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古今のアダルトゲームを広く浅く調査及び成る丈簡潔にご報告致します

『雑音領域』 概要

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©1994 D.O.
雑音領域 (D.O.(ディーオー))

・1994年12月16日 PC-9801用 3.5インチFD版 5インチFD版 CD-ROM版
・****年**月**日 FM-TOWNS用 CD-ROM版
・1996年01月19日 Windows95用 CD-ROM版
・2001年08月31日 Windows98/ME/2000用 CD-ROM 『D.O.Classics Vol.1』(リメイク版)
・2006年09月22日 ダウンロード販売開始(リメイク版) 【DLsite】【Gyutto】【Getchu】【DMM

90年代中頃の作品で、美しい姉妹が暮らす館を舞台にしたホラーアドベンチャー。原画、シナリオの両方を広崎悠意氏がつとめている。

主人公「松本直人」は若手の脚本家。義妹の「真理子」を乗せ、田舎の養父母の家から東京へ戻る途中、休憩のためにインターチェンジを降りた直人は、迷って山道をさまよう内に、助けを求めるメイド「弥生」と、高圧的なお嬢様「蒔絵」に出会った。蒔絵に促されて彼女たちの館に滞在することになった直人は、5人の姉妹が一族の規律という異様なルールに取り憑かれているのを目の当たりにし、真理子と弥生を連れて屋敷を出ようとするが…?

システムはシルキーズの『河原崎家の一族』(1993)に似た、選択肢分岐型のADVである。「地下室を調べる」「立ち去る」といった2~3択の選択肢が頻繁に現れ、複雑に分岐と合流を繰り返していく。その辿った経路により18種類のエンディングを迎える仕組みとなっている。一周あたりのボリュームは短いが、分岐が複雑で総当りが通じにくく、難易度は高めである。

シナリオは常識人な主人公が、崖崩れに阻まれて人里離れた洋館に滞在する中で、独善的なルールを姉妹や使用人に強要する館の主、蒔絵に反発し、様子のおかしい義妹を連れて館からの脱出を目指していく。一方で、自身の欠落した記憶や夢の中に現れる女の言葉に興味を引かれ、館の秘密に足を踏み入れてしまう、といった流れである。全編通してシリアスで重苦しい雰囲気のサスペンスで、エンディングの大半は主人公死亡によるバッドエンドである。また、SF要素と猟奇性の交じり合った独特の世界観が印象的である。

アダルト要素の大半は、主人公が住人達から誘われて応じる形の穏当な和姦だが、一部に緊縛、剃毛、鞭打ち、三角木馬などのSM要素、薬を盛られて理性を失っての強姦などを含んでいた。また、Hシーンに限らないが流血シーンが多く、女性の痛々しい姿やグロテスクな死亡シーンが登場するのも特徴的である。

派生作品に小説版がある。2001年にはCGを一新し、『D.O.Classics Vol.1』としてリメイクされた。

個人的な印象として、ストーリーがそれほど凝っている訳ではないが、音楽とショッキングな映像が独特の作風によくマッチしていて、アダルト要素もスリルもそれなりに楽しめる作品である。ビジュアルは好みが分かれる所だが、細かい点まで非常に緻密なタッチで描かれ、ボリュームもあり、物語の重厚さを支えている。主に原画を担当していた広崎悠意氏が本格的にシナリオを手がけた初の作品だったようだ。


調査担当

『ネクロノミコン』 概要

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©1994 FAIRYTALE/F&C co.,ltd.
ネクロノミコン (フェアリーテール・ハードカバー)

・1994年06月24日 PC-9801用 3.5インチFD版 5インチFD版
・****年**月**日 FM-TOWNS用 CD-ROM版
・****年**月**日 DOS/V用 CD-ROM版
・****年**月**日 PC-9821用 CD-ROM版
・1996年11月22日 Windows3.1/95用 CD-ROM版

