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古今のアダルトゲームを広く浅く調査及び成る丈簡潔にご報告致します

『GLO・RI・A ~禁断の血族~』 概要

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©1996 C's ware
GLO・RI・A ~禁断の血族~ (C's ware)

・1996年04月05日 PC-9801用 3.5インチFD版 5インチFD版
・1996年08月09日 Windows95用 CD-ROM版

90年代中頃の作品で、美少女たちの暮らす屋敷を舞台に、二枚目の大学生が奇妙な一家の秘密に迫っていくアダルトアドベンチャー。『禁断の血族』(1993年)に続く禁血シリーズの2作目。

舞台は2017年のボストン。主人公の綺羅はハンサムで礼儀正しく、MITでも一、二を争う秀才である。大富豪のグロリア家に雇われた綺羅は、住み込みで家庭教師をすることになるが、奇妙なことに、教える相手は5人姉妹の内、長女を除く4人の中から才能を見込んだ娘を選んでいいという。一方、友人のゲオルクは一足先に家庭教師として雇われ、長女と組んで何かを企んでいる様子である。綺羅はメイド達による性接待や、住人達のHな誘いに応じつつ、教え子と信頼関係を築き、月に一度の学力テストで成果をあげることを目指していく。

ゲームシステムは一本道だった前作と異なり、選択肢分岐型ADVとなった。セックスの誘いに応じるか否か、誰の部屋を訪ねるか、といった選択肢が頻繁に登場し、複雑に分岐と合流を繰り返し、辿った経路によって24種類ものエンディングを迎える仕組みである。選択パターンが膨大なため、全てのエンドを自力制覇するのは難しく、難易度は高い。

シナリオは、美人の奥さまと十代の少女達、メイドが暮らす屋敷で暮らすことになった主人公が、様々な誘惑を取捨する中で、特定の相手から熱烈に求められ、ハッピーエンドを目指して作戦を練っていく流れである。バッドエンドは半数以下で、死亡エンドもほとんどなく、館モノにしては明るい作風である。

アダルト要素の比重は高めである。女の子一人一人に様々なパターンが用意されており、CGのコンプリートが難しく、やり込み要素となっている。性に対して大らかで奔放な屋敷内の雰囲気と、何でもスマートにこなし、セックスにも強い主人公が印象的である。

シリーズ3作目として『散櫻 ~禁断の血族~』(1999年)が続いた。関連商品は小説版OVA版原画集など。

個人的な印象としては、実用性に特化していた前作と比べ、ゲーム性を重視した作品で、雰囲気はマイルドになった。アダルト要素はボリュームもクオリティもそれなりで、好みに合えば実用性は高かったであろう。しかし、スキップ機能の欠如、SAVEスロットの不足などがゲーム性の足を引っ張る。ストーリーについても、世界観が幼く、展開が強引に感じてしまう点が気になった。


『ハーレムブレイド』 概要

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©1996 GIGA
ハーレムブレイド (戯画)

・1996年04月26日 PC-9801用 3.5インチFD版
・1999年06月11日 Windows95/98用 CD-ROM版

90年代中頃の作品で、中世ファンタジー世界を舞台にしたアダルトRPG。『V.G. -ヴァリアブル・ジオ-』や『STEAM HEART'S』など、ゲーム性重視の作品を手がけていた『戯画』の5作目にあたる。

舞台は中世風の王国メイプリーズ。主人公「カイン」は高名な勇者の息子だが、スケベで不真面目な性格で、ぐうたらな生活を送っていた。一方、弟の「アベル」は世界中で華々しい活躍を果たし、名だたる勇者として故郷に帰ってきた。二人は幼馴染の美少女「ショコラ」をめぐって衝突するが、そんな中、ショコラが謎の光に包まれて消えてしまう。これを魔王ガルガンチュアの仕業とみたアベルは、自ら一ヶ月の期限を定め、魔王の討伐に旅立つ。一方のカインも、夢に現れた女神のお告げや、ショコラの残した言葉に引っ掛かりを覚えつつ、弟の跡を追うように冒険の旅へ出るのだった…。

ゲーム操作は2D見下ろし型で、町の中やダンジョンでは、上下左右にスクロールさせながら探索していく一般的なRPGである。一方、町から町へ、町からダンジョンへ、といったマップ間の移動にはフィールドマップが登場するものの、行き先は固定でフィールド散策は省略されている。戦闘は普通のコマンドバトルで、最大3人パーティ、メンバーの入れ替えは自由である。

