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古今のアダルトゲームを広く浅く調査及び成る丈簡潔にご報告致します

『GLO・RI・A ~禁断の血族~』 概要

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©1996 C's ware
GLO・RI・A ~禁断の血族~ (C's ware)

・1996年04月05日 PC-9801用 3.5インチFD版 5インチFD版
・1996年08月09日 Windows95用 CD-ROM版

90年代中頃の作品で、美少女たちの暮らす屋敷を舞台に、二枚目の大学生が奇妙な一家の秘密に迫っていくアダルトアドベンチャー。『禁断の血族』(1993年)に続く禁血シリーズの2作目。

舞台は2017年のボストン。主人公の綺羅はハンサムで礼儀正しく、MITでも一、二を争う秀才である。大富豪のグロリア家に雇われた綺羅は、住み込みで家庭教師をすることになるが、奇妙なことに、教える相手は5人姉妹の内、長女を除く4人の中から才能を見込んだ娘を選んでいいという。一方、友人のゲオルクは一足先に家庭教師として雇われ、長女と組んで何かを企んでいる様子である。綺羅はメイド達による性接待や、住人達のHな誘いに応じつつ、教え子と信頼関係を築き、月に一度の学力テストで成果をあげることを目指していく。

ゲームシステムは一本道だった前作と異なり、選択肢分岐型ADVとなった。セックスの誘いに応じるか否か、誰の部屋を訪ねるか、といった選択肢が頻繁に登場し、複雑に分岐と合流を繰り返し、辿った経路によって24種類ものエンディングを迎える仕組みである。選択パターンが膨大なため、全てのエンドを自力制覇するのは難しく、難易度は高い。

シナリオは、美人の奥さまと十代の少女達、メイドが暮らす屋敷で暮らすことになった主人公が、様々な誘惑を取捨する中で、特定の相手から熱烈に求められ、ハッピーエンドを目指して作戦を練っていく流れである。バッドエンドは半数以下で、死亡エンドもほとんどなく、館モノにしては明るい作風である。

アダルト要素の比重は高めである。女の子一人一人に様々なパターンが用意されており、CGのコンプリートが難しく、やり込み要素となっている。性に対して大らかで奔放な屋敷内の雰囲気と、何でもスマートにこなし、セックスにも強い主人公が印象的である。

シリーズ3作目として『散櫻 ~禁断の血族~』(1999年)が続いた。関連商品は小説版OVA版原画集など。

個人的な印象としては、実用性に特化していた前作と比べ、ゲーム性を重視した作品で、雰囲気はマイルドになった。アダルト要素はボリュームもクオリティもそれなりで、好みに合えば実用性は高かったであろう。しかし、スキップ機能の欠如、SAVEスロットの不足などがゲーム性の足を引っ張る。ストーリーについても、世界観が幼く、展開が強引に感じてしまう点が気になった。


『殻の中の小鳥』 概要

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©1996 BLACK PACKAGE
殻の中の小鳥 (BLACK PACKAGE)

・1996年02月29日 PC-9801用 3.5インチFD版
・1996年12月06日 Windows95用 CD-ROM版
・1997年09月05日 Windows95用 CD-ROM CDパッケージ版
・1999年07月30日 Windows95/98用 CD-ROM 『雛鳥の囀 with 殻の中の小鳥』に収録

90年代中頃の作品で、メイド達を娼婦として調教し、客を取らせていく育成シミュレーションゲーム。

舞台は19世紀のイギリスの地方都市。主人公フォスター(名前変更可)は、かつてキュレイポートと呼ばれる特務機関に所属し、女性を教育して男性客にあてがう調教師だったが、組織の活動が大スキャンダルになってからは摘発を恐れ、身を潜めていた。そんな彼に、脅迫めいた形で仕事の話が舞い込む。鉄道会社を経営する資産家ドレッドが、メイドの教育係として彼を雇いたいというのだ。自嘲的で諦観気味なフォスターは、屋敷に住み込んで街の貧しい少女達を集め、メイドという名の娼婦として一から教育を施していく。

ゲームシステムは、かなり独特な育成SLGである。12月下旬から3月下旬までの3ヶ月間、メイド達を調教して愛情・忠誠・耐久といったパラメータを上げ、個別のエンディングを目指すのが基本的なゲーム目標である。教育に必要な資金を得るため、定期的に屋敷を訪れる客に、育てたメイドを使って性的なサービスをさせなければならない。

