PURE クイーンソフト PURE クイーンソフト
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©1989 Queen Soft
PURE (クイーンソフト)

・1989年05月**日 PC-8801用 FD版
・****年**月**日 PC-9801用 3.5インチFD版 5インチFD版

80年代末の作品で、学校を舞台に軟派な男子生徒が4人の女の子達を攻略していく、ナンパ系のアダルトアドベンチャー。クイーンソフトのデビュー作である。

主人公「田所 信」は、転校を一ヶ月後に控えたある日、奇妙な脅迫状を受け取る。差出人には片想いの女の子がおり、その子が入学時から信に惹かれていてなびかないため、信が引っ越す前日にレイプするというのだ。助ける為には期限までにその女の子を特定し、前日の夜に一緒に過ごさなければならない。候補に挙がったのは4人の美人達。信は友人達の助けを借りて、女の子達と仲良くなる隙を窺っていく。

システムはコマンド選択型である。行き先は「華道部」「体育館」「テニス部」といった学校内の施設6箇所で、それぞれを繰り返し巡回し、コマンド総当りで重要アイテムや新たな情報を引き出していく流れとなっていた。

シナリオは二枚目風で女泣かせな主人公が、女の子を一人一人口説き落としてベッドインし、事後に人違いが判明するのが基本パターンの一本道である。女の子はパソコン好きな華道部員、生徒会の書記、テニス部員、バレー部のマネージャーなどで、いずれも人当たりの良い清楚な印象となっている。

ビジュアルのレベルが非常に高く、PC-9801版では640×400ドット、16色で描かれた丁寧な仕上がりになっている。Hシーンはテキストでのセックス描写がなく、1人あたり2枚のCGが淡々と表示されるだけだが、一方で局部の修正は甘く、色の置換だけなので形状は丸分かりである。

続編として『PURE 2』が続いている。

個人的には、やはりビジュアルのクオリティが印象的で、同期の作品の中でも一際目立つ存在だが、展開の粗さや掛け合いの寒さが足を引っ張っていると感じた。また、コマンドの種類が多い割に応答パターンの作りこみが浅く、操作性の悪さも手伝って冗長さを感じさせるのが残念である。

シナリオ面では主人公の目的が男女交際にないため、恋愛ADVとまでは言えないが、80年代末の段階で恋愛ADVの一歩手前、「プレ恋愛ADV」と呼べそうな所まで来ていたのが確認できる。

調査担当