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古今のアダルトゲームを広く浅く調査及び成る丈簡潔にご報告致します

アダルトゲーム 発売順タイトル一覧 1990年

・主に国内で発売された商業用のPC向けアダルトタイトルを対象にしていますが、一部に同人作品、非アダルト美少女ゲーム、家庭用ゲーム機向けの作品をあえて載せている場合があります。
・発売月が疑わしいまま掲載している場合があります。
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調査担当

『METAL ORANGE』 概要

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©1990 CUSTOM
METAL ORANGE (CUSTOM)

・1990年12月**日 PC-8801用 FD版
・****年**月**日 PC-9801用 3.5インチFD版 5インチFD版

90年代初頭の作品で、脱衣CG付きのアルカノイド風ブロック崩しゲーム。

シナリオ性はなく、ゲームをクリアしていけば女の子達が脱衣していく純粋な脱衣ゲームである。女の子は学生服やレオタード、チャイナ服などにSF要素を加えた衣装の5人で、登場する順番に一人ずつ倒していく一本道である。

ゲームは古典的なブロック崩しに自機のパワーアップ要素を加えた形で、『グラディウス』のようにパワーアップアイテムをストックしていき、自機のスピードアップや横幅の拡張、射撃能力、ボールの分裂、ボールの強化など、多種多様なオプションを使いこなしていく必要があった。ステージが進むごとにブロックは堅くなり、狙い辛い配置になっていく。難易度は高いが、コンテニューの代わりにセーブ機能があり、時間をかければクリアできるよう配慮されていた。

CGは最初に女の子からの挨拶シーンがあり、2つの面をクリアすると最初の脱衣CG、4面クリアで2段階目、7面クリアでトップレスになり、11面クリアでトップレス、裸、セックスシーンの3枚が表示されるのが基本パターンである。それぞれに対決風の簡単なセリフが添えられていた。女の子の陰部にはフィルター状の修正が施してあるが、半分透けて見えてしまう不十分なものだった。(当時はアダルトゲームが摘発された例がなく、各社が独自の裁量で規制していた。)

個人的な印象として、もちろんアルカノイドという下敷きがあってのことだが、ゲーム性は非常によく、ボリューム感もあり、一般ゲームに比べてもさほど遜色がない。アダルトCGも贅沢で、当時の脱衣物に珍しいエロさも備えていた。女の子達のきゃぴきゃぴした雰囲気と原画のタッチにやや癖があるが、全体的に完成度の高い印象である。

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『CAL』 概要

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©1991 バーディソフト
CAL (バーディソフト)

・1990年12月01日 PC-9801用 5インチFD版 3.5インチFD版
・****年**月**日 FM-TOWNS用 『CAL + CAL2 TOWNS
・****年**月**日 PC-9801用 『CAL 1・2 + PAL』 5インチFD版 3.5インチFD版
・****年**月**日 Windows3.1/Mac用 CD-ROM 『CAL 1・2 + PAL

90年代初頭の作品で、童話のヒロイン達をテーマにしたアダルトアドベンチャー。バーディソフトの出世作となった傑作で、同時にシリーズ続編に関する騒動から長くファンに惜しまれ、非常に知名度が高い。

主人公(名前は任意)は、聖バーディ学園の学生。片想いの図書委員「美加」に会うため毎日図書館に通うが、なかなか思いを打ち明けられずにいた。そんなある日、何気なく呟いた一言が偶然にも呪文「モテタイヨーンウ」と一致し、主人公はとぼけた性格の女神「ヴィーナス」の元に召還される。女神は主人公に自信と勇気を与えるため、彼を永遠の夢の世界「CAL(キャル)」へ送り出すのだった。

システムは基本的に選択肢型で、移動先に自由がない一本道の展開である。2~4択の中から正解となる選択肢を絞っていくクイズのようなゲーム性だが、Hシーンなど所々で総当たりする必要もあり、コマンド型と選択肢型の中間のような仕様となっていた。

シナリオはおとぎ話の世界に飛ばされた主人公が、「赤ずきん」「シンデレラ」「人魚姫」等、有名な童話のヒロイン達に出会い、助けたり悩みを聞いたりする中で好意を寄せられ、思い出作りのセックスに発展するのが基本形である。弱みに付け込んで犯そうとしたり、相手を傷つけたり、本命の美加の存在を忘れた発言をすると「愛のない行動」として即バッドエンドを迎えてしまうため、紳士的な振る舞いを心がけなければならない。PC関連のメタ発言や芸能人ネタ、シュールなコマンド、童話のパロディなどで雰囲気は明るくコミカルである。