調教モードは、カードバトルのようにランダムに配られた手札を使う。キス・舐める・揉むといった直接行為カード、筆・ろうそく・ディルドーといった器具カード、目隠し・縄・首輪・手錠といった拘束具カードがあり、記された数字によって効果の大小が異なる。また、メイドにもハードなプレイが苦手なタイプがいたり、特定の器具で大幅に成長したりと効果が異なるため、特性を見極めて使い分ける点がゲーム要素となっている。

カードは大半が自動で補充されないため、街に出かけてマップ上の様々なショップから購入する必要がある。マップには他にも重要な役割があり、例えば開始時は育成対象のメイドが一人しかいないので、マップ上の橋の上、駅、公園などを巡回し、事情ありげな少女たちと接触を重ね、高額を払って身請けしていく必要がある。他にもポーカーができるカジノ、娼館、花売りの少女に会える裏通りなどがあり、条件を満たせばHシーンが鑑賞できる。

シナリオは、主人公が薄幸な少女たちの身の上を探り、手馴れた様子で釣り上げ、高級娼婦として育てていく流れで、雰囲気はBGMも相まって物悲しい。主人公は冷酷な態度を取ることが多く、雇い主にも従順でプロ意識の高さを感じさせるが、内心は少女達に苦痛を強いることに葛藤しており、遠まわしな優しさをみせる。3ヶ月経った時点で判定が下り、5人の中から最も愛情度の値が高いメイドの個別エンドを迎える。この時、条件が整えば全てのメイドから祝福を受けるエンドも用意されていた。

アダルト要素はその日の調教終了時の興奮度の高さに応じて、一人当たり3段階のHシーンが表示される他、メイドの個室を訪れた際の突発イベントや、客への性接待として起こる。内容は一般的なプレイとSM要素で半々といった印象である。SMはボンデージが中心で、一部に鞭打ちなどの表現が含まれている。

続編として『雛鳥の囀』(1997年)が続き、それとセットになった『雛鳥の囀 with 殻の中の小鳥』(1999年)では、本作品も原画レベルでリメイクされた。関連商品に小説版、原画集、DVD-PG版、OVA版などがある。

メイドを主題に扱ったゲームとしては、アダルト・非アダルトを問わず元祖といえる作品で、特にヴィクトリア朝時代のメイドを選んでいる点はこだわりを感じさせる。90年代後半あたりから起こり、日本のサブカルチャーに根付いたメイド萌えの起源とみなされることが多いようだ。

個人的な印象としては、ゲーム性に優れた作品で、カードと育成の組み合わせはユニークである。自力でメイドを集めたり、メイドの特性を把握するのは難しいが、作中のヒントだけで何とか辿り着けるよう工夫されている。気になったのは背景や人体などのビジュアルのクオリティの不安定さ、Hシーンのテキストが淡白で短い点で、一流作品とは言い難く、やるせない雰囲気も好みが分かれるか。


『晴れのち胸さわぎ』 概要

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©1995 COCKTAIL SOFT/F&C co.,ltd.
晴れのち胸さわぎ (カクテル・ソフト)

・1995年11月10日 PC-9801用 3.5インチFD版 5インチFD版

90年代中頃の作品で、学園内を舞台に怪現象の謎を追っていくアダルトアドベンチャー。『晴れのちおおさわぎ!』に続く、晴れのちシリーズの第二弾。

主人公「かずひこ」は舶用学院の生徒会長ながら、可愛い女の子や美人を見るとオッパイやお尻に触らずにはいられない、陽気なスケベ男である。ブレーキ役の副会長やマイペースな女教師など、個性的な面々とドタバタな毎日を送るかずひこ。一方、学院内では下着ドロや器物破損などの事件が多発していた。学校中から犯人と思われているかずひこは、真相を突き止めるため、生徒会メンバーや彼の許婚を名乗る転校生と共に校内を探索していく。

ゲームシステムはコマンド型で、移動先に自由があるタイプのADVである。校舎内の生徒会室や屋上、図書館、職員室、敷地内の中庭やプール、体育館、神社などを巡り、出会った人物と「見る」「話す」「触る」などのコマンドで会話を進め、物語を進展させていく。ストーリーは一本道でエンディングも一種類だが、多少の寄り道要素があり、巡回の順序次第でHシーンが多く見れたり、コマンドの選び方でセックスのプレイが異なったりするようである。

