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古今のアダルトゲームを広く浅く調査及び成る丈簡潔にご報告致します

『EVE burst error』 概要

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©1995 C’s ware
EVE burst error (C’s ware) 

・1995年11月22日 PC-9801用 3.5インチFD版 5インチFD版 (18禁)
・1997年01月24日 セガサターン用 初回版 通常版 (18歳以上推奨)
・1997年05月30日 Windows95用 CD-ROM 初回版 通常版 (R指定) 
・1997年08月29日 セガサターン用 廉価版 (18歳以上推奨)
・1998年07月02日 セガサターン用 『EVE burst error&EVE The Lost Oneバリューパック
・1999年07月16日 Windows98用 DVD-ROM版 (R指定)
・2003年07月24日 PS2用 『EVE burst error PLUS』 限定版 通常版 (CERO:C(15歳以上))
・2003年11月28日 WindowsXP用 DVD-ROM 『EVE』 (PS2版の18禁リメイク)
・2005年03月24日 PS2用 『EVE burst error PLUS』 廉価版 (CERO:C(15歳以上))
・2006年10月03日 DL販売開始 【DLsite】【DMM】【DL.Getchu】【Gyutto】(R指定版)
・2010年03月25日 PSP用 『burst error EVE the 1st』 (CERO:C(15歳以上))
・2016年04月28日 PS Vita用 『EVE burst error R』 初回版 通常版 (CERO:D(17歳以上))
・2016年04月28日 Windows用 DVD-ROM 『EVE burst error R』 (18歳以上推奨)
・2016年04月28日 DL販売開始 『EVE burst error R』 【DMM】 (18歳以上推奨)
・2016年11月25日 Windows用 DVD-ROM 『EVE burst error A』  (Rの18禁リメイク)
・2016年11月25日 DL販売開始 『EVE burst error A』 【DMM】 (18禁)

90年代中頃のミステリーアドベンチャー。元々はPC向けの18禁ゲームだったが、特に家庭用ゲーム機への移植版が大ヒットを記録し、知名度が非常に高い。続編や派生作品が多く、オリジナル版のリメイクも何度も行われている。

主人公の一人、「天城小次郎」は飄々として人を食った性格ながら、腕は一流の私立探偵である。ある事件がきっかけで羽振りの悪い小次郎は、法外な報酬に釣られ、資産家風の男から怪しい絵画の捜索依頼を引き受ける。同じ頃、もう一人の主人公、大雑把でくだけた性格のエリート捜査官「法条まりな」は、テロリストに狙われているという某国大使の娘の護衛を任命される。面識のない二人の主人公は、別々の事件を追いながらもニアミスを繰り返し、やがて共通の壁にぶつかるお互いの存在を認識し始める…。

ゲームシステムはコマンド選択式で、移動先に自由があるタイプの探索ADVである。怪しい場所を巡回し、「見る・調べる」「考える」等のコマンドを、総当りに近い形で選択することで進展していく。分岐やゲームオーバーはなく、展開は一本道である。攻略はさりげない会話中のヒントが頼りで、難易度はやや高い。

最大の特徴は「マルチサイトシステム」と呼ばれる構造である。『DESIRE』(1994年)の発展系で、男女二人の主人公がそれぞれ独立したシナリオを持ち、いつでも切り替えることができる。一方のプレイのみでは先に進めず、片方で事件を目撃したり、陰ながら協力する事でもう一方のフラグを立てなければならない。二重の視点を何度も切り替えながら殺人事件の謎を追っていくことで、奥行きのあるミステリー表現と推理の楽しさを実現している。

シナリオの核心部分はシリアスだが、主人公達は陽気な性格で、笑い、涙、猟奇、アクションの各要素バランスを取ったサスペンス風ドラマとなっている。

アダルト要素は同社の作品の中では控えめで、小次郎サイドはモテる主人公による据え膳的イベントが中心である。まりなサイドでは、開放的な彼女がレズプレイやラブロマンスに積極的に挑んでいく。 

セックスシーン等をカット、ボイスを追加したセガサターン移植版では、19万本を超えるセールスを記録し、ミステリーとしての完成度を見せつけた。 続編はコンシューマ向けを中心に『THE LOST ONE』(1998年)、『ADAM THE DOUBLE FACTOR』(1999年)、『EVE ZERO』(2000年)、『EVE new generation』(2006年) と続いた他、派生作品として『EVE雀』(2008年)や小説版がある。オリジナル版も20年を経て、当時の原画を担当した田島直氏が一部描き下ろす形でデジタルリマスター化され、話題となった。

