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Rance VI -ゼス崩壊- (アリスソフト)・2004年08月27日 Windows用 DVD-ROM版 【Amazon】【駿河屋】
・2009年03月19日 Windows用 DVD-ROM 廉価版 【Amazon】 【駿河屋】
・2011年11月25日 DL販売開始 【DMM】【Gyutto】【DL.Getchu】【DLsite】
00年代中頃の作品で、鬼畜な冒険者の活躍を描くアダルトRPG。『ランス5D』(2002年)に続く、Ranceシリーズの通算9作目。
(あらすじ) 主人公のランスは、並外れた実力を持ちながら、スケベで尊大、自分勝手な冒険者である。前作の後、冒険依頼を受けて訪れたのは魔法王国ゼス…魔法を使えない者が差別され、奴隷のように扱われ、遊び感覚で殺される歪んだ国だった。些細なトラブルから奴隷観察場に放り込まれたランスは、レジスタンス組織「アイスフレーム」の手引きで脱出し、弱体化していた同組織を裏から乗っ取り、抵抗活動を名目に、美女との一発を狙って様々な依頼をこなしていく。
ゲームシステムは、これまでのシリーズと全く異なり、ミッション選択型のRPGである。レジスタンス拠点を基本画面にして、提示されたイベント一覧の中から、冒険依頼や会話イベント、セックス、新技の習得などを選んでこなしていく。この際、蟹玉、猿玉、鷲玉と呼ばれる3種の玉を消費するので、シナリオ進展や味方の強化のため、任務とは別にダンジョンに通い、玉を集めなければならない。
自由移動によるマップ探索は、ダンジョンの中だけである。古いRPGで見かける3D視点での探索だが、実際に3Dモデリングを使っているため表現が立体的で、ダンジョンは細かな昇り降りを駆使した三次元的な構造になっているのが特徴である。また、マップ制覇率や冒険功績、女の子モンスターの捕獲など、ダンジョン毎に豊富なやり込み要素が用意されていた。
戦闘は、ターン制のコマンドバトルである。パーティは最大6人だが、16人の中から途中入れ替えが出来るのが大きな特徴となっている。メンバーそれぞれに「SP」と呼ばれる気力値があり、戦闘の参加回数が制限されているため、長い探索に備えて先発メンバー、中継ぎ、対ボス戦用など、役割分担を決めて戦力を温存したり、節約して粘り強く探索する点が戦略要素となっている。
育成に適度な自由があるのも魅力である。会話イベントやプレゼントによる親密度ボーナス、武器防具の購入・強化、ドロップアイテムのアクセサリー、パラメータ上昇アイテム等の強化要素がある。更に仲間が女の子の場合、ランスとHすることで才能限界(LV上限)がアップする。このため、初期メンバーでも手間と資金、アイテムを集中すれば長く使うことができる等、育成の優先度によってパーティに個性が生じていく。
シナリオは、従来通りの粗暴で欲望に忠実な主人公が、レジスタンスの一隊長となり、世直しを口実に銀行を襲ったり、高官の娘とのセックスを狙ったり、ご褒美目当てに賊を退治していくコミカルな展開である。それと同時に、ゼスの上層部やテロ組織、魔人の勢力の思惑が交錯するシリアスな状況も描かれ、楽天的で軽はずみなランスの行動をきっかけに、物語は世界を揺るがす重大な事態に発展していく。
アダルト要素は、主人公による強引なセックスが中心である。立場を利用して味方に迫るパターン、敵におしおきするパターン、救出した相手から強引にお礼をもらうパターンなど、シチュエーションは様々で、底なしの精力で相手をヘロヘロにしていく。また、敵による一般人への陵辱も多数あり、今回は特に凄惨で暴力的なシーンが多い印象で、以後のシリーズにも引き継がれている。
公式通販の特典としてデータCDが付属し、『大悪司』の岳画殺が登場する等のオマケ要素を備えていた。続編は『戦国ランス』(2006年)、『ランス・クエスト』(2011年)、『Rance IX -ヘルマン革命-』(2014年)、『Rance X -決戦-』(2018年)が続いている。
個人的な印象としては、アダルトゲームである前にRPGとして優れた作品で、豊富なやり込み要素、クオリティの高いビジュアル、重厚なシナリオ、長大なボリュームが揃い、非常に充実した大型作品である。アダルトRPG自体が希少な時代に、中毒性のあるゲーム性で存在感を放った超一流作品だった。難点としては、一部に過激で凄惨な性暴力、グロテスクな表現を含むため、耐性のない方は注意が必要である。
公式HP
http://www.alicesoft.com/rance6/
ランスワールドノート【公式】
http://www.alicesoft.com/haniwa/rance/series/post-20.html
PV