シナリオは、不思議な落雷に打たれ、龍神の力を得た主人公が、校内を荒らしまわる謎の生物「タマタマ」を見つけ、退治していく中で謎の真相に迫っていく、という流れである。主人公が事件そっちのけで女の子に抱きついたり、セクハラ発言したり、コトに及ぼうとして相方にボコボコにされるのがお約束となっていた。

アダルトシーンは女の子一人につき1~2箇所である。登場する女の子は、副会長で気の強い大家の娘、のんびりした性格の巫女、巨乳眼鏡の新聞部員、生意気で幼い印象の後輩など8人となっていた。

続編に『晴れのちときどき胸さわぎ』(1997年)がある。派生作品に小説版がある。

筋立ては前作と似ているが、作風は極端なギャグ作品に生まれ変わっており、ギャグで好みが分かれるだろう。個人的な印象としては、ボケ一辺倒の主人公がさすがにくどく、殴られてばかりのオチは単調で飽きてしまう。また、クォータービューのマップ画面が生かされていないのが残念で、操作面でも洗練不足な印象である。


『雑音領域』 概要

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©1994 D.O.
雑音領域 (D.O.(ディーオー))

・1994年12月16日 PC-9801用 3.5インチFD版 5インチFD版 CD-ROM版
・****年**月**日 FM-TOWNS用 CD-ROM版
・1996年01月19日 Windows95用 CD-ROM版
・2001年08月31日 Windows98/ME/2000用 CD-ROM 『D.O.Classics Vol.1』(リメイク版)
・2006年09月22日 ダウンロード販売開始(リメイク版) 【DLsite】【Gyutto】【Getchu】【DMM

90年代中頃の作品で、美しい姉妹が暮らす館を舞台にしたホラーアドベンチャー。原画、シナリオの両方を広崎悠意氏がつとめている。

主人公「松本直人」は若手の脚本家。義妹の「真理子」を乗せ、田舎の養父母の家から東京へ戻る途中、休憩のためにインターチェンジを降りた直人は、迷って山道をさまよう内に、助けを求めるメイド「弥生」と、高圧的なお嬢様「蒔絵」に出会った。蒔絵に促されて彼女たちの館に滞在することになった直人は、5人の姉妹が一族の規律という異様なルールに取り憑かれているのを目の当たりにし、真理子と弥生を連れて屋敷を出ようとするが…?

システムはシルキーズの『河原崎家の一族』(1993)に似た、選択肢分岐型のADVである。「地下室を調べる」「立ち去る」といった2~3択の選択肢が頻繁に現れ、複雑に分岐と合流を繰り返していく。その辿った経路により18種類のエンディングを迎える仕組みとなっている。一周あたりのボリュームは短いが、分岐が複雑で総当りが通じにくく、難易度は高めである。

シナリオは常識人な主人公が、崖崩れに阻まれて人里離れた洋館に滞在する中で、独善的なルールを姉妹や使用人に強要する館の主、蒔絵に反発し、様子のおかしい義妹を連れて館からの脱出を目指していく。一方で、自身の欠落した記憶や夢の中に現れる女の言葉に興味を引かれ、館の秘密に足を踏み入れてしまう、といった流れである。全編通してシリアスで重苦しい雰囲気のサスペンスで、エンディングの大半は主人公死亡によるバッドエンドである。また、SF要素と猟奇性の交じり合った独特の世界観が印象的である。

アダルト要素の大半は、主人公が住人達から誘われて応じる形の穏当な和姦だが、一部に緊縛、剃毛、鞭打ち、三角木馬などのSM要素、薬を盛られて理性を失っての強姦などを含んでいた。また、Hシーンに限らないが流血シーンが多く、女性の痛々しい姿やグロテスクな死亡シーンが登場するのも特徴的である。

派生作品に小説版がある。2001年にはCGを一新し、『D.O.Classics Vol.1』としてリメイクされた。

個人的な印象として、ストーリーがそれほど凝っている訳ではないが、音楽とショッキングな映像が独特の作風によくマッチしていて、アダルト要素もスリルもそれなりに楽しめる作品である。ビジュアルは好みが分かれる所だが、細かい点まで非常に緻密なタッチで描かれ、ボリュームもあり、物語の重厚さを支えている。主に原画を担当していた広崎悠意氏が本格的にシナリオを手がけた初の作品だったようだ。