個人的な印象としては、ミステリー自体も凝っており、日常会話は軽妙、ビジュアルのレベルが高くスタイリッシュな点に加え、泣き要素があるのが印象的だった。当時は悲劇的なロマンスがスパイスになっているアダルト作品が流行りだした頃だったが、この作品は美少女ゲームの枠に囚われない野心的なところがあり、その中でも異質に思える。『YU-NO』と共通する、奇抜なアイデアと完成度の高さ、独特の作家性が光る作品だった。


【EVE burst error R】 公式サイト
http://eve.el-dia.net/ 


調査担当

『黒の断章』 概要

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©1995 AbogadoPowers
黒の断章 (アボガドパワーズ)

・1995年07月14日 PC-9801用 3.5インチFD版 5インチFD版
・****年**月**日 DOS/V用 3.5インチFD版
・1997年08月08日 セガサターン用(18歳以上推奨) 初回限定版 通常版
・2004年01月30日 Windows用 CD-ROM
  『黒の断章 THE LITERARY FRAGMENT / for Win SS改訂版
・2005年03月18日 Windows用 DVD-ROM
  『黒の断章 THE LITERARY FRAGMENT / for Win SS改訂版
・2007年11月29日 ダウンロード販売開始(Win SS改訂版)
  【Gyutto】【DLsite】【DL.Getchu】【DMM

90年代中頃の作品で、二人組の探偵を主人公にしたホラー系のアダルトアドベンチャー。アボガドパワーズの2作目。

事件は主人公たちの暮らす都内のマンションで起こった。一家4人が猟奇的な手口で惨殺されたのだ。小さな探偵事務所の所長、女たらしで不敵な性格の「涼崎」は、好奇心から警察の捜査に首を突っ込み、心理分析のプロ「草薙」、涼崎を慕う助手の「明日香」と協力して、事件の周辺を調べ始める。だが、惨劇はほんの始まりに過ぎなかった。主人公達を嘲笑うかのように起こる第二、第三の事件に謎は深まり、次第に三人の運命は、涼崎の過去にまつわる忌まわしい何かに絡め取られていく…。

システムは移動先に自由があるタイプのADVで、コマンドメニューはなく、操作は『ELLE』(1991年)のようなクリック式である。矢印型のポインターを人物の口の上に持ってきてクリックすれば「話す」、家具や装飾品の上でクリックすれば「調べる」といった具合に、直感的に探索できる仕組みとなっていた。選択肢も所々で登場するが、どちらを選んでも結果は変わらず、おそらくフェイクである。

過去の記憶の欠落や悪夢に苦しむ、女たらしでワイルドな風貌の探偵と、それを横から観察するヤサ男風の元心理分析官、この二人組が主人公なのが特徴的で、主観は自動で切り替わっていく。

シナリオは、序盤が探偵を主人公にしたミステリーとして始まるのに対して、中盤は次第に怪奇色が濃くなっていき、終盤は高名なフィクション群「クトゥルフ神話」を題材にしたホラー作品になるのが特徴的である。行き先の選択順や発見物によって演出が多少変化することがあるが、エンディングは共通で、ほぼ一本道である。

Hシーンはすべて、主人公が女性から誘われる形の穏当な和姦で、ホラー作品には珍しく、SM要素や陵辱、異種姦はない。代わりに流血や内臓露出を含むグロテスクな死体描写が所々に見られる。

続編に『Esの方程式』(1996年)がある。家庭用ゲーム機に移植された際は、声優によるボイスがあてられ、原画家は同じまま、ほぼ書き直しに近い形でCGがリメイクされており、さらにそれがWindows版としてPCに逆移植された。派生作品にOVA版、DVD-PG版、小説版などがある。

フェアリーテール・ハードカバーの『ネクロノミコン』と同じく、クトゥルフ神話を題材にしたシリアスな怪奇ストーリーだが、こちらは序盤で探偵物ミステリーを装い、思わせぶりな伏線が仕掛けられた、くせだま的な作風である。

個人的な印象として、スリリングな展開に音楽もビジュアルもマッチしており、ミステリーとしてもホラーとしてもそこそこ楽しめた。難点は操作の煩わしさで、場面を進展させるため、日常の何気ないシーンでも、画面中の目に付く物を総当りでクリックする必要があり、これが意外に難度が高く、慣れるまでイライラするかもしれない。


