©1993 JAST
天使たちの午後 Special II (JAST)・1993年05月14日 PC-9801用 5インチFD/3.5インチFD版
90年代序盤の作品で、怪盗モノをテーマにしたアドベンチャー。『天使たちの午後』シリーズ通算10作目にあたる。
主人公の「高杉晋作」こと玉井金太は、極悪人にだまし取られた金品などを、依頼を受けて持ち主へ返すことを生業にした義賊である。妙な女子学生から「ブルーダイヤ」の奪還を引き受け、厳重な警備をかいくぐるため、情報屋と取引をする金太だったが、その条件というのが、今をときめくアイドルの寝顔を盗撮することで・・・?
シナリオは、売り出し中の盗賊で粗野な性格の主人公が、行く先々で女の子達に出会い、おいしい目にあっていくギャグタッチの作品である。相手はアイドルやそのマネージャー、お嬢様、警備員など様々である。
システムはコマンド選択式で、操作は『Ⅴ ~狙われた天使~』とほぼ共通しており、移動先にあまり自由がないタイプのADVである。シナリオはほぼ一本道だが、侵入先で部屋の電灯を点けてしまったり、犯して誤魔化すといったミスを犯すと、即ゲームオーバーを迎える。作風は『III 番外編』に似ていて、明るく能天気な雰囲気である。
『天使たちの午後 Special』として開発されていた作品が、沙織事件の影響で『ごめんねエンジェル ~横浜物語~』と改題されたため、『Ⅰ』は発売されていないが、その系統を受け継ぐ名前である。しかし、そもそも歴代のシリーズも統一性がない単発シナリオなので、タイトルはSpecialだが特別な感じはしない。この時期のJASTは『CAVステーション』というPCソフトの販売・レンタルを行うサービスとの連携を予定していたようで、その第一弾として開発していた事に由来するのかもしれない。