女性の陰部は当時珍しいモザイクによる修正で、コマンドで点滅させたり静止させたりできる他、モザイクをはずすコマンドまで用意されていた。ただし、はずしても元々何も描かれていない。

続編に『CALⅡ』(1991年)、『CALⅢ ~完結編~』(1993年)がある他、ファンディスク『PAL』が'91年6月頃から通信販売されており、後のリバイバル版ではすべてセットになっている。

まず目を引くのがビジュアルのクオリティで、これがヒットに繋がった最大の理由だったのは間違いない。さらに、当時のナンパゲームの主人公の目的はセックスで、ほぼ恋愛要素が無かったのに対して、本作では主人公が「愛の大切さ」を教えられ、あるいはヒロインに伝えていくという、ささやかながらドラマ性のある別離シーンが特に印象的である。同時期の『ドラゴンシティX指定』(フェアリーテール/X指定)と好対照をなしている。

大ヒットでバーディソフトの名を高めた本作だが、3作目の『CAL3』は開発の難航、社内の不和からスタッフの大量離脱を招き、ファンの期待を裏切るクオリティになってしまう。そのスキャンダラスな話題性もあって、後々まで当時の人気ぶりが際立つこととなった。

調査担当

『闘神都市』 概要

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©1990 ALICESOFT
闘神都市 (アリスソフト)

・1990年12月15日 PC-9801用 5インチFD版 3.5インチFD版
・****年**月**日 X68000用 FD版
・****年**月**日 MSX2用 FD版
・****年**月**日 FM-TOWNS用 FD版
・1997年12月18日 Windows用 CD-ROM 『アリスの館4・5・6』に収録
・2003年04月11日 配布フリー化宣言 (アリスソフトアーカイブスなどからDL可能)

90年代初頭の作品で、年に一度の武術トーナメント戦をテーマにしたアダルトRPG。

闘神大会。それは美女を賭け物にした戦士の祭典である。美人のパートナーを伴った者、もしくは本人が美人の場合だけ出場資格が与えられ、勝ち抜いた者は負けた者のパートナーを一晩自由にできる。また、優勝者は特権階級として生涯遊んで暮らせるという豪華な特典があるため、多くの戦士が集まる街の一大イベントとなっていた。田舎でくすぶっていた腕自慢の戦士「カスタム」は、父親の消息を追う美少女「クミコ」に出会い、腕を請われて闘神大会に出場することになるが、闘神都市に着いて早々、ゴロツキのような戦士「ドギ」に軽くあしらわれてしまい・・・?

システムは古典的な単一の階層式ダンジョンのRPGだが、探索画面はオートマッピングありの2Dフィールドとなっており、「闘神大会」の試合の日程によって探索回数や進行度が制限を受ける等、当時としては風変わりな仕様である。4日おきにやってくる試合当日に向けてダンジョンに通い、レベルや装備を充実させ、重要アイテム等を揃えていく。試合に勝てばフラグが進行し、新たな階層への道が開ける流れである。

シナリオはクミコの切実な願いを叶えるため、ヤサ男風の主人公が次の対戦相手の情報を仕入れ、ダンジョン内で対策方法となる技やアイテムを見つけ出し、うまく弱点を突いて勝ち上がっていく一本道のストーリーである。ややギャグ傾向が強いが、後半はシリアスなサプライズ展開となっていた。同社の「ランス」シリーズと世界観は共通だが、主人公が鬼畜な性格ではなく、かといってⅢのようなウブな少年でもなく、セックスには積極的に応じる普通さが特徴的である。

アダルト要素は試合後の相手のパートナーとのセックスがメインだが、それ以外にもダンジョン内で女の子が襲われている様子を目撃したり、シュールな理由でセックスを請われたりで、バラエティに富んでいる。また、鏡の破片をあつめて裸の女の子のCGを完成させたり、女の子モンスターを捕獲して売却したりと、ちょっぴりHなやり込み要素も充実している。女性の陰部には修正が入っているが、網状で隙間から半分見えてしまっている。

