ランス4.1ランス4.1
ランス4.1ランス4.1
©1995 ALICESOFT
ランス4.1 -お薬工場を救え!- (アリスソフト)

・1995年12月01日 Windows3.1/ PC-9821/ FM-TOWNS兼用 CD-ROM版
・****年**月**日 PC-9801用 3.5インチFD版
・2006年09月**日 配布フリー宣言

90年代中頃の作品で、鬼畜な冒険者を主人公にしたミニRPG。ランスシリーズの5作目で、二部作の前編にあたり、後編にあたる『ランス4.2 -エンジェル組-』が間もなく続いている。定価は4800円のミドルプライスだった。

前作『RanceⅣ -教団の遺産-』(1993年)の後、遊び呆けて金が無くなったランスは、一攫千金を狙って大きな仕事を引き受けた。大企業「ハピネス製薬」の依頼で、工場の地下にできた洞窟に入り、モンスターが発生する原因を探って破壊して欲しいというのだ。人工生命体あてな2号をお供に、ランスの鬼畜な冒険が再び始まる。

ゲームは単一ダンジョンを探索するRPGである。固定画面の2Dダンジョンをコマンド操作で歩き回り、オートマッピングで(あてな2号の)手書き風地図を完成させていく。途中、毒ガスやモンスターの妨害などで進めない箇所があるので、怪しい場所を探索したり、地上を行き来したりで重要アイテムや情報を入手し、1つずつ問題を解決していく謎解き部分が主なゲーム要素となっている。

シナリオは、我侭でスケベな冒険者の主人公が、大金を目指してダンジョンを攻略すると同時に、製薬会社の受付嬢や研究者、競争相手となる女冒険者に目をつけ、セックスする隙を窺っていく流れである。シリーズで初めて、真面目な奴隷シィルが相方を離れ、頭のゆるい人工生命体あてな2号がパートナーを務めている。また、準レギュラーとして女好きの僧侶「言裏」、カード使いの「キサラ」が初登場している。

立ち絵がない代わりに、目の粗いドット絵の姿が頻繁に登場するのが独特で、会話シーンやアクション、情景描写に使われている。ちなみにいかにも動きそうだが、全て静止画である。

他にも風変わりな点があり、一応はレベルアップありのRPGなのだが、敵は固定配置で、レベル上げの必要もなく、育成要素には比重がない。HPと体力のゲージが別々になっている点も奇妙である。攻撃を受けると両方削られ、HPが減ると怪我が重くなり、体力がなくなると気絶する。どちらかが0になれば戦闘不能である。

続編の『ランス4.2 -エンジェル組-』とストーリーが繋がっており、合わせて一本の作品といえる。シリーズは『鬼畜王ランス』(1996年)、『ランス5D』(2002年)、『ランスⅥ』(2004年)…と続いた。

個人的な印象としては、デフォルメや手書き風の演出が多用されており、過去作と比べて、ゆるくコミカルな雰囲気が目立ってきている。作風はボリューム的に小粒で、色々なアイデアが十分に煮詰めないまま詰め込まれている印象である。アリスソフトらしい、あけっぴろげで実験的な小作品といえるだろう。


ランスワールドノート【公式】
http://www.alicesoft.com/haniwa/rance/series/post-24.html


調査担当