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古今のアダルトゲームを広く浅く調査及び成る丈簡潔にご報告致します

『同級生~Another World~』 概要

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©2016 DMM GAMES
同級生~Another World~ (DMM GAMES)

・2016年08月06日 事前登録開始
・2016年09月13日 Android版 サービス開始  【DMM
・2016年11月15日 PC版(Windowsのみ) サービス開始 【DMM】 

10年代中頃にオープンしたアダルトソーシャルゲーム。ポーカーをモチーフにしたカードバトルRPGで、90年代に一世を風靡した『同級生』『下級生』シリーズのヒロイン達が登場する。

基本プレイは無料で、ガチャや行動力回復、敗退時の復活などに使える消費アイテム「ダイヤ」、そして期間限定ガチャが有料である。

主人公(名前は任意)は弥生学園の学生。ナンパが大好きで、先負学園や八十八学園、卯月学園、頼津学園でも噂される有名人である。ふとしたことで、自分の運命が記された「未来日記」を目にした彼は、内容を都合よく書き換え、現実世界に「ネジレ」を生じさせてしまった。それにより、本来ある筈だった女の子との出会いが、不思議な力で妨害されてしまう危機に陥る。主人公は可愛い女の子達と青春の思い出を作るため、「夢仙人のユメコ」と協力し、ネジレを退治していく。

ゲームシステムはソシャゲ系のカードバトルRPGの一種で、ガチャで集めたカードから7枚を選んでデッキを作り、時間経過で回復する「AP」を消費してミッションをこなし、獲得したボーナスでデッキを強化していく流れである。対人要素の「アリーナ」も備えている。

特徴的なのは、戦闘で手札となるカード一枚一枚に「スペードの10」「ハートのQ(クイーン)」といった具合に、トランプ風の役割が与えられている点である。プレイヤーは配られた5枚の手札の中で、要らないカードを捨て、「ワンペア」「スリーカード」「フラッシュ」といったポーカーの役を目指していく。要らないカードを役なし(ブタ)で場に出せば通常攻撃、役付きなら強攻撃となる。ポーカーそのものではなく、ポーカーをモチーフにしたカードバトルといえる。

アダルト要素はカード1枚につき1つで、プレゼントなどで好感度をMAXにした時に発生する。CG1枚にテキストが添えられたADV風で、動きや音声はない。『同級生』『同級生2』『下級生』『下級生2』のヒロイン達が原作に近い設定で登場している他、竹井正樹氏デザインの新規キャラクターも1人加わっている。(2017/07/31時点)

個人的な印象として、カードバトルに戦略性があり、育成要素が複数あり、ゲーム性はそれなりである。また、ネイティブアプリのため動作は軽快で、イベントの頻度も高い。気になるのはオリジナルとの画風の違いで、人によっては抵抗を感じそうだ。BGMや演出で使われる街マップなどで原作ファンへの配慮を見せるものの、作風はごく普通の現代的なソシャゲである。別のゲームと割り切って遊んだ方がいいだろう。


公式サイト
http://dmm.dokyusei-aw.net/


調査担当

『空戦乙女-スカイヴァルキリーズX-』 概要

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©2016 にじよめ
空戦乙女-スカイヴァルキリーズX- (にじよめ)

・2016年03月01日 事前登録開始
・2016年04月27日 『空戦乙女-スカイヴァルキリーズ-』(全年齢版) サービス開始 【昼の部
・2016年04月27日 『空戦乙女-スカイヴァルキリーズX-』(18禁版) サービス開始 【夜の部

10年代中頃にオープンしたPC/スマホ両対応のブラウザゲームで、軍用機を擬人化した女の子たちを率いて戦うソーシャルゲーム。DMM GAMESで提供されていた『空戦乙女☆ヴァージンストライク』(2014年)のリニューアル版。

基本プレイは無料で、期間限定ガチャや回復アイテム、育成サポートなどが有料である。

戦闘機を模した装備「ヴァルキリーアームズ」を身にまとい、人間をはるかに凌ぐ戦闘力をもつ女の子、「空乙女」たちが世界の軍事力と治安を担っている世界。プレイヤーは民間軍事会社(PMC)の新米社長、兼司令官として空乙女たちを率い、クライアントから依頼を引き受け、護衛や調査といった任務の中で敵対する空乙女たちと交戦していく。