続編に『闘神都市II』(1994年)、『闘神都市II そしてそれから…』(1995年)がある他、十年以上空けて『闘神都市III』(2008年)が発売され話題となった。同名の3DS用ソフト『闘神都市』が2014年に発売されたが、これはⅡのストーリーを土台に独自のゲーム要素でアレンジされた非アダルト作で、本作品との繋がりは薄い。

個人的には非常にユニークな印象で、オートマッピングにより軽快に進められるテンポの良さ、アダルト要素の豊富さ、ビジュアルのクオリティ、ボリューム感、シナリオの重厚さなど、当時としては凝り過ぎに思えるほど充実している。後に西の横綱に例えられるほど人気メーカーとなるアリスソフトだが、この頃から頭角を現し始めている。

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『LIPSTICK. ADV2』 概要

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©1990 FAIRYTALE
LIPSTICK. ADV2 (フェアリーテール)

・1990年12月14日 PC-9801用 5インチFD版 3.5インチFD版
・****年**月**日 PC-8801用 FD版
・****年**月**日 MSX2/2+用 FD版
・****年**月**日 98NOTE専用 FD版

90年代初頭の作品で、女たらしの探偵が殺人未遂に巻き込まれ、事件の裏に隠された謎を追っていくアダルトアドベンチャー。『LIPSTICK. ADV』(1988)の続編。

主人公「浅見五郎」は都内に事務所を構える私立探偵。近所の女の子「清里音美」は、前作の事件でいよいよ五郎に懐き、仕事のアシスタントから家事まで世話を焼くが、五郎からは子供扱いされる日々が続いていた。そんなある日、運び屋の仕事で新幹線に乗っていた五郎は、偶然にも依頼品が爆発寸前の時限爆弾だった事に気付き・・・?

システムは、前作と同じくコマンド選択式で、移動先に自由があるタイプの探索アドベンチャーである。ソープランドや喫茶店、関係者の会社などを巡回し、事務所に戻って情報を整理し、推理して捜査を進展させていく一本道の構造となっていた。

シナリオは、殺人未遂事件に巻き込まれた主人公が、自分への疑いを晴らすため、真犯人「坂本」を追う内に、やがてヤクザや有名企業も絡んだ事件の真相に興味を持ち、深入りしていく探偵物となっていた。

アダルト要素は、風俗店の女の子や口説き落としたOLとのセックスで、数は少なめである。メインヒロインの「音美」と主人公が、互いに好意を寄せつつプラトニックな関係なのが、シリーズを通しての特徴となっている。

続編として『リップスティックアドベンチャー3』『Lipstick Adv.EX』『Lipstick ADV.4』が続いている。

個人的な感想としては、サクサクと進めるテンポの良さは魅力だが、主人公の動機づけが弱いため腑に落ちない面があり、奇跡のような偶然や協力者に救われるばかりの展開は、推理物として何ともチープである。ビジュアル面でも作風が安定せず、今ひとつの印象である。

調査担当

『X・na [キサナ]』 概要

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©1990 FAIRYTALE
X・na [キサナ] (フェアリーテール)

・1990用12月05日 PC-9801用 5インチFD版 3.5インチFD版
・****用**月**日 PC-8801用 FD版
・****用**月**日 X68000用 FD版

90年代初頭の作品で、旅の剣士と元気な女の子のコンビがモンスターだらけの塔に挑み、囚われた女の子達を解放していくダンジョンRPG。

アムネリア公国の小さな街にそびえる奇妙な塔。女王の希望で建設されたその塔は、完成直後に悪魔が降臨し、建設にあたった街の男達が一人も戻らなかった上、おぞましい姿のモンスターが現れて街の女達をさらっていくようになってしまった。刺激を求めて放浪する主人公(名前は任意)は、空腹で倒れていたところを地元の姉妹、「フローラ」と「メイ」に救われ、偶然フローラが魔物にさらわれる場面に居合わせる。一宿一飯の恩義に報いるため、主人公はメイと共にモンスターのはびこる塔に挑む。

システムは3D視点のダンジョン探索RPGで、装備品あり、マップ機能なしの当時としては標準的なスタイルである。手描きでマッピングしつつ、それぞれの階層でレベルを上げ、キーアイテムを入手し、ボスを倒して次の階層に進む古典的な展開となっていた。最大3人パーティで、参加中の女の子の顔が常に表示されるため、画面の印象が華やかなのが特徴である。

