虜虜
虜虜
©1996 D.O. / Contents Traffic,Inc.
 (D.O.)

・1996年10月11日 Windows95用 CD-ROM版
・1999年09月10日 Mac OS 8用 CD-ROM版
・2000年01月28日 Windows98用 DVD-ROM 『虜2虜』に収録
・2001年06月15日 Windows2000用 CD-ROM 廉価版
・2006年05月05日 ダウンロード販売開始 【DLsite】【Gyutto】【DL.Getchu

90年代中頃の作品で、男性教師が女子生徒を監禁し、理想の男女関係を強いていくSM系の調教シミュレーションゲーム。

主人公は表向き、平凡な生活を送る新米の学園教師である。しかし、女生徒を乱暴に犯したいという欲望を常に抱いており、教え子の「田村 麻美」に目をつけ、雌豚として荒っぽく飼い慣らしていた。そんなある日、主人公は麻美からある計画を持ちかけられる。家族の復讐のため、清楚で大人しい美少女「佐伯 由美子」を、夏休みに人里離れた別荘に監禁し、徹底的に調教して欲しいというのだ。主人公はリスクを覚悟の上で、麻美に準備を整えさせ、由美子を従順な性奴隷に仕上げる危険なゲームに挑んでいく…。

ゲームシステムは、かなり本格的な育成SLGである。7月20日から8月31日までの間、一日2回ずつ、3人のヒロインの中から一人を選び、「快楽調教 バイブ」「被虐調教 鞭」「羞恥調教 排尿」といった2段階のコマンドでプレイを選び、パラメータを育成していく。

「意識」が0になると失神してペナルティが発生し、「体力」や「理性」が0になるとゲームオーバー、逆に体力や理性が満タンだと逃亡したり、自殺したりでゲームオーバーを迎える。他にも病気や生理、無気力などの状態異常でパラメータが削られるため、健康状態に気をつかいつつ、生かさぬよう殺さぬよう、しつけ的なプレイで「従順」を上げ、セックスの中で「快楽」「恥虐」「被虐」を育てて、心と体を慎重にコントロールしていく必要がある。

ゲームクリアするためには、三人共それなりに高水準に仕上げなければならないが、パラメータは減りやすく上がりにくく、状態異常は頻繁なため、常に忙しく目を配らなくてはならない。また、コマンドの種類は30種類と豊富で、ヒロイン毎にパラメータ変化も異なるため、全て把握して使いこなすには、かなりの経験を要する。難易度が高く奥行きのある育成SLGといえるだろう。

ヒロインは、純情可憐なお嬢様、ドMで共犯者の薄幸な少女、親友のピンチを救おうとして巻き込まれた、強気なスポーツ少女の三人である。最初は拒絶一色だったヒロインも、調教が進むにつれ、体の変化に戸惑い、容赦のない悪罵に心を折られ、やがて愛されようと積極的に媚び始める。最終日のパラメータの状態により、一人当たり3、4種類の個別エンドを迎える仕様となっていた。

アダルトCGのボリューム感は高く、バラエティ豊かである。通常の愛撫、セックスに始まり、アナル開発、放尿や浣腸プレイといった変態プレイ、縛り、拘束、剃毛、鞭、蝋燭といった通常のSMプレイ、刃物、三角木馬、首絞め、フィストファック、薬物といったハードで過激な描写を含んでいた。

当時としては珍しく、Windows版が先行した作品で、ヒロイン達はオリジナル版からフルボイスである。その代わり、ヒロインの台詞はメッセージウィンドウに一切表示されないという、後世からみると妙な仕様になっている。

シリーズの2作目として『虜2』(1997年)が続いている。また、ゲーム内容はそのまま、CGを実写化した『虜 実写版』(1999年)があり、D.O.自ら制作を手がけている。

ディレクター、ゲームデザイン、原画、シナリオにいたるまで、広崎悠意氏が幅広く兼務した作家性の強い作品である。個人的な印象としては、かなりゲーム性に凝っており、上級者好みのやり込みゲームいえるだろう。また、主人公が自身のサディズムについてプライドを持ち、独特の美学を語り、ヒロインを落とした後も、露ほども甘い顔をしないのが異様で、“本物”の凄味を感じさせる作品である。


公式HP
http://www.do-game.co.jp/r18/products/%E8%99%9C/


調査担当