『エイミーと呼ばないでっ☆』 概要

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©1995 C's ware
エイミーと呼ばないでっ☆ (シーズウェア)

・1995年05月19日 PC-9801用 3.5インチFD版 5インチFD版
・****年**月**日 PC-9821/FM-TOWNS用 CD-ROM版
・1996年12月20日 Windows95用 CD-ROM版

90年代中頃の作品で、ドジで明るく女性から絡まれやすい女の子が、消えた従弟の行方を追って冒険を繰り広げるアダルトアドベンチャー。

主人公「エミ」は学園でも一二を争うアイドルながら、ちょっとおバカで妄想癖のある学生である。同居中の従弟「智美くん」に熱烈な恋心を抱いているが、気づいてもらえず空回りする日々が続いていた。そんな平和な日常も、智美くんの貞操を狙う美少女や、借金のカタに自宅を差し押さえようとする亡父の愛人、退学をちらつかせて淫らな行為をせまる女校長に脅かされていく。男子達に体を弄ばれ、智美くんとも離れ離れになったエミは…?

システムはコマンド選択型である。移動先の自由はあまりなく、大抵の場面で「見る」「話す」だけで進行する簡素な操作となっている。分岐のない一本道の構造のため、ゲーム性はほとんどない。

シナリオは主人公エミが女性に絡まれたり、肉奴隷の調教を受けたりと悲惨な目に合いながら、行方不明になった従弟の美少年を助けるため、体を張って情報を得ていく流れである。サディスティックで陰惨な展開が多いが、主人公のトボけた言動やメタ発言も多く、雰囲気はおおむねギャグ作品である。

学園モノとしてスタートする第1話、病院に看護婦として潜り込む第2話、豪邸にメイドとして潜入する第3話で構成されていて、一繋がりの物語なのだが、スターシステムを採っているため登場人物が別の役で再登場するという、非常に変わった演出が取られている。例えば1話で校長として登場する「鏡子」は、2話では肛門科の女医、3話では館の女主人として現れ、主人公とはそれぞれ初対面である。同様にして、男1女5の主要キャラクター達が各話ごとに配役を変え、繰り返し登場する点が特徴的である。

主人公達の毛髪の量と奇妙なヘアスタイルが気になるが、作中ではこれについて一切説明がない。初対面でも相手が気にする様子がほとんどなく、わずかに「変な髪形ね。天然?」「あなたの名前は、バターロールよ。」という台詞があるのみである。この世界ではそれほど異常ではないようだ。

アダルトシーンの比重は高い。主人公が女性からHなイタズラをされるプレイが基本で、それに男性との絡み、女性同士の和姦が続く他、一部に鞭打ち、拘束、緊縛、飲尿などの表現を含んでいた。後に喘ぎセリフの定番となった「らめぇ」の元祖である可能性を付記しておく。

派生作品にOVA版がある。

個人的な印象としては、一本のストーリーの中でスターシステムが何度も使われるため、何とも風変わりな作品である。同社の『XENON』の流れも感じるが、こちらは前衛的というよりTVのコント番組のような雰囲気と言えばいいか。舞台は変わってもメンツは同じなため、冗談のような髪型なのも手伝って、陵辱系だが安心感があってユーモラスな印象に仕上がっている。


『河原崎家の一族』 概要

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©1993 SILKY'S
河原崎家の一族 (シルキーズ)

・1993年12月22日 PC-9801用 5インチFD版 3.5インチFD版
・****年**月**日 X68000用 5インチFD版
・****年**月**日 FM-TOWNS用 CD-ROM版
・1994年12月25日 DOS/V用 FD版
・1995年12月18日 Windows3.1/MacOS用 CD-ROM版
・1997年10月01日 Windows95用 CD-ROM 256色版
・2003年10月24日 Windows用 CD-ROM 『野々村病院の人々&河原崎家の一族 マルチパック』に収録
・2007年04月19日 ダウンロード販売開始 【DMM

90年代序盤の作品で、平凡な主人公が豪邸に暮らす人々の狂気に巻き込まれていく館モノのアダルトアドベンチャー。

大学生の「六郎」は、高額な報酬につられ、夏休みの一ヶ月間を大富豪「河原崎家」の使用人として過ごすことになった。屋敷に住むのは人使いの荒い夫人、高慢な長女、明るく奔放な次女、極端に無口な長男、狡猾そうな運転手、二人の美しいメイド、そして姿を見せない屋敷の主人…。彼らの奇妙な行動に振り回され、垣間見える狂態に好奇心をくすぐられる内、六郎は河原崎家に隠された秘密に共犯として巻き込まれていく。