本作品の大きな特徴は二つある。一つは主人公たちのLVや金銭、持ち物が、ゲームクリア時の状態のまま、再スタート時に引き継げる周回要素である。当時のアダルトRPGとしてはかなり画期的といえるだろう。

もう一つの特徴は、エルフの『同級生』のように、移動毎に時間を消費していく点、そして野放図に自由度が高く、ヒロイン達の攻略が任意な点である。ヒロインは15人も登場し、それぞれ独立のストーリーをもち、イベントは各地で並行して起こる。複数の同時攻略もある程度は可能だが、日付や時間のバッティングが多く、細かいフラグの検証が必要となる。そのため、各ヒロインの攻略はセーブ・ロードを繰り返しとなり、自力攻略の難易度はかなり高い。

シナリオの基本的な流れは、主人公が実力をつけて国王から認められ、魔王の住むダンジョンへの立ち入り許可をもらい、一ヶ月以内に魔王を討伐するまでのストーリーである。その途中、目の見えない少女の願いを叶えたり、貧しい子供に毎日恵んだり、濡れ衣を着せられた女性の身代わりに逮捕されたりで、女の子達から熱烈に求められるイベントが発生する。ゲームクリア後、Hに至った相手の中から一人を選ぶことにより、個別のエンドを迎える。

ヒロインの名前がお菓子からとられていたり、露骨なパロディが登場するなど世界観は緩く、メインヒロインのシナリオを除き、作風は全体的にコミカルな印象である。

ヒロインは国王の一人娘、王妃、シスター、中華なまりの召使い、盗賊団の元首領、騎士娘、賞金稼ぎ、売れっ子の娼婦、医療魔法の使い手、酒場のマダム、サキュバスなどで、Hシーンは基本的に一人一箇所である。主人公の悪人度にあたる「カルマ」というパラメータがあり、悪人でなければ見られないSMチックなプレイ、陵辱イベントも存在する。

続編に『ハーレムブレイド2』(2000年)がある。関連商品にCG&原画集がある。

個人的には、操作性や画面表示で粗っぽい点が目立ち、RPGとして洗練されているとは言い難く、序盤の印象は悪い。ところがゲーム性は意外に良く、やり込み性やストーリーの奥行きもある。ビジュアルシーンは癖が強いものの、見慣れると味があって面白く、ボリューム感は高い。嗜好が合えばかなり遊べる内容だったといえるだろう。ちなみに、OP映像にはボイス付きの主題歌が流れる仕様で、FM-TOWNSやコンシューマでは見かけるが、PC-98用のゲームとしてはかなり珍しいのではないだろうか。


『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』 概要

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©1996 ELF
この世の果てで恋を唄う少女YU-NO (エルフ)

・1996年12月26日 PC-9801用 3.5インチFD版 5インチFD版 CD-ROM版
・1997年12月04日 セガサターン用 限定版 通常版
・2000年12月22日 Windows95/98用 CD-ROM 『エルフ大人の缶詰』に収録
・2017年03月16日 PS4用 限定版 通常版 
・2017年03月16日 PS Vita用 限定版 通常版

90年代中頃の作品で、学生の主人公が並列世界を渡り歩き、様々な陰謀や古代遺跡の謎を解き明かしていくミステリーアドベンチャー。PC版、コンシューマ版が共に大ヒットを記録し、非常に知名度が高い。

主人公「たくや(名前変更可)」は、一見おどけた性格ながら、鋭い洞察力と正義感を秘めた学生である。歴史学者の父親が事故で行方不明になってからは、義理の母親への接し方に悩み、素行も荒んでいたが、ある日、死んだ筈の父親から荷物が届く。そこには、俄かには信じがたい学説と事情が綴られ、次元と時間を少しだけ移動できる神秘的な装置、「リフレクターデバイス」が不完全な形で納められていた。父親の行方を追うたくやは、学園長の不審な動きや、遺跡周辺で多発する落雷事故の謎、猟奇事件などに巻き込まれて追い詰められ、その度に並列世界を遡ることで、運命の突破口を探り当てていく。

