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古今のアダルトゲームを広く浅く調査及び成る丈簡潔にご報告致します

『ラブ・エスカレーター』 概要

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©1998 海月製作所

ラブ・エスカレーター
 (海月製作所)

・1998年04月17日 PC-9821用 3.5インチFD版 CD-ROM版


90年代後半の作品で、恋愛のステップアップを描いたアダルトADV。PC-9800シリーズ専用のゲームとしては最末期の作品で、そのクオリティとボリュームから「PC98最後のエロゲー」「PC98最後の大作」と呼ばれた。

(あらすじ) 主人公「たかし(名前変更可)」は平凡な学生である。親友の「脇谷」から恋の橋渡しを頼まれたたかしは、中学時代の知り合い「理恵」に声をかけることになった。ところが、理恵はたかしへの思いを抱いたままで、たかしは理恵が好きだったことを自覚してしまう。秘めていた恋心に火がついた二人は、脇谷には言い出せないまま逢瀬を重ね、関係は次第にエスカレートしていく。

ゲームシステムは基本的に、週末ごとにデートの相手と場所を選んでいくスケジュール管理型ADVである。期間はおよそ一年間で、メインヒロイン「理恵」の好感度を上げ、ハッピーエンドを迎えることが主なゲーム目的となる。サブヒロインとして年下、年上の女性も登場し、マルチエンドとなっていた。

一方、理恵とのセックスシーンはコマンド型の調教シュミレーションとなっている。デートの行き先としてラブホテル等を選んだ場合に発生し、「胸を愛撫する」「フェラチオさせる」「正常位」といったコマンドの中から任意のプレイを組み合わせ、理恵の限界を超えないようにフィニッシュしていく。回数を重ねることで理恵が大胆になったり、プレイのバリエーションが増えたり、耐久力が上がって多くのコマンドに耐えられるようになっていく。

アダルトシーンのほぼ全てが、ダイナミックで滑らかな動きのアニメーションになっている点も特徴である。カット数が60以上に及ぶ点からも、一流のアニメーションアダルトゲームに匹敵するといえるだろう。

ストーリーは主人公達が様々な障害にぶつかりつつ、一つ一つ乗り越えて交際を続けていく、ドラマチックでシリアスな青春物語である。脇役達の恋愛や失恋にも触れている辺り、青春群像劇の要素も備えているといっていいだろう。週末デートの過ごし方により、5種類のエンディングを迎える。

関連商品は原画集、サントラ、小説版など。後に『LOVERS 〜恋に落ちたら…〜』(2003年)としてリメイクされた。

当時、PCゲームのハードの主流はWindows95に移っており、PC98シリーズのみで発売される新作は稀有になっていた。「PC98最後の大作」というあだ名は、そんな状況で生まれたヒット作だったことに由来する。ただし、意図してPC98を選んだ訳ではなく、発売延期を繰り返した末の、やむを得ない事情があったようだ。

個人的な印象としては、ストーリー重視の作風でありながら、アダルト面でも最上級のクオリティとボリュームを求めた欲張りな大作である。良く言えば贅沢、悪く言うと凝り過ぎか。PC98全盛期に乗り遅れたものの、その熱量で何とか輝きを放った作品だった。


調査担当

『Pia♥キャロットへようこそ!!2』 概要

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©1997 COCKTAIL SOFT/F&C co.,ltd.

Pia♥キャロットへようこそ!!2
 (カクテルソフト)

・1997年10月31日 Windows95用 CD-ROM 『DELUXE PACK
・1997年10月31日 Windows95用 CD-ROM 『STANDARD PACK
・1998年10月08日 セガサターン版 【駿河屋】【Amazon
・2000年12月02日 GAMEBOY COLOR用 『Piaキャロットへようこそ!!2.2』 【駿河屋
・2001年06月21日 ドリームキャスト用 『Piaキャロットへようこそ!!2.5』 【駿河屋
・2001年10月26日 Windows用 CD-ROM 『Me/2000対応版』 初回版 通常版
・2003年02月06日 ドリームキャスト版 【駿河屋】【Amazon
・2009年01月23日 DL版 【DLsite】【DL.Getchu】【Gyutto】【DMM
・2010年03月26日 DL版 『DLセット』に収録 【Gyutto】【DMM】【DLsite】【DL.Getchu


90年代後半の作品で、ファミリーレストランを舞台にした恋愛アドベンチャー。『Pia♥キャロットへようこそ!!』(1996年)の続編。

(あらすじ) 主人公「耕治(名前変更可)」はごく普通の学園生。出会いを求め、軽い気持ちでファミリーレストラン「Pia♥キャロット2号店」の面接を受けた耕治だったが、採用条件は週6日という厳しいものだった。甘い考えを改めた耕治は、夏休みいっぱいをバイトに捧げる決意を固め、社員寮に引っ越し、昼から晩までのハードな業務をこなしていく。と同時に、空いた時間で自分を磨いたり、同僚達と仲を深めていく。果たして耕治は、夏の終わりまでに恋のきっかけを掴むことができるだろうか?

