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古今のアダルトゲームを広く浅く調査及び成る丈簡潔にご報告致します

『魔女っ子クミ』 概要

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©1991 FamilySoft Co.,Ltd.
魔女っ子クミ (ファミリーソフト)

・1991年11月17日 PC-9801用 3.5インチFD版 5インチFD版

90年代序盤の作品で、TVアニメ風の魔法少女をテーマにしたアダルトアドベンチャー。

主人公「クミ」は、好奇心旺盛でイタズラ好きな学生。ある夜、空から落ちてきた不思議な球を拾ったことから、魔法の国の妖精「ポップ」と知り合い、彼の修行の手伝いを頼まれる。その内容は、同じ学校にいる5人の女性の悩みを解消したり、望みを叶えることだった。協力を約束したクミは、どんな人物にも変身できる魔法のステッキを使い、それぞれの問題を解決していく。

システムはコマンド型で、移動先に自由がないタイプの探索ADVである。分岐やBAD ENDもない一本道のシンプルな構造で、難易度も易しい。主に「話す」「見る」「考える」を通して情報を入手し、場面を転換させていく。セックスシーンではマウスカーソルを使った画面内の探索があり、女の子の弱点を見つけて絶頂に導く点が攻略要素となっていた。

シナリオは80年代風の魔法少女アニメが土台となっており、偶然魔法の力を手に入れた主人公が、様々な姿に変身して人々の悩みを解決していく。その際必ずセックスが絡み、例えば部活の先輩女子に憧れる同級生女子には先輩の姿で呼び出してレズプレイ、恋人とのセックスレスに悩む女性教師には恋人(男)の姿でセックス、病弱な子には万能薬の副作用でレズプレイ、といった具合に各エピソードはHシーンで締めくくられている。

この時代としては珍しく、OPや変身シーン、セックス中に現れる小ウィンドウ内などで、大きな動きのある滑らかなアニメーションが所々に盛り込まれていた。

同じ「マジカル・ストーリー・シリーズ」として『魔法少女りな』(1992)が続いている。

個人的な印象として、唐突な展開が多く、悩みの解決方法は場当たり的で違和感があり、ストーリーは粗っぽい。一方、ビジュアル面は当時としてはレベルが高く、随所に工夫が感じられる作品である。また、魔法少女モノのアダルトADVとしては最古かもしれない(未確認)。同ジャンルは後に陵辱モノの定番に変貌していく。

『プリンセスメーカー』 概要

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©1991 GAINAX Co.,Ltd.
プリンセスメーカー (ガイナックス)

・1991年05月24日 PC-9801用 5インチFD版 3.5インチFD版
・1991年12月13日 DOS/V用 3.5インチFD版
・1992年05月31日 MSX2/2+/turbo用 FD版
・1995年01月03日 PCエンジン用 CD-ROM 『プリンセスメーカー1
・1997年01月31日 X68000用 FD版
・2002年12月06日 Windows用 CD-ROM 『プリンセスメーカークラシック
・2004年08月06日 Windows用 CD-ROM クラシック廉価版
・2003年01月31日 iアプリ版 配信開始
・2003年03月06日 Windows用 CD-ROM 『リファイン版
・2004年04月28日 PlayStation 2用 通常版
・2005年10月20日 PlayStation 2用 廉価版
・2007年03月03日 Windows用 DVD-ROM 『プリンセスメーカー メモリアルボックス』にリファイン版が収録
・2007年09月28日 Windows用 DVD-ROM 『プリンセスメーカー メモリアルボックス with 公式ガイドブック

90年代序盤の作品で、一人娘の育成をテーマにしたシミュレーションゲーム。「育成SLG」というジャンルを開拓し、以後のゲームに大きな影響を与えた。

中世ファンタジー風の世界。魔王の軍勢から王国を救った勇者である主人公(名前は任意)は、人々に歓喜をもって迎えられるが、自身の栄達を望まず、戦災孤児となった子供の育成を国王に申し出る。数日後、1人の少女が主人公の屋敷に引き取られた。真っ白な状態で様々な可能性を秘めた10才の女の子。果たして彼女はどんな人生を歩むのか…。

