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古今のアダルトゲームを広く浅く調査及び成る丈簡潔にご報告致します

『鬼畜王ランス』 概要

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©1996 ALICESOFT
鬼畜王ランス (アリスソフト)

・1996年12月19日 Windows95用 CD-ROM 初期ロット版
・1997年02月**日 Windows95用 CD-ROM 豪華版
・1997年04月**日 Windows95用 CD-ROM 普及版
・2006年09月**日 配布フリー宣言

90年代中頃の地域制圧型シミュレーションゲーム。『Rance』シリーズの番外編で、長大なボリュームとやり込み要素を誇り、数年をまたぐ大ヒット作となった。

(あらすじ)『ランスⅣ』の後、盗賊の首領となって面白おかしく暮らすランスだったが、ヘルマン軍の不意打ちに遭い、大切な奴隷シィルが捕われてしまった。復讐を誓ったランスは、やむなくリアと結婚してリーザス国王となり、またたく間に内乱を鎮圧し、立ち塞がる勢力や都市を制圧して、各国の美女達を獲得し、夜伽のコレクションに加えていく。

シナリオは、「もし、ランスが王様になったら…?」というifストーリーになっており、シリーズの本線から逸脱したパラレルワールドである。しかし、後のシリーズの舞台となる魔法王国ゼスやJAPAN、ヘルマンのマップもあり、各国の主要人物の原形が登場するなど、ランスの世界観を前倒しに、大雑把に完成させたような印象である。

ゲームシステムは戦略SLGの一種で、マップ上の街を1つ1つ制圧し、領土を拡大していく流れである。それと同時に、街の住人や元敵将たちをイベントを進めることで獲得し、ハーレムと配下の武将を充実させていく。一般的な戦略SLGに比べると、内政的なコマンドは簡素で、各キャラクターとの特殊イベント探しに比重が高い印象である。

戦闘は最大4対4のコマンドバトルである。各ユニットには、率いる軍勢の数、攻撃力や防御力といったパラメータの他、武将個人の強さやHP、特殊能力、必殺技が別にあるのが特徴的である。普通は軍勢の人数と攻撃力による力押しだが、「戦闘域」という制約要素や、一般人ではダメージを与えられない「魔人」の存在があるため、時には必殺技を使って武将を直接狙ったり、「作戦」や地形効果、装備品、特定の武将ペアによる補正を活用したり、といった戦術が求められる。

他国との戦争と別に、ダンジョン探索要素もあり、1ユニットを派遣して装備品や重要アイテムの獲得を目指していく。ダンジョンは計27つである。

配下になるユニットは51人、ハーレムに入る女性は50人で、登場するキャラクターは、端役も含めると200人近い。エンディングは6種類ほどあり、その際に女性キャラクター66名の「幸福」「不幸」判定が下る。これは後の「キャラクリ」にあたる仕組みで、中にはランスが全く関わらなかったことで幸福になる女の子も存在する。一度のプレイで全ての仲間を獲得し、イベントをコンプリートするのは不可能で、繰り返しプレイが必要な重度のやり込みゲームとなっている。

アダルト要素は、基本的に1人あたりCG1枚である。1つ1つの描写は短いが、とにかく数が多いので、全体の中での比重は高めである。ランスが相手の弱みを握り、取引や脅迫で寝室に呼び出し、無抵抗な相手に好き放題するケースが多い。それに相手から迫ってくるケースが続き、一部にランスがお仕置きとして強姦するケース、モンスター達による陵辱シーンなども含まれている。

人気の割に生産数が少なかった為、発売から数ヶ月間にわたって全国的な品切れ状態が続いたようだ。シリーズは『ランス5D -ひとりぼっちの女の子-』(2002年)、『Rance VI -ゼス崩壊-』(2004年)…と続いている。関連商品は設定資料集山本五十六フィギュアなど。

後の『大悪司』(2001年)、『大番長』(2003年)、『戦国ランス』(2006年)などに繋がる、地域制圧型SLGの一作目である。個人的な印象として、非常に自由度が高く、アダルトゲームとしては空前のボリュームとやり込み性を備えた作品である。世界観は重厚で、ビジュアルは丁寧、シナリオは続きが気になり、ノリノリのBGMも小気味良い。業界の主流と距離を置き、孤高のジャンルを開拓した作品だった。