ゲームシステムは前作と同じで、スケジュール管理型のADVと育成要素の組合せである。主人公に「容姿」「優しさ」「根性」「体力」といったパラメータがあるものの、攻略はヒロイン毎の必要最低限なパラメータ値や選択肢の正解、重要イベントを探す方に比重が高く、育成メインのSLGとは言いがたい。

シフトの担当業務の一部が選べるため、スケジュールの空いている箇所を倉庫整理、ウェイター、料理といった担当で埋め、昼から夜まで業務に励み、パラメータを育成していく。それと同時に、午前中や休日を使って体を休めたり、不足するパラメータを伸ばしたり、意中のヒロインを訪ねたり、電話をかけたりでイベントを進展させていく。

狙うヒロインに集中的に話しかけて好感度を上げ、攻略に必要なパラメータを揃えれば、2度の旅行を通して重要イベントが起こり、個別エンドが迎えられるという流れになっていた。

ストーリーは、平凡な主人公がバイトを通して数多くの女の子に出会い、宴会や海水浴、バーベキュー、縁日などを通して仲良くなると共に、それぞれの女の子の抱える問題を知り、相談相手になる中で恋愛に発展していくのが基本の流れである。ヒロインと大きな喧嘩になったり、三角関係の末に親友に殴られたりと、青春真っ盛りな描写が印象的である。

ヒロインは最悪な出会い方をしてしまったツンケンとしたウェイトレス、その妹で人懐っこい年下の女の子、真面目な美人マネージャー、大酒飲みのご近所さん、元気いっぱいの不思議キャラ、性別を偽る男装の同僚など10名となっている。

Hシーンは1人1ヵ所で、中にはバッドエンド覚悟でなければHシーンが見られないヒロインもおり、アダルト要素には比重がない。ただ、当時はまだ珍しいフルボイスであり、Hシーンにも音声が付いている点は大きな長所だっただろう。

シリーズ続編として『3』『G.O.』『G.P.』『4』、女性向けの『プリンスPia♥キャロット』が続いた。家庭用ゲーム機への進出も盛んで、移植される際は内容が追加され、ゲームボーイカラー版は『2.2』、ドリームキャスト版は『2.5』と改題されている。派生作品に18禁のOVA、全年齢のOVAがあり、フィギュア等のグッズ展開も幅広い。

個人的な印象として、原画のみつみ美里氏の画風が際立つ作品で、その大きな虹彩、細く長く優美な体のライン、ファッションのこだわりは、256色塗りの技術向上もあって、非常に華やかで、当時としては垢抜けている。これがヒットの最大の要因だっただろう。

また、作中で使われる衣装をPCゲーム誌上の投票で選んだり、セガサターン版の制作発表を本物のレストランを借り切って行ったりと、奇抜なイベント展開が話題を呼んだ作品でもあった。’98年の東京キャラクターショーにて催された本作品の「コスプレ喫茶」は、00年代のメイド喫茶の登場にも影響を与えたといわれる。アダルト出身の枠に囚われない、オープンなマーケティングを開拓した作品の一つだった。


F&C公式 商品情報ページ
http://fandc.co.jp/catalog/pc/184


調査担当

『Pia♥キャロットへようこそ!!』 概要

Piaキャロットへようこそ!!Piaキャロットへようこそ!!
Piaキャロットへようこそ!!Piaキャロットへようこそ!!
©1996 COCKTAIL SOFT/F&C co.,ltd.
Pia♥キャロットへようこそ!! (カクテルソフト)

