©1994 APPLE PIE
聖少女戦隊レイカーズⅡ (アップルパイ)・1994年12月18日 PC-9801用 5インチFD版 3.5インチFD版
・1996年10月18日 Windows95用 CD-ROM 『聖少女戦隊レイカーズⅠ・Ⅱ for Win』に収録
90年代中頃の作品で、変身ヒーローの主人公と変身ヒロイン達の活躍を描いたシミュレーションRPG。『聖少女戦隊レイカーズ』の続編。
前作で宇宙からの侵略者ガドラム帝国を退け、再び平和な日常を送っている筈のレイカーズだったが、鷲ノ羽学園に正義の少年「洸」の姿は無かった。彼は半年もの間、レイカーズの面々に何も告げず、行方をくらましていたのだ。そこへ、レイカークリスタルを狙う新たな敵、宇宙犯罪組織ギルドールの魔の手が迫る。変身能力を失ったレイカーズの前に颯爽と現れたのは…?
システムはADV風のストーリーパートとシミュレーションRPGの組み合わせである。ストーリーパートは分岐のない一本道で、コマンドもセックスシーンのみとなっている。各章の会話の中で戦闘に突入し、SLGパートで1~2つのMAPの敵を殲滅すれば、シナリオが進行して次の章へ移る仕組みである。
戦闘部分のシステムは前作とほぼ同じで、クォータービュー、固定配置、レベルアップありの戦術級SLGである。攻撃がなかなか当たらないのも同じで、敵の向きや高低差などを利用して命中率を高め、数に勝る敵に背後を取られないよう工夫する点が戦術要素となっている。違いはそれぞれ体の各部の4種類のパーツを変更できる点で、それに応じて回復技、長射程の技、広範囲の技などを選べる仕様となった。
シナリオは使命感に燃える変身ヒーローの主人公が、親しい少女達を戦いに巻き込むまいと奔走するものの、敵の罠にはまったり、強敵と出会う中でヒロイン達に助けられ、最後はチームワークで敵を撃退するのが基本的な流れである。変身ヒロイン物に分類される作品だが、熱血、悲壮感、メカといった男の子向けの要素が多く、ナレーションにも特撮ヒーロー物の影響が強く感じられる。
アダルトシーンは各章に1、2箇所で、5人のヒロイン達の他、敵の女幹部にも用意されている。レイカーズの中心「玲子」と主人公は前作で恋人同士となったため、他のヒロインとは妄想上のセックスだったり、あるいはライバルの男キャラに口説き落とされたりといった描写になったが、中には主人公が敵の誘惑に負けたり、玲子との仲違いで捨て鉢になり、激情に身を任せて他の子と…といった場面もあった。
続編として『聖少女戦隊レイカーズⅢ』(1997)が続いている。
個人的な印象として、シナリオは相変わらず超展開の連続で、非ギャグストーリーにしては説得力が頼りない。ツッコミ所は満載なので、ネタとしては楽しめた。シミュレーションRPGとしても操作性やゲーム性が改善されたとは言えず、残念な印象である。全画面表示となり、ビジュアルは大きく向上している。