システムは選択肢のみのADVである。複雑に分岐・合流を繰り返すマルチシナリオが特徴的で、例えば「免許を持っている」「持っていない」という選択肢により長女を迎えに行くか、長男の部屋を掃除するかといった展開に分岐し、それぞれ別のアダルトCGを鑑賞した後、夜には合流する。

辿った経路により、4日目に20種類近い結末を迎えるマルチエンドとなっていた。そのほとんどはバッドエンドで、ハッピーエンドを迎える僅かな経路や、未回収のシーンを見つけ出す点がゲーム要素である。一周あたりのボリューム感は少ないが、分岐が非常に複雑なため奥行きがあり、難易度は高い。

シナリオは終始シリアスな雰囲気で、主人公は常識人ながら暗め、選択肢によっては陰湿でサディスティックな性格にもなるのが特徴的である。前半は屋敷の使用人としてこき使われる中、奇妙な仕事をさせられたり、屋敷内で繰り広げられる痴態を目撃したり、ルートによっては住人から誘われてセックスをこなしていく。後半は住人達の罠にはまった主人公が、ピンチをくぐり抜けて意中のヒロインと逃亡するまでのサイコホラー風の展開である。

アダルト要素は多めで、同じシチュエーションでも複数のパターンとCGがある凝った作りになっている。強姦、剃毛、緊縛、放尿、三角木馬などアブノーマルな描写が多いが、ハッピーエンドのルートでは幸せなセックスシーンも用意されていた。

続編として『河原崎家の一族2』(2003)が続いた他、派生商品にアダルトOVA実写アダルトビデオ、DVD-PG版、小説版、サントラ、原画+攻略本などがある。

操作がコマンド無し、選択肢のみでマルチシナリオを備えたアダルトゲームは『シンデレラペルデュー』(1986年)の頃からあり、特に全流通のゲームでは伝統的だったが、80年代は一般的にならなかった。この作品や『奈緒美 〜美少女たちの館〜』(1993年)の辺りから広く流行し始め、次第に主流になっていったようだ。一般ゲームだが、『弟切草』(1992年)のようなサウンドノベルのヒットも大きかったかもしれない。

『禁断の血族』 概要

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©1993 C's WARE
禁断の血族 (C's WARE)

・1993年11月12日 PC-9801用 5インチFD版 3.5インチFD版
・****年**月**日 FM-TOWNS用 CD-ROM版
・1995年11月22日 PC-9801用 CD-ROM版
・1995年11月22日 Windows95用 CD-ROM版
・2005年10月24日 ダウンロード販売開始 【Gyutto】【DLsite】【DMM】【DL.Getchu

90年代序盤の作品で、美人揃いの邸宅に暮らすことになった主人公が、住人達の狂気と快楽に飲まれていく館モノのアダルトアドベンチャー。シーズウェアのデビュー作であり、『禁断の血族』シリーズの一作目。

主人公「健也」は名門T大に通う大学生。両親を交通事故で亡くした後、大富豪の未亡人「麗子」の養子となった健也は、夫人と5人の娘たち、そしてメイドの「さより」が暮らす広大な屋敷に住むことになった。しかし、着いた日の翌朝から、メイドによる口での奉仕で起こされて面食らうことになる。異常はそれに止まらず、住人達は主従、姉妹でそれぞれ性的な関係をもっていた。誘惑に負けて全員と交わってしまい、自己嫌悪に陥っていた健也も、やがて淫靡でただれた生活に慣れていき…?

システムはコマンドと選択肢の混合型で、移動先に自由があるタイプのADVである。屋敷内の玄関ロビーを基点にして、自室や夫人の部屋、姉妹達の部屋を繰り返し巡り、住人達と会話やセックスをこなすことで物語が進展していく。選択肢はおおむね二択で、間違った方を選んでもループするだけなので、難易度は非常に易しい。

シナリオは常識人の大学生である主人公が、屋敷内の倒錯した世界に巻き込まれて葛藤し、やがて姉妹間の争いや事件に巻き込まれていく、シリアスでアダルト重視のストーリーである。分岐やマルチエンドはなく、一本道となっていた。