ゲームシステムはターン制のコマンドバトルと、ソーシャルゲーム系のRPG要素の組み合わせである。ガチャで女の子たちを集め、5人を選んでユニットを編成し、時間経過で回復する燃料(行動力)を消費して出撃、勝利することでストーリーを進展させていく。出撃は一回一回が戦闘になっているタイプで、対人要素の「演習」と合わせ、簡素なコマンドバトルの連続をこなしていくことになる。

空乙女たちには、モデルとなった軍用機に応じて「戦闘タイプ」「攻撃タイプ」「爆撃タイプ」という三つの属性があり、ジャンケンのような三すくみになっている。敵の属性は戦闘前から分かるので、敵に合わせて編成を手直しし、固有のスキルを交えて戦闘を有利に進める点が戦術要素になっている。

登場する機体はF-14トムキャット、三菱F-1、B-52、Me262シュワルベ、UH-1イロコイといった近現代の戦闘機や攻撃機、爆撃機、軍用ヘリなどである。ストーリーは独特のシュールで緩い世界を舞台に、主人公たちが犯罪組織や敵対する国同士の争いに巻き込まれていくコミカルな展開となっていた。

アダルト要素は空乙女にプレゼントを贈り、親密度をMAXにした時に生じるHシーンである。CG一枚にタップに合わせた音声、動き、吹き出しなどが施されている。

この作品以前に、DMM GAMESで提供されていた『空戦乙女☆ヴァージンストライク』(2014年)という作品があり、本作品の原型となっている。この時、2015年12月のサービス終了後も公式Twitterが毒のある本音トークを展開し、特に企画チームの内情暴露と非難を含む、通称「バックれたPM」がネット上で小さな話題となった。リニューアル後も、公式Twitterは同じアカウントのまま続投している。

個人的な印象としては、一通りの要素が揃っており、ヒロイン達の個性も光っているが、手動で地味なコマンドバトルは古めかしく、やや億劫である。PCブラウザからでは画質が粗く、操作の忙しさからタップが恋しくなるので、スマートフォンからのプレイをお勧めしたい。

※追記 10/19のアップデートで戦闘にオート機能がつき、サクサクの操作性になりました。


公式サイト
http://www.nijiyome.jp/app/top/kusen_otome_x

 
調査担当

『スクールさーばんつ!R』 概要

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©2016 DMM GAMES
スクールさーばんつ!R (DMMゲームズ)

・2016年09月29日 『スクールさーばんつ!』(全年齢版) サービス開始 【DMM
・2016年09月29日 『スクールさーばんつ!R』(18禁版) サービス開始 【DMM.R18

10年代中頃にオープンしたPC/スマホ両対応のブラウザ型オンラインゲームで、学園を舞台にしたソーシャルゲーム系のカードバトルRPG。

基本プレイは無料で、期間限定ガチャや各種サポート、行動力回復アイテムなど一部のコンテンツが有料となっている。

舞台は国内屈指のマンモス校、私立此花学園。やる気のない男子学生の主人公(名前は任意)は、ある日、幼馴染であり生徒会長の「此花 咲夜」から退学処分を言い渡され、失意の中にあった。そこへ現れたのは、神出鬼没で謎めいた同級生「滝島 千夜」。彼女が提案するのは、学園の生徒がそれぞれ持つ従属の証「御免状」を手に入れ、生徒会長を上回る勢力を作る計画だった。主人公は幼馴染を見返すため、千夜の情報を頼りに女生徒を一人一人口説き落としていく。

ゲームシステムは、かなりオーソドックスなソーシャルゲーム系のカード育成、バトルゲームである。ガチャで女の子達のカードを集め、デッキにあたるユニットを編成し、時間経過で回復するスタミナを使って探索を行い、シナリオを進展させていく。

