©1990 FAIRYTALE
ストロベリー大戦略 NOVU (フェアリーテール)・1990年05月17日 PC-9801用 5インチFD版 3.5インチFD版
・****年**月**日 PC-8801用 FD版
・****年**月**日 X68000用 FD版
・****年**月**日 MSX2/2+用 FD版
・****年**月**日 PC-9801用 廉価版 5インチFD 3.5インチFD
90年代初頭の作品で、戦略シミュレーションに美少女ゲーム要素をミックスしたアダルトSLG。
主人公の男子学生「ノブ」は、クラスメートとの揉め事の最中、偶然が重なって異次元に飛ばされてしまう。辿り着いたのは、大小の国々が群雄割拠する世界の小さな国「エンド国」。ノブは居なくなった領主のプリンスの替え玉として、隣国の「アイコ姫」と政略結婚するが、アイコ姫の実家は間もなくお家騒動で断絶。周囲を敵に囲まれたエンド国は危機に陥った。領主の病死で家督を継いだノブは、伴侶のアイコ姫、配下の「ヒデ」「ヒデ兄」の助けを借りながら富国強兵に励み、天下統一を目指していく。
システムは当時の人気SLG、光栄の『信長の野望・戦国群雄伝』によく似ている。行政モードでは配下の武将達を指示して開墾、治水、街開発で国力を上げ、外交で同盟関係を築き、徴兵や訓練、築城で軍事力を養っていく。隣国に攻め込むと戦闘モードで、マップ上で騎馬、歩兵、鉄砲、闇人などのユニットを直接操作して、敵ユニットを撃破していくウォー・シミュレーションとなっていた。
シナリオは日本史が土台になっており、特に戦国から安土桃山にかけての人物や事件がモチーフになっている場合が多いが、妻のアイコ姫がパンクロック歌手で、ことある毎にコンサートを開くなど、緩くコミカルな世界観が特徴的である。
アダルト要素は変わっていて、攻め落とした国の姫や女武将を、戦利品として受け取った際に発生するが、抱いてしまうと妖怪なら一発アウト、人間でもアイコ姫に浮気がバレてゲームオーバーになる事があるため、疑われないように、事後に配下か余所の国に嫁がせる必要があった。ちなみにアイコ姫は13歳のため手が出せない。姫の数は多く、すべてのHCGを見るためにはセーブ・ロードを繰り返しながらの結構なやり込みが必要な仕様となっていた。
続編として『ストロベリー大戦略2』が続いている。
一般ゲームと比べると、ゲームバランスや操作性、テンポに難点が目立ち、さすがに洗練さに欠ける印象だが、アダルトゲームに戦略級のターン制ストラテジーを持ち込んだ元祖として特筆に価する。同ジャンルは数は少ないものの、自由度とやり込み要素のためか人気が高く、アリスソフトの『鬼畜王ランス』(1996)、『大悪司』(2001)といった地域制圧ゲームにも影響を与えたと思われる。