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古今のアダルトゲームを広く浅く調査及び成る丈簡潔にご報告致します

『雫 -しずく-』 概要

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©1996 Leaf
雫 -しずく- (Leaf)

・1996年01月26日 PC-9801用 3.5インチFD版
・1996年06月28日 Windows95用 CD-ROM版
・2004年01月23日 Windows用 CD-ROM リニューアル版
・2004年01月23日 Windows用 DVD-ROM リニューアル版
・2009年06月26日 Windows用 DVD-ROM 『痕 -きずあと-』の初回特典に同梱
・2011年12月09日 ダウンロード販売開始 【DMM
・2011年12月09日 ダウンロード販売開始 『痕+雫 セット』 【DMM

90年代中頃の作品で、学園を舞台にしたホラー系のノベルゲーム。Leaf初期のヒット作で、『痕 -きずあと-』(1996年)、『To Heart』(1997年)と共に「ビジュアルノベル」というジャンルを開拓した先駆者だった。

主人公「長瀬祐介」は平凡な学生ながら、狂気に惹かれ、奇妙な妄想にふける日々を過ごしていた。そんなある日、祐介のクラスで事件が起こる。生徒会の副会長を務めるクラスメート「太田香奈子」が突然発狂し、卑猥な言葉を口にしながら自身の顔を傷つけたのだ。香奈子はそのまま正気に戻らず、原因は分からないまま、セックスの形跡と夜の学校という2つの手がかりだけが残された。叔父にあたる教師から調査を頼まれた祐介は、関係者から情報を聞き込み、危険な香りを放つ夜の校舎へ足を向ける…。

ゲームシステムは選択肢分岐型のADVの一種で、当時のサスペンス作品でよく見かける、多数の選択肢、多数のバッドエンドを備えた構造である。同行したがる女の子を連れて行くか否か、といった行動分岐や、注意力を試す質問のような選択肢が現れ、その辿った経路によって10種類以上のエンディングを迎える。普通にプレイすればほぼバッドエンドのため、ハッピーエンドに繋がる僅かな経路を探り当てる点がゲーム要素の、難度の高い仕様になっていた。

当時として風変わりなのは、メッセージウィンドウがなく、全画面表示の画像の上に重ねる形でテキストを表示する点である。文字が大きく表示できるのが利点で、文字数の多さに伴う読み手の負担も軽減できたのではないかと想像する。また、画面を埋め尽くすような言葉の反復は、狂気の表現にも一役買っている。「ビジュアルノベル」と呼ばれる手法の誕生で、主流にこそならなかったが、『Fate/stay night』(2004年)等、他社のヒット作も生んでいる。

さらに、立ち絵の表情とポーズを、台詞に合わせてコロコロ変化させている点が目を引く。先駆者はdesireの『V.R.デート☆五月倶楽部』だが、まだ珍しい時代で、Leafが普及させた面もあるだろう。実写取り込み風の背景画像もシリアスな雰囲気を盛り上げている。

ストーリーは、主人公が叔父から夜の校舎の調査を引き受け、事件に関わりのあるヒロイン達と会話を交わし、夜の校舎を探索、異様な事態に巻き込まれてピンチを切り抜けるまでの流れである。冒頭とエピローグを除いて、わずか一日間の出来事となっている。

主人公は、時折グロテスクで嗜虐的な妄想に取り付かれる以外は、常識的で純情な学生で、身を挺してヒロインを守ろうと奮闘していく。ヒロインは目撃者の明るく活発なバレー部員、被害者の親友で真面目な眼鏡っ子、そして全てを知っているかのような不思議な女の子の3人となっていた。

続編はないものの、作風を受け継いだ『痕 -きずあと-』が同年に続いている。また、Leafのファンディスク『さおりんといっしょ!!』(1996年)にて本作品のヒロインの一人「新城沙織」がナビゲート役を務めている。関連商品は小説版、設定原画集など。