1人の女の子を、10才の4月から18才の3月までスケジュール管理していく育成ゲームである。女の子の顔は変えられないが、名前や生年月日、血液型などは任意で、衣装も立ち絵1つにつき4種類パターンがあり、好きな時に変更できる。

「体力」「気品」「色気」「知識」「疲労」など16項目の基本パラメータ、身長・体重といったプロポーション要素があり、有料の各種授業や、「木こり」「酒場」「メイド」といったアルバイト、RPG風の2Dフィールド探索をこなして変動させ、理想の状態に近づけていく。ミスコンや武闘会で優勝したり、試験に合格して資格が取れれば「評価」が上がり、将来は明るいものになっていく。

18才の春に最も高いパラメータや「評価」により判定され、「農家の妻」「近衛隊長」「魔導師」「詐欺師」「娼婦」「尼僧」といった30種類ものエンディングを迎える。高評価の「プリンセス」「女王」を目指すのが一般的な目標だが、特定のエンディングを目指したり、スケジュールの効率化を極めたりと、やり込み要素があるのが特徴的である。

シリーズが家庭用ゲーム機に定着した関係で一般ゲームに分類される作品だが、当初のPC-98版の頃は非アダルト、アダルトの境界が曖昧だったこともあり、トップレスの敵キャラが登場したり、娘を娼婦として働かせることができたり、裏技として娘の全裸CGが10才から18才まで全ての立ち絵に用意されていたりと、アダルトな描写が所々に見られる。

続編として『プリンセスメーカー2』(1993)、『プリンセスメーカー ゆめみる妖精』(1997)、『プリンセスメーカーQ』(2001)、『プリンセスメーカー4』(2005)、『プリンセスメーカー5』(2007)が続いている他、復刻版や派生作品、スクリーンセーバーやサントラなど関連グッズも多い。

個人的には、突発イベントやストーリー性に乏しい点を除くと、後の育成SLGと骨格はさほど変わらないのが印象的である。同ジャンルは全年齢向け美少女ゲームの定番の1つとなった他、調教モノなどのアダルトゲームの派生も生んでいる。また、憶測だが「スケジュール管理」をゲーム性にする手法はエルフのヒット作にも間接的に影響したかもしれない。

『ドラゴンナイトⅢ』 概要

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©1991 ELF
ドラゴンナイトⅢ (エルフ)

・1991年12月14日 PC-9801用 3.5インチFD版 5インチFD版
・****年**月**日 X68000用 FD版
・****年**月**日 FM-TOWNS用 CD-ROM版
・****年**月**日 PC-9801用 5インチFD 3.5インチFD版 『全年齢向け通常版』
・1994年07月22日 PCエンジン用 CD-ROM版

90年代序盤の作品で、中世ファンタジー風の世界を舞台にしたアダルトRPG。『ドラゴンナイト』(1989)、『ドラゴンナイトⅡ』(1990)に続くシリーズ3作目。

前作の後も放浪の旅を続けていた主人公「タケル(名前変更可)」は、とある街で盗賊団に絡まれ、スケベが祟って伝説のドラゴンナイトの剣と鎧を奪われてしまう。取り戻そうと必死に行方を追うが、すべてはタケルを誘い込む為に魔族が仕組んだ罠だった。これまでの冒険で培った力をすべて失ったタケルは、謎の女性の声に導かれ、再びレベル1から冒険に励んでいく。

システムは、単一の階層式ダンジョンの探索だったそれまでのシリーズと全く異なり、当時の一般向けRPGで標準となっていた、2D見下ろし型のフィールド、複数の街、複数のダンジョンを歩きまわる形式となった。このためマッピングが不要となり、戦闘がほぼオートになったこともあって、操作性とテンポが向上している。パーティは最大3名である。