ランスワールドノート【公式】
http://www.alicesoft.com/haniwa/rance/series/post-22.html


調査担当

『ランス4.2 -エンジェル組-』 概要

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©1995 ALICESOFT
ランス4.2 -エンジェル組- (アリスソフト)

・1995年12月08日 Windows3.1/ PC-9821/ FM-TOWNS兼用 CD-ROM版
・1997年05月**日 PC-9801用 3.5インチFD版
・2006年09月**日 配布フリー宣言

90年代中頃の作品で、スケベで横柄な冒険者の活躍を描くミニRPG。ランスシリーズの6作目。二部作の後編にあたり、前編の『ランス4.1 -お薬工場を救え!-』も同時期に発売されている。

前作の『ランス4.1』にて、工場の地下で召還ちゃんを倒し、依頼を果たしたランス一行だったが、事件の背後には「エンジェル組」と名乗る謎の組織の暗躍があった。敵の女幹部を捕らえ、拷問を口実にHな行為でいたぶり、エンジェル組のアジトを聞き出したランスは、追加の報酬を目指して再び探索を開始する。

ゲームシステムは前作と共通で、固定画面の2Dマップ上を歩き回り、立ち塞がる敵を倒し、障害となる仕掛けを解いていくミニRPGである。前作と異なる点として、エロ坊主の言裏、カード使いのキサラが仲間に加わり、最初から最後まで4人パーティとなった。

ストーリーは、鬼畜な主人公が組織のアジトに乗り込み、男は片っ端から殺していく一方、女幹部や非戦闘員の女の子、女の子モンスターは捕まえて、Hなお仕置きをしていく流れである。陵辱傾向が強く、一部にSMや浣腸、輪姦といったプレイを含んでいた。

シリーズは『鬼畜王ランス』(1996年)、『ランス5D』(2002年)、『ランスⅥ』(2004年)、『戦国ランス』(2006年)…と続いている。

個人的には、『4.1』と比べると謎解きは難解になり、イベント戦の敵は手ごわく、隠し要素も豊富で、ややゲーム性が増している印象である。シリーズの本筋からすると、話の規模が小さい寄り道的なストーリーなので、プレイしなくても歴史的な流れへの理解は支障が少ないだろう。


ランスワールドノート【公式】
http://www.alicesoft.com/haniwa/rance/series/post-24.html


調査担当

『ランス4.1 -お薬工場を救え!-』 概要

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©1995 ALICESOFT
ランス4.1 -お薬工場を救え!- (アリスソフト)

・1995年12月01日 Windows3.1/ PC-9821/ FM-TOWNS兼用 CD-ROM版
・****年**月**日 PC-9801用 3.5インチFD版
・2006年09月**日 配布フリー宣言

90年代中頃の作品で、鬼畜な冒険者を主人公にしたミニRPG。ランスシリーズの5作目で、二部作の前編にあたり、後編にあたる『ランス4.2 -エンジェル組-』が間もなく続いている。定価は4800円のミドルプライスだった。

前作『RanceⅣ -教団の遺産-』(1993年)の後、遊び呆けて金が無くなったランスは、一攫千金を狙って大きな仕事を引き受けた。大企業「ハピネス製薬」の依頼で、工場の地下にできた洞窟に入り、モンスターが発生する原因を探って破壊して欲しいというのだ。人工生命体あてな2号をお供に、ランスの鬼畜な冒険が再び始まる。

ゲームは単一ダンジョンを探索するRPGである。固定画面の2Dダンジョンをコマンド操作で歩き回り、オートマッピングで(あてな2号の)手書き風地図を完成させていく。途中、毒ガスやモンスターの妨害などで進めない箇所があるので、怪しい場所を探索したり、地上を行き来したりで重要アイテムや情報を入手し、1つずつ問題を解決していく謎解き部分が主なゲーム要素となっている。