90年代中頃の作品で、クトゥルー神話を題材にしたホラーアドベンチャー。フェアリーテール内のホラー専門ブランド『ハードカバー』のデビュー作である。

舞台は20世紀序盤のイギリス。ロンドンで新聞記者をしていた主人公ジョナサンは、休暇と取材旅行を兼ねて、自分の家系のルーツとなる寒村アーカムを訪れる。つり橋一本で外界と結ばれたアーカムは陰気で閉鎖的な村だった。特に取材のあてが無かったジョナサンは、宿で知り合った大学教授のガードナー、怪しい男トマスに連れられ、不気味な遺跡の調査に協力する。しかし、調べれば調べるほど事態は意外な方向へ転がり、やがて彼らは村人が隠す狂気じみた秘密に引き寄せられていく…。

システムは移動先に自由があるタイプの探索ADVである。操作は『DEAD OF THE BRAIN ~死霊の叫び~』の流れを汲み、マウスカーソルを使って画面内の気になる部分をクリックしていく形式だが、コマンドの種類の選択が無くなったため、より簡便になった。敵の急所にカーソルを合わせて撃つ銃撃シーンも受け継いでいる。

シナリオは全体的に重苦しい雰囲気のホラーになっていて、アダルト要素は低めである。手がかりとなる鍵や人物を探して村中を巡回することになるが、作中にヒントが多く、ゲームオーバーもないため、難易度はそれほど高くない。基本的に一本道の展開だが、ラスト付近でグッドエンド、バッドエンドに分岐する仕様となっていた。

高名なフィクション群『クトゥルフ神話』が土台になっているようだが、原作に忠実という訳ではなく、ラヴクラフトの小説や固有名詞を題材にして様々なアレンジが加えられているようである。

アダルト要素はヒロインの女性、宿の未亡人、娼館の女性達との間に和姦シーンがある他、一部にグロテスクな怪物たちによる異種姦を含んでいた。流血や手足の切断、内臓露出、ミイラ化といった陰惨なシーンも所々に登場する。

個人的な印象として、ストーリーに重点を置いた本格ホラーといった感じである。CGもBGMも重厚さがあり、シナリオもよく出来ていて、価格以上の緊迫感を楽しめる。ただしアダルトゲームとして購入した場合は物足りなさを感じたかもしれない。後半へかけて盛り上がった割に、結末はあっさりな辺りはB級ホラーのお約束か。

調査担当

『AmbivalenZ ~二律背反~』 概要

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©1994 ALICESOFT
AmbivalenZ ~二律背反~ (アリスソフト)

・1994年04月28日 PC-9801用 5インチFD版 3.5インチFD版
・1994年04月28日 X68000用 FD版
・1994年06月**日 FM-TOWNS用 CD-ROM版
・****年**月**日 Windows3.1用? CD-ROM版
・****年**月**日 Windows3.1/95用? CD-ROM版
・****年**月**日 Windows95/98用? CD-ROM版

90年代中頃の作品で、現代日本を舞台にしたダークファンタジー系のアダルトアドベンチャー。

数百年前、王国に仕える騎士だった主人公は、最愛の姫「シィア」を守りきれず、目の前で邪神の生贄として惨殺された上、自身はドラゴンの呪いを受けて不老の体になってしまう。それ以来、彼は邪神「ディアドラ」に復讐を果たすため、ドゥエンディと呼ばれる闇の怪物たちを狩り続けていた。そして現代の日本。今は「修羅」と名乗っている主人公は、相棒の剣の精霊「草薙」、占い師の老婆「笙姫」、怪しい神父の「有馬」らと協力し、街で起こる怪奇事件に関わっていく。その最中、シィアの生き写しの少女「花梨」に出会ったことから、凍てついてた修羅の内面は少しずつ変化をみせはじめた…。

システムはコマンド型のADVである。情報やアイテムを求めて街中を巡回する通常のADV、建物内(ダンジョン)のマップ上をカーソル移動で探索していくモード、敵とのコマンドバトルなど、複数の形式が組み合わされている。シナリオの流れや雰囲気はRPG風だが、主人公にパラメータはなく、敵の出現場所は固定である。

