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©1995 ALICESOFT
夢幻泡影 (アリスソフト)

・1995年07月07日 Windows3.1/PC-9801/FM-TOWNS兼用 CD-ROM版
・1995年07月07日 PC-9801用 5インチFD版 3.5インチFD版
・1998年11月26日 Windows95/98/NT用 CD-ROM版
・2003年04月11日 配布フリー化宣言

90年代中頃の作品で、厭世的な人物の残り僅かな日々を描くアダルトアドベンチャー。アリスソフトの25作目である。

主人公「久遠(名前変更可)」は、両親の事故死で妹の「世羅」と共に孤児となるが、奇怪な人物「和歌子」に引き取られ、経済学を徹底的に叩き込まれて成人し、若干27歳で日本を支配出来る程の富と権力を持つまでになっていた。そんなある日、久遠は原因不明の病で倒れ、余命幾ばくもないことを知らされる。以前から虚無主義に囚われていた久遠は、高層ビルの最上階を大正時代風のレトロな豪邸に改造し、そこで退廃的な生活を送りながら死を待つことを決意する。果たして彼は、どんな最期を迎えるのだろうか…?

システムは選択肢分岐型のADVだが、自由度とランダム要素があり、かなり風変わりである。主人公が寝起きする自室を基点として、毎朝その日の仕事と、邸内でどう過ごすかを選択していく。仕事は「軍事関係」「服飾関係」といった7種類の事業で、特定の業種を選び続けることでイベントが進行し、シュールなエンディングを迎えることがあった。

また、仕事後の「寝る」「世羅の部屋に移動」「客間に移動」といった選択肢で様々な人物と遭遇し、展開によってはセックスや陵辱プレイに発展していく。この部分にランダム要素や周回要素があり、偶然や周回数によって選択肢が現れたり、前回のプレイ内容により選択肢が出なかったりする変わった仕様となっていた。

ゲームの残り日数は決まっておらず、特定のイベントを進めた時点で終了となる。こなしたイベントや選択肢により、41種類ものエンディングを迎える。このエンディングの傾向も変わっていて、作品自体は暗くシリアスな雰囲気だが、なぜか番外編のような笑いを取る方向のオチにも力が入っており、エンディングの半数を占める。

主な登場人物は主人公と、主人公と一緒に育った男性秘書、同じく一緒に育った妻、実の妹、嗜虐心をそそるメイド、享楽的なメイド、献身的な看護婦、売れっ子の女性アイドル、性別不明の詩人などである。主人公は妹以外にはニヒルで冷淡な態度を取っていて、サディスティックな言動や権力で他人を弄ぶのを好む面もあり、悲惨な最期を迎えることが多い。一方、ごく一部で純愛を獲得し、満足を得る結末も用意されていた。

アダルト要素では、この当時としては珍しく、実の妹との近親相姦が描かれている。当時のソフ倫には、近親相姦や売春といった社会規範に反する行為を、明るく肯定的なタッチで描くことは許されず、暗く否定的な態度で描けば大丈夫、という審査基準があったといわれている。

退廃的な人物を主人公にした陵辱メインのゲームで、後に一般的になるが、時期的にかなり早い段階の作品といえるだろう。耽美、厭世観、終末的雰囲気といった、それまでのアダルトゲームにない要素をもったユニークな作風だったが、個人的には一つ一つの経緯や結末があっさりし過ぎて、ストーリー面での奥行きに乏しく感じるのが残念だった。