新しい街に着いたら情報を集め、装備を整え、ダンジョンを攻略して街の抱える悩みを解決し、次の街へ行くための重要アイテムや仲間を入手する、王道的なRPGの展開となっている。ギャグ傾向が強く、雰囲気は明るい。前作や前々作の舞台となった街も登場し、シリーズ完結編といった印象のスケールの大きなストーリーに発展していく。

アダルト要素は、敵に陵辱される女の子を目撃したパターン、Hなお礼をしてもらうパターン、妖しい店でサービスを受けるパターン、過去作の女の子達から迫られるパターン、立場を利用して襲うパターンなど様々で、非常に数は多いが、未遂に終わる事も多く、エロさは控えめである。

前月の『沙織事件』の影響で、各社が緊急の自主規制を迫られる中、当時のエルフに特徴的な無毛、無陰唇、縦筋一本で無修正を貫いたが、描写は細く目立たない物になっている。また、翌年にセックス描写をカットした全年齢向けバージョンをリリースしている。

続編に『ドラゴンナイト4』(1994)があるが、こちらはシミュレーションRPGに路線変更している。

個人的な印象として、レベルは気持ちいいほどサクサク上がり、お金も楽に貯まり、戦闘も手放しOKという軽快さが魅力である。かといって作りがさほど粗末な訳ではなく、飽きさせないシナリオと作りこみがある上、並のアダルトメーカーには真似できないボリュームを誇った。やり込み要素や戦略性の不足はあるが、あくまで全年齢向けのゲームと比べたらの話である。難点を挙げるとすれば、アダルト描写が控えめな所か。

『沙織 (美少女たちの館)』 概要

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©1991 X指定ブランド
沙織 (美少女たちの館) (X指定/フェアリーテール)

・1991年10月18日 PC9801用 3.5インチFD版 5インチFD版
・****年**月**日 X68000用 FD版

90年代序盤の作品で、インモラルな関係やアブノーマルなセックスをテーマにしたアダルトアドベンチャー。「沙織事件」の影響で摘発され、回収処分になったことで非常に知名度が高い。

主人公の学生「沙織」は、夜の公園で目撃したカップルの野外プレイが頭から離れず、自室でオナニーにふけっていた。そこへ何処からともなく仮面の男達が現れ、沙織を拉致して怪しい洋館に監禁する。館の女主人から緊縛の辱めを受けた沙織は、なんとか脱出しようと館内を探索するが、個室の扉を開ける度に意識が別世界に飛び、異常なセックスの中で悶える女達の快楽を追体験していく。

システムは特殊な形のコマンド型で、一見行き先に自由がある探索ADVだが、実態はオムニバス形式のショートストーリー集に近い。起点は屋敷の広間で、たくさんの扉の中から鍵を入手した部屋を訪問し、一風変わったシチュエーションで繰り広げられるセックスを観賞していく。陵辱側の男目線で1~3択のコマンドをこなしていくことになるが、当たり外れはなく、総当たりすることで進展していくのでゲーム性はほとんどない。

シナリオは兄と妹、父と娘、姉と妹、女教師と男子生徒といった禁断の肉体関係を描いた4本と、縛られ好きの女子大生、オナニー中毒の婦警、バイブ好きのOLといったアブノーマルなプレイをテーマにした3本に加え、主人公自身のメインストーリーで構成されるシリアスな展開である。部屋ごとにテーマと登場人物が決まっていて、攻略上何度も訪問することになるが、その度にセリフやCGが変化する仕様となっていた。

陵辱側(主に男)の言動がサディスティックなのが特徴で、官能小説風の乱暴な言葉での罵りや、焦らし、言わせプレイ、緊縛などを好む点が印象的である。ただし、行為自体はソフトで直接的暴力やレイプはない。女性側は表面上は嫌がりながらも身体が淫らに反応してしまい、ついには恥ずかしいおねだりをしてしまうのが基本パターンとなっている。一部に飲尿や剃毛といったプレイを含んでいた。

