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魔女っ子クミ (ファミリーソフト)・1991年11月17日 PC-9801用 3.5インチFD版 5インチFD版
90年代序盤の作品で、TVアニメ風の魔法少女をテーマにしたアダルトアドベンチャー。
主人公「クミ」は、好奇心旺盛でイタズラ好きな学生。ある夜、空から落ちてきた不思議な球を拾ったことから、魔法の国の妖精「ポップ」と知り合い、彼の修行の手伝いを頼まれる。その内容は、同じ学校にいる5人の女性の悩みを解消したり、望みを叶えることだった。協力を約束したクミは、どんな人物にも変身できる魔法のステッキを使い、それぞれの問題を解決していく。
システムはコマンド型で、移動先に自由がないタイプの探索ADVである。分岐やBAD ENDもない一本道のシンプルな構造で、難易度も易しい。主に「話す」「見る」「考える」を通して情報を入手し、場面を転換させていく。セックスシーンではマウスカーソルを使った画面内の探索があり、女の子の弱点を見つけて絶頂に導く点が攻略要素となっていた。
シナリオは80年代風の魔法少女アニメが土台となっており、偶然魔法の力を手に入れた主人公が、様々な姿に変身して人々の悩みを解決していく。その際必ずセックスが絡むのが特徴で、例えば部活の先輩女子に憧れる同級生女子には、先輩の姿で呼び出してレズプレイにもちこみ、恋人とのセックスレスに悩む女性教師には、恋人(男)の姿で満足させ、病弱な子には万能薬の副作用でレズプレイ、といった具合に各エピソードはHシーンで締めくくられている。
この時代としては珍しく、OPや変身シーン、セックス中に現れる小ウィンドウ内などで、大きな動きのある滑らかなアニメーションが所々に盛り込まれていた。
同じ「マジカル・ストーリー・シリーズ」として『魔法少女りな』(1992年)が続いている。
個人的な印象として、唐突な展開が多く、悩みの解決方法は場当たり的で違和感があり、ストーリーは粗っぽい。一方、ビジュアル面は当時としてはレベルが高く、随所に工夫が感じられる作品である。また、魔法少女モノのアダルトADVとしては最古かもしれない(未確認)。同ジャンルは後に陵辱モノの定番に変貌していく。