個人的な印象として、セックス描写にもそれなりに比重があるものの、女体や顔の描き方に強烈な個性があり、アダルトゲームとしては人を選びそうだ。本作品の魅力はサイコ的な狂気描写の凄みで、クチコミ等を通じて話題となり、当時カルト的な人気を誇ったようだ。セカイ系を感じさせる、主人公の内面中心の語り口は、KeyやTYPE-MOONの初期作品にも影響を与えたことだろう。


公式HP
https://leaf.aquaplus.jp/product/sizuku/

 
調査担当

『黒の断章』 概要

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©1995 AbogadoPowers
黒の断章 (アボガドパワーズ)

・1995年07月14日 PC-9801用 3.5インチFD版 5インチFD版
・****年**月**日 DOS/V用 3.5インチFD版
・1997年08月08日 セガサターン用(18歳以上推奨) 初回限定版 通常版
・2004年01月30日 Windows用 CD-ROM
  『黒の断章 THE LITERARY FRAGMENT / for Win SS改訂版
・2005年03月18日 Windows用 DVD-ROM
  『黒の断章 THE LITERARY FRAGMENT / for Win SS改訂版
・2007年11月29日 ダウンロード販売開始(Win SS改訂版)
  【Gyutto】【DLsite】【DL.Getchu】【DMM

90年代中頃の作品で、二人組の探偵を主人公にしたホラー系のアダルトアドベンチャー。アボガドパワーズの2作目。

事件は主人公たちの暮らす都内のマンションで起こった。一家4人が猟奇的な手口で惨殺されたのだ。小さな探偵事務所の所長、女たらしで不敵な性格の「涼崎」は、好奇心から警察の捜査に首を突っ込み、心理分析のプロ「草薙」、涼崎を慕う助手の「明日香」と協力して、事件の周辺を調べ始める。だが、惨劇はほんの始まりに過ぎなかった。主人公達を嘲笑うかのように起こる第二、第三の事件に謎は深まり、次第に三人の運命は、涼崎の過去にまつわる忌まわしい何かに絡め取られていく…。

システムは移動先に自由があるタイプのADVで、コマンドメニューはなく、操作は『ELLE』(1991年)のようなクリック式である。矢印型のポインターを人物の口の上に持ってきてクリックすれば「話す」、家具や装飾品の上でクリックすれば「調べる」といった具合に、直感的に探索できる仕組みとなっていた。選択肢も所々で登場するが、どちらを選んでも結果は変わらず、おそらくフェイクである。

過去の記憶の欠落や悪夢に苦しむ、女たらしでワイルドな風貌の探偵と、それを横から観察するヤサ男風の元心理分析官、この二人組が主人公なのが特徴的で、主観は自動で切り替わっていく。

シナリオは、序盤が探偵を主人公にしたミステリーとして始まるのに対して、中盤は次第に怪奇色が濃くなっていき、終盤は高名なフィクション群「クトゥルフ神話」を題材にしたホラー作品になるのが特徴的である。行き先の選択順や発見物によって演出が多少変化することがあるが、エンディングは共通で、ほぼ一本道である。

Hシーンはすべて、主人公が女性から誘われる形の穏当な和姦で、ホラー作品には珍しく、SM要素や陵辱、異種姦はない。代わりに流血や内臓露出を含むグロテスクな死体描写が所々に見られる。

続編に『Esの方程式』(1996年)がある。家庭用ゲーム機に移植された際は、声優によるボイスがあてられ、原画家は同じまま、ほぼ書き直しに近い形でCGがリメイクされており、さらにそれがWindows版としてPCに逆移植された。派生作品にOVA版、DVD-PG版、小説版などがある。

フェアリーテール・ハードカバーの『ネクロノミコン』と同じく、クトゥルフ神話を題材にしたシリアスな怪奇ストーリーだが、こちらは序盤で探偵物ミステリーを装い、思わせぶりな伏線が仕掛けられた、くせだま的な作風である。

個人的な印象として、スリリングな展開に音楽もビジュアルもマッチしており、ミステリーとしてもホラーとしてもそこそこ楽しめた。難点は操作の煩わしさで、場面を進展させるため、日常の何気ないシーンでも、画面中の目に付く物を総当りでクリックする必要があり、これが意外に難度が高く、慣れるまでイライラするかもしれない。