局部は無修正で、一切の配慮をした形跡がない。ただし男性器が大きく描かれている一方、女性器の扱いは小さく、当時の過激な無修正作品と比べ、とりたてて強調されていた訳ではない。

発売から程なく、ある中学生が万引きした事で証拠品となり、にわかに世間の注目を浴びた。PCソフトはそれまで内容の審査を受けずに放任されていたが、本作品は刑法上の「わいせつ物」にあたると判断され、ブランドを所有する「キララ」、その親会社「JAST」が家宅捜索を受け、業界として初の逮捕者を出している。同時に本作品と『ドラゴンシティX指定』、『天使たちの午後III 番外編』、『天使たちの午後IV ~ゆう子~』が摘発され、回収処分となった。

摘発理由は無修正画像が含まれる事だったが、本作品の倒錯した性と中学生の組み合わせは世間を驚かせ、購入者の年齢に制限が無かったアダルトゲーム全体に逆風が及んだ。これに『電脳学園』の訴訟が重なり、コンピュータソフトウェア倫理機構(ソフ倫)の発足を促す事となる。

個人的な印象として、近親相姦や緊縛、調教をメインテーマに扱ったアダルトゲームはそれまでなく、事件がなくてもそれなりに特異な存在だったのではないだろうか。陰気な陵辱モノが普通になるのは90年代の中頃から、近親相姦が珍しくなくなるのはソフ倫の規制が緩まった2004年以降で、当時は十分に過激な内容だったことだろう。一方でAVのシチュエーション物のようにストーリー性は浅く、絵もリアル寄りで人を選ぶ作風である。

『JOKERⅡ』 概要

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©1991 BIRDY SOFT
JOKERⅡ (バーディソフト)

・1991年12月06日 PC-9801用 3.5インチFD版 5インチFD版
・****年**月**日 MSX2/2+用 FD版
・****年**月**日 X68000用 FD版
・****年**月**日 FM-TOWNS用 CD-ROM 『JOKER TOWNS』に収録

90年代序盤の作品で、西部劇風の世界を舞台にしたファンタジー系のアダルトアドベンチャー。『JOKER』(同年9月)の続編。

前作の後、幼馴染「ラウラ」の行方を求め、村を全滅させた二人組の行方を追う主人公「ワイルド」と、公私ともに相棒の「ブランカ」だったが、手がかりが掴めないまま半年が経過していた。その間、西部一帯は謎の白夜で日没がない異常気象が続いていた。怪しい屋敷を突き止め、屋内を探索する二人が見たものとは・・・?

システムは前作と同じくコマンド型で、移動先に自由があるタイプの探索ADVである。今回からは行動範囲が広がり、複数の村や街、郊外の怪しい屋敷を行き来して、主に会話で情報収集していく。

シナリオは前作の伏線を回収する完結編で、復讐と幼馴染の奪還に執念を燃やす主人公と、深い絆で結ばれた女吸血鬼のコンビが、新たな街や女だけの部族で信頼を勝ち取り、情報やアイテムを得て、「JOKER」と呼ばれる謎の存在の復活を目論む敵を追っていく流れである。複数のアクションシーンや流血を含むシリアスな展開となっていた。

セックスシーンは4つほどで、商店の店主やインディアンの娘が相手である。愛撫コマンドによる寄り道プレイがなくなった他、沙織事件の影響からか、露出は主に上半身で、下は必ず下着を着用している。

個人的な印象として、前作に引き続きストーリー性重視の作風なのだが、肝心のストーリーで粗っぽい部分が目立ち、十分なカタルシスを得るのが難しい。特に終盤は急ぎ足で説明不足な印象である。『Ⅰ』が質的には良好だっただけに惜しまれる。一方ビジュアルは高水準を維持していて、緊迫した場面で見せるコマ割り風の演出が珍しい。

