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©1996 ELF
下級生 (エルフ)

・1996年06月07日 PC-9801用 3.5インチFD版 5インチFD版
・1997年04月25日 セガサターン版 (18歳以上推奨) 【Amazon】【駿河屋
・1998年06月26日 Windows95/98用 CD-ROM版 (ボイス付きリニューアル) 【駿河屋
・2000年06月23日 Macintosh用 CD-ROM版 【駿河屋
・2008年07月25日 ダウンロード販売 『オリジナル復刻版』 【DMM
・2015年02月26日 ダウンロード販売 『1&2コンプリートパック』 【DMM


90年代中頃の作品で、学園を舞台にクラスメートや下級生など、様々な女の子を口説いていくアダルトアドベンチャー。恋愛シミュレーションと呼ばれることもある。『同級生』『同級生2』の流れを汲む作品で、この年を代表する大ヒット作となった。

(あらすじ) 主人公「けんたろう(名前変更可)」は喧嘩が強く、女好きで有名な卯月学園の3年生。部活もなく、進路も成り行き任せな彼は、土日を使って同級生や下級生、担任の教師、バイト先の同僚、花屋の店員など様々な女の子に声をかけ、仲良くなる隙を窺っていく。1年後の春、果たして彼はどんな未来を迎えるのか…?

ゲームシステムは前シリーズの流れを汲む、スケジュール管理型のADVである。スクロールする2Dマップ上を、自キャラを操作して歩き回り、教室、テニスコート、花屋、喫茶店、家などに通い、出会った女の子と会話を重ねることで好感度を上げ、イベントを進展させていく仕組みである。

行動毎に時間が経過するタイプで、重要イベントの発生に厳しい条件があるため、自力攻略はセーブ・ロードを繰り返しつつ、自分なりのスケジュール表を作っていくことになる。行き先もヒロインの数も多く、期間は長大なため、難易度の高いやり込みゲームとなっている。

『同級生2』と大きく異なるのは、好感度上げに様々な手段がある点や、デートの行き先を好きに選べる点など、恋愛SLG的なパラメータ育成要素が目立つところである。また、出没パターンが毎週変わらないヒロインが多い点からは、ヒロインを「探す」ゲームだった同級生に対して、ヒロインの元に「通う」ゲームといえる。

更に、ゲーム内日数の長さと、操作が土日しか行えない点も特徴である。数週間から数ヶ月をかけてヒロインの好感度を上げると、土曜日にデートに誘い、日曜日に一緒に出かけられるようになる。更に数週間かけてデートを繰り返すと、別れ際に路上で抱擁、キスをしても嫌がられなくなる。やがて、デート後にセックスに誘うとOKが出る瞬間が訪れ、3回4回とデートを重ねることでセックスに慣れていき、最終的に積極的に奉仕してくれるところまで描かれる。一人一発が普通だった当時の恋愛物の中では珍しい。

ヒロインは清楚な同級生、はすっぱな同級生、おっとりした巫女、クールな美術部員、高飛車なお嬢様、主人公を盲目的に慕う後輩、ツンケンした後輩、子供っぽい後輩、親身な担任教師、花屋の店員、魚屋の跡取り娘、バイト先の同僚、謎の宇宙人の13人である。

ストーリーは、当初はヒロイン達に適当にあしらわれていた軟派な主人公が、頻繁に言葉を交わす内に、暴漢に襲われる場面に居合わせたり、失恋後の支えになったりで、重要イベントを境に恋愛対象になる流れである。マルチエンディングだが、複数ヒロインの同時攻略が可能で、デート中に他のヒロインと出くわす気まずい展開、ヒロインの強烈な嫉妬、浮気帰りを待つけなげなシーンなど、一部に後ろめたい恋愛描写を含んでいる。

続編に『下級生2』(2004年)があり、ソーシャルゲーム『同級生~Another World~』(2016年)に本作のヒロイン達も登場している。派生作品に小説版、OVA版があり、OVAを再編集してTV放送されたこともあった。後に完全オリジナルのTVアニメが放送されている。

個人的な印象としては、CGの枚数、難易度、プレイ時間、アダルト要素、全て重量級の大作で、気軽に楽しめる雰囲気ではなく、根気よくじっくりと取り組む必要がある。一人狙いの純愛プレイも可能だが、その場合は暇すぎて退屈である。この作品の醍醐味はやはり、純情な女の子を相手に三股も四股もかけ、女になっていく変化を楽しみ、スリリングな日常と罪悪感を味わっていく、女たらしシミュレーションといえるだろう。


調査担当