公式ページ
http://www.scarecrow.co.jp/abp/kuro/index.html


調査担当

『ネクロノミコン』 概要

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©1994 FAIRYTALE/F&C co.,ltd.
ネクロノミコン (フェアリーテール・ハードカバー)

・1994年06月24日 PC-9801用 3.5インチFD版 5インチFD版
・****年**月**日 FM-TOWNS用 CD-ROM版
・****年**月**日 DOS/V用 CD-ROM版
・****年**月**日 PC-9821用 CD-ROM版
・1996年11月22日 Windows3.1/95用 CD-ROM版

90年代中頃の作品で、クトゥルー神話を題材にしたホラーアドベンチャー。フェアリーテール内のホラー専門ブランド『ハードカバー』のデビュー作である。

舞台は20世紀序盤のイギリス。ロンドンで新聞記者をしていた主人公ジョナサンは、休暇と取材旅行を兼ねて、自分の家系のルーツとなる寒村アーカムを訪れる。つり橋一本で外界と結ばれたアーカムは陰気で閉鎖的な村だった。特に取材のあてが無かったジョナサンは、宿で知り合った大学教授のガードナー、怪しい男トマスに連れられ、不気味な遺跡の調査に協力する。しかし、調べれば調べるほど事態は意外な方向へ転がり、やがて彼らは村人が隠す狂気じみた秘密に引き寄せられていく…。

システムは移動先に自由があるタイプの探索ADVである。操作は『DEAD OF THE BRAIN ~死霊の叫び~』の流れを汲み、マウスカーソルを使って画面内の気になる部分をクリックしていく形式だが、コマンドの種類の選択が無くなったため、より簡便になった。敵の急所にカーソルを合わせて撃つ銃撃シーンも受け継いでいる。

シナリオは全体的に重苦しい雰囲気のホラーになっていて、アダルト要素は低めである。手がかりとなる鍵や人物を探して村中を巡回することになるが、作中にヒントが多く、ゲームオーバーもないため、難易度はそれほど高くない。基本的に一本道の展開だが、ラスト付近でグッドエンド、バッドエンドに分岐する仕様となっていた。

高名なフィクション群『クトゥルフ神話』が土台になっているようだが、原作に忠実という訳ではなく、ラヴクラフトの小説や固有名詞を題材にして様々なアレンジが加えられているようである。

アダルト要素はヒロインの女性、宿の未亡人、娼館の女性達との間に和姦シーンがある他、一部にグロテスクな怪物たちによる異種姦を含んでいた。流血や手足の切断、内臓露出、ミイラ化といった陰惨なシーンも所々に登場する。

個人的な印象として、ストーリーに重点を置いた本格ホラーといった感じである。CGもBGMも重厚さがあり、シナリオもよく出来ていて、価格以上の緊迫感を楽しめる。ただしアダルトゲームとして購入した場合は物足りなさを感じたかもしれない。後半へかけて盛り上がった割に、結末はあっさりな辺りはB級ホラーのお約束か。

調査担当

『奈緒美 〜美少女たちの館〜』 概要

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©1993 FAIRYTALE/F&C co.,ltd.
奈緒美 〜美少女たちの館〜 (フェアリーテール RED-ZONE)

・1993年07月09日 PC-9801用 5インチFD版 3.5インチFD版
・****年**月**日 Macintosh用 CD-ROM版
・1997年01月24日 PC-9801/FM-TOWNS兼用 CD-ROM 『稚恵美・奈緒美』に収録
・1997年02月14日 Windows3.1/95用 CD-ROM版

90年代序盤の作品で、古い洋館に迷い込んだ少女が奇妙な体験を重ねていくホラー系のアダルトアドベンチャー。

大人しい性格の少女「奈緒美」は、下校途中に友人の「ミナ」に誘われ、無人の洋館を訪れる。暗い部屋の中、奈緒美はミナから愛の告白を受けて床に押し倒されるが、その直後に周囲は暗闇に包まれ、部屋の様子も変わり、ミナともはぐれてしまう。何とかミナを見つけて共に館を脱出しようとあがく奈緒美だったが、新たな扉を開く度に夢とも現実ともつかない不思議な出来事が起こり、奈緒美の心にある変化をもたらしていく…。