『JOKER』 概要

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©1991 BIRDY SOFT
JOKER (バーディソフト)

・1991年09月05日 PC-9801用 3.5インチFD版 5インチFD版
・****年**月**日 MSX2/2+用 FD版
・****年**月**日 X68000用 FD版
・****年**月**日 FM-TOWNS用 CD-ROM 『JOKER TOWNS』に収録

90年代序盤の作品で、アメリカの西部開拓時代を題材にしたアダルトアドベンチャー。単品で完結しておらず、実質二部作の内の前編にあたる。

主人公「ワイルド」はインディアンの村に住むヤンチャで女好きの若者である。彼の幼馴染「ラウラ」の祈祷の結果に不吉な物を感じた村の酋長は、20年前に封印した「大いなる厄」の復活に備えるため、ワイルドに助っ人を探すよう指示する。生まれて初めて街に出たワイルドは、多少の呪術と父親譲りの拳銃の腕前、そして不思議と女達を引きつける魅力を頼りに、殺伐とした西部の街で名を上げていく。

システムは移動先に自由があるタイプのコマンド型で、街に3軒ある酒場や、教会、雑貨屋、娼館などを繰り返し巡り、主に会話で情報を収集していく探索ADVである。

シナリオは西部劇が土台となっているが、魔術やワーウルフ、吸血鬼なども登場するファンタジー風の世界観である。腕のいいガンマンの主人公が、占い師や娼婦、賞金稼ぎなどの助けを借りて賞金首と対決していく中、次第に「JOKER」と呼ばれる謎の存在に迫っていく流れで、アクションシーンを含んだシリアスな展開となっていた。漫画でいう「引き」にあたる箇所で盛り上げたまま終わっており、次回作『JOKERⅡ』(同年12月)に続く事がアナウンスされている。

アダルトシーンは娼婦を買った際などに発生する。CGは一人当たり1~2枚と少ないが、代わりにコマンドの種類が豊富で、扇情的なテキストに比重が高い。

個人的な印象として、ビジュアルは非常に綺麗で丁寧、題材もユニーク、シナリオ重視の作風も好感がもてるが、定価が7800円(税抜き)だったことを考えるとボリューム不足な感が否めない。続編でも質と量の両立に苦しんだようだ。一方で原画ファンを中心に支持は厚く、バーディソフトの黄金期を支えたヒット作だった。

『SHANGRLIA』 概要

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©1991 elf
SHANGRLIA (エルフ)

・1991年08月28日 PC-9801用 3.5インチFD版 5インチFD版
・****年**月**日 X68000用 FD版
・****年**月**日 FM-TOWNS用 FD版
・2000年12月22日 Windows用 CD-ROM 『エルフ大人の缶詰』に収録
・2005年09月30日 Windows用 CD-ROM 『シャングリラ マルチパック』にてリメイク
・2017年06月20日 ダウンロード販売開始 【DMM
・2017年06月20日 ダウンロード版 『シャングリラマルチパック』 に収録 【DMM

90年代序盤の作品で、中世ファンタジー風の世界を舞台にしたウォーシミュレーション。

現代の青年「トオル」は、恋人の「ナツミ」とのデートの最中、不思議な猫に導かれて見慣れない洋館に入り、「フェルマータ」と名乗る老人と出会う。老人は異世界「ミズ・ウェル」の魔導士であり、彼の仕える「ヒュンケル王国」が隣国の侵略を受け、危機に瀕しているのだという。彼らの指導者「エリオン王子」に近い魂を持つ主人公は、呪いから自らの魂を守るため、異世界に通って敵の軍勢を打ち破り、こちらの世界に魂を飛ばされた10人の女武将達の魂を解放していく。

基本画面は洋館のエントランスで、10ある個室のどこに入るかによりマップが選べる。個室のそれぞれに「忍者隊」「槍隊」といったユニットを代表する女武将が一人住んでいて、マップをクリアする事でその女の子の脱衣CGが見られる。同時にそのユニットがパワーアップする戦略要素となっていた。