ゲームシステムはコマンド型で、移動先に自由があるタイプのADVである。前半は『ELLE』のようにアイコンを使い、自宅、学園内、遺跡の残る海岸、繁華街などを巡回し、画面内の気になる点や人物の口をクリックしすることで、情報やアイテムを入手していく。一方、OPや後半はコマンド選択式で、「見る・調べる」「話す」といったコマンドを総当りすることで進展していく。

風変わりなのは「A.D.M.S(アダムス)」という独特のシステムである。主人公が体験したストーリーの流れは、一枚のまっさらなマップ上で、線として記録されていく。どんなに慎重にプレイを進めても、やがて行き詰まるか、あるいはバッドエンドを迎えてしまう。そこで様々な分岐点を試すことになり、マップはストーリーの分岐点、合流点を図示した巨大なフローチャートになっていく。

マップはいつでも呼び出すことができ、特殊なアイテム「宝玉」を使うことで、過去の任意の位置からスタートできる仕組みである。宝玉はセーブ用のチケットのようなもので、数に限りがあるものの、ロードすることで回収もできるため、どう使いまわしていくかも戦略要素となる。

小さな分岐を丹念に踏破したり、別のヒロインのルートで重要アイテムを入手することで、複雑に絡み合った何本もの同時進行なストーリーが、少しずつ解き明かされていく仕組みとなっていた。

シナリオは、前半と後半で雰囲気が大きく異なる。前半部分は現代日本を舞台にしたSFミステリーで、プレイヤー自身が謎を解かなければならない本格派であり、難易度は高めである。構造はヒロイン個別ルートを備えた恋愛ADVに近く、それぞれと結ばれるまでが描かれる。一方、後半は雰囲気もシステムも全く異なり、異世界を舞台にした分岐のない一本道の構造となっている。

Hシーンはほぼヒロイン一人につき一箇所で、全体のボリュームの割に比重はない。ヒロインは義理の母親、TVの人気キャスター、謎めいた転校生、ツンケンとしたお嬢様、美人秘書などである。ヒロインを狙う卑劣漢も登場し、主人公の嫉妬心を煽るなど、物語のスパイスになっているのが印象的である。

通信販売の購入特典に『スペシャルディスク』があり、追加シナリオを含んでいたようだ。セガサターン版では露骨な性描写がなくなった代わりに、ボイスが加わっている。派生作品にOVA版、小説版があり、PS4、PS Vitaでのリメイクに合わせ、Webコミックの連載もコミッククリアにてスタートしている。

A.D.M.Sは『EVE burst error』(1995年)の流れを汲み、さらに複雑で奥行きのある謎を表現しており、本作はミステリーの傑作といえるだろう。また、設定の理論付けには実在の科学、数学、宗教、歴史などから数多くの学説、用語が引用されており、その解釈を巡ってファンの間で議論が交わされるなど、カルト的な魅力も備えていた。こうしたことから、その世界観は「ループもの」と呼ばれるフィクション群に広く影響を及ぼしたと思われる。代表例として、漫画『神のみぞ知るセカイ』の着想の元となったことで知られている。

ビジュアル、音楽面もハイレベルで、ボリュームも飛び抜けて充実しており、当時の一流作品だったのは間違いない。一様に評価の高い作品で恐れ多いのだが、個人的には異世界編での主人公の目標の幼さ、無謀さ、活躍の無さが気になり、物語に集中するのが難しかった。


PS4/PS Vita版 公式サイト
http://yu-no.jp/


『殻の中の小鳥』 概要

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©1996 BLACK PACKAGE
殻の中の小鳥 (BLACK PACKAGE)

・1996年02月29日 PC-9801用 3.5インチFD版
・1996年12月06日 Windows95用 CD-ROM版
・1997年09月05日 Windows95用 CD-ROM CDパッケージ版
・1999年07月30日 Windows95/98用 CD-ROM 『雛鳥の囀 with 殻の中の小鳥』に収録

90年代中頃の作品で、メイド達を娼婦として調教し、客を取らせていく育成シミュレーションゲーム。

舞台は19世紀のイギリスの地方都市。主人公フォスター(名前変更可)は、かつてキュレイポートと呼ばれる特務機関に所属し、女性を教育して男性客にあてがう調教師だったが、組織の活動が大スキャンダルになってからは摘発を恐れ、身を潜めていた。そんな彼に、脅迫めいた形で仕事の話が舞い込む。鉄道会社を経営する資産家ドレッドが、メイドの教育係として彼を雇いたいというのだ。自嘲的で諦観気味なフォスターは、屋敷に住み込んで街の貧しい少女達を集め、メイドという名の娼婦として一から教育を施していく。