システムは当時珍しい選択肢分岐型である。『弟切草』(1992年)のように多数の選択肢の連続で、その累積結果によっていくつかの結末に収束していく。選択肢は多いが、ボリューム感はないので難易度は低めである。

シナリオは暗く超常的なホラー展開で、大きく分けて2種類のルートがある。一つは同性愛を受け入れるか否かを迫られるルートで、ミナの陰惨な身の上が語られ、アダルトシーンは通常のレズプレイが中心である。もう一つは自分の中にある欲望を受け入れるか否かを迫られるルートで、こちらは鎖に繋がれた少女へのSMプレイが含まれる。

『Premium Collection Vol.1』と銘打たれており、同シリーズとして『稚恵美』(1993年)、『美穂』(1994年)、『沙也香 〜義母〜』(1994年)などが続いている。

独特な雰囲気のある作品で、『沙織 (美少女たちの館)』(1991年)からサブタイトルを受け継いでいるが、どこか無邪気で行為はソフトだった沙織と比べ、こちらは暴力や流血、死亡、狂気が描かれており、バッドエンドも多く、ホラーに重点が置かれている印象である。謎は抽象的できっちりと解明される訳ではないため、その辺りも好みが分かれそうだ。

調査担当

『DEAD OF THE BRAIN ~死霊の叫び~』 概要

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©1992 FAIRYTALE
DEAD OF THE BRAIN ~死霊の叫び~ (フェアリーテール)

・1992年04月01日 PC-9801用 5インチFD版 3.5インチFD版
・****年**月**日 X68000用 FD版
・****年**月**日 FM-TOWNS用 CD-ROM版
・****年**月**日 MSX2/2+/TurboR用 FD版
・1999年06月03日 PCエンジン用 CD-ROM 『デッド・オブ・ザ・ブレイン1&2』に収録

90年代序盤の作品で、アメリカの地方都市を舞台にしたホラーアドベンチャー。

現代アメリカのとある街。ごく普通の青年「コール」は、友人の老科学者「クーガー(ドク)」の自宅に呼び出され、ある実験に立ち会う。クーガーが発明した物は、死体を蘇生させる画期的な新薬だった。ただし対象が凶暴化する難点を抱えており、さらに感染性もある危険な物だった。二人が警察官の事故死を隠蔽しようとして始まった蘇生薬の脅威は、瞬く間に街中に広まり、あたりは死霊(ゾンビ)だらけになっていく。コールと恋人シーラ、クーガーの三人は近くの警察署に逃げ込むが…?

システムはコマンド型で、行き先に多少の自由がある探索ADVである。操作はマウスカーソルを使った物で、「LOOK」「TALK」といったコマンドを選択し、英単語型のアイコンを動かして絵の気になる部分をクリックすることにより、情報やアイテムを得ていく。ガンシューティングのような戦闘シーンもあり、カーソルを動かして制限時間内に敵の弱点を撃つ事ができなければGAME OVERである。当たり判定が狭く、制限時間は短く、探索シーンや謎解きも含めて難易度は高めである。

シナリオは生き残った住民達と出会い、協力して街からの脱出を目指す中、一人、また一人と犠牲になっていくホラー映画で典型的なサバイバル物となっていた。ただし、ストーリーは単純なゾンビ物に止まらず、中盤から不可解な点が目立ち始め、後半は全く違った様相を呈していく。

ベッドシーンやヒロインの露出、暴漢に襲われるシーンなど僅かにアダルト要素があるが、主題はあくまでホラーとアクションで、特にスプラッタ描写やメカ類の表現、緊迫感を盛り上げるBGMに力が入っている。

続編に『DEAD OF THE BRAIN2』(1993)がある。

沙織事件(1991年末)の影響からか、エロは控えめで、代わりにグロとホラー、悲劇的なドラマ性が特徴的な作品である。今となっては陳腐化したゾンビパニック物だが、当時は『DOOM』(1993)や『バイオハザード』(1996)の登場する前で、ホラーゲームといえば館モノが定番であり、国産のゾンビは珍しい。