シナリオは主人公とメイの2人が固定メンバーで、モンスターに陵辱されそうになっている女戦士を救助、助けられた女戦士が3人目として仲間に加わり、他のいやらしい目にあっている女の子達も解放した後、階層のボスを倒して3人目は離脱、というのが基本パターンである。主人公とメイの緊迫感のない掛け合いが特徴的で、女の子達もあまり悲壮感がない。モンスター達もさらった女の子でソープやストリップ、キャバクラといった風俗店を経営しているケースが多く、主人公を客として扱うなど、緩くコミカルな世界観である。

アダルト要素は主にモンスター達による陵辱シーンのCGである。主人公自身が女の子と絡むことはなく、本番行為は寸止めになっている等、エロさは控えめだったが、一部で無修正画像を含んでいた。(当時はアダルトゲームが摘発された例がなく、各社が独自の裁量で規制していた)

個人的にはゲームバランスが粗っぽいのが印象的で、特に相棒のメイの死にやすさに泣かされた。また、セーブポイントは街にしかなく、回復アイテム類もないため慎重さを求められる一方、宿泊時には所持金の半分を没収される厄介な仕様となっていた。難度の上げ方としては乱暴だろう。

調査担当

『DE・JA』 概要

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©1990 ELF
DE・JA (エルフ)

・1990年06月15日 PC-9801用 5インチFD版 3.5インチFD版
・****年**月**日 PC-8801用 5インチFD版
・****年**月**日 X68000用 FD版
・2004年05月28日 Window用 CD-ROM 『DE・JA マルチパック』にてリメイク
・2017年06月20日 ダウンロード販売開始 【DMM
・2017年06月20日 ダウンロード版『DE・JA マルチパック』に収録 【DMM

90年代初頭の作品で、若い考古学者が古代の秘宝の謎に迫っていくアダルトアドベンチャー。

主人公「はつしば りゅうすけ(名前変更可)」は、若い考古学者。奇抜な学説で知られ、テレビにも出演する有名人だが、権威に物怖じしない性格のため、日本の考古学会からは出入り禁止を食らっている異端児である。そんな彼の元に、不思議な骨董品を調査して欲しいという依頼が舞い込む。依頼者の老紳士「斉藤」は、その杖を手に入れてからというもの、金髪の美女が手招きする夢を毎夜見るというのだ。興味をもった主人公は、早速友人の考古学者「がちゃ子」と共に調査に乗り出すが、斉藤は依頼直後に不審な死を遂げていた・・・。

システムはコマンド選択式で、移動先に自由があるタイプの探索アドベンチャーである。フェアリーテールの『リップスティックADV』(1988)の流れを汲んでおり、類似点が多い。各移動先で情報を集め、研究所に帰って「考える」ことで謎を解明し、ストーリーを進展させていく一本道の構造となっていた。プレイヤー自身が暗号や謎掛けを解かなければならない謎解き要素も備えている。

シナリオは学者の主人公が、不思議な杖に隠された秘密をめぐり、対立するライバルの様々な妨害を乗り越え、古代文字やメッセージを読み解き、徐々に謎の核心部分へと迫っていく展開である。とぼけた性格の脇役達が繰り広げるシュールな会話が特徴的で、雰囲気は明るい。

アダルトシーンはエンディング付近に集中しており、数はそれなりである。女の子の陰部に修正はないが、無毛無陰唇で太い縦筋一本という当時のエルフ特有の表現になっていた。(当時はアダルトゲームが摘発された例がなく、各社が独自の裁量で規制していた。)

CGアーカイブをおまけディスクに収録するのではなく、スタートメニューから経験済みのHシーンを回想できる先進的な仕組みを備えていた。

続編として『DE・JA2』(1993)が続いた他、2000年代になってDE・JA1・2をまとめてリメイクした『DE・JA マルチパック』(2004)が発売されている。

個人的な印象として、無数の伏線や謎が張り巡らされた本格的なミステリーアドベンチャーで、会話パターンの多さ、小ネタの数々、ビジュアルのクオリティの高さも相まって、一般向け作品にも匹敵する大作となっていた。難点は必要なコマンドが多すぎて手数が膨大になり、特に詰まった時の総当たりが煩わしく感じる点だろうか。また、序盤から中盤にかけてアダルト要素はパンチラ止まりのことが多く、結局脱がない女の子も多いので、アダルトゲームらしさを期待したプレイヤーは焦れてしまったことだろう。

