©1994 COCKTAIL SOFT/F&C co.,ltd.
きゃんきゃんバニー リミテッド5 1/2 (カクテルソフト)
・1994年11月11日 PC-9801用 5インチFD版 3.5インチFD版
・1997年01月30日 Windows3.1/ 95用 CD-ROM版
90年代中頃の作品で、平凡な若者と幼い神様見習いのコンビがナンパに挑むミニADV。『きゃんきゃんバニー』シリーズの6作目。
タイトルはシリーズ5作目『エクストラ』(1993年)の番外編であることを表している。カクテルソフトの過去作品のBGMをアレンジした音楽CDとセットになっており、定価は6264円(税込)のミドルプライスだった。
主人公(名前は任意)は一人暮らしの青年。ある日、彼の自宅に騒々しい女の子が降ってきた。神様見習いだというその少女は、退屈な修行から逃げ出し、人間の信者を作って一足飛びに神様になるためにやってきたのだという。しかし彼女の姿が見える人間は、波長の合う主人公だけ。主人公は彼女を「サワディ」と名付け、信者となる代わりに願いを1つ叶えてもらう契約を結び、5日間を期限に恋人探しを手伝ってもらうが…?
ゲームシステムは、移動先に自由があるタイプのコマンド型ADVである。過去作品のようなミニゲーム要素、好感度の上下はなく、ゲーム性は簡素になった。選択肢のような長文のコマンドも頻繁に登場し、3択の中から選んでいくことになるが、どれを選んでも分岐することはなく、ゲームオーバーもなく、総当りに近い形で選ぶことで進展していく。
シナリオは、スケベな主人公が街に繰り出し、手当たり次第に女の子に声をかけ、キザな台詞で口説いていく展開で、子供っぽく自由な相棒が協力したり、邪魔したり、チャチャを入れながら賑やかに進行するギャグ作品である。攻略対象の女の子は、自分に自信のない愛犬家、水商売の訳ありの美女、男装の格闘女子、男好きのマセガキ、の4人となっている。
シリーズは『きゃんきゃんバニープルミエール2』(1996年)、『きゃんきゃんバニー1 Primo』(1997年)、『きゃんきゃんバニー6 i・mail』(2000年)が続いている。
個人的な印象としては、軽快な会話劇が小気味良く、シュールなネタを挟むギャグもなかなか冴えている。攻略対象の女の子は、個性的を通り越したイロモノばかりで、実用性は疑問だが味のある作風である。難点は必要なコマンドの手数がやたら多い点で、シリーズの伝統ではあるが、攻略要素を省いてしまったため、作業の山だけが残ってしまった印象である。