©1994 Silky's
愛姉妹 ~二人の果実~ (シルキーズ)
・1994年09月30日 PC-9801用 3.5インチFD版 5インチFD版
・****年**月**日 FM-TOWNS用 FD版
・****年**月**日 DOS/V用 3.5インチFD版
・1995年11月17日 Window3.1用 CD-ROM版 (CGリニューアル)
・2000年05月26日 Window用 CD-ROM版
・2007年06月01日 ダウンロード販売開始 【DMM】
90年代中頃の作品で、卑劣な主人公が美人姉妹を陥れていくアダルトアドベンチャー。
主人公「丈人」は悪名高い不動産会社「野川産業」の社長の一人息子。ある日、事務所に小遣いをたかりにきていた丈人は、父親の車と接触事故を起こした女性ドライバーとの示談を任された。彼女を篭絡できれば仕事を手伝わせてやる、という条件に勇んだ丈人は、当の人妻「幸絵」を騙して借用書を作り、脅迫して体を開かせることに成功する。丈人の謀略はそれで終わらず、幸絵の二人の娘、同じ学園に通う美人姉妹に狙いを定めて…?
操作はコマンドと選択肢の混合型である。基本的に移動先に自由があるタイプで、教室や体育準備室、美術準備室、屋上などを巡り、姉妹のどちらかを見つけ、「話す」「見る」といったコマンドでシナリオを進展させていく。しかし行き先の数は少なく、コマンドも簡素で探索には比重がない。
システムはむしろ同社の『河原崎家の一族』のような選択肢分岐型に近く、その日は姉妹のどちらをターゲットにするか、優しく接するか否か、といった選択肢により複雑に分岐し、その経路により11種類のエンディングを迎える仕組みとなっていた。
シナリオは悪党風の主人公が、父親が帰るまでの5日間を期限に、父親の秘書の由美と協力し、脅迫とセックステクニックで姉妹を手なずけ、従順になるまで調教していく流れである。エンディングは主人公が失敗して鉄格子の中に入るパターン、完全に堕ちたヒロイン達に客を取らせるパターン、ヒロイン達に気に入られて家族として受け入れられるパターンなど様々である。
アダルトシーンは全部で27つもあり、シナリオが短い割にかなり比重が高い。2、3度のプレイで全部見るのは不可能で、セーブ、ロードを繰り返してのやりこみ要素となっていた。セックス描写は主人公による煽り、罵り、鬼畜ゼリフが特徴的だが、ヒロイン達の物理的な抵抗はなく、順応も早い。一部に薬物の使用、緊縛、(男1人女複数での)3P、4Pの表現を含んでいた。
Windowsに移植された際はCGが一新され、ブランドも母体のエルフに変更された。派生作品にOVA版、実写AV版、DVD-PG版などがある。続編として『愛姉妹・蕾 …汚してください』(2004)、『愛姉妹 〜どっちにするの!!〜』(2006)、『愛姉妹IV 悔しくて気持ち良かったなんて言えない』(2014)が続き、初代から20年を数える長寿シリーズとなった。
個人的な印象として、主人公が知的で陰険な性格なのが特に目を引く部分である。女性を手篭めにする主人公像はアダルトゲームの黎明期から存在したが、80年代は陵辱系でも知性に乏しく、陽気で行き当たりばったりな性格が普通で、作風もコミカルなのものが多かった。罪のない女性達を巧妙な罠にはめ、弄んでいくタイプのシリアスな作風はこの頃から現れ始め、00年代序盤にかけて流行していく。