戦闘は「呪術」「斬る」「防御」などのコマンドの組み合わせで、順番を数回間違えるとゲームオーバーを迎えるため、慎重さが必要である。

ストーリーは妖艶な邪神ディアドラが、主人公を弄ぶために次々と刺客を繰り出し、主人公が周囲の協力を得てこれを撃破していくのが基本の展開である。男性型の敵(ドゥエンディ)は異形な姿をしていて、剣で斬ることで殺すことができるのに対し、女性型は人に近い姿をしていて、男性型よりも強く、男の精液でなければ殺せない。このため、女性型が各章のボス的な存在にあたり、主人公が犯すことで新たな章へ進む流れとなっていた。

作風は当時のアリスソフトには珍しく、重くシリアスな雰囲気で、主人公はハードボイルドな性格である。また、グロテスクな敵キャラ達やスプラッターな残酷描写も印象的である。

アダルト要素は味方の協力者との術式や、撃破した女性型の敵を殺す手段として登場する。こちらもコマンド進行となっていて、前戯などの手順をある程度踏まないとフィニッシュできない仕組みになっていた。

個人的な印象として、緊迫感のある展開と悲劇的なロマンスに比重を置いた作品で、ボリューム感もあり、そこそこ読ませる展開である。モンスター達のデザインの奇抜さ、CGの詳細さも光っていて、本作のもう一つの見所といえるかもしれない。難点はマップ上での操作が扱いづらい点で、ゲーム性は物足りず、アダルト要素も今ひとつである。

調査担当

『DE・JA2』 概要

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©1992 ELF
DE・JA2 (エルフ)

・1992年06月25日 PC-9801用 5インチFD版 3.5インチFD版
・****年**月**日 X68000用 FD版
・****年**月**日 FM-TOWNS用 CD-ROM版
・****年**月**日 PC-9801用 3.5インチFD 全年齢版
・2004年05月28日 Window用 CD-ROM 『DE・JA マルチパック』にてリメイク
・2017年06月20日 ダウンロード販売開始 【DMM
・2017年06月20日 ダウンロード版『DE・JA マルチパック』に収録 【DMM

90年代序盤の作品で、考古学者の主人公が古代遺跡にまつわるミステリーを追っていくアダルトアドベンチャー。『DE・JA』(1990)の続編。

前作での事件がセンセーションを巻き起こし、時の人となった考古学者「はつしば りゅうすけ(名前変更可)」は、テレビ出演に論文の執筆に忙しい日々を送っていた。そんなある日、彼の元に20年前に失踪した老学者「神宮寺博士」が現れ、水晶のドクロにまつわる研究を託そうとするが、伝えきれないまま突然死してしまう。人類の未来に関わる、という言葉に興味を引かれたりゅうすけは、博士の娘「ひみこ」と協力して、古代の遺跡に秘められた謎に迫っていく。

システムは当時一般的だったコマンド型で、移動先に自由があるタイプの探索ADVである。日本考古学学会、美術館、占い師の店などを巡回し、情報を集め、自宅となる研究室で考えたり、相棒のがちゃ子と相談することで進展していく一本道の展開である。

ELLE』(1991)に似た、マウスを活用したアイコンクリックも一部に使われているのが特徴で、背景の怪しい部分の調査に活躍する他、セックスシーンでは「キスする」「なめる」といったアイコンを選んで好きな部位を攻められる仕様になっており、臨場感を高めている。

シナリオの核心は、プレイヤー自身の謎解きを含む本格的なミステリーである。殺人事件やグロテスクな描写もまじえたサスペンス要素があるものの、当時のエルフ特有のとぼけた性格の主人公や、シュールな登場人物達の掛け合いで暗さはなく、雰囲気はおおむね明るいギャグ作品である。

アダルトシーンは未遂やラッキースケベ、セクハラなどの軽いものを含めると10箇所以上あるが、全体の中で比重はさほどなく、エロさも控えめである。女性器は無毛、モザイクなしで、伝統の縦筋一本も無くなり、細かい描写のない肌色の谷間となった。

