©1988 Clest
DERRINGER (クレスト)・1988年**月**日 PC-8801用 FD版
・****年**月**日 PC-9801用 5インチFD版 3.5インチFD版
・****年**月**日 MSX2用 FD版
80年代後半の作品で、人気美少女モデルの危機をテーマにしたアドベンチャー。JASTが新設したブランド『Clest』のデビュー作となった。
売れない探偵の主人公の元に届いた差出人不明の手紙。それは13才の人気モデル「中藤美希(なかふじみき)」が拘束されており、内密に調査して解決して欲しいという依頼状だった。にわかに信じがたい内容だったが、同封されていたスナップ写真が気になった主人公は、カメラ助手として美希のコマーシャル撮影の現場に潜り込み、隙を見て美希に接触を試みる。
システムはコマンド選択式で、移動先に自由はなく、シーンごとに決められたフラグを満たすことで次の場面に移る一本道の展開である。ミステリー要素は希薄で、コマンドを丹念に総当りすることにより、クライマックスで必要になるアイテムが回収できるかが攻略要素となっていた。
シナリオは終始シリアスな雰囲気で、撮影スタッフに探りを入れつつ、美希と美人マネージャーに接近していく流れとなっている。ボリュームは少なくヒロインも2人だけだが、一周目の「HARD BOILED MODE」をクリア後には「SPECIAL MODE」と呼ばれる二周目が用意されていて、セックスシーンのCGと演出が異なる他、SM風の縛りプレイが楽しめる趣向になっていた。
局部は『天使たちの午後』シリーズと同じで、扱いは小さいが無修正である。(当時はPCゲームの取り締まり事例がなく、各社が独自の裁量で規制していた。)
続編に『夜の天使たち ~私鉄沿線殺人事件~』があり、さらなる続編の『メイキング・オブ・Miki』も発表されていたが、こちらは未発売のまま立ち消えになったようだ。
主人公がハードボイルドな性格設定になっているのが特徴的で、考えをまとめる度にタバコを吸う必要があり、気に入らないコマンドには唇の端だけで笑って応え、死亡時やクリア時に意味ありげでキザなセリフを残すのだが、世界観に馴染まず何ともユーモラスである。メインヒロインは影が薄く、薄幸で献身的なマネージャーの方が印象に残った。