公式ページ
http://www.scarecrow.co.jp/abp/kuro/index.html


調査担当

『野々村病院の人々』 概要

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©1994 Silky's
野々村病院の人々 (シルキーズ)

・1994年06月30日 PC-9801用 5インチFD版 3.5インチFD版
・****年**月**日 DOS/V用 FD版
・****年**月**日 FM-TOWNS用 CD-ROM版
・****年**月**日 Windows3.1用 CD-ROM版
・1996年04月26日 セガサターン版 (X指定18歳以上)
・1996年09月01日 Windows95用 CD-ROM版
・2003年10月24日 Windows用 CD-ROM 『野々村病院の人々&河原崎家の一族 マルチパック
・2008年05月19日 ダウンロード販売開始 【DMM

90年代中頃の作品で、破天荒な探偵が病院内で起こった殺人事件の謎に迫る、ミステリー物のアダルトアドベンチャー。

主人公「海原 琢麻呂」は自称天才の私立探偵。たびたび珍事件を引き起こし、週刊誌を賑わせる有名人である。バイク事故で足を骨折した海原は、たまたま入院した野々村病院で、妖艶な院長夫人から事件の捜査を依頼される。一週間前に起こった院長「野々村 作治」の死亡が、自殺ではなく他殺だったことを証明して欲しいというのだ。興味を引かれた海原は、知人の雑誌記者の力を借りつつ、院内の人々の隠す秘密に迫っていく…。

ゲームシステムは『河原崎家の一族』 (1993)の流れを汲んだ選択肢型である。複雑に分岐と合流を繰り返すのが特徴で、例えば「屋上を調べる」「看護婦から事情を聞く」といった移動先の選択、「院長が注射したのはシアン化合物だ」「濃硫酸だ」といったクイズ形式の推理、「(ヒロインの)身体をいただいてしまう」「そんな事をしている場合ではない」といった行動の分岐など、数多くの選択肢が出現し、辿った経路により10種類以上のエンディングを迎える。

エンディングのほとんどはバッドエンドで、中にはヒロインが陵辱されるシーンや、主人公が妖婦に犯されながら死んでいくパターンなど、特殊なアダルト描写を含む場合があった。バッドエンド後には登場人物の一人が登場し、舞台裏のヒントコーナーとして、バッドエンドを迎えた理由をほのめかしてくれる仕組みになっていた。このため、分岐は膨大で複雑だが、難易度は控えめである。

シナリオは主人公が看護婦や入院患者、院長夫人に探りを入れ、病院内施設の探索の中で手がかりを見つけていく流れである。プロローグやタイトルイメージは『河原崎家の一族』と同じくおどろおどろしいが、とぼけた言動を繰り返す主人公のおかげで日常風景はコミカルである。ヒロインは看護婦達とライバルの探偵の計3人で、ラスト付近でそれぞれとのグッドエンドに分岐する仕様となっていた。

アダルト要素は1ヒロインに1箇所ずつ和姦シーンがある他は、上記の陵辱シーン、過去の回想などが少し描かれるのみで、比重は控えめである。

派生商品にアダルトOVA版実写AV版、DVD-PG版、小説版などがある。家庭用ゲーム機では性描写が薄められたものの、X指定(成人向)として発売された。また、『エルフオールスターズ脱衣雀 2』(2001)に本作のヒロイン達が登場している。

個人的な印象として、ストーリー自体は非常に短いが、数多くの分岐のおかげで毎回違った展開を楽しめる仕組みで、難易度も推理要素も適度にあって楽しい。Ctrlキーの長押しで選択肢までスキップできる操作性も親切である。また、バッドエンド後のヒントコーナーは画期的で、後世でも難易度の高いADVでは見かける仕様である。自信は無いがひょっとしたら元祖かもしれない。

調査担当

『LIPSTICK. ADV2』 概要

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©1990 FAIRYTALE
LIPSTICK. ADV2 (フェアリーテール)

・1990年12月14日 PC-9801用 5インチFD版 3.5インチFD版
・****年**月**日 PC-8801用 FD版
・****年**月**日 MSX2/2+用 FD版
・****年**月**日 98NOTE専用 FD版

90年代初頭の作品で、女たらしの探偵が殺人未遂に巻き込まれ、事件の裏に隠された謎を追っていくアダルトアドベンチャー。『LIPSTICK. ADV』(1988)の続編。

主人公「浅見五郎」は都内に事務所を構える私立探偵。近所の女の子「清里音美」は、前作の事件でいよいよ五郎に懐き、仕事のアシスタントから家事まで世話を焼くが、五郎からは子供扱いされる日々が続いていた。そんなある日、運び屋の仕事で新幹線に乗っていた五郎は、偶然にも依頼品が爆発寸前の時限爆弾だった事に気付き・・・?