調査担当

『ストロベリー大戦略 NOVU』 概要

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©1990 FAIRYTALE
ストロベリー大戦略 NOVU (フェアリーテール)

・1990年05月17日 PC-9801用 5インチFD版 3.5インチFD版
・****年**月**日 PC-8801用 FD版
・****年**月**日 X68000用 FD版
・****年**月**日 MSX2/2+用 FD版
・****年**月**日 PC-9801用 廉価版 5インチFD 3.5インチFD

90年代初頭の作品で、戦略シミュレーションに美少女ゲーム要素をミックスしたアダルトSLG。

主人公の男子学生「ノブ」は、クラスメートとの揉め事の最中、偶然が重なって異次元に飛ばされてしまう。辿り着いたのは、大小の国々が群雄割拠する世界の小さな国「エンド国」。ノブは居なくなった領主のプリンスの替え玉として、隣国の「アイコ姫」と政略結婚するが、アイコ姫の実家は間もなくお家騒動で断絶。周囲を敵に囲まれたエンド国は危機に陥った。領主の病死で家督を継いだノブは、伴侶のアイコ姫、配下の「ヒデ」「ヒデ兄」の助けを借りながら富国強兵に励み、天下統一を目指していく。

システムは当時の人気SLG、光栄の『信長の野望・戦国群雄伝』によく似ている。行政モードでは配下の武将達を指示して開墾、治水、街開発で国力を上げ、外交で同盟関係を築き、徴兵や訓練、築城で軍事力を養っていく。隣国に攻め込むと戦闘モードで、マップ上で騎馬、歩兵、鉄砲、闇人などのユニットを直接操作して、敵ユニットを撃破していくウォー・シミュレーションとなっていた。

シナリオは日本史が土台になっており、特に戦国から安土桃山にかけての人物や事件がモチーフになっている場合が多いが、妻のアイコ姫がパンクロック歌手で、ことある毎にコンサートを開くなど、緩くコミカルな世界観が特徴的である。

アダルト要素は変わっていて、攻め落とした国の姫や女武将を、戦利品として受け取った際に発生するが、抱いてしまうと妖怪なら一発アウト、人間でもアイコ姫に浮気がバレてゲームオーバーになる事があるため、疑われないように、事後に配下か余所の国に嫁がせる必要があった。ちなみにアイコ姫は13歳のため手が出せない。姫の数は多く、すべてのHCGを見るためにはセーブ・ロードを繰り返しながらの結構なやり込みが必要な仕様となっていた。

続編として『ストロベリー大戦略2』が続いている。

一般ゲームと比べると、ゲームバランスや操作性、テンポに難点が目立ち、さすがに洗練さに欠ける印象だが、アダルトゲームに戦略級のターン制ストラテジーを持ち込んだ元祖として特筆に価する。同ジャンルは数は少ないものの、自由度とやり込み要素のためか人気が高く、アリスソフトの『鬼畜王ランス』(1996)、『大悪司』(2001)といった地域制圧ゲームにも影響を与えたと思われる。

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『うろつき童子』 概要

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©1990 FAIRYTALE
うろつき童子 (フェアリーテール)

・1990年04月21日 PC-9801用 5インチFD版 3.5インチFD版
・****年**月**日 PC-8801用 FD版
・****年**月**日 MSX2/2+用 FD版
・****年**月**日 X68000用 FD版

90年代初頭の作品で、同名の成人漫画『うろつき童子』(1986年)をゲーム化したホラー系ファンタジーのアダルトアドベンチャー。

主人公「天邪鬼」は獣人界、魔界でも名の知られた獣人の実力者である。新世界を創造するといわれる存在「超神」に興味をもつ彼は、超神の力をもった人間を500年も捜し続け、ついに現代日本の「盟神学園」で濃厚な気配を嗅ぎつけたのだった。超神の候補はバスケ部の尾崎、生徒会長の宮沢、テニス部の坂本の3人で、いずれも女性から熱い視線をうける色男たち。主人公は転校生「天野一」として学園に潜り込み、子分の「黒子」と共に一人一人を調査していく。

システムは当時一般的だった移動先に自由があるタイプの探索アドベンチャーである。主に学園内が舞台で、教室や体育館、保健室、宿直室などを巡り、遭遇した人物との会話の中で情報をあつめ、物語を進行させていく。

