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©2012 PULLTOP

この大空に、翼をひろげて
 (PULLTOP)

・2012年05月25日 Windows用 DVD-ROM 初回版 【Amazon】【駿河屋
・2012年07月13日 Windows用 DVD-ROM 通常版 【Amazon】【駿河屋
・2013年01月25日 Windows用 DVD-ROM 『FLIGHT DIARY 本編同梱パック』 
・2013年04月26日 ダウンロード版 配信開始【DMM】【Gyutto】【DLsite
・2014年07月25日 Windows用 DVD-ROM 『COMPLETE BOX
・2016年03月31日 PS Vita用 『CRUISE SIGN』 限定版 通常版
・2016年03月31日 PS3用 『CRUISE SIGN』 限定版 通常版
・2016年04月22日 Windows用 DVD-ROM 『メモリアルフライトパック


10年代序盤の作品で、グライダーのソアリング(滑翔)にかける青春を描いた学園物のアダルトアドベンチャー。萌えゲーアワード2012において、最高位となる大賞部門金賞を受賞している。

(あらすじ) 舞台は近未来的な学園都市、風ヵ浦。ロードレース中の事故で選手生命を絶たれ、絶望の中で故郷に帰ってきた主人公「碧」は、風車が立ち並ぶ丘で、車椅子の少女「小鳥」と出会った。パンクで動けない小鳥を助ける碧。その時、2人の上空をグライダーが颯爽と駆けていく。男子学生ながら女子寮の寮母として働く碧は、他人を寄せ付けない小鳥に手を焼くことになるが、そんな彼らを繋ぎとめたのもグライダーだった。誰かが残した日記の最後の一行に導かれ、少年少女たちは潰れかけたソアリング部を建て直し、珍しい気象現象の起こす不思議な空に焦がれていく。

ゲームシステムは選択肢分岐型で、鑑賞メインの少選択肢タイプである。共通パートでの選択肢により、後半はヒロイン個別パートに分岐する。一度のプレイでオープニングムービーが2箇所あり、終盤とみせて新たな始まりを迎えるサプライズ演出となっていた。また、グライダーの飛行シーンの一部に3DCGが取り入れられており、躍動感のある演出となっている。

ストーリーは、最先端な工業系の学園を舞台に、重い事情を抱えた4人の学生がソアリング部に集まり、壊れたグライダーを修復し、トラブルや教員からの妨害を乗り越えつつ、「モーニンググローリー」と呼ばれる珍しい雲の上を飛ぶことを目指す青春物語である。その最中、主人公が気になるヒロインを支える中で恋が芽生え、彼女たちの抱える事情に踏み込んでいく。

ヒロインは、強情で助けを借りるのが苦手な車椅子の同級生、気さくでお節介焼きの幼馴染、天才的な頭脳を持ちながら、何年も留年を続けるのんびり屋の先輩、性格が両極端な双子の姉妹、の合計5人となっている。

アダルトシーンは1人当たり4箇所ほどである。また、予約特典として本編中のHシーンが1人1つずつ増えるアペンドディスクが付属していた(後に有料にてDL販売開始)。

ファンディスクに『この大空に、翼をひろげて FLIGHT DIARY』(2013年)があり、ヒロインの一人、小鳥をフィーチャーした『この大空に、翼をひろげて snow presents』(2014年)が続いた。関連商品は抱き枕カバー、ドラマCD、サントラ、マグカップ、スマホスタンド、スマホケースなど多数。

個人的な印象としては、丁寧に作られた爽やかな青春ストーリーで、時に熱い展開をみせたり、音楽と映像のマッチングで魅せるシーンがあったりと、総合力に優れる作品である。キャラクターはオリジナリティがあり、かつ魅力的で、アダルト要素もシナリオメインの作品の中では充実している。

この作品が登場した2012年は、東日本大震災(2011年3月)から一年後にあたり、風力や太陽光などの再生可能エネルギーに社会の大きな関心が集まっていた。その影響はフィクションにも及んでおり、本作品はその中でも特に、クリーンな近未来のイメージを反映しているように感じる作品である。


公式HP
http://konosora.jp/





調査担当