個人的な印象としては、設定に苦しい点が目立ち、ストーリーに没頭するのは難しかったが、緊迫感の演出はよく出来ていて、CGはハイクオリティである。登場人物はコテコテのアメリカ映画で、大ヒット映画のオマージュと思われる部分もあり、ひょっとしたらチグハグな展開も何らかのお約束、パロディとして楽しめる作品なのかもしれない。

調査担当

『BEAST ~淫獣の館~』 概要

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©1991 BIRDY SOFT
BEAST ~淫獣の館~ (バーディソフト)

・1991年01月**日 PC-9801用 5インチFD版 3.5インチFD版
・****年**月**日 X68000用 FD版
・****年**月**日 Windows3.1/Mac用 CD-ROM版

90年代序盤の作品で、怪しい洋館に迷い込んだ少年達の冒険を描いたアダルトアドベンチャー。

オカルト研究会の会長を務める主人公(名前は任意)は、女癖の悪い学生である。神隠しの噂の真相を調査するため、山奥に入っていたオカルト研究会の男女5人組は、森の奥に立派な洋館を見つけ、屋敷の使用人「三太夫」と美しい未亡人「霧子」に頼み込んで、雨宿りをさせてもらった。客としてもてなされ、深夜に忍んできた霧子との濃厚なセックスで深い眠りについた主人公。しかし目覚めると、メンバーは既に全員帰ってしまったという。これを不審に思った主人公は、仲間達を探して屋敷内の探索を開始する。

システムはコマンド型で、移動先に自由があるタイプの探索ADVである。客間、娯楽室、食堂など屋敷内の各部屋を一つ一つ調べ、家具に隠された石鹸や金貨などの重要アイテム類を収集し、施錠された部屋や隠し部屋への入り方を試行錯誤していく流れである。キーアイテムはノーヒントで手の込んだ隠し方をされている事が多く、行き先もコマンドの種類も豊富で、難易度が異様に高い。

シナリオは怪しい洋館を舞台に、主人公が裸で束縛されている女の子達を一人一人解放していく中、屋敷に隠された秘密に迫っていく展開となっていた。館モノ風のホラーがベースだが、主人公達に緊迫感が薄く、怪物達もコミカルで雰囲気は暗くない。

アダルト要素は館の女主人や恋人とのセックスシーンがある他、寄り道要素として、途中で手に入る媚薬入りのお菓子を、解放した女の子を騙して食べさせた時などに発生する。尺は短いがアニメーションによるフェラチオ、縦長の画像のスクロールなど、当時は珍しいダイナミックな動きの演出が盛り込まれていた。局部は男女共に無修正で、かなり露骨に描かれている。

続編として『BEAST2』(1991年)、『BEAST21』(2002年)が続いている。

後世の人間がタイトルから連想する作風と違い、淫獣による女の子の陵辱シーンはない。一方、ホラー系で館モノのアダルトADVとしては『TWILIGHT ZONE』(1987年)に及ばないものの、早い時期の作品である。凝ったアダルトシーンに目を見張るものがあるのだが、操作の煩わしさや理不尽な難易度で極端にテンポが悪くなってしまった印象である。

調査担当

『うろつき童子』 概要

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©1990 FAIRYTALE
うろつき童子 (フェアリーテール)

・1990年04月21日 PC-9801用 5インチFD版 3.5インチFD版
・****年**月**日 PC-8801用 FD版
・****年**月**日 MSX2/2+用 FD版
・****年**月**日 X68000用 FD版

90年代初頭の作品で、同名の成人漫画『うろつき童子』(1986年)をゲーム化したホラー系ファンタジーのアダルトアドベンチャー。

主人公「天邪鬼」は獣人界、魔界でも名の知られた獣人の実力者である。新世界を創造するといわれる存在「超神」に興味をもつ彼は、超神の力をもった人間を500年も捜し続け、ついに現代日本の「盟神学園」で濃厚な気配を嗅ぎつけたのだった。超神の候補はバスケ部の尾崎、生徒会長の宮沢、テニス部の坂本の3人で、いずれも女性から熱い視線をうける色男たち。主人公は転校生「天野一」として学園に潜り込み、子分の「黒子」と共に一人一人を調査していく。