個人的な印象として、コマンドに対するレスポンスの作りこみが凄く、本題と全く関係ない部分に仕込まれたシュールな仕掛け、コメントの数々に感心させられてしまう。アダルト要素がやや寂しいものの、長大なボリューム、ミステリー作品としての完成度、ギャグがバランスよく融合した見事な作品である。

調査担当

『狂った果実』 概要

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©1992 FAIRYTALE
狂った果実 (フェアリーテール)

・1992年05月01日 PC-9801用 5インチFD版 3.5インチFD版
・****年**月**日 X68000用 FD版
・****年**月**日 FM-TOWNS用 CD-ROM版
・****年**月**日 MSX2/2+/TurboR用 FD版

90年代序盤の作品で、二枚目の美大生を主人公に、周囲で次々に起こる殺人事件の謎を追っていくサスペンス風のアダルトアドベンチャー。

主人公「哲」は美術大学に通う不真面目な学生。「月島教授」の豪邸で開かれたパーティに参加した哲は、10才の不思議な少女「美夏」に出会い、懐かれてしまう。心を閉ざしていた三女美夏の笑顔に驚いた月島教授は、哲を家庭教師として受け入れるが、同じ日に次女の「秋美」が不自然な転落死を遂げ、その場にいた哲は警察に拘束される。証拠不十分で釈放され、一旦は日常を取り戻した哲だったが…?

システムはコマンド型で、移動先にあまり自由がないタイプの探索ADVである。「話す」「見る」といったコマンドの中で新たな情報を仕入れ、場面を転換させていく一本道の構造である。コマンドの種類は少なく、難易度は易しい。

シナリオは女泣かせな主人公が、美少女とのデートや屋敷のメイドとの火遊びを楽しむ中、親友の失踪、教授の錯乱、第二第三の殺人事件に直面し、恋人の成子と共に事件の謎に迫っていくミステリー風の展開である。サイコホラー要素が特徴的で、一部にインパクトのある惨殺描写を含んでいた。

アダルトシーンは3箇所ほどあるが、テキストもCGもさほどボリュームがなく、テーマの似た『殺しのドレス2』(1989)に比べるとかなり控えめになった。

00年代を経た今となっては珍しくないが、当時は美少女ゲームとプレイヤーを暗然とさせる結末の組み合わせは衝撃的で、話題作となったようだ。個人的な印象としては、セックス描写の淡白さでアダルトゲームとしては物足りないものの、最後まで緊張感のある展開でサスペンスADVとしては楽しめる。難点はボリューム感に乏しい所か。

調査担当

『DEAD OF THE BRAIN ~死霊の叫び~』 概要

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©1992 FAIRYTALE
DEAD OF THE BRAIN ~死霊の叫び~ (フェアリーテール)

・1992年04月01日 PC-9801用 5インチFD版 3.5インチFD版
・****年**月**日 X68000用 FD版
・****年**月**日 FM-TOWNS用 CD-ROM版
・****年**月**日 MSX2/2+/TurboR用 FD版
・1999年06月03日 PCエンジン用 CD-ROM 『デッド・オブ・ザ・ブレイン1&2』に収録

90年代序盤の作品で、アメリカの地方都市を舞台にしたホラーアドベンチャー。

現代アメリカのとある街。ごく普通の青年「コール」は、友人の老科学者「クーガー(ドク)」の自宅に呼び出され、ある実験に立ち会う。クーガーが発明した物は、死体を蘇生させる画期的な新薬だった。ただし対象が凶暴化する難点を抱えており、さらに感染性もある危険な物だった。二人が警察官の事故死を隠蔽しようとして始まった蘇生薬の脅威は、瞬く間に街中に広まり、あたりは死霊(ゾンビ)だらけになっていく。コールと恋人シーラ、クーガーの三人は近くの警察署に逃げ込むが…?