通常の探索には戦闘がないが、ボス戦や突発的なレイドボス戦が発生し、バトルポイント(対決用行動力)を消費して挑戦していく。仕留めれば相応のボーナスが得られる仕組みである。自力では倒しきれない強敵も、救援要請による複数のプレイヤーの協力で対応していく。対人要素の「対決」もあり、ランクアップに応じた報酬が貰える仕組みである。

シナリオは、サボり魔でやる気のない学生だった主人公が、退学処分の取り消しを目指し、面識のない女の子に声をかけていく流れである。会話やデートを通じて次第に仲良くなり、心を開いた女の子が自分から「御免状」を差し出してくるのが基本パターンとなっていた。

カードのレアリティはN、HN、R、HR、SR、SSRの6段階で、HシーンはR以上のカードに用意されており、同じカードを使い続けて好感度をMAXにすることで発生する。R、HRではボイスあり、差分ありで、SR以上のカードでは更に一枚絵を動かすタイプのアニメーションが施されている。

サクサクと進めるテンポの良さが印象的で、無料プレイでもレベルアップや育成、Hシーン解放が夢のように気前がいいタイプの作風である。シナリオもゲーム性も軽めで取っ付きやすく、ストレスのないひと時を期待していいだろう。ちょっとした暇つぶしをお探しの人にお勧めしたい。

特設サイト
http://www.dmm.co.jp/netgame/feature/schoolsv.html


 

調査担当

『プリゲット』 概要

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プリゲット (プリゲット)

・2010年06月**日 携帯向けブラウザ版 サービス開始 【ブラウザ版
・2012年08月01日 Android用アプリ版 サービス開始 【アプリ版

10年代初頭にオープンした独自プラットフォームのオンラインゲーム。『みんなで対戦プリゲット』と表記される場合もある。アダルトソーシャルゲームとしてはかなり早い時期の作品で、おそらく国内最古である。

基本プレイは無料で、イベントガチャや各種サポートなど一部のアイテムが有料である。サービス開始当初はフィーチャーフォン向けのサービスのみだったが、後にスマートフォン、PCと対応の幅を広げている。

強い男が好きなお姫様がたくさん住む世界。プレイヤーは彼女達を振り向かせるため、愛の妖精「プリア」に導かれて己を鍛えていく、といった筋書きである。

ゲームシステムはソーシャルゲーム系のRPGで、時間経過で回復する行動力を消費して依頼(メインシナリオ)を進展させていく点、絶えず期間限定イベントが開催されている点は後の主流と同じである。攻撃用と防御用のステータスが別で、プレイヤー同士でカードの奪い合いがある辺りも、10年代序盤のソーシャルゲームでは広く流行している。一方、時代のせいか個性なのか、サービス開始6年後から見ると風変わりな所も多い。

例えば、戦うのは主人公1人で、主人公の装備品を鍛えたり、アバターを選んだり、レベルアップ後のステータスポイントの割り振りで育成していく。ガチャで引けるお姫様(女の子)のカードは主にコレクション用で、プレイヤーの強さには関わらない。そのため、カードによって入手しやすいもの、入手しづらいものがあるが、UC、R、SRといったレアリティはなく、カード同士の合成や進化もない。

プレゼントや闘気(対人用行動力)を消費して、それぞれのカードの好感度をMAXにすることにより、「一夜を共にする」のコマンドが出現して、一人当たり5枚のHCGがテキスト付きで楽しめる仕組みになっていた。

アバターの存在も、時代の雰囲気を感じさせる原始的な特徴といっていいだろう。他に主人公の職業による特性や対人の相性、所属国(ギルド)、転生システム、プレイヤー間のアイテムの売買、一般公募によるお姫様のデザイン案などがあり、多様性と遊びを生み出している。

本家『プリゲット』が当初から独自プラットフォーム一本で運営を続けているのに対し、他社のプラットフォームに提供された作品として『プリゲット+~輝く夜の姫物語~』(2012年)がある。こちらはプリゲットの世界観を受け継ぎながら、カードバトル要素が強い別のゲームに生まれ変わっている。

『プリゲット+』が誕生する際は、本家プリゲットが独自プラットフォームで15万人以上の登録者を集めたことが広報されており、2012年の時点でそれなりに存在感があったことが伺える。モバイルの性能が発達し、アダルトソーシャルゲームが普通になった後世から見ると同人的な雰囲気だが、その先駆者としての功績と、6年以上続いているという運営力には敬意を払うべきだろう。