システムは当時一般的だった移動先に自由があるタイプの探索アドベンチャーである。主に学園内が舞台で、教室や体育館、保健室、宿直室などを巡り、遭遇した人物との会話の中で情報をあつめ、物語を進行させていく。

シナリオは硬派な主人公が"超神"の正体を突き止めるため、当たりをつけた人物の動向を探っていくうちに妖魔達の企みを知り、超神や人間達を守るために対決していく展開である。一部にグロテスクな惨殺シーン、アニメーションやエフェクトを用いたアクションシーンを含み、見所となっていた。

原作漫画は"淫獣"や"触手"を使った異種姦物のアダルトアニメの原点となった作品だが、本作品でのアダルト描写は、主人公が女子の着替えやカップルのセックス、乱交、レイプを目撃するといったケースが多く、妖魔による異種姦はさほど比重がない。主人公自身は直接関わらないのも大きな特徴といえる。

キャラクターデザインは、漫画ともアニメ版とも大きく異なり、ゲーム独自の大胆な改変がなされている。シナリオもゲーム用にアレンジが加えられ、かなりマイルドな印象になってしまったものの、軟派な作風の多かった当時のアダルトADVには珍しい、妖しくシリアスな雰囲気と熱血の入り混じった、異色の作品に仕上がっている。

調査担当

『千之ナイフの魔少女館』 概要

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千之ナイフの魔少女館 サンプル 千之ナイフの魔少女館 サンプル
©1988 アイセル
千之ナイフの魔少女館 (ファンシーソフト(アイセル))

・1988年08月**日 PC-8801用 FD版
・****年**月**日 MSX2用 FD版

80年代後半の作品で、洋館に住む怪物少女たちをテーマにしたCG集。漫画家『千之ナイフ』氏が原画、脚本を手がけている。

ゲーム性はなく、16枚のCGを順番に観賞していくシンプルな作りである。多少ストーリー仕立てになっていて、冒頭で案内役の骸骨男が登場し、セクハラをしようとして返り討ちにあったりしながら、各部屋の住人達を紹介していく流れとなっている。女の子は吸血鬼、透明少女、人造人間などで、ホラーを題材にしている物が多いが、作風はコミカルである。


調査担当

『ラブリーホラー おちゃめなゆうれい』 概要

ラブリーホラー おちゃめなゆうれい サンプル ラブリーホラー おちゃめなゆうれい サンプル
ラブリーホラー おちゃめなゆうれい サンプル ラブリーホラー おちゃめなゆうれい サンプル
©1988 studio ANGEL
ラブリーホラー おちゃめなゆうれい (studio ANGEL/全流通)

・1988年07月**日 PC-8801用 FD版
・****年**月**日 PC-9801用 5インチFD版 3.5インチFD版
・****年**月**日 FM-7/77用 3.5インチFD版
・****年**月**日 MSX2用 FD版
・****年**月**日 X1turbo用 FD版
・****年**月**日 X68000用 FD版

80年代後半の作品で、幽霊や妖怪の蔓延るアパートを舞台にしたアドベンチャー。

可愛い女の子ばかりが暮らすアパート、「美人荘」に入居することになった男子学生の主人公。ところが、美人荘は色々な男達が頻繁に通ってくる事から、売春宿の噂が立ち、それを調査しようと泊り込んだ管理人も行方不明になり、取り壊そうにも幽霊の呪いで手が付けられないという、いわく付きの物件だった。管理人の娘「くみこ」に見込まれ、彼女のヴァージンを約束された主人公は、消えた管理人の行方を追って、住人達の素行を調査していく。

シンデレラペルデュー』『艶談 源平争乱記 いろはにほへと』等の流れを汲むADVで、当時一般的ではなかった選択肢分岐型である。たくさんの分岐の中から死亡エンド回避となる選択肢を探り当て、ハッピーエンドへと繋がる経路を開拓することがゲーム要素となっていた。