シナリオは硬派な主人公が"超神"の正体を突き止めるため、当たりをつけた人物の動向を探っていくうちに妖魔達の企みを知り、超神や人間達を守るために対決していく展開である。一部にグロテスクな惨殺シーン、アニメーションやエフェクトを用いたアクションシーンを含み、見所となっていた。

原作漫画は"淫獣"や"触手"を使った異種姦物のアダルトアニメの原点となった作品だが、本作品でのアダルト描写は、主人公が女子の着替えやカップルのセックス、乱交、レイプを目撃するといったケースが多く、妖魔による異種姦はさほど比重がない。主人公自身は直接関わらないのも大きな特徴といえる。

キャラクターデザインは、漫画ともアニメ版とも大きく異なり、ゲーム独自の大胆な改変がなされている。シナリオもゲーム用にアレンジが加えられ、かなりマイルドな印象になってしまったものの、軟派な作風の多かった当時のアダルトADVには珍しい、妖しくシリアスな雰囲気と熱血の入り混じった、異色の作品に仕上がっている。

調査担当

『妖獣クラブ』 概要

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©1990 D.O.
妖獣クラブ (D.O.(ディーオー))

・1990年06月29日 X68000用 FD版
・2002年03月15日 Windows用 CD-ROM 『D.O.Classics Vol.2 「妖獣クラブ」』(リメイク)
・2006年02月24日 Windows用 DL販売開始 【DMM】【DL.getchu】【Gyutto】【DLsite

90年代初頭の作品で、妖獣に襲われる女の子をテーマにした陣取りパズルアクションゲーム。アダルトゲームとしては"淫獣"による陵辱をメインテーマに扱った最古の作品である。

ゲームシステムはタイトーの人気アーケードゲーム、『QIX(クイックス)』(1981年)にアダルト要素を加えたような、パズルアクションゲームである。ゲームの背景画面がご褒美CGを兼ねた絵柄となっており、自機を操作して、敵陣地を四角く切り取る事で自分の陣地を広げ、下敷きの画像を露出させていく。プレイヤーは一匹のモンスターとなり、境界線上を追いかけてくる天使、敵陣地内を跳ね回る女の子達を避けながら画像を切り取り、80%を占有すればクリアとなった。

CGは女の子一人あたり3枚用意されていて、それが三層に積み重なっている演出となっているため、最後まで見るにはコンテニュー無しで2連続クリアする必要がある。女の子の数は10人なので、ステージは合計20面である。敵の動きが速く、アクションゲームとしては非常に難易度が高かった。

アダルトCGは、女の子の背後に異形のモンスターが現れる場面に始まり、服を破かれる第二枚目、陵辱される第三枚目、とストーリー性を感じさせる構成になっている。巨大なモンスターによる拘束、長い舌や触手、レズビアンによる陵辱の表現などを含み、異種姦を強調する点が特徴的である。

続編として、同じX68000用に『妖獣クラブ2』が続いた。PC-9801用に『妖獣倶楽部カスタム』が発売されたが、こちらはCGを妖獣クラブ1・2から流用しているものの、ゲームは神経衰弱となっていた。2000年代に入ってから再び陣取りゲーム『妖獣クラブ(D.O.Classic Vol.2)』(2002年)としてリメイクされたが、CGはすべて新規のものに差し替えられた。

コンセプトの似た作品に、カネコのアーケードゲーム『ギャルズパニック』(1990年)のシリーズがあり、タイトーが販売も手がけた正規許諾品だったが、脱衣+QIXの着想は本作品の土台となった『ときめきチェリーボックス』(1990年)が最も早かったようだ。

タイトルは当時の成人漫画家、前田俊夫氏の作品の影響をうけたものと思われる。この作品以後、女の子が「淫獣」「妖獣」と呼ばれる奇怪なモンスターに襲われる異種姦物は、アダルトゲームにも定着し、マイノリティながら一定の需要を誇るジャンルとなった。ただし、触手に襲われる表現は前年あたりから流行しており、異種姦も『グラムキャッツ』(1988年)の例があるため、表現自体が元祖という訳ではない。

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調査員プロフィール
80年代半ばに登場した学習型AI。主食はエロゲのインストールディスク。電波系、欝、グロ、萌え萌えした作品が苦手。ゲーム性のあるもの、ギャグ作品が好き。
メーカーサイト
一部、これらのメーカーサイト様のWEB素材を各ガイドラインに従い引用しています。このサイトからの二次転用を固くお断りします。

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