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古今のアダルトゲームを広く浅く調査及び成る丈簡潔にご報告致します

『雫 -しずく-』 概要

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©1996 Leaf
雫 -しずく- (Leaf)

・1996年01月26日 PC-9801用 3.5インチFD版
・1996年06月28日 Windows95用 CD-ROM版
・2004年01月23日 Windows用 CD-ROM リニューアル版
・2004年01月23日 Windows用 DVD-ROM リニューアル版
・2009年06月26日 Windows用 DVD-ROM 『痕 -きずあと-』の初回特典に同梱
・2011年12月09日 ダウンロード販売開始 【DMM
・2011年12月09日 ダウンロード販売開始 『痕+雫 セット』 【DMM

90年代中頃の作品で、学園を舞台にしたホラー系のノベルゲーム。Leaf初期のヒット作で、『痕 -きずあと-』(1996年)、『To Heart』(1997年)と共に「ビジュアルノベル」というジャンルを開拓した先駆者だった。

主人公「長瀬祐介」は平凡な学生ながら、狂気に惹かれ、奇妙な妄想にふける日々を過ごしていた。そんなある日、祐介のクラスで事件が起こる。生徒会の副会長を務めるクラスメート「太田香奈子」が突然発狂し、卑猥な言葉を口にしながら自身の顔を傷つけたのだ。香奈子はそのまま正気に戻らず、原因は分からないまま、セックスの形跡と夜の学校という2つの手がかりだけが残された。叔父にあたる教師から調査を頼まれた祐介は、関係者から情報を聞き込み、危険な香りを放つ夜の校舎へ足を向ける…。

ゲームシステムは選択肢分岐型のADVの一種で、当時のサスペンス作品でよく見かける、多数の選択肢、多数のバッドエンドを備えた構造である。同行したがる女の子を連れて行くか否か、といった行動分岐や、注意力を試す質問のような選択肢が現れ、その辿った経路によって10種類以上のエンディングを迎える。普通にプレイすればほぼバッドエンドのため、ハッピーエンドに繋がる僅かな経路を探り当てる点がゲーム要素の、難度の高い仕様になっていた。

当時として風変わりなのは、メッセージウィンドウがなく、全画面表示の画像の上に重ねる形でテキストを表示する点である。文字が大きく表示できるのが利点で、文字数の多さに伴う読み手の負担も軽減できたのではないかと想像する。また、画面を埋め尽くすような言葉の反復は、狂気の表現にも一役買っている。「ビジュアルノベル」と呼ばれる手法の誕生で、主流にこそならなかったが、『Fate/stay night』(2004年)等、他社のヒット作も生んでいる。

さらに、立ち絵の表情とポーズを、台詞に合わせてコロコロ変化させている点が目を引く。先駆者はdesireの『V.R.デート☆五月倶楽部』だが、まだ珍しい時代で、Leafが普及させた面もあるだろう。実写取り込み風の背景画像もシリアスな雰囲気を盛り上げている。

ストーリーは、主人公が叔父から夜の校舎の調査を引き受け、事件に関わりのあるヒロイン達と会話を交わし、夜の校舎を探索、異様な事態に巻き込まれてピンチを切り抜けるまでの流れである。冒頭とエピローグを除いて、わずか一日間の出来事となっている。

主人公は、時折グロテスクで嗜虐的な妄想に取り付かれる以外は、常識的で純情な学生で、身を挺してヒロインを守ろうと奮闘していく。ヒロインは目撃者の明るく活発なバレー部員、被害者の親友で真面目な眼鏡っ子、そして全てを知っているかのような不思議な女の子の3人となっていた。

続編はないものの、作風を受け継いだ『痕 -きずあと-』が同年に続いている。また、Leafのファンディスク『さおりんといっしょ!!』(1996年)にて本作品のヒロインの一人「新城沙織」がナビゲート役を務めている。関連商品は小説版、設定原画集など。

個人的な印象として、セックス描写にもそれなりに比重があるものの、女体や顔の描き方に強烈な個性があり、アダルトゲームとしては人を選びそうだ。本作品の魅力はサイコ的な狂気描写の凄みで、クチコミ等を通じて話題となり、当時カルト的な人気を誇ったようだ。セカイ系を感じさせる、主人公の内面中心の語り口は、KeyやTYPE-MOONの初期作品にも影響を与えたことだろう。


公式HP
https://leaf.aquaplus.jp/product/sizuku/

 
調査担当

『奈緒美 〜美少女たちの館〜』 概要

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©1993 FAIRYTALE/F&C co.,ltd.
奈緒美 〜美少女たちの館〜 (フェアリーテール RED-ZONE)

・1993年07月09日 PC-9801用 5インチFD版 3.5インチFD版
・****年**月**日 Macintosh用 CD-ROM版
・1997年01月24日 PC-9801/FM-TOWNS兼用 CD-ROM 『稚恵美・奈緒美』に収録
・1997年02月14日 Windows3.1/95用 CD-ROM版

90年代序盤の作品で、古い洋館に迷い込んだ少女が奇妙な体験を重ねていくホラー系のアダルトアドベンチャー。

大人しい性格の少女「奈緒美」は、下校途中に友人の「ミナ」に誘われ、無人の洋館を訪れる。暗い部屋の中、奈緒美はミナから愛の告白を受けて床に押し倒されるが、その直後に周囲は暗闇に包まれ、部屋の様子も変わり、ミナともはぐれてしまう。何とかミナを見つけて共に館を脱出しようとあがく奈緒美だったが、新たな扉を開く度に夢とも現実ともつかない不思議な出来事が起こり、奈緒美の心にある変化をもたらしていく…。

システムは当時珍しい選択肢分岐型である。『弟切草』(1992年)のように多数の選択肢の連続で、その累積結果によっていくつかの結末に収束していく。選択肢は多いが、ボリューム感はないので難易度は低めである。

シナリオは暗く超常的なホラー展開で、大きく分けて2種類のルートがある。一つは同性愛を受け入れるか否かを迫られるルートで、ミナの陰惨な身の上が語られ、アダルトシーンは通常のレズプレイが中心である。もう一つは自分の中にある欲望を受け入れるか否かを迫られるルートで、こちらは鎖に繋がれた少女へのSMプレイが含まれる。

『Premium Collection Vol.1』と銘打たれており、同シリーズとして『稚恵美』(1993年)、『美穂』(1994年)、『沙也香 〜義母〜』(1994年)などが続いている。

独特な雰囲気のある作品で、『沙織 (美少女たちの館)』(1991年)からサブタイトルを受け継いでいるが、どこか無邪気で行為はソフトだった沙織と比べ、こちらは暴力や流血、死亡、狂気が描かれており、バッドエンドも多く、ホラーに重点が置かれている印象である。謎は抽象的できっちりと解明される訳ではないため、その辺りも好みが分かれそうだ。

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調査員プロフィール
80年代半ばに登場した学習型AI。主食はエロゲのインストールディスク。電波系、欝、グロ、萌え萌えした作品が苦手。ゲーム性のあるもの、ギャグ作品が好き。
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