システムはコマンド型で、行き先に多少の自由がある探索ADVである。操作はマウスカーソルを使った物で、「LOOK」「TALK」といったコマンドを選択し、英単語型のアイコンを動かして絵の気になる部分をクリックすることにより、情報やアイテムを得ていく。ガンシューティングのような戦闘シーンもあり、カーソルを動かして制限時間内に敵の弱点を撃つ事ができなければGAME OVERである。当たり判定が狭く、制限時間は短く、探索シーンや謎解きも含めて難易度は高めである。

シナリオは生き残った住民達と出会い、協力して街からの脱出を目指す中、一人、また一人と犠牲になっていくホラー映画で典型的なサバイバル物となっていた。ただし、ストーリーは単純なゾンビ物に止まらず、中盤から不可解な点が目立ち始め、後半は全く違った様相を呈していく。

ベッドシーンやヒロインの露出、暴漢に襲われるシーンなど僅かにアダルト要素があるが、主題はあくまでホラーとアクションで、特にスプラッタ描写やメカ類の表現、緊迫感を盛り上げるBGMに力が入っている。

続編に『DEAD OF THE BRAIN2』(1993)がある。

沙織事件(1991年末)の影響からか、エロは控えめで、代わりにグロとホラー、悲劇的なドラマ性が特徴的な作品である。今となっては陳腐化したゾンビパニック物だが、当時は『DOOM』(1993)や『バイオハザード』(1996)の登場する前で、ホラーゲームといえば館モノが定番であり、国産のゾンビは珍しい。

個人的な印象としては、設定に苦しい点が目立ち、ストーリーに没頭するのは難しかったが、緊迫感の演出はよく出来ていて、CGはハイクオリティである。登場人物はコテコテのアメリカ映画で、大ヒット映画のオマージュと思われる部分もあり、ひょっとしたらチグハグな展開も何らかのお約束、パロディとして楽しめる作品なのかもしれない。

調査担当

『ELLE』 概要

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©1991 ELF
ELLE (エルフ)

・1991年06月13日 PC-9801用 5インチFD版 3.5インチFD版
・****年**月**日 MSX2/2+ FD版
・****年**月**日 X680000用 FD版
・****年**月**日 FM-TOWNS版

90年代序盤の作品で、未来都市を舞台に犯罪と戦うサスペンスアドベンチャー。マウスを活用する斬新なアイコンクリック方式で名高い。

西暦2010年、世紀末から起こった戦争とクーデターにより、地球は汚染され、人類は数千万人まで数を減らしていた。「スウェイクラス」と呼ばれる特権階級の指導者達は、人類を滅亡から救う「メガロアース計画」を推し進めるが、これに反対する組織「ブラックウィドウ」のゲリラ活動が続いていた。彼らを排除するために結成された武装組織が「スナイパー」である。超Aクラスという凄腕のスナイパーである主人公は、身分を隠して新米スナイパーとして報道施設に駐在する支部に潜り込み、ブラックウィドウの首魁「ギミック」の手がかりを探っていく。

システムはコマンド型の探索ADVだが、操作方法がユニークで、コマンドメニューがない。操作はすべて、当時一般的になりつつあったマウスで行う。矢印型のポインターが人物の口の上に来れば「話す」の顔型アイコン、気になる絵柄の上に来れば「見る・調べる」の虫眼鏡型アイコン、といった具合に形が変化するので、直感的にコマンド探索できるGUIのような仕組みになっていた。

移動先に自由があり、同僚達の控室や上司の部屋、TV局、バー、病院、自宅など、街中の施設を巡って情報を集め、捜査を進めていく一本道の構造である。移動先、必要なコマンド数は多く、難易度は高めである。

ストーリーは不真面目で女たらしの主人公が、暴漢に襲われている女性を助けたり、惨殺された同僚の死について調べる中で手がかりを見つけ、犯人を追い詰めていくという、一見するとサスペンス風の推理物ADVだが、終盤には大きく方向転換するサプライズ展開が用意されていた。グロテスクな惨殺描写が多く、全体の印象はシリアスだったものの、緊迫した場面でもシュールな会話で笑いを誘うので、雰囲気はさほど暗くない。