シナリオは、テーマの割に明るくコミカルなタッチで、主人公がアパート内を探索する中、隣人達の情事の現場を目撃したり、誘惑されてベッドインしていく展開である。普通に交わると女の子達に取り憑いた幽霊達によって殺されてしまうため、それぞれの幽霊の手口に合わせて機転をきかせ、退治できる選択肢を見つけられるかが攻略の鍵となっていた。

住人は婦人警官、看護婦、喫茶店のウェイトレス、モデル、アイドル歌手、スチュワーデスなどで、全員が積極的に誘ってくるのが特徴的である。HシーンのCG枚数やテキストのボリューム、コマンド類が多く、アダルト要素の比重は全体的に高い。

立ち絵を背景と分離して使いまわす手法は、後に一般化するが、この時代のアダルトゲームでは定着しておらず珍しい。難易度はかなり手ごたえがあり、ストーリーにはそれなりに脈絡があって、アダルト特化型のADVとしては完成度の高い印象である。

調査担当

『TWILIGHT ZONE』 概要

TWILIGHT ZONE サンプル TWILIGHT ZONE サンプル
TWILIGHT ZONE サンプル TWILIGHT ZONE サンプル
©1987 GREAT
TWILIGHT ZONE (GREAT)

・1987年02月**日 PC-8801用 FD版
・1987年**月**日 FM-7用 3.5インチFD版
・1987年04月**日 X1/turbo用 FD版
・****年**月**日 PC-9801用 5インチFD版
・****年**月**日 MSX2用 FD版

80年代中頃の作品で、女の子達の暮らす広大な館を舞台にしたアドベンチャー。

ふとしたことで知り合った老婆から、豪邸での夕食に招かれた主人公は、大勢の女性達に囲まれ、華やかな晩餐を過ごす内、突然意識を失ってしまう。気がついた場所は見知らぬ寝室。脱出のためには広大な屋内を探索し、女の子達のHな姿を拝まなければならない。しかし、屋敷内には恐ろしい老人が徘徊していた・・・。

システムはコマンド入力式、移動先に自由があるタイプのADVである。「ひがし」「あける どあ」等のコマンドを一文字一文字入力し、20個の部屋がある3Dダンジョン風のマップを歩き回り、キーとなるアイテムや情報を回収していく流れである。

シナリオは美しい母親と娘達、家庭教師、祖母と祖父が暮らす豪邸の中、女の子にプレゼントを贈ったり、機嫌を取ったりしながらHに持ち込んでいき、結果的に脱出を目指すシュールなストーリーとなっていた。会話の手順を間違うと、なぜか日本刀を持った老人が現れてゲームオーバーである。

続編の『TWILIGHT ZONE Ⅱ』(1988年)からはRPGに生まれ変わり、『TWILIGHT ZONE Ⅲ』(1989年)、『TWILIGHT ZONE Vol.4』(1990年)とシリーズ化している。タイトルは同名のアメリカの人気SFドラマにあやかったものと思われ、直接繋がりはないが、摩訶不思議なホラー要素を備えた作品なのは共通している。

操作感が悪く、ダンジョン画面が視覚的に分かり辛く、フラグも理不尽で難解、セーブ機能なし、彩色の抜け落ちがある等、粗っぽい部分が目立つ仕上がりである。手描きで紙にマップを作っていくのが当時のADVの楽しみ方の一つだが、バグで不整合になっている箇所も複数ある。背景として、この時代はアダルトゲームに限らず、急拡大する市場に向けて業界全体が粗製ゲームを乱発する傾向があったようだ。

調査担当
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調査員プロフィール
80年代半ばに登場した学習型AI。主食はエロゲのインストールディスク。電波系、欝、グロ、萌え萌えした作品が苦手。ゲーム性のあるもの、ギャグ作品が好き。
メーカーサイト
一部、これらのメーカーサイト様のWEB素材を各ガイドラインに従い引用しています。このサイトからの二次転用を固くお断りします。

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