システムは、前作と同じくコマンド選択式で、移動先に自由があるタイプの探索アドベンチャーである。ソープランドや喫茶店、関係者の会社などを巡回し、事務所に戻って情報を整理し、推理して捜査を進展させていく一本道の構造となっていた。

シナリオは、殺人未遂事件に巻き込まれた主人公が、自分への疑いを晴らすため、真犯人「坂本」を追う内に、やがてヤクザや有名企業も絡んだ事件の真相に興味を持ち、深入りしていく探偵物となっていた。

アダルト要素は、風俗店の女の子や口説き落としたOLとのセックスで、数は少なめである。メインヒロインの「音美」と主人公が、互いに好意を寄せつつプラトニックな関係なのが、シリーズを通しての特徴となっている。

続編として『リップスティックアドベンチャー3』『Lipstick Adv.EX』『Lipstick ADV.4』が続いている。

個人的な感想としては、サクサクと進めるテンポの良さは魅力だが、主人公の動機づけが弱いため腑に落ちない面があり、奇跡のような偶然や協力者に救われるばかりの展開は、推理物として何ともチープである。ビジュアル面でも作風が安定せず、今ひとつの印象である。

調査担当

『Blue Moon Story Part1』 概要

Blue Moon Story Part1 Blue Moon Story Part1
Blue Moon Story Part1 Blue Moon Story Part1
©1989 ソフトシェル/ドット企画
Blue Moon Story Part1 (ソフトシェル/ドット企画)

・1989年11月17日 PC-8801用 FD版
・****年**月**日 PC-9801用 5インチFD版

80年代末期の作品で、ある女子学生が不良グループに目をつけられ、陵辱されていく様子を描いたストーリー重視のクイズゲーム。タイトルに『PartⅠ』の表記があり、物語も中途半端な所で終わっているが、続編がリリースされた形跡はない。

ある日、主人公の探偵『真木省吾』は、女教師からの手紙を受け取る。そこには、不運にも不良達に絡まれた女子生徒が、無理矢理に処女を奪われ、スケバン達からは嫌がらせを受け、庇おうとした教師ごと陵辱を受けている、といった内容が詳細に記されていた・・・。

システムは3択のクイズゲームで、物語の進行が28つのシーンに区切られており、新しいシーン毎にクイズが一問出題される。不正解だと持ち点が減っていき、10回間違うとゲームオーバーである。クイズのジャンルはストーリー内に出てきた人物や物に関するもので、テキストを丁寧に読み進めていく必要があり、観察力が必要とされる場合もあった。

シナリオは、保健室で休んでいたアイドル似の女子生徒『愛実』が、悪い男子生徒3人に次々と輪姦される場面、愛実が女教師『香先生』に事件を打ち明け、体で慰めてもらう場面、愛実がスケバン2人組に呼び出され、嫌がらせを受ける場面、愛実を人質にされた香先生が、男達から陵辱される場面の4つから成っていて、一本道の展開である。

主人公は冒頭と幕引きに登場するが、手紙を読んで感想を述べるだけで、何の行動にも出ていない。クリア後に続編に続く旨のメッセージが表示されるものの、結局Part2が発売されることはなかったようだ。

80年代のアダルトゲームは、主人公が(ランスのように)軽いノリで女の子をレイプしてまわったり、女主人公があっちこっちでHな悪戯されたり、あるいは男主人公が陵辱されている女の子を助けたり、といった展開の中で強姦自体はよく見かける。しかし、「女の子が悪漢達に輪姦される様子」をメインテーマに陰気なタッチで描いた作品は当調査員の知る限り皆無で、本作品はかなり異質な印象である。90年代に流行する『陵辱モノ』のはしりといっていいかもしれない。

調査担当

『殺しのドレス2』 概要

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殺しのドレス2 殺しのドレス2
©1989 Fairytale
殺しのドレス2 (フェアリーテール)

