©1994 ELF
ドラゴンナイト4 (エルフ)・1994年02月25日 PC-9801用 5インチFD版 3.5インチFD版
・****年**月**日 X68000用 FD版
・****年**月**日 FM-TOWNS用 CD-ROM版
・1996年12月27日 スーパーファミコン版 (全年齢)
・1997年02月07日 PlayStation版 (全年齢)
・1997年03月28日 PC-FX版
・2007年06月29日 Windows用 DVD-ROM版
・2017年06月16日 ダウンロード販売開始 【DMM】
90年代序盤の作品で、中世ファンタジー風の世界を舞台にしたシミュレーションRPG。『ドラゴンナイト』シリーズの4作目。
主人公「カケル」は前作で世界を救った英雄「ヤマト・タケル」の息子で、スケベで腕白な少年である。ある日、父の代理として冒険の旅に出されたカケルは、黒い霧が人々を襲い、石に変えてしまう異変を相棒のセイルと共に目撃する。西からは黒い霧、東からはドラゴンナイトを名乗る男「ルシフォン」の悪の軍勢が迫る中、カケルは謎の剣士「エト」の采配で寄せ集め部隊の一隊長となり、ルシフォン軍に占拠された街を解放していく。
システムはシリーズの過去作品と全く異なり、戦術級のシミュレーションRPGと、見下ろし型の2Dマップで街中を散策するRPG風のADVパートの組み合わせである。
SLGパートはターン制で、マップは小さめである。レベルアップやステータスアップアイテムはあるが、クラスチェンジや装備品はなく、育成はシンプルである。狭くなっている地形や、魔法・弓兵ユニットの長射程、騎馬ユニットの機動性などを駆使して、制限ターン以内に敵の全滅を目指していく。死んだユニットは生き返らず、主要キャラが死ぬと即ゲームオーバー、制限ターンは短いので難易度は高めである。
ADV要素の街中パートは物語の進展、新たな仲間の獲得、アダルトシーン、セーブポイント、パワーアップアイテムの獲得など、様々な役割を受け持っている。獲得した仲間によってその後の演出が異なり、特に女の子が隊長のユニットを選んだ場合はアダルトシーンが増える点が特徴的である。
シナリオは好奇心旺盛、陽気でヤンチャな主人公カケルが、旅の中でHな体験をしたり、幼馴染と喧嘩したり、失恋して次第に成長していくストーリーである。冒険は複数の大陸にまたがり、個性的な人々との出会いや、孤島への漂着、ドラゴンとの邂逅などを経て壮大なスケールで展開していく。顔を隠したモテモテの剣士、エトの存在が物語のキーになっていて、ヒロインの半分はエトが口説き落としてしまい、主人公は影からそれを目撃するという珍しい演出になっている。
アダルト要素は敵が捕虜を陵辱しているパターン、主人公を付けまわす悪ガキ「ライナス」が味方にイタズラしているパターン、主人公が女の子から誘われるパターン、味方同士のセックスを目撃するパターンなど様々である。カケルの場合は『同級生』と同じくアイコンクリック方式で、カーソル操作で女体の弱点を順序良く責めていくことで進展する。
続編はないが、全年齢化して家庭用ゲーム機に移植された他、アダルトOVA版、コミック版、小説版など派生作品が幅広く展開している。
個人的な印象として、SLGとしてテンポや操作性が良く、やり込み性もそれなりに充実しており、何より同時期の他社作品と比べてボリューム感が桁違いである。かなりの長編だが、CGはハイクオリティーで豊富、ストーリーも凝っていて飽きさせない。黄金期を迎えたエルフが王者の貫禄をみせつけた作品だった。