ゲームシステムは、かなり独特な育成SLGである。12月下旬から3月下旬までの3ヶ月間、メイド達を調教して愛情・忠誠・耐久といったパラメータを上げ、個別のエンディングを目指すのが基本的なゲーム目標である。教育に必要な資金を得るため、定期的に屋敷を訪れる客に、育てたメイドを使って性的なサービスをさせなければならない。

調教モードは、カードバトルのようにランダムに配られた手札を使う。キス・舐める・揉むといった直接行為カード、筆・ろうそく・ディルドーといった器具カード、目隠し・縄・首輪・手錠といった拘束具カードがあり、記された数字によって効果の大小が異なる。また、メイドにもハードなプレイが苦手なタイプがいたり、特定の器具で大幅に成長したりと効果が異なるため、特性を見極めて使い分ける点がゲーム要素となっている。

カードは大半が自動で補充されないため、街に出かけてマップ上の様々なショップから購入する必要がある。マップには他にも重要な役割があり、例えば開始時は育成対象のメイドが一人しかいないので、マップ上の橋の上、駅、公園などを巡回し、事情ありげな少女たちと接触を重ね、高額を払って身請けしていく必要がある。他にもポーカーができるカジノ、娼館、花売りの少女に会える裏通りなどがあり、条件を満たせばHシーンが鑑賞できる。

シナリオは、主人公が薄幸な少女たちの身の上を探り、手馴れた様子で釣り上げ、高級娼婦として育てていく流れで、雰囲気はBGMも相まって物悲しい。主人公は冷酷な態度を取ることが多く、雇い主にも従順でプロ意識の高さを感じさせるが、内心は少女達に苦痛を強いることに葛藤しており、遠まわしな優しさをみせる。3ヶ月経った時点で判定が下り、5人の中から最も愛情度の値が高いメイドの個別エンドを迎える。この時、条件が整えば全てのメイドから祝福を受けるエンドも用意されていた。

アダルト要素はその日の調教終了時の興奮度の高さに応じて、一人当たり3段階のHシーンが表示される他、メイドの個室を訪れた際の突発イベントや、客への性接待として起こる。内容は一般的なプレイとSM要素で半々といった印象である。SMはボンデージが中心で、一部に鞭打ちなどの表現が含まれている。

続編として『雛鳥の囀』(1997年)が続き、それとセットになった『雛鳥の囀 with 殻の中の小鳥』(1999年)では、本作品も原画レベルでリメイクされた。関連商品に小説版、原画集、DVD-PG版、OVA版などがある。

メイドを主題に扱ったゲームとしては、アダルト・非アダルトを問わず元祖といえる作品で、特にヴィクトリア朝時代のメイドを選んでいる点はこだわりを感じさせる。90年代後半あたりから起こり、日本のサブカルチャーに根付いたメイド萌えの起源とみなされることが多いようだ。

個人的な印象としては、ゲーム性に優れた作品で、カードと育成の組み合わせはユニークである。自力でメイドを集めたり、メイドの特性を把握するのは難しいが、作中のヒントだけで何とか辿り着けるよう工夫されている。気になったのは背景や人体などのビジュアルのクオリティの不安定さ、Hシーンのテキストが淡白で短い点で、一流作品とは言い難く、やるせない雰囲気も好みが分かれるか。


『痕 -きずあと-』 概要

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©1996 Leaf/AQUAPLUS
痕 -きずあと- (Leaf)

・1996年07月26日 Windows95用 CD-ROM CDケース版
・1996年07月26日 Windows95用 CD-ROM DVDケース版
・2001年01月**日 Windows用 CD-ROM DVDケース 修正版
・2002年07月26日 Windows用 CD-ROM リニューアル 限定版 通常版
・2003年06月19日 Windows用 CD-ROM リニューアル 新装版
・2009年06月26日 Windows用 DVD-ROM 再リニューアル 初回限定版
・2009年09月18日 Windows用 DVD-ROM 再リニューアル 通常版
・2011年12月09日 ダウンロード販売開始 【DMM
・2011年12月09日 ダウンロード販売開始 『痕+雫 セット』 【DMM
 