・1989年09月**日 PC-9801用 5インチFD版 3.5インチFD版
・1989年09月**日 PC-8801用 FD版
・****年**月**日 X68000用 FD版
・****年**月**日 MSX2/2+/TurboR用 FD版

80年代末期の作品で、探偵の主人公が殺人事件に巻き込まれ、事件の裏に隠された謎に迫っていくサスペンスアドベンチャー。『殺しのドレス』(1987)の続編。

都内に事務所を構える主人公「五郎」は、女たらしの私立探偵。浮気調査などの小さな仕事で生計を立てていたが、ある日、美人OL「恵美」から偽装結婚の新郎役を務めるよう依頼される。翌日に式を挙げるという慌しさを奇妙に思いながらも、報酬と相手の美貌に釣られる五郎。しかし、式の最中に恵美が何者かに射殺されてしまい・・・?

コマンド選択型のADVで、ストーリーは一本道である。行き先に自由はあるが、進行に合わせて常に1~3箇所に制限されており、巡回の手間を省くことで前作よりも難易度を低く抑えている。事件の関係者や事件現場、警察、友人、情報屋などを訪問し、会話や探索コマンドの中から手がかりを見つけ、「考える」ことで情報をまとめ、捜査を進展させていく流れとなっている。

ストーリーの基本は連続殺人や国際的な陰謀をテーマに扱ったシリアスなサスペンスドラマだが、主人公はややトボけた性格で、当時のアイドルのパロディなども登場し、コメディ的なノリも維持していく独特な雰囲気である。手がかりとなる人物が次々と殺されていく中、主人公自身も大きな犠牲を払い、その内面が変化していくドラマチックな展開となっていた。

ビジュアルはリアル路線で、大人向けの本格推理物を志向していたのが感じられる。当時の特徴で、まばたき、口パクなどのアニメーションが細かく施されている。立ち絵を背景と分離して使いまわす手法は前作と共通だが、この時期になってもアダルトADVでは一般化しておらず、目を引く部分である。

前作とは打って変わってアダルト描写は多く、主人公の恋人、依頼人、ソープ嬢、協力者などの女の子達が登場し、それぞれの立場で主人公に抱かれていく。セックスシーンは「さわる」「キスする」などのコマンド進行となっている。

個人的な印象としては、ラスト周辺の展開の安っぽさが気になるものの、純粋な推理物としてそれなりに面白く、特に中盤からの緊迫した雰囲気が小気味良い。システム面も親切で、難易度はサクサクとした進行ながら適度に推理の楽しみがあり、ビジュアルも凝っていて、成熟した大人のADVといった印象になっている。

調査担当

『LIPSTICK. ADV』 概要

LIPSTICK. ADV サンプル LIPSTICK. ADV サンプル
LIPSTICK. ADV サンプル LIPSTICK. ADV サンプル
©1988 F&C
LIPSTICK. ADV (フェアリーテール)

・1988年11月15日 PC-8801用 FD版
・1988年11月15日 PC-9801用 5インチFD版 3.5インチFD版
・****年**月**日 X68000用 FD版
・****年**月**日 MSX2/2+/TurboR用 FD版

80年代後半の探偵物アドベンチャー。アダルトCG集『リップスティック』シリーズをADV化した物で、女の子のテーマが共通しており、CGの一部が流用されている。ボリューム感やシナリオの完成度から人気が高く、フェアリーテールの出世作となった。

主人公の「五郎」は、やや軽薄な性格ながら有能な私立探偵である。謎の大富豪「嵐山」から盗まれた家宝の捜索を依頼された五郎は、短期間のうちに解決して高額の報酬を得た。ところが、不審な電話で呼び出された隙に事務所は荒らされ、留守番をしていた近所の女子高生「音美」が誘拐されてしまう。嵐山の態度に不可解な物を感じた五郎は、音美を取り戻すべく、周辺人物に聞き込みを開始する。

システムはコマンド選択型で、移動先に自由があるタイプのADVである。事務所やホテル、病院、豪邸、学校、公園などを巡り、関係者に「話す」「聞く」「見せる」等のコマンドを試していく流れとなっている。行き先やコマンドが多く、ボリュームがある分だけ攻略は難しく、クリアにかかる手数の多さが特徴的である。

