晴れのちおおさわぎ! 晴れのちおおさわぎ!
晴れのちおおさわぎ! 晴れのちおおさわぎ!
©1989 F&C Co.,Ltd.
晴れのちおおさわぎ! (カクテル・ソフト)

・1989年09月**日 PC-9801用 3.5インチFD版 5インチFD版
・1989年**月**日 PC-8801用 FD版
・1989年**月**日 X68000用 FD版
・****年**月**日 MSX2/MSX2+用 FD版

80年代後半の作品で、のどかな学園を舞台に怪奇現象の謎を追っていく探索アドベンチャー。

舞台は地方都市の郊外、山に囲まれた平凡な学園。学園では不気味な人影を目撃したり、おかしな音を聞いたという生徒が相次いでいた。不真面目な生徒会長「たかし」は、校長から依頼され、腐れ縁のオカルト研究部長「葉子」と共に事件の捜査に乗り出した。秘密の通路を発見し、痴漢を捕らえた事で事件は解決したかに見えたが・・・。

システムはコマンド選択型で、移動先に自由があるタイプの探索ADVである。捜査情報の整理やセーブを行える「生徒会室」を基点に、幽霊事件の証言者である4人の女の子達の部室や事件現場などを巡り、コマンド総当りで手がかりを見つけ、移動先を増やしていくのが基本的な流れである。ゲームオーバーはなく、移動先、コマンド数は少なめで難易度は易しい。

シナリオはやや軽薄な主人公が、始めは嫌々ながら捜査していたものの、女の子達と親しくなりたい一心で怪奇現象を追っていく内に、やがて大きな事件に巻き込まれ、使命感に目覚めていく一本道のストーリーである。全体の印象はコミカルなギャグ作品だが、終盤になるほどシリアスな雰囲気になっていく。

アダルト描写は時折着替えなどが覗ける他は、クライマックス付近に集中している。オカルト研の部長、陸上部、演劇部の女の子、テニス部の後輩、図書部の先輩などが登場するが、本格的なセックス描写はメインヒロイン一人だけで、他4人は寸止めに止まっており、全体的にアダルト要素は控えめである。陰部にモザイクなどの修正はないが、はっきりと描かれている訳ではなく、グラデーションで形状がうっすらと分かる程度になっていた。

続編に『晴れのち胸さわぎ』(1995)、『晴れのちときどき胸さわぎ』(1997)がある。

個人的な印象としてはビジュアルのレベルが高く、シナリオも筋書きは陳腐ながら、当時のアダルト作品としてはよく出来ている方で、緊迫感あり、笑いありのバランスの取れた構成になっている。アダルト要素の少なさ、取ってつけた感がネックになっているが、カクテルソフトの名を高めた作品といっていいだろう。

調査担当