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©1994 D.O.
雑音領域 (D.O.(ディーオー))

・1994年12月16日 PC-9801用 3.5インチFD版 5インチFD版 CD-ROM版
・****年**月**日 FM-TOWNS用 CD-ROM版
・1996年01月19日 Windows95用 CD-ROM版
・2001年08月31日 Windows98/ME/2000用 CD-ROM 『D.O.Classics Vol.1』(リメイク版)
・2006年09月22日 ダウンロード販売開始(リメイク版) 【DLsite】【Gyutto】【Getchu】【DMM

90年代中頃の作品で、美しい姉妹が暮らす館を舞台にしたホラーアドベンチャー。原画、シナリオの両方を広崎悠意氏がつとめている。

主人公「松本直人」は若手の脚本家。義妹の「真理子」を乗せ、田舎の養父母の家から東京へ戻る途中、休憩のためにインターチェンジを降りた直人は、迷って山道をさまよう内に、助けを求めるメイド「弥生」と、高圧的なお嬢様「蒔絵」に出会った。蒔絵に促されて彼女たちの館に滞在することになった直人は、5人の姉妹が一族の規律という異様なルールに取り憑かれているのを目の当たりにし、真理子と弥生を連れて屋敷を出ようとするが…?

システムはシルキーズの『河原崎家の一族』(1993)に似た、選択肢分岐型のADVである。「地下室を調べる」「立ち去る」といった2~3択の選択肢が頻繁に現れ、複雑に分岐と合流を繰り返していく。その辿った経路により18種類のエンディングを迎える仕組みとなっている。一周あたりのボリュームは短いが、分岐が複雑で総当りが通じにくく、難易度は高めである。

シナリオは常識人な主人公が、崖崩れに阻まれて人里離れた洋館に滞在する中で、独善的なルールを姉妹や使用人に強要する館の主、蒔絵に反発し、様子のおかしい義妹を連れて館からの脱出を目指していく。一方で、自身の欠落した記憶や夢の中に現れる女の言葉に興味を引かれ、館の秘密に足を踏み入れてしまう、といった流れである。全編通してシリアスで重苦しい雰囲気のサスペンスで、エンディングの大半は主人公死亡によるバッドエンドである。また、SF要素と猟奇性の交じり合った独特の世界観が印象的である。

アダルト要素の大半は、主人公が住人達から誘われて応じる形の穏当な和姦だが、一部に緊縛、剃毛、鞭打ち、三角木馬などのSM要素、薬を盛られて理性を失っての強姦などを含んでいた。また、Hシーンに限らないが流血シーンが多く、女性の痛々しい姿やグロテスクな死亡シーンが登場するのも特徴的である。

派生作品に小説版がある。2001年にはCGを一新し、『D.O.Classics Vol.1』としてリメイクされた。

個人的な印象として、ストーリーがそれほど凝っている訳ではないが、音楽とショッキングな映像が独特の作風によくマッチしていて、アダルト要素もスリルもそれなりに楽しめる作品である。ビジュアルは好みが分かれる所だが、細かい点まで非常に緻密なタッチで描かれ、ボリュームもあり、物語の重厚さを支えている。主に原画を担当していた広崎悠意氏が本格的にシナリオを手がけた初の作品だったようだ。


調査担当