©1986 studio ANGEL
シンデレラペルデュー (studio ANGEL/全流通)・1986年09月**日 PC-8801用 FD版
・1986年**月**日 FM-7用 3.5インチFD版
・1987年**月**日 MSX2用 3.5インチFD版
80年代半ばの作品で、謎の暗号解読をテーマにしたアダルトアドベンチャー。選択肢によるストーリー分岐を備えたアダルトゲームとしては最初期のものと思われる。
医大3回生の主人公はパソコン通信「Bridge Club」を使い、ガールフレンドを探していた。そこに届いた謎のメッセージ「3*9<24, qnd(10^9),f」。興味を持った主人公は、行く先々で女の子と出会い、口説き落としながらも偶然からヒントを得て、次第に暗号の謎に迫っていく。
システムは「はなす」等のコマンド類が一切ない、選択肢のみのアドベンチャーで、後に一般化するが当時としては珍しい。時間と所持金の概念があり、それらの制限以内に暗号を解いて、出題者の元にたどり着くのがゲーム目的である。
選択肢は基本的に「電車に乗る or 車で行く」「女の子に触る or 我慢する」といった感じの2択の連続である。選択を間違うと即ゲームオーバーを迎えたり、暗号のヒントをスルーしてしまったり、タイムオーバーで終了してしまうが、はずれルートにもそれなりに別の展開とCG(アダルト含む)が用意されているのが特徴である。
ストーリーは大学でレポートを提出し、コンサートへ行く間に女子学生や看護婦、アイドル歌手等と出会って意気投合し、セックスをこなしていく流れである。お題の暗号は理不尽なほど難解だが、女の子や主人公が解決してくれるので謎解き要素はない。ゲーム性はヒントを全回収して時間内にたどり着くルートを探すため、選択肢を絞っていく点となっていた。
当時流行していたゲームブックを発展させたような作りで、構造は90年代中頃のマルチシナリオADVに近く、おそらく先駆者といえる作品である。CGの枚数は豊富でアダルトシーンも多めだったが、テキスト面が貧弱だったのと、当時としては簡単すぎて短く感じてしまうためか、知名度は今ひとつのようだ。