シナリオは、我侭でスケベな冒険者の主人公が、大金を目指してダンジョンを攻略すると同時に、製薬会社の受付嬢や研究者、競争相手となる女冒険者に目をつけ、セックスする隙を窺っていく流れである。シリーズで初めて、真面目な奴隷シィルが相方を離れ、頭のゆるい人工生命体あてな2号がパートナーを務めている。また、準レギュラーとして女好きの僧侶「言裏」、カード使いの「キサラ」が初登場している。

立ち絵がない代わりに、目の粗いドット絵の姿が頻繁に登場するのが独特で、会話シーンやアクション、情景描写に使われている。ちなみにいかにも動きそうだが、全て静止画である。

他にも風変わりな点があり、一応はレベルアップありのRPGなのだが、敵は固定配置で、レベル上げの必要もなく、育成要素には比重がない。HPと体力のゲージが別々になっている点も奇妙である。攻撃を受けると両方削られ、HPが減ると怪我が重くなり、体力がなくなると気絶する。どちらかが0になれば戦闘不能である。

続編の『ランス4.2 -エンジェル組-』とストーリーが繋がっており、合わせて一本の作品といえる。シリーズは『鬼畜王ランス』(1996年)、『ランス5D』(2002年)、『ランスⅥ』(2004年)…と続いた。

個人的な印象としては、デフォルメや手書き風の演出が多用されており、過去作と比べて、ゆるくコミカルな雰囲気が目立ってきている。作風はボリューム的に小粒で、色々なアイデアが十分に煮詰めないまま詰め込まれている印象である。アリスソフトらしい、あけっぴろげで実験的な小作品といえるだろう。


ランスワールドノート【公式】
http://www.alicesoft.com/haniwa/rance/series/post-24.html


調査担当

『超昂神騎エクシール』 概要

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©2017 ALICESOFT
超昂神騎エクシール (アリスソフト)

・2017年07月28日 Windows用 DVD-ROM版 【Amazon】【Getchu】【駿河屋
・2017年07月28日 ダウンロード版 【DMM

10年代後半の作品で、正義の変身ヒロインをテーマにしたアダルト育成ゲーム。『超昂天使エスカレイヤー』(2002年)、『超昂閃忍 ハルカ』(2008年)の流れを汲む、超昂シリーズの3作目。

舞台は現代の日本。主人公「継彦」は、エロゲライター志望の学生で、エロに情熱を燃やすオープンなオタクである。魔王の生まれ変わりを自称しているため、周囲から浮いているが、実は本当に魔王だった。配下の悪魔「ベゼル」の導きで、誕生日に魔王の力を復活させる儀式に臨んだ継彦は、ベゼルの裏切りにあい、力のほとんどを奪われ、大事な後輩「キリカ」が瀕死になってしまう。一方、魔王を討つべく天界から派遣された天使「エクシール」は、哀れなキリカを救って力を失ってしまい、窮地に陥る。

新たに魔王となったベゼルから世界を守るため、継彦と一時的な協力関係になったエクシールは、継彦に残る色欲の魔力を得るため、導魔と名付けたエッチな行為を繰り返し、超昂戦士に姿を変えてベゼルの配下と対決していく。

ゲームシステムは、シリーズの流れを受け継ぎ、簡素なターン制の育成SLGとコマンドバトルの組み合わせである。定期的に回復する主人公の魔力をやりくりして、昼間はHでパラメータを育成し、夜はマップ上の敵の占領地を選択し、ザコ敵をコマンドバトルで倒し、解放していく。期限内に最奥の魔将(ボスキャラ)との戦闘に勝利すれば、次の章に移る仕組みである。

シナリオは、美少女ゲームにおける変身ヒロインの王道、といった感じで、普段は正体を隠し、一般人に紛れて学生生活を送りつつ、敵の怪人と対決し、Hなピンチを乗り越えて、最後に勝利するバトルヒロイン物である。

ヒロインがボスキャラに敗れた際、陵辱Hが起こるのがシリーズの伝統であり、本作品の目玉といえるだろう。何度敗れても、どこに監禁されてもアイテムで救い出せるものの、発動に時間がかかるため、その間にさんざん犯されてしまう、という設定である。ちなみに、陵辱をこなすと大幅なパワーアップが見込めるため、積極的にこなした方が育成は楽だが、度が過ぎると即座に堕落系のバッドエンドとなる。

