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©1992 ALICESOFT
Dr.Stop! (アリスソフト)

・1992年04月15日 PC-9801用 3.5インチFD版
・****年**月**日 X68000用 FD版
・****年**月**日 MSX2用 FD版
・****年**月**日 FM-TOWNS用 FD版
・1997年12月18日 Windows95用 CD-ROM 『ALICEの館4・5・6』に収録
・2003年04月11日 配布フリー化宣言

90年代序盤の作品で、総合病院を舞台にしたコミカルなアダルトアドベンチャー。

主人公「たくみ」は二枚目で女好きの若手医師である。大きな総合病院に内科医として勤務しているが、受け持つ入院患者は入院好きの超VIP、悲劇のヒロインごっこの少女、自殺未遂の常習犯、酒癖の悪いホステス、我侭なアイドルなど、変テコな奴ばかりで騒動の連続。さらに医師間の派閥争い、カルテ偽造、死体の損壊などシリアスな事件も絡んできて…?

システムはコマンド型で、当時一般的な移動先に自由があるタイプの探索ADVである。各病室や看護婦詰め所、他科の診察室、売店、屋上などを巡り、情報を聞き込んだり、紛失物を捜索していく流れとなっていた。テキスト主体なのが非常に特徴的で、メッセージウィンドウも文字サイズも非常に大きく、CGは時折出てくるという珍しい形態である。行き先やコマンドの種類が多く、難易度はやや高めである。

シナリオは6章に分かれていて、章ごとに日付は飛ぶようである。基本的には、スケベでお調子者な主人公が爆弾事件や標本の紛失、患者の脱走、暗殺者などの珍騒動に巻き込まれていく明るくコミカルな展開だが、終盤には死体にまつわる陰惨なエピソードが登場し、驚きの結末を迎えるという猟奇的なストーリー性も備えていた。

テキスト主体のゲームということで、同時期の『弟切草』(チュンソフト)を想起させるが、サウンドノベルほど徹底したものではなく、挿絵入りのテキストアドベンチャーといった印象の実験的な作品である。アダルトシーンにさえCGがない箇所があり、その分テキストでの描写に力が入っているのが感じられる。背景として、まだアダルト作品でもゲーム性が大事にされていた時期だが、その上でストーリー性も高い物が話題になり始めた時代だった。

調査担当