雪鬼屋温泉記雪鬼屋温泉記
雪鬼屋温泉記
雪鬼屋温泉記
©2011 ソフトハウスキャラ
雪鬼屋温泉記 (ソフトハウスキャラ)

・2011年06月24日 Windows用 DVD-ROM版 【駿河屋】【Amazon
・2016年01月22日 ダウンロード販売開始 【DMM


10年代序盤の作品で、温泉旅館をテーマにした経営シミュレーションゲーム。ゲーム性重視の作品を数多く手がけるソフトハウスキャラの17作目。

(あらすじ) 舞台は田舎の村のはずれ、山々に囲まれた温泉旅館「雪鬼屋」。その跡継ぎを目指していた主人公「佐吉」は、大学卒業を目前に控え、親代わりだった祖父母の急死に見舞われる。祖父母の遺言により、雪鬼屋の相続には条件がつけられた。それは佐吉が自ら経営を行い、期限となる3年の間に経営を軌道に乗せること。雪鬼屋を守るため、条件を受け入れた佐吉は、立地条件の悪さに苦しみつつ、敏腕で鬼教官の女将、凄腕の料理人、仲居たちの力を借り、村の人々との共生関係の中で旅館を盛り立てていく。ところが、雪鬼屋には佐吉も知らない秘密があって…?

ゲームシステムは、ターン制の経営SLGである。一ヶ月ごとに温泉や客室、売店などの施設の増設、旅館内イベントや強化月間の開催、新商品や村おこしへの投資、ビラ配り、他業種との提携、雑誌やTVへの広告契約などを指示していく。

難易度は、コツを掴むまで結構かかり、特に建物の配置や出資のサジ加減に戦略性がある。温泉や遊戯施設は客室に隣接できなければ効果が薄く、マップ画面は狭い。そのため、まずは各施設の配置で悩むことになる。また、災害や犯罪対策、従業員の育成、投資や広告なども身の丈に合わせて慎重に行う必要があり、そのバランス調整がゲーム要素となっている。

ブランドの特徴で、ヒロインは周回毎に固定である。一周目はヒロイン無しだが、クリアすることで従業員と資金の一部を引き継ぐことができ、「弓音モード」が開放される。弓音モードでは幼馴染の一人が仲居として登場し、深く結ばれるまでの恋愛ストーリーが自動的に展開していく。同様にして、三周目、四周目とこなすことで新たなゲームモードが追加され、難易度は徐々に上がり、クリア済みのヒロイン達が仲居として、ストーリーの最初から登場するようになる。

ヒロインは暴力的で照れ屋な許婚、快活で大胆な後輩、怒りっぽい村の有力者の娘、甘えん坊な獣人、気まぐれな料理人、謎の多い雇われ女将の6人で、一周目やフリーモードを入れると9つのモードを楽しめるようになっていた。

アダルトCGは1人あたり5枚ほどだが、アダルトSLGの特徴で、セリフやCGに変化をつけたバリエーションが豊富である。基本的に一対一の和姦だが、一見平凡な主人公が、セックス時だけは熟練で強気、絶倫、節操がないのがストーリー上の特徴になっていて、時に強引なやり方で女性達を蕩かしていく。また、イベントCGでの客のポロリ、作中作として陵辱系のショートストーリーなどのオマケも備えており、やり込み要素となっていた。

個人的な印象として、ブランドの処女作『葵屋まっしぐら』(2000年)との繋がりを感じさせる作品で、実際に葵屋もライバル店の1つとして登場し、ストーリーにも深く関わっている。設定もかなり似ているが、全体的に野暮ったかった葵屋に対し、こちらは遙かに洗練されており、手軽で軽快な経営SLGに仕上がっている。10年の経験を経て、野生的に鍛え上げられた葵屋と言えるかもしれない。


公式HP
http://shchara.co.jp/04develop/17yukion/00top.htm


調査担当