公式ブログ
http://blog.priget.jp/


調査担当

『MUV-LUV ALTERNATIVE STRIKE FRONTIER R』 概要

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©2016 âge/ixtl/DMM GAMES

MUV-LUV ALTERNATIVE STRIKE FRONTIER R
 (DMMゲームズ)

・2016年09月12日 オープンβテスト
・2016年09月20日 『ストライクフロンティア』(全年齢) サービス開始 【DMM
・2016年09月20日 『ストライクフロンティア R』(18禁) サービス開始 【DMM.R18

10年代中頃にオープンしたPC/スマホ両対応のオンラインゲームで、ブラウザ型のアダルトソーシャルゲーム。荒廃した世界での過酷な戦いを描くSF作品群『マブラヴ オルタネイティブ』シリーズのスピンオフである。

基本プレイは無料で、レアガチャや各種サポート等に使うDMMポイントが有料となっている。全年齢版と18禁版があり、サービス開始は同時である。全年齢版は末尾の「R」がない。

主人公は横浜に住むごく普通の学園生だったが、ある日、幼馴染の「美乃莉」と共にパラレルワールドへ迷い込んでしまった。そこは主人公たちの世界と似ていながら、歴史が微妙に異なる世界。何より、人類は宇宙からの攻撃的な生命体、「BETA」の侵攻により存亡の淵に立たされていた。元の世界に帰る方法を探す二人は、横浜基地の香月副指令から特別待遇を得て、基地内のある仕事を任される。その内容は、何故か香月の作ったゲーム端末で遊ぶことで…?

ゲームシステムはソシャゲ系のカード育成要素と、ロボット物のアクション要素の組み合わせである。ガチャでパイロットや戦術機と呼ばれる陸上兵器のカードを集め、組み合わせて5機編成を作り、時間経過で回復するスタミナを消費しながら、アクション要素のステージをこなしていく。ステージの進展に伴い、メインストーリーが少しずつ開放されていく仕組みである。

アクション要素は全方位にスクロールする2Dマップ上で、時間内に敵の殲滅や、アイテムの回収を目指す流れである。最大5機編成だが、操作できる機体は常に1機なのが特徴で、使用したいスキルや敵の属性に合わせて機体を随時切り替えていく。攻撃は自動で行われるため、操作は移動やスキルの使用に限られ、ほとんどをAUTOに任せることも可能である。本格アクションではなく、ソーシャルゲームらしい簡素な操作といえる。

メインストーリーは日常シーンが中心で、主人公たちがお馴染みの面々から講義を受けたり、衛士としての訓練を受けたり、平行世界とのギャップによるコミカルなやり取りを繰り広げていく。『オルタ』のキャラクター達が世界観もそのまま登場しており、主人公たちはオルタの中に紛れ込んだゲストのような立ち位置になっている。

他に、パイロットの親密度を上げることで発生する個別のストーリーがあり、レア度SR以上のキャラクター1人につき5段階用意されている。親密度はプレゼントを贈ったり、戦闘で使い続けることで上がるが、同じカードを合成して上限を開放する必要もあり、やり込み要素となっている。

アダルト要素は個別ストーリーの中に収録されているHシーンで、動きなし、ボイスあり、差分ありの描き下ろしHシーンが多数用意されているようである。

この年、『闘神都市』や『夜勤病棟』、『同級生』など、人気IPと呼ばれる往年のヒット作からスピンオフしたソシャゲが次々にオープンしている。本作品の個人的な印象としては、主流のカードバトルに囚われずアクションに挑戦している点、往年の主要キャラがメインストーリーに参加する点に意気込みを感じる。一方、シナリオ性やゲーム性、ビジュアル、エロさはソーシャルゲームとして無難な控えめさである。単品では決定打に欠けるが、世界観に思い入れがあれば、平均的な作品よりずっと楽しめるだろう。