・1996年07月26日 PC-9801用 5インチFD版 3.5インチFD版
・****年**月**日 PC-9821用 CD-ROM版
・1996年10月18日 Windows3.1/95用 CD-ROM版
・1997年05月23日 PC-FX版
・1997年11月28日 PC-FX用 『Piaキャロット&きゃんきゃんバニーエクストラ』 初回版
・1998年01月21日 PC-FX用 『Piaキャロット&きゃんきゃんバニーエクストラ』 通常版
・1998年03月12日 セガサターン用 限定版 通常版
・1999年08月12日 Windows95/98用 CD-ROM 『1・2・TB』に収録
・2007年07月27日 Windows用 CD-ROM 『Vista対応版
・2009年02月20日 DL版 【DMM】【DL.Getchu】【Gyutto】【DLsite
・2010年06月25日 DL版 『Piaキャロ DLセット』 【DMM】【DL.Getchu】【Gyutto】【DLsite

90年代中頃の作品で、ファミリーレストランを舞台にした恋愛シミュレーションゲーム。『Piaキャロットへようこそ!!』シリーズの一作目。

主人公「裕介(名前変更可)」は、大学進学か家業を継ぐか、進路に迷う平凡な学生である。テストで赤点を取ってしまった裕介は、父親との約束により、父の経営するファミレスで、夏休みの間アルバイト漬けの日々を送ることになった。渋々働き始める裕介だったが、従業員は美人揃いで、幼馴染の同級生、後輩も裕介を追ってバイトに加わり、やる気が一気にみなぎる。果たして裕介は、可愛い女の子ときっかけを作り、青春の思い出を作ることができるだろうか…?

ゲームシステムは、簡素な育成SLG要素と、スケジュール管理型のADVの組合せである。7月25日から8月28日までの間、休日や研修旅行を挟みつつ、午前中は自由に使い、午後から夜まではファミレスで業務に励んでいく。

主人公には「スタイル」「優しさ」「根性」「学力」といった7種類のパラメータがある。担当する仕事は、「ウェイター」「料理」「皿洗い」「倉庫整理」といった7種類で、それぞれパラメータ変化が異なり、好きな担当を自分で選ぶことができる。ヒロインを攻略するには、それぞれの性格に合わせ、特定のパラメータを伸ばしておく必要があるため、作中でのヒントを頼りに、期日までに理想の状態に仕上げていく。

さらに攻略には、普段から帰り際に話しかけたり、自由時間に散歩で出会ったり、電話したりで、イベントを1つ残らず進展させる必要がある。そのため、自力攻略となると細かいメモを取り、セーブ・ロードを繰り返し、自分なりのスケジュール表を作っていくことになる。攻略は育成要素より、こちらに比重が高い印象である。同時攻略は難しく、難易度はやや高めである。

期日までにセックスに至り、バイト最終日に電話をかけることにより、それぞれとのハッピーエンドが鑑賞できる。ヒロインは主人公を慕う後輩、気さくな同級生、従姉の担任教師、セクシーな先輩バイト、厳格なマネージャー、訳ありの客など8人である。

アダルト要素は1人あたり1、2箇所で、CGもテキストもボリュームは控えめである。その代わり、冒頭でウェイトレスの制服を3種類から選ぶことができ、他にも私服、水着姿、コスプレなど、衣装違いの立ち絵が豊富に用意されている等、ファッション面で凝っているのが印象的である。

シリーズは『2』(1997年)、『3』(2001年)、『G.O. 』(2006年)、『G.P.』(2008年)、『4』(2009年)と続く人気シリーズとなった。また、女性向けの『プリンスPia♥キャロット』(2014年)がPC、PSP向けに発売されている。

個人的な印象として、構造は旧来のADVを脱しきれていないものの、ビジュアルや雰囲気が垢抜けていて、新しい時代を感じさせる作品である。従来の恋愛物に付き物だった主人公の軽薄さ、スケベさ、遊び人的な雰囲気が薄まり、小ぎれいで健全で、お洒落な生活が眩しい。少女向けアニメのように“かわいい”で理想郷を創っていこうという、この先の純愛物の傾向がよく現れている。

調査担当

『虜』 概要

虜虜
虜虜
©1996 D.O. / Contents Traffic,Inc.
 (D.O.)