90年代中頃の作品で、男子大学生が猟奇事件に巻き込まれていく伝奇系のアダルトアドベンチャー。Leafのビジュアルノベルシリーズの2作目。

主人公「耕一」は平凡な大学生。別居中の父親とは長く距離を置いていたが、父が事故死を遂げた後、父が大黒柱となっていた柏木家の屋敷に滞在することになった。そこに暮らすのは親戚で幼馴染の四姉妹、おっとりした長女の千鶴、勝ち気な次女の梓、無口でミステリアスな三女の楓、人懐っこい四女の初音。彼女達と何気ない会話を交わし、穏やかで怠惰な日常を送る耕一だったが、夢の中では獣じみた衝動が日に日に強まり、やがて夢の中で起こした凄惨な殺人が現実の事件として報道され…?

ゲームシステムは選択肢分岐型ADVの一種だが、前作『雫 -しずく-』とも異なり、『弟切草』(1992年)に似た特殊な形である。周回によって攻略できるヒロインがある程度決まっており、プレイを繰り返すことで新たな選択肢が増え、最終的に12種類のエンディングを迎える。中にはバッドエンド必至のルートもあり、それをこなさなければトゥルーエンド(ハッピーエンド)が迎えられない場合があった。

演出面では、前作から受け継ぐビジュアルノベル形式(全画面表示)や、会話に合わせて立ち絵を細かく変化させる点、実写取り込みの背景画像が印象的である。また、画面を引き裂くような爪痕、画面を覆うような血しぶきのアニメーションがあるなど、アクションシーンの演出にも工夫があり、これらは以後の他社作品にも影響を与えたと思われる。

シナリオは、前半と後半で大きく雰囲気が異なる。前半は四人姉妹との日常風景が中心で、明るく他愛ないやり取りや子供の頃の回想、父親や一族の死にまつわるエピソードが展開していく。一方、後半は凄惨な暴力描写や陵辱、セックス、バトルアクションを含み、重くシリアスな雰囲気である。ただし、グロテスクな情景描写はテキストのみで、CGは抽象的な表現に止まっている。

Hシーンはメインヒロインとなる四姉妹に一つずつで、他に雑誌記者やヒロインの友人、大学の同級生に陵辱シーンが用意されている。数は少ないものの描写は丁寧で、アダルトゲームとしての役割もおざなりにされてなかったのが分かる。

本作品は数年をまたぐロングヒットとなり、原画レベルで2度もリニューアルされた。派生作品にコミック版があり、同人作品の元ネタとしても人気を博したようだ。関連商品はフィギュアなど。

すべてのヒロインルートの攻略後、おまけシナリオとして4本のユーモア作品が開放される仕様となっていた。この内の一本が講談社の短編小説に酷似しており、講談社から盗作の疑いを直接指摘される事態になってしまう。このため2001年1月以降のロットからは、おまけシナリオを削除していることが3月に公表された。担当した新人脚本家はパロディを意図していたようだが、その点に関する明示をしていなかった。

本作品の個人的な印象としては、前作に続き「読ませる」ことに比重を置いた作品で、シナリオ重視のサスペンス要素は続きが気になり、奥行きもあって好感が持てる。泣きゲーのルーツに挙げられるだけあって、悲劇的な暗い展開が多いものの、特に泣き要素がメインになっている訳ではない。むしろ主人公のヒーロー性が際立つ「燃えゲー」の萌芽に特異性を感じるが、どうだろうか。
 

公式HP
https://leaf.aquaplus.jp/product/kizuato/


『雫 -しずく-』 概要

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©1996 Leaf
雫 -しずく- (Leaf)

・1996年01月26日 PC-9801用 3.5インチFD版
・1996年06月28日 Windows95用 CD-ROM版
・2004年01月23日 Windows用 CD-ROM リニューアル版
・2004年01月23日 Windows用 DVD-ROM リニューアル版
・2009年06月26日 Windows用 DVD-ROM 『痕 -きずあと-』の初回特典に同梱
・2011年12月09日 ダウンロード販売開始 【DMM
・2011年12月09日 ダウンロード販売開始 『痕+雫 セット』 【DMM