ゲームパートは同社の『FOXY』(1990)シリーズの発展形で、小さなマップ上で剣士、騎馬、弓、大砲、魔法、火龍といった10種類のユニットを操作し、制限ターン以内に敵の撃破を目指す戦術級のSLGである。敵に比べてユニットの質で劣るため、地形やユニット同士の相性を上手く利用していく必要があった。

FOXYシリーズと異なるのはユニット配置が固定ではなくなった点で、「統率力」の制限内で好きなユニットを配置できる。統率力は勝利する度に増えていくが、敵を全滅させるか本拠地を攻め落とすかでUP数が変化するため、なるべく全滅を目指す点に戦略が求められる。また、ユニットの経験も死なない限り持ち越されるため、合わせてやり込み要素となっていた。一方、シナリオ性は低くなった。

アダルト要素はマップのクリア時に発生し、一人の女の子につき一回である。全画面で縦長の大きな画像を下からスライドさせていく見せ方で、5段階の脱衣CGに簡単なセリフのやり取りが添えられていた。

続編に『SHANGRLIA2』がある他、00年代に入って『シャングリラ マルチパック』としてリメイクされている。

個人的な印象として、FOXYシリーズの弱点だった自由度の無さを補い、高いゲーム性を獲得した作品である。難点はやはり、シナリオ性とアダルト要素の淡白さだろう。ビジュアルは大型で非常に綺麗なのだが、導入部以降はテキストが全体的に貧弱で、脱衣CG付きのSLGといった感じのアッサリした作風に切り替わっている。

『きゃんきゃんバニースピリッツ』 概要

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©1991 COCKTAIL SOFT
きゃんきゃんバニースピリッツ (カクテル・ソフト)

・1991年08月10日 PC-9801用 3.5インチFD版 5インチFD版
・****年**月**日 MSX2/2+/turboR用 FD版

90年代序盤の作品で、魔法の履歴書と巧みな会話を武器に女の子を口説いていくナンパアドベンチャー。『きゃんきゃんバニー』(1989)、『きゃんきゃんバニースペリオール』(1990)に続くシリーズの3作目である。

彼女が欲しい、でも自分に自信がなく、女の子に声をかける勇気がない…そんな悩みを夜空の月に相談していた主人公(名前は任意)の元に、月の世界のエージェントを名乗るウサギ耳の少女「亜理子」が現れた。彼女が用意したのは合コンパーティと豪華客船の招待状、そしてなりたい男性像に変身できる「魔法の履歴書」だった。夢のような展開に喜んだ主人公は、念願を叶えるために男1人、女の子多数のイベントに参加して、狙った女の子に声をかけていく。

シリーズ伝統の冒頭でヒロインを選ぶ形式のADVで、特に本作では個別のショートストーリー集の傾向が強い。女の子達は「ねるとん」風の合コンパーティ編で5人、豪華客船による海外旅行編での5人に分けられている。女の子毎に好みの男性タイプが異なるので、身長や年齢、血液型、ファッション、職業、愛車、彼女いない暦などの主人公のプロフィールを何度も編集し、会話の中でLOVEゲージを上げる返答を探っていく。

システムはコマンドと選択肢の混合型で、メニューの一覧がアイコンになっている。基本的に「話す」「聞く」で話しかけ、受け答えを3択のテキストの中から選んでいく選択肢型である。一方「見る」「さわる」「キス」「脱がす」などはマウスカーソルによる画面内の探索で、セックスシーンなどで活躍する。選択肢の難易度が高く、セーブ・ロードを繰り返しながら慎重に進める必要があった。