シナリオは本格的なミステリーだが、読者をからかうような主人公の言動や奇妙なコマンド、登場人物のシュールな一言が面白く、全体の印象は明るいギャグ作品である。当時としてはかなりの長編で、最後まで予断を許さないシナリオの完成度の高さも人気の一因となっている。

アダルトシーンは後半のクライマックス付近集中していて、CG集『リップスティック』のテーマに沿ってロリータ、女子学生、OL、看護婦、スチュワーデスなどが登場する。CGの流用はごく一部で、ほとんどが新たに描き起こされたものだった。

続編に『LIPSTICK. ADV2』、『リップスティックアドベンチャー3』、『Lipstick Adv.EX』、『Lipstick ADV.4』などがあり、EX以外は主人公五郎とヒロイン音美のコンビが続いてる。

個人的な印象としては、進展させる為のフラグが分かり辛く、同じ箇所を何度も巡ってコマンドを総当りする事になるので、労力の多い厄介なゲームである。しかし物語は面白く、後半になるにつれてエロの期待が高まるので退屈は感じなかった。同社の『殺しのドレス』(1987)と並んで、80年代後半を代表するアダルトミステリー作品といえるだろう。企画・シナリオには、後に『同級生』シリーズで一躍有名になった蛭田昌人氏の名前がクレジットされている。

調査担当

『DERRINGER』 概要

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DERRINGER サンプル DERRINGER サンプル
©1988 Clest
DERRINGER (クレスト)

・1988年**月**日 PC-8801用 FD版
・****年**月**日 PC-9801用 5インチFD版 3.5インチFD版
・****年**月**日 MSX2用 FD版

80年代後半の作品で、人気美少女モデルの危機をテーマにしたアドベンチャー。JASTが新設したブランド『Clest』のデビュー作となった。

売れない探偵の主人公の元に届いた差出人不明の手紙。それは13才の人気モデル「中藤美希(なかふじみき)」が拘束されており、内密に調査して解決して欲しいという依頼状だった。にわかに信じがたい内容だったが、同封されていたスナップ写真が気になった主人公は、カメラ助手として美希のコマーシャル撮影の現場に潜り込み、隙を見て美希に接触を試みる。

システムはコマンド選択式で、移動先に自由はなく、シーンごとに決められたフラグを満たすことで次の場面に移る一本道の展開である。ミステリー要素は希薄で、コマンドを丹念に総当りすることにより、クライマックスで必要になるアイテムが回収できるかが攻略要素となっていた。

シナリオは終始シリアスな雰囲気で、撮影スタッフに探りを入れつつ、美希と美人マネージャーに接近していく流れとなっている。ボリュームは少なくヒロインも2人だけだが、一周目の「HARD BOILED MODE」をクリア後には「SPECIAL MODE」と呼ばれる二周目が用意されていて、セックスシーンのCGと演出が異なる他、SM風の縛りプレイが楽しめる趣向になっていた。

局部は『天使たちの午後』シリーズと同じで、扱いは小さいが無修正である。(当時はPCゲームの取り締まり事例がなく、各社が独自の裁量で規制していた。)

続編に『夜の天使たち ~私鉄沿線殺人事件~』があり、さらなる続編の『メイキング・オブ・Miki』も発表されていたが、こちらは未発売のまま立ち消えになったようだ。

主人公がハードボイルドな性格設定になっているのが特徴的で、考えをまとめる度にタバコを吸う必要があり、気に入らないコマンドには唇の端だけで笑って応え、死亡時やクリア時に意味ありげでキザなセリフを残すのだが、世界観に馴染まず何ともユーモラスである。メインヒロインは影が薄く、薄幸で献身的なマネージャーの方が印象に残った。

調査担当

『ちょっと名探偵』 概要

ちょっと名探偵 サンプル ちょっと名探偵 サンプル
ちょっと名探偵 サンプル ちょっと名探偵 サンプル
©1988 CHAMPION SOFT
ちょっと名探偵 (チャンピオンソフト)
【注意】非アダルトゲームです。

・1988年08月**日 PC-8801用 FD版
・****年**月**日 MSX2/MSX2+用 FD版

80年代後半の作品で、17歳の女子高生コンビを主役にした探偵物アドベンチャー。

主人公「美砂」は探偵を父にもつ女の子。2年前に難事件を解決した事がきっかけで、ややこしい事件は父親を差し置き、美砂に直接依頼が舞い込むようになっていた。あるひき逃げ事件での父親の冤罪を証明して欲しい、という依頼人の切実な頼みを断り切れなかった美砂は、相棒の香奈子と共に、目撃者の証言を集めるところから捜査を始める。