90年代中頃の作品で、学園を舞台にしたホラー系のノベルゲーム。Leaf初期のヒット作で、『痕 -きずあと-』(1996年)、『To Heart』(1997年)と共に「ビジュアルノベル」というジャンルを開拓した先駆者だった。

主人公「長瀬祐介」は平凡な学生ながら、狂気に惹かれ、奇妙な妄想にふける日々を過ごしていた。そんなある日、祐介のクラスで事件が起こる。生徒会の副会長を務めるクラスメート「太田香奈子」が突然発狂し、卑猥な言葉を口にしながら自身の顔を傷つけたのだ。香奈子はそのまま正気に戻らず、原因は分からないまま、セックスの形跡と夜の学校という2つの手がかりだけが残された。叔父にあたる教師から調査を頼まれた祐介は、関係者から情報を聞き込み、危険な香りを放つ夜の校舎へ足を向ける…。

ゲームシステムは選択肢分岐型のADVの一種で、当時のサスペンス作品でよく見かける、多数の選択肢、多数のバッドエンドを備えた構造である。同行したがる女の子を連れて行くか否か、といった行動分岐や、注意力を試す質問のような選択肢が現れ、その辿った経路によって10種類以上のエンディングを迎える。普通にプレイすればほぼバッドエンドのため、ハッピーエンドに繋がる僅かな経路を探り当てる点がゲーム要素の、難度の高い仕様になっていた。

当時として風変わりなのは、メッセージウィンドウがなく、全画面表示の画像の上に重ねる形でテキストを表示する点である。文字が大きく表示できるのが利点で、文字数の多さに伴う読み手の負担も軽減できたのではないかと想像する。また、画面を埋め尽くすような言葉の反復は、狂気の表現にも一役買っている。「ビジュアルノベル」と呼ばれる手法の誕生で、主流にこそならなかったが、『Fate/stay night』(2004年)等、他社のヒット作も生んでいる。

さらに、立ち絵の表情とポーズを、台詞に合わせてコロコロ変化させている点が目を引く。後に一般的になる表現だが、当時は小さなウィンドウ内で表情変化させる程度で、立ち絵そのものを細かく変化させる作品は見当たらず、自信はないが先駆者といえるかもしれない。実写取り込み風の背景画像もシリアスな雰囲気を盛り上げている。

ストーリーは、主人公が叔父から夜の校舎の調査を引き受け、事件に関わりのあるヒロイン達と会話を交わし、夜の校舎を探索、異様な事態に巻き込まれてピンチを切り抜けるまでの流れである。冒頭とエピローグを除いて、わずか一日間の出来事となっている。

主人公は、時折グロテスクで嗜虐的な妄想に取り付かれる以外は、常識的で純情な学生で、身を挺してヒロインを守ろうと奮闘していく。ヒロインは目撃者の明るく活発なバレー部員、被害者の親友で真面目な眼鏡っ子、そして全てを知っているかのような不思議な女の子の3人となっていた。

続編はないものの、作風を受け継いだ『痕 -きずあと-』が同年に続いている。また、Leafのファンディスク『さおりんといっしょ!!』(1996年)にて本作品のヒロインの一人「新城沙織」がナビゲート役を務めている。関連商品は小説版、設定原画集など。

個人的な印象として、セックス描写にもそれなりに比重があるものの、女体や顔の描き方に強烈な個性があり、アダルトゲームとしては人を選びそうだ。本作品の魅力はサイコ的な狂気描写の凄みで、クチコミ等を通じて話題となり、当時カルト的な人気を誇ったようだ。セカイ系を感じさせる、主人公の内面中心の語り口は、KeyやTYPE-MOONの初期作品にも影響を与えたことだろう。


公式HP
https://leaf.aquaplus.jp/product/sizuku/

 

『ぺろぺろCandy ~陽の章~』 概要

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©1996 Mink
ぺろぺろCandy ~陽の章~ (ミンク)

・1996年07月27日 PC-9801用 3.5インチFD版
・1996年12月20日 Windows95/98用 CD-ROM版
・2005年02月25日 Windows用 CD-ROM 『陽の章 ~ぺろぺろCandy~』としてリメイク
・2008年04月09日 DL販売開始 【Gyutto】【DLsite】【DL.Getchu】【DMM】 
・2014年11月21日 DL販売 『ミンクブランドパック』に収録 【DL.Getchu】【Gyutto
・2014年12月12日 DL販売 『Minkオールスターボリュームパック』に収録 【DL.Getchu】【Gyutto
・2015年07月10日 DL販売 『ミンク大大大感謝セット-Sweet-』に収録 【DMM
・2015年07月10日 DL販売 『ミンク大大大感謝セット-FULL POWER-』に収録 【DMM