アダルト要素は暴漢に襲われている女の子にアイコンで色々とイタズラができる他、女性を口説き落としてのセックス、一方的に好意を寄せられて迫られるケースなど様々である。「なめる」「もむ」「XXXする」などのアイコンも大活躍で、臨場感を盛り上げている。局部は無修正で、当時のエルフ作品に特有の縦筋一本で表現されていた。

後に『él』(2000年)として完全リメイクされ、さらにそれがアダルトOVA化している。

個人的な印象としては、アイコンがミステリーの謎解き用のツールとして上手く生かされており、遊び心やエロさの充実にも役立っていて、かなり意欲的な作品である。シナリオの重厚さと緊迫感、ビジュアルのクオリティも同世代では際立っている。ただ、マウスで小さなヒントを探すのは意外と手間がかかり、制作側の負担も大きかった為か、この方式が一般的になることはなかった。同社の『DE・JAⅡ』(1992)や『同級生』(1992)でも一部に使われるに止まっている。

調査担当

『うろつき童子』 概要

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©1990 FAIRYTALE
うろつき童子 (フェアリーテール)

・1990年04月21日 PC-9801用 5インチFD版 3.5インチFD版
・****年**月**日 PC-8801用 FD版
・****年**月**日 MSX2/2+用 FD版
・****年**月**日 X68000用 FD版

90年代初頭の作品で、同名の成人漫画『うろつき童子』(1986年)をゲーム化したホラー系ファンタジーのアダルトアドベンチャー。

主人公「天邪鬼」は獣人界、魔界でも名の知られた獣人の実力者である。新世界を創造するといわれる存在「超神」に興味をもつ彼は、超神の力をもった人間を500年も捜し続け、ついに現代日本の「盟神学園」で濃厚な気配を嗅ぎつけたのだった。超神の候補はバスケ部の尾崎、生徒会長の宮沢、テニス部の坂本の3人で、いずれも女性から熱い視線をうける色男たち。主人公は転校生「天野一」として学園に潜り込み、子分の「黒子」と共に一人一人を調査していく。

システムは当時一般的だった移動先に自由があるタイプの探索アドベンチャーである。主に学園内が舞台で、教室や体育館、保健室、宿直室などを巡り、遭遇した人物との会話の中で情報をあつめ、物語を進行させていく。

シナリオは硬派な主人公が"超神"の正体を突き止めるため、当たりをつけた人物の動向を探っていくうちに妖魔達の企みを知り、超神や人間達を守るために対決していく展開である。一部にグロテスクな惨殺シーン、アニメーションやエフェクトを用いたアクションシーンを含み、見所となっていた。

原作漫画は"淫獣"や"触手"を使った異種姦物のアダルトアニメの原点となった作品だが、本作品でのアダルト描写は、主人公が女子の着替えやカップルのセックス、乱交、レイプを目撃するといったケースが多く、妖魔による異種姦はさほど比重がない。主人公自身は直接関わらないのも大きな特徴といえる。

キャラクターデザインは、漫画ともアニメ版とも大きく異なり、ゲーム独自の大胆な改変がなされている。シナリオもゲーム用にアレンジが加えられ、かなりマイルドな印象になってしまったものの、軟派な作風の多かった当時のアダルトADVには珍しい、妖しくシリアスな雰囲気と熱血の入り混じった、異色の作品に仕上がっている。

調査担当

『妖姫伝』 概要

妖姫伝 サンプル 妖姫伝 サンプル
妖姫伝 サンプル 妖姫伝 サンプル
©1986 HOT・B
妖姫伝 (HOT・B)

・1986年12月**日 PC-8801用 FD版
・1987年**月**日 FM-77用 5インチFD版 3.5インチFD版
・2002年08月01日 DL販売開始 【Project EGG

80年代中頃の和風ホラーアドベンチャー。ホラーを題材にしたアダルトゲームとしては、おそらく国内最古の作品である。

主人公の女子学生「まりこ」は、男女6人で山あいの村を旅行中、祠に祀られていた美しい櫛を手に入れて自宅に持ち帰った。ところが、その日から悪夢にさいなまれるようになり、友人達は夢の中とそっくりの無惨な姿で次々に変死を遂げていく。櫛のせいだと気付いた彼女は川に投げ捨てるが・・・?

