©1995 JANIS
ばにぃはんたぁ零 (JANIS/すたじお実験室)・1995年04月28日 PC-9801用 5インチFD版 3.5インチFD版
・1996年07月12日 Windows3.1/95/Macintosh用 CD-ROM版
90年代中頃の作品で、平凡な会社員が変身ヒーローになって謎の組織と戦う、ギャグタッチのアダルトアドベンチャー。開発は法人化前の「すたじお実験室」、販売はスペースプロジェクト系列の「JANIS」である。
舞台は現代の日本。主人公「零一」は平凡なサラリーマンである。経理部長である父親が会社の金を持ち逃げした件で追求された零一は、父の無実を証明するため捜査を始めるが、突然、謎のバニーガール集団「ネオバニー」に襲われる。公衆の面前で恥辱を受けそうになる寸前、駆け込んだブティックで出会ったのは、伝説の英雄が愛用した黒いマタドールスーツだった。スーツに込められた愛と情熱で変身した零一は、「バニーハンター零」としてネオバニーの刺客たちを返り討ちにし、Hなお仕置きで心を開かせ、事件の手がかりを掴んでいく。
システムはコマンド選択式で、移動先に自由があるタイプの探索ADVである。しかし終盤にはマルチエンド用に多少の選択肢もあり、さらにカードバトル要素とも組み合わされている。基本的には、会社やタバコ屋、自宅、商店街、学校といった移動先を巡回し、「Look」や「Talk」といったコマンドを総当りすることで新しい情報やアイテムを入手し、突発的なバトルに勝利することで、物語を進展させていく一本道の展開である。
カードバトルは「バトルスキンパニック」(1988年)のように、手札の数字の大小を競うシンプルなものである。運頼みな面もあり、ゲーム性はさほどない。負けてもその場からやり直せるので、難易度は易しい。
シナリオは、平凡で冴えない青年の主人公が、服の力を借りてキザで情熱的なヒーローに変身し、セーラー服や体操着、コマンドー風、下着姿、ナース服の女の子達を撃退していくバトル物である。とぼけた設定や勢いまかせの超展開が多く、作風は非常にコミカルである。
ヒロインは毎回どこからともなく現れ、主人公のピンチを救っていく「プリンセスバニー」の他、ラスト付近の選択肢の選び方によっては、敵のバニーや会社の先輩、銭湯の未亡人&娘と結ばれる個別エンドが用意されていた。アダルトシーンは同意を得ないまま押し倒したり、拘束するケースもあるが、おおむね和姦で行為はソフトである。
関連商品は小説版、フォトCD、マウスパッドなどがある。
個人的な印象としては、ストーリーは短く、ゲーム性もあまりないが、軽快なテンポとおバカなノリ、高クオリティなビジュアルが揃った魅力的な作品である。銭湯の母娘のHシーンは親子丼となっていて、後に一般的な題材となるが、時期的にかなり珍しいのではないだろうか。