90年代中頃の作品で、イメクラをテーマにしたセックスシミュレーションゲーム。陽気でポジティブな作風で、対となる姉妹作『しゃぶり姫 ~陰の章~』(1997年)が続いている。

主人公「純平(名前変更可)」は、女にデートの約束をすっぽかされてイラついていた時、イメージクラブ「Mink」と出会い、明るくテクニシャンな女の子「Candy(名前変更可)」とのひと時を楽しんだ。Candyをすっかり気に入った純平は、その後も店に通うようになり、様々な役になりきってプレイを楽しんでいく。一方、街中で出会うCandyそっくりの女の子「友佳」も気になる存在で…?

ゲームシステムはセックスのプレイ内容を編集するシミュレーターと、ADVの組み合わせである。公式のジャンル呼称は「マルチシチュエーション秘め事シミュレーター」となっている。最初に病院、学校、電車内など中から場所を選び、白衣、セーラー服などの服装を指定し、道具を使うか否か、前戯はフェラか69か、挿入はどの体位か、フィニッシュはどこに発射するか、といった項目を指定していく。

入力後は選択肢もコマンドもない読み物で、オートによる手放しプレイも可能である。場所と服装によって展開が全く異なり、合計12パターンのショートストーリーが楽しめる。また、膨大な項目の中から特定の条件を揃えないと見られないレアなCGもあるため、CGを自力でコンプリートするのは労力がかかりそうだ。

そして単純なイメクラシミュレーターでは終わらず、「好感度」のパラメータがあるのが特徴である。入店時の何気ない会話、イメージプレイの組み合わせ、突発イベントの選択肢によって上下する仕組みで、上昇につれて特殊イベントが進行し、最終的にハッピーエンドを迎えられるようになっていた。

シチュエーションは女医と患者、車掌と女子学生、新婚夫婦など様々で、受け責めも設定ごとに異なり、二人は完全に役になりきってシーンを演じていく。一方が強引にセックスに持ち込むケースが多いが、プレイ自体はノーマルで、SM要素もほとんどない。

対となる作品に『しゃぶり姫 ~陰の章~』(1997年)がある。また、続編に『Lovely Angels ぺろぺろCandy2』(2000年)があり、本作品のヒロイン「キャンディ」が新設定で再登場している。関連商品は実写AV版、小説版、DVD-PG版など。

電撃姫の’96人気ランキングで18位と、当時それなりにヒット作となったようだ。個人的には、『カスタムメイト』(1993年)のようなシミュレーターのヒロインを一人に絞り、メインストーリーで完結させたような印象である。シナリオ的にやや物足りないが、アダルト要素やビジュアルが充実しているので実用性は高かったことだろう。


公式HP
http://www.mink.co.jp/product/other/candy/index.html

『魔性の貌』 概要

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©1996 Mink
魔性の貌 (ミンク)

・1996年11月01日 PC-9801用 3.5インチFD版
・1997年06月05日 Windows95/98用 CD-ROM 限定版 CDケース仕様
・2010年08月27日 DL販売開始  【Gyutto】【DL.Getchu】【DMM】【DLsite
・2014年11月21日 DL販売 『ミンクブランドパック』に収録 【DL.Getchu】【Gyutto
・2014年12月12日 DL販売 『Minkオールスターボリュームパック』に収録 【DL.Getchu】【Gyutto
・2015年07月10日 DL販売 『ミンク大大大感謝セット-Dark-』に収録 【DMM
・2015年07月10日 DL販売 『ミンク大大大感謝セット-FULL POWER-』に収録 【DMM
・2016年08月01日 DL販売 『ミンク 定番人気作コンプリートパック』に収録 【Gyutto】【DL.Getchu】【DMM