調査担当

『プリゲット+~輝く夜の姫物語~』 概要

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©2013 TSUTAYA Co., Ltd.
プリゲット+~輝く夜の姫物語~ (TSUTAYAオンラインゲーム)

・2012年04月05日 moeGにて フィーチャーフォン向けサービス開始 【moeG
・2013年02月14日 moeGにて スマホに対応
・2015年04月28日 TSUTAYAオンラインゲームにて PC/mobile向け サービス開始 【TSUTAYA
・2016年08月31日 moeGの閉鎖に伴いサービス終了
・2016年09月12日 TSUTAYAオンラインゲーム版 サービス終了

10年代序盤にオープンしたオンラインゲームで、中世ファンタジー風の世界を旅してお姫様を助け、仲間にしていくソーシャルゲーム系のカードバトル。

日本最古のアダルトソーシャルゲーム『プリゲット』(2010年)の派生作品であり、日本初のアダルトソーシャルゲーム専門プラットフォーム『moeG(モエゲーム)』が誕生した際に、その看板タイトルを長く務め、TSUTAYAオンラインゲームが18禁に進出した際も、やはりそのデビューを飾るなど、不思議と一番乗りの多かったゲームである。ついでにTSUTAYA.R18で最も早くサービス終了した作品となった。

基本プレイは無料で、レアガチャや一部のサポートアイテムが有料である。登場した当初はフィーチャーフォン(ガラケー)向けのサービスのみだったが、最終的にスマホ、PCと対応範囲を広げた。

プレイヤーはナビゲート役のプリシアと共に旅する王子様となり、魔物を退治して捕まったお姫様を救出していく。助けた姫は仲間となり、調教(合成)や絶頂(進化)を繰り返すことでパワーアップしていく、といった筋書きである。

システムはソーシャルゲームで一般的なカードバトル系のRPGで、時間経過で回復する体力を消費しながら、クエストをこなしてストーリーを進展させていく仕組みである。ドロップやガチャで手に入れた姫たちの中から5人を選び、デッキを編成してボス戦や対人戦に備えていく。

特徴的なのは「奪い合い」要素がある点で、6つ集めると大きな報酬が貰える欠片を完成させるため、攻撃用デッキと防衛用の二つのデッキを用意して対人に備えなければならない。モバゲーの大ヒット作『怪盗ロワイヤル』(2009年)を感じさせる作りで、これ以後のアダルトソーシャルゲームでも広く流行している。

数日間やってみた印象としては、いかにも10年代序盤のソシャゲといった感じで、モバイルの狭い画面、ハードの厳しい制約の中で生まれたことが伝わってくる作品である。いまだにサービスが続いている本家『プリゲット』は、さながら生きた化石といえるだろう。デバイスとエロゲの新天地に旗を立て、荒波にもまれて数奇な生涯を送った作品だった。


調査担当

『Quiz of Walkure ~X指定~』 概要

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『Quiz of Walkure』(C) DMMゲームズ
Quiz of Walkure ~X指定~ (DMM GAMES/PINK STAR)

・2013年11月20日 『Quiz of Walkure』 サービス開始 【DMM
・2013年11月20日 『Quiz of Walkure ~X指定~』 サービス開始 【DMM.R18
・2015年03月10日 『Quiz of Walkure ~X指定~ for Android』 サービス開始 【DMM.R18
・2016年09月30日 サービス終了予定

10年代序盤にスタートしたPCブラウザ向けのオンラインゲームで、ソーシャルゲーム系のカードバトル要素と融合したクイズゲーム。10年代序盤に一世を風靡した『Walkure』シリーズの一つである。

基本プレイは無料で、レアガチャや各種サポートに使うDMMポイントが有料となっていた。

中世ファンタジー風の世界。戦乙女ワルキューレを率いるマスターとしての能力を見込まれ、陽気な妖精「リーディ」と旅することになった主人公(名前は任意)。二人は世界を救うため、人々を苦しめる山賊やモンスターを退治しながら、あちこちに潜在するワルキューレの素質をもった女の子と出会い、バトルで力を認めさせ、セックスで絶頂に導くことで彼女たちの力の覚醒を促していく。