パーティ編は当時大人気だったお見合いTV番組『ねるとん紅鯨団』のパロディで、司会の亜理子に第一印象で気になる女の子を答え、フリータイムで心を掴み、告白タイムでOKがもらえれば、「ツーショット」となって夜のデートに繰り出す流れである。海外旅行編は豪華客船上での会話で女の子と意気投合できれば、バリ島やオーストラリアなど、それぞれの女の子の目的地でバカンスを楽しめる流れとなっていた。

セックスシーンは女の子の方から誘われたり、騙して脱がせたり、酔わせた隙につけこんだりとパターンは様々である。アダルトシーンに入ってからもゲーム性があるのが特徴で、無理に触ったり脱がせようとしてゲームオーバーになったり、女の子が最後の1枚を守ろうとして進行がストップすることがあるので、相手の心と体を開かせる方法を慎重に探っていく必要があった。ピストン運動を画面全体の上下で表現する手法も珍しい。局部はフィルター状の修正があるが、ほぼ透けて見えてしまう不十分なものだった。

続編として 『きゃんきゃんバニープルミエール』 『きゃんきゃんバニーエクストラ』 『きゃんきゃんバニーリミテッド 5 1/2 』 『きゃんきゃんバニープルミエール2』などが続いている。

個人的な印象として、創意に富み、それぞれのエピソードとセックスまでが丁寧に描かれたボリューム感の高い作品である。一本道が多かった当時のADVの中では比較的、ヒロイン個別ルートを備えた後の恋愛ADVに近いが、大きな違いは主人公のメイキングと肉食性で、例えば金持ちの青年実業家、スポーツ万能のインストラクター、可愛い年下、ノリのいいお調子者といった女の子の理想の男性像を探り当てて演じ、さらに何とか言いくるめてHに持ち込まなければならない。セックスの為なら手段を選ばない「ナンパシミュレーション」の代表格といえるだろう。

『BEAST ~淫獣の館~』 概要

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©1991 BIRDY SOFT
BEAST ~淫獣の館~ (バーディソフト)

・1991年01月**日 PC-9801用 5インチFD版 3.5インチFD版
・****年**月**日 X68000用 FD版
・****年**月**日 Windows3.1/Mac用 CD-ROM版

90年代序盤の作品で、怪しい洋館に迷い込んだ少年達の冒険を描いたアダルトアドベンチャー。

オカルト研究会の会長を務める主人公(名前は任意)は、女癖の悪い学生である。神隠しの噂の真相を調査するため、山奥に入っていたオカルト研究会の男女5人組は、森の奥に立派な洋館を見つけ、屋敷の使用人「三太夫」と美しい未亡人「霧子」に頼み込んで雨宿りをさせてもらった。客としてもてなされ、深夜に忍んできた霧子との濃厚なセックスで深い眠りについた主人公が目覚めると、メンバーは既に全員帰ってしまったという。これを不審に思った主人公は、仲間達を探して屋敷内の探索を開始する。

システムはコマンド型で、移動先に自由があるタイプの探索ADVである。客間、娯楽室、食堂など屋敷内の各部屋を一つ一つ調べ、家具に隠された石鹸や金貨などの重要アイテム類を収集し、施錠された部屋や隠し部屋への入り方を試行錯誤していく流れである。キーアイテムはノーヒントで手の込んだ隠し方をされている事が多く、行き先もコマンドの種類も豊富で、難易度が異様に高い。

シナリオは怪しい洋館を舞台に、主人公が裸で束縛されている女の子達を一人一人解放していく中、屋敷に隠された秘密に迫っていく展開となっていた。館モノ風のホラーがベースだが、主人公達に緊迫感が薄く、怪物達もコミカルで雰囲気は暗くない。

アダルト要素は館の女主人や恋人とのセックスシーンがある他、寄り道要素として、途中で手に入る媚薬入りのお菓子を、解放した女の子を騙して食べさせた時などに発生する。尺は短いがアニメーションによるフェラチオ、縦長の画像のスクロールなど、当時は珍しいダイナミックな動きの演出が盛り込まれていた。局部は男女共に無修正で、かなり露骨に描かれている。

