プライベート・スクール プライベート・スクール
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©1989 ELF
PRIVATE SCHOOL (エルフ)

・1989年03月13日 PC-8801用 FD版
・****年**月**日 PC-9801用 5インチFD版 3.5インチFD版
・****年**月**日 MSX2用 FD版

80年代末の作品で、美人ばかりの女子寮に隠された謎に迫る探偵物風のアドベンチャー。『ドキドキ!シャッターチャンス!!』とその追加データ集シリーズに続くエルフ最初期の作品である。

主人公「竜次」は、赤ん坊のお守りから工事現場の作業員まで何でもこなす「なんでも屋」である。ある日、竜次の所に奇妙な依頼が一方的に舞い込んできた。依頼者の男子大学生は、性格も見た目もまるで別人になり、音信不通になってしまった恋人の心変わりの理由が知りたいという。竜次はさっそく当の女子大生「菊奈」が住む女子寮に向かうが、なかなか彼女に会うことは出来ず、やがて大学や女子寮に不審な点がいくつも浮かび上がってくるのだった。

コマンド選択型のアドベンチャーで、システムや作風はフェアリーテールの『LIPSTICK. ADV』の流れを汲んでいる。聞き込みを繰り返して事務所で情報を整え、シナリオ進展の端緒を探っていく。行き先はさほど多くないが、必要なフラグが非常に多いため、同じ箇所を何度も巡ってコマンド総当りなど、攻略には地道な作業が必要な長編作品となっていた。

シナリオは掃除人となって女子寮に潜り込んだ主人公が、10人の個性的な女子大生の各部屋を巡って会話を交わしたり、大学の受付嬢や依頼人と会って情報を仕入れていく展開で、一部にプレイヤー自身の謎解き要素が含まれていた。特定のヒロインはなく、主人公は腕っぷしが強いものの三枚目で、全体的にギャグ傾向が強い。

性行為の描写はなく、露出は入浴シーンなどの裸までで、アダルト要素は乏しい。

個人的な印象としては、攻略の手間の多さにストレスを感じたものの、細部で推理する楽しみがあり、最後まで予断を許さない緊張感のある展開が嬉しい。ただ、アダルト要素の不足はどうしてもネックで、本作の評価を下げる主要因となっているようだ。

調査担当