陵辱Hはヒロイン1人につき2段階あるので、ボスキャラ1人あたり合計4つとなる。魔将が直接襲うケース、魔将に唆された一般人や動物、魔獣に犯されるケース、人質を取られて脅迫に屈するケースなど形は様々である。

一方、導魔(主人公とのH)では、ノーマルな和姦に始まり、フェラやパイズリなどに慣れ、やがてアナル開発、レズ、屋外でのセックス、見せびらかしセックスと過激化していく。更に、ヒロインの好感度によって純愛系のHが開放されたり、主人公の鬼畜度によって鬼畜なプレイが開放されたりと、育て方によって選べるプレイが異なっていく。

育成したパラメータや選択肢により、6種類の結末を迎えるマルチエンドとなっていた。

個人的には、お約束の塊といった印象で、アニメーションする変身シーン、なぜか敵や一般人にバレない変身前の素顔、快楽に屈してだらしなく乱れるビッチ感など、このジャンルの型を悉く押さえ、昔懐かしい雰囲気を醸し出している。また、ハードなSMやスカトロを除き、あらゆる定番プレイを網羅している印象で、獣姦、触手姦、蟲姦、寝取らせ、腹ボテ、おねショタなど、マニアックで幅広い需要に応えるアダルト重視な作風といえる。陵辱系が好みに合えば、実用性は高いであろう。


公式HP
http://www.alicesoft.com/ixseal/





調査担当

『は〜とふるママン』 概要

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©2017 ALICESOFT
は〜とふるママン (アリスソフト)

・2017年01月27日 Windows用 DVD-ROM 初回限定版 【Amazon】【Getchu】【駿河屋
・2017年01月27日 ダウンロード販売開始 【DMM

10年代後半の作品で、義理の母親との甘い生活をテーマにしたアダルトアドベンチャー。

主人公「真生(まお)」は真面目でお人よしな男子大学生。子供の頃に母親を亡くしたことで女性恐怖症になり、異性を意識すると鼻血を出して倒れてしまう特異体質である。そんな真生のため、父親が連れてきたのは容姿端麗、家事もそつなくこなし、優しく母性にあふれた理想的な後妻、「汐梨」だった。真生を気に入り、濃密なスキンシップで仲を深めようとする汐梨に対し、いけないと思いつつも欲求を募らせていく真生。一方、腹黒い祖父や叔父たちも汐梨の身体を狙っていて…?

妻みぐい3』 (2016年)の流れを汲む作品で、ゲームシステムは似ている。朝、昼、夕方、夜、深夜といった時間帯ごとに、MAP上の自宅や喫茶店、商店街といった行き先を指定していくタイプのADVである。簡素な育成SLG要素を持っているのが特徴で、ヒロイン汐梨は主人公と悪漢たち一人一人に対して、愛情値や受精値といったパラメータを持っており、プレイヤーは主人公の獣値、マザコン値、コンドームの残数などをコントロールしつつ、汐梨の元に通わなければならない。

期限内にメインヒロインのイベントを進め、悪漢たちのイベント進行を妨害し、先に妊娠させるのが基本的なゲーム目標だが、サブヒロインとのHや寝取られ要素にも比重があり、主人公が正副どちらを妊娠させたか、誰が汐梨を堕としたかによってマルチエンドを迎える仕組みとなっていた。

メインシナリオは、汐梨が本物の母親のように愛情をそそごうと、主人公に無防備で献身的に尽くす内に、スキンシップが次第に過激になり、母親としての立場に葛藤しつつ、ついに一線を越えてしまうまでの展開である。同時に、足の不自由な祖父やガラの悪い叔父、悪賢い少年が汐梨を言葉巧みに騙し、段階的に過激な行為を迫っていく。また、サブヒロインとして夫婦生活に悩む年下の人妻が登場し、イベントを進めると旦那より先に妊娠させることを目指す流れとなる。

アダルト要素の比重は高い。序盤は授乳、キスといった軽めのプレイだが、次第に手コキ、素股が普通となり、フェラ、ゴム有りセックス、生セックス、中だしと過激化していく。プレイヤーを焦らすような、ゆっくりとした進展具合が特徴的である。

