、珍しいハイブリッド仕様だった。

個人的な印象として、基本に忠実、アドベンチャーの王道、といった感じで草創期のアドベンチャーゲームの良さを再認識させられる作品である。尚、タイトルの妹子(でし)は一般的な日本語表記ではなく、弟子に対する造語と思われる。

調査担当