システムは昔ながらのコマンド入力式だが、ファンクションキーのF1~F10に頻度高い動詞/名詞の呼び出しが割り当てられており、その内容も自由に編集できるという変わった仕様になっていた。キー操作で2、3回前に使用したコマンドもそのまま呼び出せるなど、操作の煩わしさに対する配慮を見せている。

シナリオは二人組の女の子が、とぼけたやり取りを繰り広げつつ、目撃者を探して事故現場付近で聞き込みをしたり、関係者の家を訪ねていく流れで、分岐のない一本道のストーリーである。謎の解明も登場人物まかせで、ゲーム性は様々なコマンドを試し、ストーリーを進展させるフラグを探っていく点となっていた。

情景描写を左右二つに分け、普段は一方を遠景、一方を近景といった風に使い分けている他、クライマックスでは、別々の場所にいる美砂と香奈子を同時に描くことで、緊迫感の演出に用いられているのが特徴的である。

コマンド選択式のADVが主流になっていた中、コマンド入力式の余地を残したことでゲームの自由度、難解さを確保する狙いがあったようだが、操作に習熟する程のボリュームがなく、必要な単語の種類がファンクションキーに比べて多いため、コマンド編集は蛇足気味で、直接入力の方が早く感じる。アダルト要素はなく、謎自体もえらく地味で、テキスト量やビジュアル枚数は多いものの、個人的には印象の薄い作品である。

調査担当

『LOVE CHASER』 概要

LOVE CHASER サンプル LOVE CHASER サンプル
LOVE CHASER サンプル LOVE CHASER サンプル
©1987 CHAMPION SOFT
LOVE CHASER (チャンピオンソフト)

・1987年09月**日 PC-8801用 FD版
・1987年**月**日 FM-7/77用 3.5インチFD版
・****年**月**日 MSX2用 FD版

80年代後半の作品で、私立探偵を主人公に誘拐事件の謎に挑むアダルトアドベンチャー。

財閥の娘「加藤和子」は、父親の決めた政略結婚に反発し、自らの狂言誘拐を企てた。ところが、事件はいつの間にか本物の誘拐にすり替わっており、和子はどこかへ連れ去られてしまう。和子の父親から娘の身柄と、身代金代わりのダイヤの奪還を依頼された新米探偵の主人公は、和子の囚われた広大な屋敷に入り込み、プレイヤーのアドバイスを受けつつ、密かに探索を始める。

システムは移動先に自由がないタイプのADVである。操作は『ラブリーGAL』と共通していて、「しらべる」「とる」といった動詞を一覧から選び、「ほんだな」「かぎ」といった対象物を一文字一文字打ち込んでいく、選択式と入力式のハイブリッドとなっていた。

冒頭で絵合わせパズルゲームがあり、その成績に応じて獲得した体力パラメータを消費しつつ、体力が尽きる前にクリアを目指す、制約つきの探索ゲームである。一本道の展開に沿って一部屋一部屋探索していき、引き出しやタンスの中を漁ったり、住人の女の子の機嫌を取ったり、武器で脅したりしながら攻略に繋がるアイテムや情報を入手していく。

主人公の人格がプレイヤーから完全に独立しているため、雰囲気が独特である。プレイヤーは新米の彼にアドバイスを送る天の声であり、主人公はコマンドに対して、「ソレヤ!」「お兄さんたのんまっせ」などと関西弁で返しながら賑やかに進行するのが印象的である。

アダルト要素は控えめで、女の子は6人ほど登場するものの、まともなセックスパートは一箇所で、ほとんどは脱がせて終了となった。

個人的な印象として、難易度はかなり高いが、当時のアダルトADVの中では飲み込みやすい筋書きがあり、ゲーム性や展開に工夫があって楽しめる作品である。

調査担当
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調査員プロフィール
80年代半ばに登場した学習型AI。主食はエロゲのインストールディスク。電波系、欝、グロ、萌え萌えした作品が苦手。ゲーム性のあるもの、ギャグ作品が好き。
メーカーサイト
一部、これらのメーカーサイト様のWEB素材を各ガイドラインに従い引用しています。このサイトからの二次転用を固くお断りします。

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