個人的な印象としては、前作と同様、寝取りと寝取られ両方の充実を目指した、実用性重視の作風である。また、いくつかのエンドは非常に難易度が高く、自力でコンプリートしようとすると意外にやり込む必要がある。義母好き、寝取られ耐性のある方にお勧めしたい。


公式HP
http://www.alicesoft.com/heartfulmaman/


 

調査担当

『イブニクル』 概要

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©2015 ALICESOFT
イブニクル (アリスソフト)

・2015年04年24日 Windows用 DVD-ROM版 【Amazon】【Getchu】【駿河屋】【DMM
・2015年04年24日 ダウンロード販売開始 【DMM】【DLsite】【DL.Getchu】【Gyutto

10年代中頃の作品で、スケベな主人公と嫁たちの冒険を描くアダルトRPG。萌えゲーアワード2015において「やりこみ系作品賞」を受賞している。

中世ファンタジー風の世界。主人公「アスタ」は優しく正義感に溢れた性格ながら、極端にスケベでストライクゾーンが広く、可愛い女の子には欲情せずにいられない少年である。離島で不思議な双子の姉妹に育てられたアスタは、彼女たちとセックスをする為に島を飛び出した。この世界は創造主の聖母イブが与えた戒律により、一生にたった一人の相手としかセックスができず、これを破った者は「アウトロー」として、略奪することでしか生活できなくなってしまうのだ。もらえる嫁の数を増やすには、「騎士」として人々の為に活躍し、より多くの名声を獲得するしかない。アスタは旅先で知り合った女の子と恋に落ちつつ、邪悪な企みで人々を苦しめるアウトローの組織「蛇紋」を追って世界中を駆け巡る。

システムは近年のアダルトゲームには珍しい、フィールド型のRPGである。スクロールする広大なマップ上を自由に動き回り、新たに発見した街で情報を集め、装備を整え、周辺を探索しつつレベルを上げ、近くのダンジョンを制覇することで街の抱える悩みを解決し、移動できるマップを増やしていくのが基本的な流れとなっている。

パーティは最大5人編成である。スキルの編成に自由度があるのが特徴的で、全体攻撃といった攻撃スキルや、状態回復といった支援スキル、罠回避といった探索時の補助スキルがあり、限られたスキルポイントをやりくりして編成を手直しする点が戦略要素となっていた。

戦闘画面や操作性は同社の『ランスクエスト』(2011年)の流れを感じるが、世界観は『どらぺこ! ~おねだりドラゴンとおっぱい勇者~』(2013年)に近く、どらぺこのヒロイン達が随所でゲスト的に登場している。

シナリオは、当初はスケベ心を満たす為に冒険していた少年が、アウトローとの戦いの中で惨い犯罪現場や、世界にはびこる理不尽に遭遇し、共に戦う伴侶を得て、次第に使命感に目覚めていく展開である。日常風景は主人公と嫁たちのとぼけたやり取り、シュールな世界観で笑いをさそう明るい作風となっている。基本的に一本道の展開だが、重要な場面でバッドエンドみえみえの選択肢が登場し、ギャグタッチのオチを迎えるのも特徴的である。

アダルト要素は多くのヒロインに複数用意されている他、悪人による一般人への陵辱シーン、突発イベントも多く、非常に充実している。Hシーンに限らず、RPGにしては嫁たちとの甘くイチャイチャした雰囲気の恋人描写に力が入っているのが印象的である。

同年にサービスソフトとして、人気投票の結果やおまけシナリオを収録した『イブニクル外典』が続いている。関連商品は『アリスサウンドアルバム vol.27 イブニクル』など。

個人的な印象としては、昔なつかしい王道的なRPGの形を踏襲しながら、洗練された操作性と軽快なストーリー展開でテンポよく遊ぶことができ、アダルト要素も含めてボリューム感は充実している。難易度は易しく、やり込みゲームという程にはゲーム性は凝っていないので、絵が好みに合う人、攻略情報なしで気楽にRPGを楽しみたい人にお勧めしたい。


公式サイト
http://www.alicesoft.com/evenicle/ 





調査担当

『夢幻泡影』 概要

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©1995 ALICESOFT
夢幻泡影 (アリスソフト)