・1996年10月11日 Windows95用 CD-ROM版
・1999年09月10日 Mac OS 8用 CD-ROM版
・2000年01月28日 Windows98用 DVD-ROM 『虜2虜』に収録
・2001年06月15日 Windows2000用 CD-ROM 廉価版
・2006年05月05日 ダウンロード販売開始 【DLsite】【Gyutto】【DL.Getchu

90年代中頃の作品で、男性教師が女子生徒を監禁し、理想の男女関係を強いていくSM系の調教シミュレーションゲーム。

主人公は表向き、平凡な生活を送る新米の学園教師である。しかし、女生徒を乱暴に犯したいという欲望を常に抱いており、教え子の「田村 麻美」に目をつけ、雌豚として荒っぽく飼い慣らしていた。そんなある日、主人公は麻美からある計画を持ちかけられる。家族の復讐のため、清楚で大人しい美少女「佐伯 由美子」を、夏休みに人里離れた別荘に監禁し、徹底的に調教して欲しいというのだ。主人公はリスクを覚悟の上で、麻美に準備を整えさせ、由美子を従順な性奴隷に仕上げる危険なゲームに挑んでいく…。

ゲームシステムは、かなり本格的な育成SLGである。7月20日から8月31日までの間、一日2回ずつ、3人のヒロインの中から一人を選び、「快楽調教 バイブ」「被虐調教 鞭」「羞恥調教 排尿」といった2段階のコマンドでプレイを選び、パラメータを育成していく。

「意識」が0になると失神してペナルティが発生し、「体力」や「理性」が0になるとゲームオーバー、逆に体力や理性が満タンだと逃亡したり、自殺したりでゲームオーバーを迎える。他にも病気や生理、無気力などの状態異常でパラメータが削られるため、健康状態に気をつかいつつ、生かさぬよう殺さぬよう、しつけ的なプレイで「従順」を上げ、セックスの中で「快楽」「恥虐」「被虐」を育てて、心と体を慎重にコントロールしていく必要がある。

ゲームクリアするためには、三人共それなりに高水準に仕上げなければならないが、パラメータは減りやすく上がりにくく、状態異常は頻繁なため、常に忙しく目を配らなくてはならない。また、コマンドの種類は30種類と豊富で、ヒロイン毎にパラメータ変化も異なるため、全て把握して使いこなすには、かなりの経験を要する。難易度が高く奥行きのある育成SLGといえるだろう。

ヒロインは、純情可憐なお嬢様、ドMで共犯者の薄幸な少女、親友のピンチを救おうとして巻き込まれた、強気なスポーツ少女の三人である。最初は拒絶一色だったヒロインも、調教が進むにつれ、体の変化に戸惑い、容赦のない悪罵に心を折られ、やがて愛されようと積極的に媚び始める。最終日のパラメータの状態により、一人当たり3、4種類の個別エンドを迎える仕様となっていた。

アダルトCGのボリューム感は高く、バラエティ豊かである。通常の愛撫、セックスに始まり、アナル開発、放尿や浣腸プレイといった変態プレイ、縛り、拘束、剃毛、鞭、蝋燭といった通常のSMプレイ、刃物、三角木馬、首絞め、フィストファック、薬物といったハードで過激な描写を含んでいた。

当時としては珍しく、Windows版が先行した作品で、ヒロイン達はオリジナル版からフルボイスである。その代わり、ヒロインの台詞はメッセージウィンドウに一切表示されないという、後世からみると妙な仕様になっている。

シリーズの2作目として『虜2』(1997年)が続いている。また、ゲーム内容はそのまま、CGを実写化した『虜 実写版』(1999年)があり、D.O.自ら制作を手がけている。

ディレクター、ゲームデザイン、原画、シナリオにいたるまで、広崎悠意氏が幅広く兼務した作家性の強い作品である。個人的な印象としては、かなりゲーム性に凝っており、上級者好みのやり込みゲームいえるだろう。また、主人公が自身のサディズムについてプライドを持ち、独特の美学を語り、ヒロインを落とした後も、露ほども甘い顔をしないのが異様で、“本物”の凄味を感じさせる作品である。


公式HP
http://www.do-game.co.jp/r18/products/%E8%99%9C/


調査担当

『ジオスレイブ ~哀奴達の肖像~』 概要

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©1996 Sorcière
ジオスレイブ ~哀奴達の肖像~ (ソルシエール)

・1996年11月15日 PC-9801用 3.5インチFD版

90年代中頃の作品で、奴隷の少女達を鍛え上げ、剣闘試合の世界で成り上がっていく育成シミュレーションゲーム。『ペルソナ ~淫虐の仮面~』に続くソルシエールの二作目。