ゲームシステムはソーシャルゲーム系のカードバトル要素と、クイズゲーム要素の組み合わせである。基本的には普通のソーシャルゲームと同じで、ガチャで手札を充実させ、コストの範囲内でデッキを編成し、時間経過で回復するスタミナを消費しながらストーリーを進めていく。UIやカード進化などのスタイルは本家の『Load of Walkure』とそっくりで、世界観なども共通している。

特徴的なのは、ストーリーや対人で発生する戦闘がクイズになっていて、正解できれば攻撃できる点である。最初に問題ジャンルを選択することになるが、このジャンルにランダムで赤、青、緑、黄の属性が指定されている。敵ごとに残り耐久と弱点となる属性が明示されており、デッキの編成によって攻撃力の高い属性、低い属性に偏りがあり、プレイヤーにも得意不得意のジャンルがあるため、このジャンル選択で悩むことになる。

他に回答までの時間が短いことによるボーナス、連続正解で繋がるコンボ、各カードの固有スキルなどがあり、育成と合わせてゲーム要素となっていた。

クイズは全て4択問題で、ジャンルは文系、理系、芸能、スポーツ、雑学、アニメ&ゲーム、アダルトの7種類である。個人的には、序盤は中学校レベルの常識問題だが、ストーリーの進展や対人の段位が上がる毎に難度が上がっていき、中盤以降は高度な教養やマニアックな知識が要求される問題が増えていく印象である。

カードはN、UC、R、SR等のようにレアリティが分かれていて、アダルト要素はUC以上の同じカードを4枚集めて合成したときに発生する。1キャラにつき1シーン、ボイスあり、差分なし、動きなしのCG1枚となっていた。本家とはキャラクターもCGも異なり、オリジナルの書き下ろし作品である。

同じく世界観を共有する作品として、『麻雀 of Walkure ~X指定~』が2週間ほど先行してリリースされている。

個人的には、ソーシャルゲームにクイズゲームを上手くミックスした作品で、戦闘もサクサク進み、ゲーム性もそれなりに高く、短期的には本家よりも楽しかった。ただ、暇つぶし用の軽いゲーム性が好まれるソーシャルゲームの中では、ややゴツくストレスを感じるかもしれない。雑学好きとしては惜しまれる作品である。


調査担当

『ガールズ・ヘルファイア』 概要

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©2012 DMM GAMES
ガールズ・ヘルファイア (DMM GAMES)

・2012年10月12日 PC版 サービス開始 【DMM
・2013年04月26日 Android版 サービス開始

10年代序盤にオープンしたPC向けブラウザ型のオンラインゲームで、実写のAV女優たちを題材にしたソーシャルゲーム風カードバトルRPG。当時のアダルトSNSゲームとしては珍しい実写物で、PC向けとしてはおそらく初である。

基本プレイは無料で、激レアカードやイベント特効カードが手に入るガチャなどが有料となっている。スマートフォン用のサービスも遅れてスタートしており、アカウントは共用である。

大したストーリー設定はなく、プレイヤーはエロ地下倶楽部「ヘルファイア」のオーナー会員となり、エッチな女の子を集めてハーレムを作っていく、という筋書きである。

システムは一般的なアダルトSNSゲームと同じで、時間経過で回復する体力を消費してミッションをこなし、ガチャやミッションの中で手に入れた女の子カードを集め、デッキを編成していく。C、UC、R、SR、UR、L、ULといったレアリティに応じて強さに差があり、カード同士を合成することでパワーアップしていく。

デッキが活躍するのは他プレイヤーとの対戦のみである。ミッション中にドロップするレアカードの欠片を集めるため、自分が持っていない欠片の持ち主を狙って対戦をしかけ、奪い合いでレアカードの完成を目指していく点が特徴的である。

また、カードはすべて人気AV女優による実写写真なのが売りとなっていて、所属は様々、人数は400人以上である(2016年時点)。グラビア風の健全なものから、性行為中の過激なシーンまで、画像の種類はバラエティに富んでいる。同じカード二枚を合成する「特訓」により写真が変化し、レベルアップの上限が変わる点もやり込み要素となっている。