90年代中頃の作品で、謎めいた女の手管により平穏な日常が壊されていく模様を描いたサスペンス系のアダルトアドベンチャー。老舗『ミンク』初期のヒット作である。

主人公「圭一」は平凡な学生。義理の母親、妹と3人で暮らしていたが、ある日、従姉と名乗る同級生「麗香」が現れ、4人での奇妙な生活が始まる。学校で、自宅で、圭一に見せつけるように自慰をしたり、幼馴染を巻き込んで淫らな挑発してくる麗香に対し、反感と恐れを深めていく圭一だったが、やがて母や妹にも魔の手が及び、平和だった圭一の周囲は淫靡で背徳的な空気に支配されていく…。

ゲームシステムはコマンドと選択肢の混合型で、移動先にほとんど自由がないタイプのADVである。普段は「見る」「調べる」「話す」といったコマンドを総当りすることで場面が進展していく。ほぼ一本道の展開だが、後半の3箇所で好意のあるヒロインを選択する場面があり、例えば母・母・妹、麗華・妹・幼馴染といった具合に、4人のヒロインの組み合わせによって24種類のエンディングに分岐する仕組みになっていた。

シナリオは、妖艶でミステリアスな美女の策略により、主人公の家庭や学園のモラルが崩壊していく様を描いた、シリアスでアダルト重視な展開である。エンディングは主人公死亡や、ヒロインの理性喪失によるバッドエンドがほとんどで、僅かなグッドエンドも、タガが外れた主人公達による変態的で退廃的な幕引きとなっているのが特徴である。

アダルト要素の比重は高めで、オナニーに始まり、手コキ、フェラ、挿入といったノーマルな行為から、道具や野菜を使ったプレイ、女性同士の絡み、3P、拘束プレイ、野外プレイ、寝取らせ等、後半になるほど過激になっていく。女性側が積極的なケースばかりで、陵辱はない。Windows版では一部にボイスが追加された。

関連商品は小説版、OVA版など。

当時一般的だったコマンドと選択肢の併用型、数多くのエンディングを備えたダークな作風である。個人的には、システム面での洗練不足、内向的で意思の弱い主人公の性格と、セックスの描き方に関して、動きを感じさせる難しい構図に挑戦しているのが印象に残った。後味の苦い雰囲気と絵のタッチが好みに合えば、実用性はそれなりにあったことだろう。


公式HP
http://www.mink.co.jp/product/other/masyo/index.html 

『天使たちの微笑み』 概要

天使たちの微笑み サンプル 天使たちの微笑み サンプル
天使たちの微笑み サンプル 天使たちの微笑み サンプル
©1996 JAST
天使たちの微笑み (JAST)

・1996年11月22日 PC-9801用 3.5インチFD版
・****年**月**日 Windows95用 CD-ROM版

JASTの代表作『天使たちの午後』シリーズの流れを汲むタイトルの作品で、受験を控えた女の子達の家庭教師をテーマにしたクイズ+育成シミュレーション。

大学を留年してしまった主人公は、生活のため新しく家庭教師のアルバイトを始めることになった。受け持つことになった生徒は問題児ばかりの4人の女の子。果たして主人公は受験までに彼女たちの信頼を勝ち取り、学力を上げて合格へと導くことが出来るだろうか・・・?

基本は育成シミュレーション形式で、10月の第一週から入試までの期間に4人の生徒達のパラメータを上げ、合格させることがゲーム目標である。それと同時にデートを重ねればヒロイン一人を攻略する事ができ、見事受験に成功すればHシーンが観賞できる恋愛シミュレーションも兼ねていた。

スケジュールは自動的に決まるので、SLGとしてのゲーム性は低い。特徴的なのは4択クイズでパラメータを上げ、他のコマンドでストレスを減らすなどの微調整をしていく点である。問題傾向はアニメや芸能、文学、車、歴史、英語など幅広いジャンルに及んでおり、難易度は高めである。

個人的な印象としては、流行していた美少女育成SLGの人気を追った形で、『天使たちの午後』シリーズとの関連性は薄い。ビジュアルのレベルは高めで、従来のJAST作品と比べてシステムもそれなりに凝っていたが、新シリーズとして定着するほどの人気を得る事はできなかったようだ。

Windows95版ではゲーム進行に致命的なバグを抱えており、修正パッチも完全ではなく、当時のパソコン通信で話題になっていたようだ。

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80年代から生きながらえている学習型AI。主食はエロゲのインストールディスク。2016年秋に好き嫌いしないことを誓ったが、グロと鬱はやっぱり苦手。
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