アダルト要素はそれぞれの女の子に2~3回程あり、全体のボリュームが控えめな割にかなり頻度が高い。一部にレズや緊縛、飲尿などのアブノーマルな描写が含まれる他、顔射のシーンが多いのが特徴的である。

同シリーズとして『GLO・RI・A ~禁断の血族~』(1996年)、『散櫻 ~禁断の血族~』(1999年)が続いている。

けなげで古風な「メイド」がメインヒロインをつとめているのが特筆すべき点で、本作品の知名度が高い理由の一つとなっている。メイドは90年代後半から「萌え」の対象となり、日本のサブカルチャーに深く根を下ろしたが、この作品の当時はイメージが固まっていなかった。例えば『狂った果実』(1991)では性の対象になっているものの、格好は普段着に簡素なエプロンで、現代的な家政婦といった描かれ方だった。『Intruder ~桜屋敷の探索~』(1989)では屋敷の使用人がメイド風の格好をしているが、呼び方は女中である。

本作品や『河原崎家の一族』(1993年12月)は、メイドブームに大きな役割を果たした『殻の中の小鳥』(1996年)に先駆けること3年、メイド萌えの起源の一つとみなされることが多いようだ。

『狂った果実』 概要

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©1992 FAIRYTALE
狂った果実 (フェアリーテール)

・1992年05月01日 PC-9801用 5インチFD版 3.5インチFD版
・****年**月**日 X68000用 FD版
・****年**月**日 FM-TOWNS用 CD-ROM版
・****年**月**日 MSX2/2+/TurboR用 FD版

90年代序盤の作品で、二枚目の美大生を主人公に、周囲で次々に起こる殺人事件の謎を追っていくサスペンス風のアダルトアドベンチャー。

主人公「哲」は美術大学に通う不真面目な学生。「月島教授」の豪邸で開かれたパーティに参加した哲は、10才の不思議な少女「美夏」に出会い、懐かれてしまう。心を閉ざしていた三女美夏の笑顔に驚いた月島教授は、哲を家庭教師として受け入れるが、同じ日に次女の「秋美」が不自然な転落死を遂げ、その場にいた哲は警察に拘束される。証拠不十分で釈放され、一旦は日常を取り戻した哲だったが…?

システムはコマンド型で、移動先にあまり自由がないタイプの探索ADVである。「話す」「見る」といったコマンドの中で新たな情報を仕入れ、場面を転換させていく一本道の構造である。コマンドの種類は少なく、難易度は易しい。

シナリオは女泣かせな主人公が、美少女とのデートや屋敷のメイドとの火遊びを楽しむ中、親友の失踪、教授の錯乱、第二第三の殺人事件に直面し、恋人の成子と共に事件の謎に迫っていくミステリー風の展開である。サイコホラー要素が特徴的で、一部にインパクトのある惨殺描写を含んでいた。

アダルトシーンは3箇所ほどあるが、テキストもCGもさほどボリュームがなく、テーマの似た『殺しのドレス2』(1989)に比べるとかなり控えめになった。

00年代を経た今となっては珍しくないが、当時は美少女ゲームとプレイヤーを暗然とさせる結末の組み合わせは衝撃的で、話題作となったようだ。個人的な印象としては、セックス描写の淡白さでアダルトゲームとしては物足りないものの、最後まで緊張感のある展開でサスペンスADVとしては楽しめる。難点はボリューム感に乏しい所か。

『Intruder ~桜屋敷の探索~』 概要

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©1989 アリスソフト
Intruder ~桜屋敷の探索~ (アリスソフト)

・1989年07月12日 PC-8801用 FD版
・1989年08月**日 MSX2用 FD版
・1991年03月**日 FM-TOWNS用 CD-ROM 『アリスの館CD』に収録
・2003年04月11日 配布フリー化宣言 (アリスソフトアーカイブスなどからDL可能)

80年代末期の作品で、美少女を追って広大な屋敷に侵入した主人公の冒険を描いたアダルトアドベンチャー。チャンピオンソフトの設立したブランド『アリスソフト』のデビュー作である。

ある春の日、主人公「中川 稔」は、桜屋敷と呼ばれる豪邸に住む少女に一目惚れした。落し物のペンダントを届けるという口実を手に入れた彼は、彼女と直接会って話をするため、夜闇に紛れて塀を乗り越え、屋内に忍び込み、各部屋を巡って必要な情報やアイテムを集めていく。