アダルト要素はカードの素材になっている写真が拡大できる点、ミッション進行時の効果音として艶めかしい音声が入っているぐらいで、ご褒美的なコンテンツは用意されていない。これも当時としては、特に珍しい仕様ではなかった。

SNSゲームによくある事ながら、ゲーム開始当初はサーバーの混雑で動作が非常に重く、事前アナウンスの不徹底、問い合わせ対応の遅延、バグの放置から不評を買うことが多かったようだ。個人的には、AVファン向けの軽めのゲーム性を志向している印象で、エロさは控えめながら、ライト層にとって現在の動作性、ゲーム性はそれほど酷くない。好みの女優を見つけるのに利用するのに丁度いいかもしれない。


調査担当

『千年戦争アイギス R』 概要

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Copyright ©2013 DMM All Rights Reserved.
千年戦争アイギス R (DMMゲームス)

・2013年11月26日 アダルト版 サービス開始 『DMM.R18
・2014年08月05日 非アダルト版 サービス開始 【DMM
・2015年04月29日 Android版 サービス開始 【アダルト版】【非アダルト版
・2015年12月24日 iOS版 サービス開始 【非アダルト版

10年代中頃に正式オープンしたオンラインゲームで、タワーディフェンス型のSLG要素とソシャゲ風のRPG要素、アダルト要素などを組み合わせたブラウザゲーム。オンラインのアダルトゲームとしては比較的古い世代のゲームだが、オープンから数年を経ても、DMM.R18内で高い人気を誇っている。 

当初はアダルトゲーム『千年戦争アイギス』としてスタートしたが、非アダルト一般向けサービスが開始されるのに伴い、18禁版は『千年戦争アイギス R』、一般版は『千年戦争アイギス』としてタイトルが改題されている。基本プレイは無料で、ガチャやゲーム補助、探索回数の回復などに使える「神聖結晶」が有料である。

中世ファンタジー風の世界、「千年戦争」と呼ばれる魔物と人の果てしない戦いは、一人の英雄と女神アイギスの活躍によって幕を下ろし、人々は平和に暮らしていた。しかし月日は流れ、女神の力が弱まると、魔物は再び溢れ出し、女神の祀られた王国を瞬く間に蹂躙してしまった。かつての英雄の血を引く王子であるあなたは、共に落ち延びた政務官や兵士達を率いて、魔物や盗賊の軍勢を打ち破り、心強い仲間を獲得しながら、少しずつ反撃の糸口を掴んでいく。

ゲームシステムはソーシャルゲーム風RPGとタワーディフェンス型SLGの組み合わせである。ガチャやイベントで配下となるユニットのカードを集め、各職業のバランスが取れるようチームを編成し、時間経過で回復する「カリスマ」を消費してミッションを選択していく。

各ミッションはスクロールのない固定マップでの戦略SLGで、防衛目標を目がけて敵が行進してくるため、経路に味方を配置して、片っ端からこれを殲滅していく。敵は動きの速いタイプ、遠距離攻撃でしか倒せない飛行タイプ、攻撃力の高い強敵などがおり、一度に大量に押し寄せることもあるため、足止め役や回復役、範囲攻撃役などを上手く組み合わせ、配置で工夫していく必要がある。

アダルト要素は1ヒロインにつき2つで、ボイスや動きのない静止画一枚である。ミッションやログインボーナスで手に入る消費アイテムを使い、好感度を上げていくことで発生する。ヒロインの総数は2016年8月現在で250人以上確認されている。

関連商品にねんどろいど、小説版などがあり、コミック版が電撃マオウにて連載中である(2016年8月現在)。単行本1巻には限定キャラのシリアルコードが付属するなど、ゲーム外への展開とコラボも盛んに行われている。

個人的な印象としては、世代の古いアダルトオンラインだけにアダルト要素がやや寂しいが、シナリオ性はそれなりにあり、ゲーム性は秀逸である。無課金でも工夫と育成次第で何とか進めるように作られており、試行錯誤が楽しく、当調査員も時間を忘れて遊んでしまった。キャラのコンプリートを目指すもよし、お気に入りのヒロインの育成とHシーンを目指すもよし、戦闘の効率化に徹するもよしで、初心者から上級者まで飽きずに続けられるコンテンツの豊富さも魅力といえるだろう。


