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©1995 ELF
同級生2 (エルフ)

・1995年01月31日 PC-9801用 3.5インチFD版 5インチFD版
・****年**月**日 PC-9801用 HD専用 5インチFD版  3.5インチFD版
・****年**月**日 DOS/V用 3.5インチFD版
・1995年03月31日 FM-TOWNS用 CD-ROM版
・1996年08月09日 PC-FX版 
・1997年07月11日 セガサターン版
・1997年08月07日 プレイステーション版
・1997年08月29日 Windows95用 CD-ROM版
・1997年12月01日 スーパーファミコン版
・2007年07月26日 ダウンロード販売開始 【DMM

90年代中頃の作品で、破天荒な主人公が女の子を口説き落としていくアダルトアドベンチャー。恋愛シミュレーションと分類されることもある。『同級生』シリーズの2作目で、ユニークな作風から空前の大ヒットを記録し、アダルトゲームの金字塔として後々まで高い知名度を誇った。

主人公「りゅうのすけ(名前変更可)」は卒業をひかえた八十八学園の三年生で、数々の悪戯で学校中を騒がせてきた有名人。家族として育った妹同然の「唯」、隣家の幼馴染「友美」からは特別な思いを寄せられているようだが、本人は気付かずにいる。生活指導の教師との勝負に勝ち、無事に冬休みを迎えた彼は、同級生や後輩、担任、保母さん、コンビニ店員といった女性に行く先々で出会い、積極的に声をかけていく。その先には、甘く切ない学生生活最後の思い出が待ち受けていた…。

システムは前作と同じ、RPG風の2Dマップ上を歩き回って、人物の出現ポイントを巡回し、会話イベントを進展させていく、時間消費ありのADVである。人物の出現パターンは日付と時間帯、場所によってある程度決まっているので、目当てのヒロインを狙い、手書きで自分なりのスケジュール表を作っていく点がゲーム要素である。ちなみにこの形式は、この作品をきっかけに流行している。操作は『ELLE』のようなアイコンクリックによるコマンドと、選択肢分岐の併用である。

前作と違うのは、プロローグとして長めの導入部分があり、最初は学園モノのコマンドADVとしてスタートする点である。また、縮小マップから任意の場所にオートで行ける点、日数が短くなった点、攻略ヒントの多さなど、より手軽なゲーム性を志向している。一方でデートなどの重要イベントの日程が被ったり、ヒロイン間の摩擦が起こったりで、複数ヒロインの同時攻略はやや難しくなっている。

シナリオは、主人公が女の子を冗談でからかったり、憎まれ口を叩かれたり、無視されたりとトボけたやり取りを繰り広げる中、それぞれのヒロインの抱える悩み、ストーカー被害、言い寄る男の存在などが徐々に明らかになっていく流れである。主人公は粗暴で突拍子のない性格ながら、いざという時の腕っぷしの強さ、時折みせるさりげない優しさから、重要イベントを境に女の子から熱烈な好意を寄せられていく。セックスに至った相手の中から、最終日に一人を選ぶことにより、個別のエンディングを迎える。

ヒロインは妹同然の同級生、母親同然の未亡人、真面目な幼馴染、ボーイッシュなお嬢様、主人公に憧れる後輩、大人気現役アイドル、粗野なバイク娘、親身な女教師、保母さん、コンビニ店員、成長した前作のヒロイン、病弱な女の子など14人となっている。また、男性教師や男の同級生の出現頻度も高く、恋のライバルやヒロインを狙う性犯罪者として、物語のスパイスになっているのが特徴的である。

アダルト要素は女の子一人につき一箇所で、前作に続き、アイコン操作による愛撫で進行するセックスシーンを受け継いでいる。

ファンディスクに『同級生2 スペシャルディスク』があり、本編の恋模様の裏側が描かれた『卒業生』が収録されている。続編は『同級生3』の開発がアナウンスされていたが、次第に音沙汰がなくなり、いつしか立ち消えになったようだ。一方、並行する新シリーズとして『下級生』が続いた。派生作品に実写版、OVA版、小説版、ドラマCDなどがあり、サントラ、ぬいぐるみ、設定資料集など関連グッズの展開も幅広い。

ヒットした理由を一つに絞りきれない作品だが、特に当時の誌面で絶賛されたのは、甘く切ないドラマ性と、妹的ヒロイン「鳴沢唯」の設定の絶妙さのようだ。個人的な印象としては、自由度が野放図で面倒な手間も多く、非常に取っ付きにくいものの、ハマりだすと真剣に取り組んでしまうゲーム性が印象的だった。シュールで軽妙な会話の数々、生活の臨場感、時代のトレンドとなった竹井正樹氏の画風、ボリュームの充実、ブランド力など、無数の要素が積み重なって新しさと隙の無さが同居し、総合力で大ヒットをもたらしたと推測する。

 
調査担当