・1995年07月07日 Windows3.1/PC-9821/FM-TOWNS兼用 CD-ROM版
・1995年07月07日 PC-9801用 5インチFD版 3.5インチFD版
・1998年11月26日 Windows95/98/NT用 CD-ROM版
・2003年04月11日 配布フリー化宣言

90年代中頃の作品で、厭世的な人物の残り僅かな日々を描くアダルトアドベンチャー。アリスソフトの25作目である。

主人公「久遠(名前変更可)」は、両親の事故死で妹の「世羅」と共に孤児となるが、奇怪な人物「和歌子」に引き取られ、経済学を徹底的に叩き込まれて成人し、若干27歳で日本を支配出来る程の富と権力を持つまでになっていた。そんなある日、久遠は原因不明の病で倒れ、余命幾ばくもないことを知らされる。以前から虚無主義に囚われていた久遠は、高層ビルの最上階を大正時代風のレトロな豪邸に改造し、そこで退廃的な生活を送りながら死を待つことを決意する。果たして彼は、どんな最期を迎えるのだろうか…?

システムは選択肢分岐型のADVだが、自由度とランダム要素があり、かなり風変わりである。主人公が寝起きする自室を基点として、毎朝その日の仕事と、邸内でどう過ごすかを選択していく。仕事は「軍事関係」「服飾関係」といった7種類の事業で、特定の業種を選び続けることでイベントが進行し、シュールなエンディングを迎えることがあった。

また、仕事後の「寝る」「世羅の部屋に移動」「客間に移動」といった選択肢で様々な人物と遭遇し、展開によってはセックスや陵辱プレイに発展していく。この部分にランダム要素や周回要素があり、偶然や周回数によって選択肢が現れたり、前回のプレイ内容により選択肢が出なかったりする、変わった仕様となっていた。

ゲームの残り日数は決まっておらず、特定のイベントを進めた時点で終了となる。こなしたイベントや選択肢により、41種類ものエンディングを迎える。このエンディングの傾向も変わっていて、作品自体は暗くシリアスな雰囲気だが、なぜか番外編のような笑いを取る方向のオチにも力が入っており、エンディングの半数を占める。

主な登場人物は主人公と、主人公と一緒に育った男性秘書、同じく一緒に育った妻、実の妹、嗜虐心をそそるメイド、享楽的なメイド、献身的な看護婦、売れっ子の女性アイドル、性別不明の詩人などである。主人公は妹以外にはニヒルで冷淡な態度を取っていて、サディスティックな言動や権力で他人を弄ぶのを好む面もあり、悲惨な最期を迎えることが多い。一方、ごく一部で純愛を獲得し、満足を得る結末も用意されていた。

アダルト要素では、この当時としては珍しく、実の妹との近親相姦が描かれている。ソフ倫にはこの時期から、近親相姦や売春といった社会規範に反する行為を、明るく肯定的なタッチで描くことは許されず、暗く否定的な態度で描けば大丈夫、という審査基準があったといわれている。

退廃的な人物を主人公にした陵辱メインのゲームで、後に一般的になるが、時期的にかなり早い段階の作品といえるだろう。耽美、厭世観、終末的雰囲気といった、それまでのアダルトゲームにない要素をもったユニークな作風だったが、個人的には一つ一つの経緯や結末があっさりし過ぎて、ストーリー面での奥行きに乏しく感じるのが残念だった。


調査担当

『闘神都市Ⅱ そして、それから…』 概要

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©1995 ALICESOFT
闘神都市Ⅱ そして、それから…
【注意】非アダルト作品です。

・1995年12月08日 PC-9801用 3.5インチFD版
・1995年12月08日 Windows3.1/PC-9801/FM-TOWNS兼用 CD-ROM版
・2003年04月11日 配布フリー化宣言

90年代中頃のデジタル小説。大ヒットRPG『闘神都市II』(1994)のその後が描かれている。

前作から半年後、再び道場に戻って修行に明け暮れる主人公シードだが、ある事情により、かつて闘神として激闘を制した時の実力を取り戻せずにいた。そんなシードに、葉月の父親である師匠は、道場に代々伝わる修行法を提案する。それはモンスターが跋扈する危険な場所「荒野」で、一週間を生き延びるというものだった。シードが心配でついてきてしまった葉月も合流し、甘くロマンチックな旅になる筈だったが…?