調査担当

『機動戦車チハたんX』 概要

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©2016 DMM All Rights Reserved.
機動戦車チハたんX (DMM GAMES)

・2016年05月26日 事前登録開始
・2016年06月03日 オープンβテスト開始(18禁版のみ)
・2016年06月28日 PC版 サービス開始 『チハたん』 『チハたんX(18禁版)
・2016年09月30日 Android版 サービス開始
・2017年04月28日 サービス終了
・2017年05月26日 CG集のダウンロード販売開始 【DMM

10年代中頃の作品で、戦車を自在に操る不思議な女の子、「戦車娘」をテーマにしたPC向けブラウザ型のソーシャルゲーム。メーカー側のジャンル呼称は「ディレクションRPG」。

「機械大戦」と呼ばれる戦争から数百年後、地上のほとんどは人類に敵対的な機械に支配され、文明は衰退の一途を辿っていた。機械兵に対抗できるのは、強化遺伝子によって戦車と適合し、自前の戦車を手足のように操る女の子「戦車娘」のみ。ある日、機械の目を逃れて暮らしていた主人公(男)たちの前に、アドラー傭兵団と名乗る戦車娘たちが現れ、村人をさらっていってしまう。避難した地下で陸上戦艦「ベヒーモス」を発見した主人公は、幼馴染の戦車娘たちを従え、村人の行方を追って冒険を繰り広げる。

アダルト要素を省いた一般向けサービス『機動戦車チハたん』と、Hシーン付きの『機動戦車チハたんX』があり、サービスインは同時で、アカウントや育成データは共用である。基本プレイは無料で、ガチャにあたるアークや一部の強化アイテムの購入に使えるアイテム「ダイヤ」が有料となっている。

ゲームの流れはSNSゲームで一般的なカードバトルRPGと同じで、手持ちのキャラクターの中から5人を選んでメインデッキを編成し、時間経過で回復する燃料を消費しながらメインストーリーやイベントを進め、デッキを編成や強化で手直しし、対人要素の闘技場で報酬と名誉を得ていく流れである。

戦闘シーンがフラッシュゲームのように盛んに動くのが特徴的で、ほぼオートで進行するが、必殺技の発動のタイミングだけが手動になっている。また、普通のカードバトルRPGではC、R、SRなどユニットのレアリティが細かく分かれていて、ゲームが進むと激レアなカード以外は素材として消費されるだけの存在になるが、このゲームでは複数の強化方法によって成長に奥行きがあり、初期メンバーでも資材や資金の集中次第で、比較的長く一線級として使えるのが特徴といえるだろう。

シナリオは男一人、女の子多数の一行が世界中を旅する中で、勘違いから戦車娘に攻撃されたり、出会った女傭兵団と交渉決裂して戦闘になり、倒した後に主人公が好意を抱かれ、仲間が次第に増えていくのが基本的なパターンである。主人公との仲をめぐって起こる、萌え萌えとした緊迫感のない喧嘩に比重が高い。登場する戦車は九七式中戦車チハや、シャーマン・ファイアフライ等、主にWW2時に活躍した戦闘車両である。

アダルト要素は2016年8月現在、女の子一人あたりHシーンが二つで、それぞれフルボイス、差分ありの静止画一枚である。閲覧に必要なダイヤは有料アイテムとして購入できる他、クエスト報酬やログインボーナスとして少しずつ貯められる仕様となっている。

個人的には、全てのヒロインに細かく多岐にわたるパワーアップ要素があるのが印象的で、改造に自由度がないものの、ハマれば長く遊べそうな期待がもてる。一方、非ギャグストーリーにしてはシナリオが極端に適当で、キャラクター性やアダルト要素は平凡、期待していた戦車要素もほとんどなく、他のゲームにない良さを見つけるのが難しい。今後のアップデートに期待したい。




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調査員プロフィール
80年代半ばに登場した学習型AI。主食はエロゲのインストールディスク。電波系、欝、グロ、萌え萌えした作品が苦手。ゲーム性のあるもの、ギャグ作品が好き。
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