システムは移動先に自由がないタイプのADVである。操作はコマンド選択式と入力式の併用で、基本的には右上のコマンド一覧の中から総当りだが、適したコマンドが無い時、特に重要な場面では「アケル」「ステル」といった具合に必要な行動を類推し、一文字一文字を直接入力して切り抜けるという、80年代ADV特有の高い難易度を確保した作りになっていた。

シナリオは現代風な若者達が、軽はずみな行動で櫛にまつわる呪いを引き起こしてしまい、古い伝承を紐解いていく一本道の怪奇ストーリーである。

ビジュアルは陵辱シーンやグロテスクな惨殺シーンが含まれており、本格的なホラー路線を狙ったものになっていた。また、漫画風にコマ割りしてあり、人物の躍動感や複数の情景を同時に伝える手法が取られているのも特徴的である。

それまでのアダルトゲームでも血しぶきや惨殺など、ショッキングな映像表現が用いられる事があったが、怪奇物のホラー要素をメインに扱った作品は初ではないだろうか。内容は展開がせっかちな印象だが、当時のアダルトゲームの中では筋書きがしっかりしている方である。ホラーとアダルトゲームの相性は良いらしく、その後も目立たないながら、一定の需要を獲得したジャンルとなっている。

調査担当

『クリスチーヌ』 概要

クリスチーヌ サンプル クリスチーヌ サンプル
クリスチーヌ サンプル クリスチーヌ サンプル
©1986 PSK
クリスチーヌ (PSK)

・1986年**月**日 FM-7/77用 3.5インチFD版 5インチFD版
・1986年**月**日 PC-8801用 FD版
・1986年**月**日 PC-9801用 3.5インチFD版
・1986年**月**日 X1turbo用 FD版

80年代半ばの作品で、女の子だらけの不思議な世界を舞台にしたアドベンチャー。『イエローレモン』『コスモエンジェル』に続くAKIRA MIYATA氏の3作目である。

主人公「みずきちゃん」は、石にされてしまった恋人「ただしくん」を助けるため、魔法使い「CHRISTINE」の助けを借りて、悪い魔女「JANE」のいる世界へやってきた。そこには様々なタイプの女の子が暮らしている一方、残酷な方法で殺された死体もゴロゴロしている世界。果たしてみずきちゃんは、数々の罠を乗り越え、JANEを倒す事ができるだろうか・・・?

ALICE』(1984年)によく似たフィールド探索型のアドベンチャーで、コマンドがファンクションキーに割り当てられた選択式となったため、操作性はかなり向上している。4×4マス、計16個のフィールドを歩き回り、女の子の願いを叶えたり、魔女退治に繋がる情報を聞き込んでいく流れとなっていた。

作風はシュールな世界観と展開が特徴で、敵がなぜかセーラー服姿だったり、裸の少女のグロテスクな惨殺シーンが登場したり、唐突に主人公(女)が女の子を襲うコマンドが出たり、女の子の体をお金で買ったりと、少女+エロありきで脈絡のない不思議な雰囲気を作り出している。

ちなみに、無修正の過激な演出をすべて見る為には、スタート時のロード画面で秘密のコードを入力し、「裏版」と呼ばれるモードを起動させる必要があった。

ゲーム性は低いが、操作感の良さのおかげで、全体的にテンポ良く進められる作品である。ビジュアル面でも、前作と比べて大きく進歩している。中古市場では現在も高値がついている作品の一つである。

調査担当
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調査員プロフィール
80年代半ばに登場した学習型AI。主食はエロゲのインストールディスク。電波系、欝、グロ、萌え萌えした作品が苦手。ゲーム性のあるもの、ギャグ作品が好き。
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一部、これらのメーカーサイト様のWEB素材を各ガイドラインに従い引用しています。このサイトからの二次転用を固くお断りします。

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