形態は『闘神都市II』がRPGだったのに対して、こちらは純粋な読み物で、選択肢や分岐もなく、ゲーム要素は一切ない。文字のみで背景のない画面が基本だが、所々で全画面や半画面の挿絵が登場する仕様である。

シナリオは前作で堅い絆で結ばれた二人が、お互いに貞操の危機などに見舞われつつ、盗賊の砦を舞台に冒険を繰り広げる流れである。作中にお色気シーンは数箇所あるが、いずれも未遂で露骨なアダルト描写はない。前作は前作でほぼ完結しているので、本作はその番外編といった印象である。


調査担当

『闘神都市II』 概要

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©1994 ALICESOFT
闘神都市II (アリスソフト)

・1994年12月10日 PC-9801用 5インチFD版 3.5インチFD版
・1995年04月28日 PC-9801/FM-TOWNS用 CD-ROM版
・1997年06月20日 Windows95用 CD-ROM版
・2003年04月11日 配布フリー化宣言

90年代中頃の作品で、年に一度の武術トーナメントを舞台にしたアダルトRPG。『闘神都市』シリーズの第二弾で、大ヒット作となり、メインヒロインの「葉月」の人気も相まって、非常に知名度が高い。

中世ファンタジー風の世界。主人公「シード」は、瑞原流という剣術道場の門下生で、実力も性格も頼りない若者である。師範の娘「葉月」とは両想いだが、葉月を瑞原流の後継者に嫁がせようと考えている師範は、シードとの仲を認めず、葉月を騙して実力のある「ビルナス」のパートナーを引き受けさせ、名高い武術イベント、闘神大会に送り出してしまった。優勝すればビルナスが葉月を娶ると知ったシードは、これを阻止するため、姉代わりの女性「セレーナ」をパートナー(賭け物)に、強豪のひしめくトーナメント戦に挑む。

システムは前作と同じく、単一の階層式ダンジョンを探索していく一人パーティのRPGである。地上にある街を拠点に、数日おきにやってくる試合当日に備えてダンジョンに通い、レベルや装備、スキルなどを整えていく。試合で相手を倒す事ができればフラグが立ち、さらに下層に進める流れである。

シナリオは、当初は頼りない性格だった主人公が、様々な出会いや戦いを通してたくましく成長していくサクセスストーリーである。世界観は『Rance』シリーズと共通で、基本的にシュールでとぼけた設定の多いギャグ作品だが、一部に悲劇的なエピソードやシリアスな展開を含み、プレイヤーに驚きをもたらす奥行きのあるストーリー性を備えていた。

物語の所々に選択肢が用意されていて、主人公に「悪行」をさせることが出来るのも特徴的である。例えば、盗賊から取り戻した故人の刀を未亡人に返すか否か、嫌がる女性の純潔を無理やり奪うか否か、といった具合である。極端に悪行を積み重ねない限り大きなペナルティはなく、むしろCG回収の為には必須で、ストーリーへの影響は演出の違いといった程度だった。

アダルト要素は大会の規定による、破った相手のパートナーとのセックスがメインである。女性のタイプは様々で、主人公は挑発されたり、状況に流されたりと成り行きで相手をしていく。他にダンジョン内で有料のHなサービスを受けるパターン、悪人達やモンスターに女性が陵辱されているのを目撃するパターンなどがある。女の子モンスターを捕らえた際や、Hな写真を拾った際などに表示されるCGなどもあり、やり込み要素となっていた。

また、自宅を購入して家具を配置したり、希少な女の子モンスターをコレクションしたり、高難易度の強敵に挑戦したりといったオマケ要素が豊富に用意されており、当時のアダルトゲームとしては桁外れのやり込み性を備えた作品となった。

後日談として読み物タイプの『闘神都市II そして、それから…』(1995年)が続き、10年以上あけて『闘神都市III』(2008年)が発売され、本作のストーリーをベースに『闘神都市』として3DS用にコンシューマ化された。さらにソーシャルゲーム化も予定されている(2016/03時点)。関連商品はOVA版、瑞原葉月フィギュアなど。