システムはコマンド型で、「入る 部屋」「聞く 話」といった風に、2~3つのコマンドを組み合わせてフラグを捜していく探索ADVである。画面右上に屋敷の全体マップが表示されており、現在地が分かるようになっていた。部屋の数が多く、フラグは分かりにくい箇所に隠されている為、攻略に要するコマンドの手数が膨大な量となり、難易度は極めて高い。

シナリオは屋敷に住む女中の話を盗み聞きしたり、空き部屋をあさって必要になりそうなアイテムを入手したり、時には住人に正体を明かして協力をもちかけたりしながら、屋敷に隠された秘密を暴いていく流れとなっている。

女中、ヒロイン、ヒロインの母親、妹などの女性キャラクターが登場し、ほとんどの相手に「襲う」コマンドで強姦シーンが見られるが、最後まで致してしまった場合はすべてバッドエンドである。セックスが攻略に必要な場面は2箇所ほどで、いずれも和姦となっている。

個人的な印象としては、やたら堂々とした不法侵入者の主人公や、それをあっさり見逃したり、信用してしまう登場人物といった緩い世界観、そして理不尽なゲーム性等、『ポップレモン』『幻夢の城』など一連のチャンピオンソフトのADVを連想させる。極端な難易度に明るい蛮性といった、80年代らしさを色濃く残した作風といえるだろう。

『乙女理論とその周辺 -Ecole de Paris-』 概要

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©2013 Navel
乙女理論とその周辺 -Ecole de Paris- (Navel)

・2013年07月26日 Windows用 DVD-ROM 『Limited Edition
・2014年02月28日 Windows用 DVD-ROM 『Standard Edition
・2014年09月12日 ダウンロード販売開始 【DMM

月に寄りそう乙女の作法』(2012)の続編で、パリの服飾学校を舞台に素性を隠した女装男子が奮闘する学園恋愛アドベンチャー。

主人公「大蔵遊星」は、訳あって女装メイド「小倉朝日」となり、資産家「桜小路ルナ」の付き人として服飾の女子校に通っていたが、とある失敗で男であることが発覚し、桜小路家を追い出されてしまう。そんな折、失意の底にあった遊星を救う為、妹の「りそな」が彼女の海外留学に付き人として同行することを提案する。通う学校は服飾専門の新設校「フィリア女学院パリ本校」。遊星は再び朝日となって妹の世話を焼きながら、服飾のプロを目指して学び、新しい友人達と交流していく。しかし、りそなには入学初日から陰湿な嫌がらせが続いていて・・・?

システムは選択肢分岐型で、選択肢は少なめである。ヒロインは引き篭もりニート体質でブラコンの異母妹、レズっけのある旧貴族のお嬢様、その従者で天才的な服飾の才能をもつ純朴な女の子の3名となっていた。

シナリオは前作の途中から分岐したパラレルワールドとなっており、前作のプレイが推奨される。伏線を回収する完結編であり、初回特典として前作のヒロインと結ばれたアフターストーリーを収録したアペンドディスクが付属する等、ファンディスク的な役割も兼任している。

前作と同様、基本的には服飾のコンテストで入賞を目指す華やかな青春ストーリーで、女装を巡る悪戦苦闘や珍妙な登場人物達との掛け合い等、コミカルな日常風景が中心だが、異母兄の衣遠との確執、大蔵一族内の後継者争い、学校内での陰謀等が同時に絡み、先の読めないスリリングな展開を演出している。

アダルトシーンは1ヒロインあたり2つと少なめだが、女装したままの主人公がヒロインに責められるという倒錯的な表現が一部に含まれていた。また、アペンドディスクには主人公「遊星/小倉朝日」の声が再生可能となる前作『つり乙』用のボイスパッチが収録されている。

さらなる続編として、舞台を踏襲しながら主人公が世代交代した『月に寄りそう乙女の作法2』(2014年)が続いた。また、本作のアフターストーリー等を描いたファンディスク『乙女理論とその後の周辺 -Belle Epoque-』の発売が2016年に予定されている。

ショップ特典として店舗毎にドラマCD、抱き枕カバー、下敷き、タペストリー、色紙など様々なグッズが付属した他、関連商品が数多く存在し、スマホケース、キャンパスアート、女学院制服、ティーカップ、ぬいぐるみ、おしりマウスパッド等、少々珍しい品々までラインナップされている。


『乙女理論とその周辺 -Ecole de Paris-』 公式HP
http://www.project-navel.com/otomeriron/




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