続編として『BEAST2』(1991)、『BEAST21』(2002)が続いている。

後世の人間がタイトルから連想する作風と違い、淫獣による女の子の陵辱シーンはない。一方、ホラー系で館モノのアダルトADVとしては『TWILIGHT ZONE』(1987)に及ばないものの、早い時期の作品である。凝ったアダルトシーンに目を見張るものがあるのだが、操作の煩わしさや理不尽な難易度で極端にテンポが悪くなってしまった印象である。

『ELLE』 概要

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©1991 ELF
ELLE (エルフ)

・1991年06月13日 PC-9801用 5インチFD版 3.5インチFD版
・****年**月**日 MSX2/2+ FD版
・****年**月**日 X680000用 FD版
・****年**月**日 FM-TOWNS版

90年代序盤の作品で、未来都市を舞台に犯罪と戦うサスペンスアドベンチャー。マウスを活用する斬新なアイコンクリック方式で名高い。

西暦2010年、世紀末から起こった戦争とクーデターにより、地球は汚染され、人類は数千万人まで数を減らしていた。「スウェイクラス」と呼ばれる特権階級の指導者達は、人類を滅亡から救う「メガロアース計画」を推し進めるが、これに反対する組織「ブラックウィドウ」のゲリラ活動が続いていた。彼らを排除するために結成された武装組織が「スナイパー」である。超Aクラスという凄腕のスナイパーである主人公は、身分を隠して新米スナイパーとして報道施設に駐在する支部に潜り込み、ブラックウィドウの首魁「ギミック」の手がかりを探っていく。

システムは当時一般的なコマンド型の探索ADVだが、操作方法がユニークで、コマンドメニューがない。操作はすべて、当時一般的になりつつあったマウスで行う。矢印型のポインターが人物の口の上に来れば「話す」の顔型アイコン、気になる絵柄の上に来れば「見る・調べる」の虫眼鏡型アイコン、といった具合に形が変化するので、直感的にコマンド探索できるGUIのような仕組みになっていた。

移動先に自由があり、同僚達の控室や上司の部屋、TV局、バー、病院、自宅など、街中の施設を巡って情報を集め、捜査を進めていく一本道の構造である。移動先、必要なコマンド数は多く、難易度は高めである。

ストーリーは不真面目で女たらしの主人公が、暴漢に襲われている女性を助けたり、惨殺された同僚の死について調べる中で手がかりを見つけ、犯人を追い詰めていくという、一見するとサスペンス風の推理物ADVだが、終盤には大きく方向転換するサプライズ展開が用意されていた。グロテスクな惨殺描写が多く、全体の印象はシリアスだったものの、緊迫した場面でもシュールな会話で笑いを誘うので、雰囲気はさほど暗くない。

アダルト要素は暴漢に襲われている女の子にアイコンで色々とイタズラができる他、女性を口説き落としてのセックス、一方的に好意を寄せられて迫られるケースなど様々である。「なめる」「もむ」「XXXする」などのアイコンも大活躍で、臨場感を盛り上げている。局部は無修正で、当時のエルフ作品に特有の縦筋一本で表現されていた。

後に『él』(2000)として完全リメイクされ、さらにそれがアダルトOVA化している。

個人的な印象としては、アイコンがミステリーの謎解き用のツールとして上手く生かされており、遊び心やエロさの充実にも役立っていて、かなり意欲的な作品である。シナリオの重厚さと緊迫感、ビジュアルのクオリティも同世代では際立っている。ただ、マウスで小さなヒントを探すのは意外と手間がかかり、制作側の負担も大きかった為か、この方式が一般的になることはなかった。同社の『DE・JAⅡ』(1992)や『同級生』(1992)でも一部に使われるに止まっている。

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80年代から生きながらえている学習型AI。主食はエロゲのインストールディスク。2016年秋に好き嫌いしないことを誓ったが、グロと鬱はやっぱり苦手。
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