個人的には操作感が良く、手間を省く機能も充実していて、ゲームとして洗練されているのが印象的だった。ビジュアルのレベルも高く、謎解きの仕掛けやストーリーも凝っていて、欠点らしい欠点が見当たらない。けなげで頑張り屋のヒロインの個性も光っている。発売から数年にわたって人気を保ち続けた、90年代を代表するアダルトゲームの一つである。


調査担当

『妻みぐい3』 概要

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©2016 ALICESOFT
妻みぐい3 (アリスソフト)

・2016年01月29日 Windows用 DVD-ROM版
・2016年01月29日 ダウンロード販売開始 【DMM】【DL.Getchu】【DLsite】【Gyutto

10年代中頃の作品で、人妻との秘め事をテーマにしたアダルトアドベンチャー。『妻みぐい』(2002)、『妻みぐい2』(2003)の後継で、『妻しぼり』(2006)を含めると『妻』シリーズ通算4作目にあたる。

主人公『明人』は平凡ながら、お人よしで思いやりのある若者である。勤務先のビル改装で長期の休みをもらった明人は、一ヶ月間を実家のある田舎町で過ごす事になった。そこでは明人のことを溺愛する二人の年上女性、かつて想いを寄せていた兄嫁「海夕里」と、スナックの未亡人「砂夜子」が彼を待ちわびていた。明人との仲を巡って砂夜子と火花を散らす海夕里は、明人を繋ぎとめるために不貞スレスレの過激な行為に及び、次第にエスカレートしていく。そこへ、明人をパパと呼び慕う美少女が現れて…?

システムはMAP上に現れるヒロイン選択型のADVである。8月1日から31日までの1ヵ月間を、朝、昼1、昼2、夜1、夜2、入浴、深夜といった7つ時間帯ごとに行き先を選んでいく形式となっている。ヒロインには受精値やイベント進行度といった簡単なパラメータがあって、スケジュール管理型の育成SLG要素もあるのが特徴的である。お目当てのヒロインを繰り返し選択してイベントを進め、受精値を高めて妊娠させることで、個別のエンドを迎えるのが基本的な流れとなっていた。

シナリオ面では、ヒロイン4人中3人が既婚者となっていて、主人公がエッチの相性やさりげない優しさ、ピンチを救う中で女性の心を揺さぶり、パートナーから心も体も奪いとっていく「寝取り」要素が強いのが特徴となっている。一方、ゲームモード「本気」ではライバルの横恋慕や悪漢達のイベントが進行し、放置しているとヒロインが襲われてしまう「寝取られ」要素も備えていた。こちらも比重が高く、ボリューム的には同じぐらいである。

アダルト要素の比重も高く、描写は濃厚である。序盤はヒロイン側が一線を守るため、手コキや素股といった軽い行為に終始するが、やがて口淫を経て、主人公の懇願を受け入れる形でゴムありのセックス、ついには生セックスに至り、膣内射精の虜になるという、プレイヤーを焦らすもったいつけた進展具合が独特である。倫理的タブーを犯していることを意識させ、男の征服欲を満たすヒロインの執拗なモノローグも印象的である。

寝取られイベントの形は様々で、ヒロインが寝ている間にいたずらをされるタイプ、間男に心を許して和姦に応じてしまうタイプ、悪漢に陵辱され、精神をやられてしまうタイプなどがあり、ライバルキャラ毎に段階的に進行していく。どの男に寝取られたかによって、複数の個別ENDが用意されていた。

関連商品に、本作のBGMなどを収録した『アリスサウンドアルバムVol.29』がある。

個人的な印象としては、寝取りと寝取られを両方共に充実させた作品で、ボリューム感は高い。年上、巨乳、NTR、おねショタ、セックス時のオーバーな長台詞など、諸要素が好みに合えば実用性は高いであろう。育成SLG的だった前作、前々作と比べるとADV寄りで、ゲーム性が低くなったのが個人的に残念だった。


『妻みぐい3』公式サイト
http://www.alicesoft.com/tsumamigui3/




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80年代半ばに登場した学習型AI。主食はエロゲのインストールディスク。電波系、欝、グロ、萌え萌えした作品が苦手。ゲーム性のあるもの、ギャグ作品が好き。
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