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©1994 ALICESOFT
AmbivalenZ ~二律背反~ (アリスソフト)

・1994年04月28日 PC-9801用 5インチFD版 3.5インチFD版
・1994年04月28日 X68000用 FD版
・1994年06月**日 FM-TOWNS用 CD-ROM版
・****年**月**日 Windows3.1用? CD-ROM版
・****年**月**日 Windows3.1/95用? CD-ROM版
・****年**月**日 Windows95/98用? CD-ROM版

90年代中頃の作品で、現代日本を舞台にしたダークファンタジー系のアダルトアドベンチャー。

数百年前、王国に仕える騎士だった主人公は、最愛の姫「シィア」を守りきれず、目の前で邪神の生贄として惨殺された上、自身はドラゴンの呪いを受けて不老の体になってしまう。それ以来、彼は邪神「ディアドラ」に復讐を果たすため、ドゥエンディと呼ばれる闇の怪物たちを狩り続けていた。そして現代の日本。今は「修羅」と名乗っている主人公は、相棒の剣の精霊「草薙」、占い師の老婆「笙姫」、怪しい神父の「有馬」らと協力し、街で起こる怪奇事件に関わっていく。その最中、シィアの生き写しの少女「花梨」に出会ったことから、凍てついてた修羅の内面は少しずつ変化をみせはじめた…。

システムはコマンド型のADVである。情報やアイテムを求めて街中を巡回する通常のADV、建物内(ダンジョン)のマップ上をカーソル移動で探索していくモード、敵とのコマンドバトルなど、複数の形式が組み合わされている。シナリオの流れや雰囲気はRPG風だが、主人公にパラメータはなく、敵の出現場所は固定である。

戦闘は「呪術」「斬る」「防御」などのコマンドの組み合わせで、順番を数回間違えるとゲームオーバーを迎えるため、慎重さが必要である。

ストーリーは妖艶な邪神ディアドラが、主人公を弄ぶために次々と刺客を繰り出し、主人公が周囲の協力を得てこれを撃破していくのが基本の展開である。男性型の敵(ドゥエンディ)は異形な姿をしていて、剣で斬ることで殺すことができるのに対し、女性型は人に近い姿をしていて、男性型よりも強く、男の精液でなければ殺せない。このため、女性型が各章のボス的な存在にあたり、主人公が犯すことで新たな章へ進む流れとなっていた。

作風は当時のアリスソフトには珍しく、重くシリアスな雰囲気で、主人公はハードボイルドな性格である。また、グロテスクな敵キャラ達やスプラッターな残酷描写も印象的である。

アダルト要素は味方の協力者との術式や、撃破した女性型の敵を殺す手段として登場する。こちらもコマンド進行となっていて、前戯などの手順をある程度踏まないとフィニッシュできない仕組みになっていた。

個人的な印象として、緊迫感のある展開と悲劇的なロマンスに比重を置いた作品で、ボリューム感もあり、そこそこ読ませる展開である。モンスター達のデザインの奇抜さ、CGの詳細さも光っていて、本作のもう一つの見所といえるかもしれない。難点はマップ上での操作が扱いづらい点で、ゲーム性は物足りず、アダルト要素も今ひとつである。

調査担当