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マテリアルブレイブ (戯画)・2012年03月23日 Windows用 DVD-ROM 初回版
・2012年04月13日 Windows用 DVD-ROM 通常版
10年代序盤の作品で、近未来の学園を舞台に特殊能力をもつ少年少女達の戦いを描くアダルトアクションゲーム。やり込み系のゲームを数多く手がけている『戯画』内の『TEAM BALDRHEAD』の作品である。
「エニグマタイト」と呼ばれる鉱石の発見で人類の技術が進んだ世界。鉱石と融合した生物は「ネオプラズム」と呼ばれ、退治の難しさから新たな災害となっていた。これに対抗できるのは、同じく鉱石と融合した人間である「アンリーシュト」たち。彼女たちは世界で唯一のエニグマタイト鉱山がある神尾城島(かみおきじま)に集められ、学園生活の中でネオプラズムとの実戦訓練に励んでいた。男としては珍しく能力に目覚めた主人公「遙歩」は、他人の特殊能力を強化する特異なアビリティ「エンゲージ」を見込まれ、熱心に口説かれて学園に転校するが、その発動条件が相手と体液の交換をすることで…?
ゲームシステムは非常に変わっていて、立ち絵を使った通常のADVモードと、横スクロールで学園内や街を歩き回り、人々と会話を交わし、ヒロインの好感度を上げ、クエストをこなしていく探索モード、そしてアクションRPGの組み合わせである。探索モードで郊外に出たり、戦闘ありのクエストを受けると場面はフィールドマップに移る。
フィールドマップの未踏破の部分を探索してマップを完成させていく中、敵と接触すると戦闘ステージに移行する。戦闘ステージは横スクロールありのアクションで、通常攻撃と数種類のコマンド技を駆使して敵の殲滅を目指していく。コンボが非常に繋がり易いのが特徴で、自分なりの連続技を工夫し、改良と練習を重ねていく格ゲーのようなゲーム性が印象的である。扱えるキャラは主人公とヒロイン5人で、動きやリーチはそれぞれ全く異なる。
さらに、レベルアップや装備品による補正に加え、「エンゲージシステム」と呼ばれるパワーアップ要素がある。エンゲージにより特定のキャラを集中的に強化したり、特定のパラメータだけを伸ばしたりできるので、育成の自由度はかなり高い。
シナリオは真面目で向こう見ずな主人公が、その能力の特異性で学園中の女の子から注目を浴びつつ、問題を抱えるヒロイン達とめぐり合い、戦いの中で信頼を勝ち取り、仲間を増やしていく流れとなっている。雰囲気はおおむねコミカルな学園モノだが、後半は次第にシリアスさを増していく。ストーリーはほぼ分岐のない一本道で、エンディングのみ個別エンドを備えている。
アダルトイベントは、フィールド探索時にサポート役として意中の相手を選び、コンビネーション攻撃を発生させることで「リビドー」を貯め、それをMAXにすることで発生する。1人3段階あり、主人公が手マンやクンニでヒロインを慰めたり、あるいは足コキやフェラで責められて性的欲求を解消していく。リビドーシステムには本番行為がないが、物語のクライマックスで好感度がMAXのヒロインのみ、本番シーンが鑑賞できる仕組みである。
続編としてファンディスク『マテリアルブレイブ イグニッション』(2013年)が続いている。
個人的な印象としては、操作性もテンポもよく、アクションが苦手な人でも適当な操作で爽快感のあるコンボを楽しめるユニークな作品である。育成も奥行きがあり、同じキャラでも全く違う戦略で育てられる自由度を備えている。難点は自由度の野放図さ、ゲームバランスの荒っぽさで、Wikiなどで育成方針を掴まないと何度も壁にぶつかるかもしれない。アダルト要素が薄めなのもネックか。
公式HP
http://products.web-giga.com/materialbrave/index.html