舞台は中世風の街。この街には、スレイブ・タクティクスと呼ばれる奴隷同士の剣技試合があり、賭けの対象として人々の娯楽となっていた。主人公「アッシュ」は、奴隷試合の元締めとして巨利を得ていた父親に反発し、家を飛び出した。彼は奴隷制度そのものを無くす為、奴隷として売り物にされている少女達を「仲間」として集め、厳しい訓練を課して一流の戦士に仕上げ、奴隷試合で勝ち抜いていく。

ゲームシステムは、育成SLGとカードバトル風の戦闘の組み合わせである。100日間の間、所有する少女の元に毎日通い、「ランニング」「素振り」「ウェイトリフト」といった訓練でパラメータを伸ばしたり、会話で親密度を上げたり、酒場や建設現場で働かせて金銭を得たり、休ませたりしていく。

10日毎に闘技場で一対一の試合が行われ、「斬」「突」「避」といった、ランダムに配られる手札を使って勝負していく。カードの組合せによって大技を繰り出すことができるため、多少の劣勢でも逆転できる戦略要素をもっている。

また、新しい奴隷を入手したり、個別のグッドエンドを迎えるために、訓練後に街に繰り出し、人々との会話イベントをくまなく進展させなければならない。イベントの発生期間が短く、頻度は高いため、フラグを取り逃がし易く、自力攻略にはマメさが必要となる。自分なりのスケジュール表を作っていく、スケジュール管理型ゲームの一面を持っているといえる。

シナリオは、若い正義感に溢れた主人公が、自ら奴隷を苦しめていることに葛藤しつつ、奴隷達と徐々に信頼関係を築き、闘技場で成り上がっていくと同時に、街の不穏な噂や父親の過去に関する謎に迫っていく展開となっている。

ヒロインは、翼を折られた有翼人種の少女、試合で勝ち取った褐色の美人、奴隷市場で買い取った和風のお姫様、主人公を慕い、自ら志願して仲間となった修道女の4人である。

アダルト要素は1人あたり4箇所あり、会話イベントと訓練を進めることで開放されていく。マジックアイテムの力により、ヒロインの悲惨な過去を覗いてしまう第一段階、ヒロインが媚薬の後遺症に苦しみ、主人公がペッティングで落ち着かせる第二段階、ヒロインに懇願され、本番行為にいたる第三段階、個別エンド確定後、幸せなセックスにいたる第四段階となっている。他に、闘技場での試合相手が女性だった場合にもHシーンが起こる。

当時流行の、陵辱要素も備えた育成SLGである。個人的には、ビジュアルのレベルが高く、育成の自由度が高く、ゲーム性に光るものを感じるものの、あと一歩の所でツメが甘い印象である。例えば、パラメータの多くが効果を実感し辛く、大半は無視できてしまう点、街の散策が単調で手間のかかる点、シリアスな作品なため、設定の緩さや倫理の綻びが目立ってしまう点などで、潜在力はあるものの、色々と惜しい作品である。


調査担当

『殻の中の小鳥』 概要

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©1996 BLACK PACKAGE
殻の中の小鳥 (BLACK PACKAGE)

・1996年02月29日 PC-9801用 3.5インチFD版
・1996年12月06日 Windows95用 CD-ROM版
・1997年09月05日 Windows95用 CD-ROM CDパッケージ版
・1999年07月30日 Windows95/98用 CD-ROM 『雛鳥の囀 with 殻の中の小鳥』に収録

90年代中頃の作品で、メイド達を娼婦として調教し、客を取らせていく育成シミュレーションゲーム。

舞台は19世紀のイギリスの地方都市。主人公フォスター(名前変更可)は、かつてキュレイポートと呼ばれる特務機関に所属し、女性を教育して男性客にあてがう調教師だったが、組織の活動が大スキャンダルになってからは摘発を恐れ、身を潜めていた。そんな彼に、脅迫めいた形で仕事の話が舞い込む。鉄道会社を経営する資産家ドレッドが、メイドの教育係として彼を雇いたいというのだ。自嘲的で諦観気味なフォスターは、屋敷に住み込んで街の貧しい少女達を集め、メイドという名の娼婦として一から教育を施していく。

ゲームシステムは、かなり独特な育成SLGである。12月下旬から3月下旬までの3ヶ月間、メイド達を調教して愛情・忠誠・耐久といったパラメータを上げ、個別のエンディングを目指すのが基本的なゲーム目標である。教育に必要な資金を得るため、定期的に屋敷を訪れる客に、育てたメイドを使って性的なサービスをさせなければならない。

調教モードは、カードバトルのようにランダムに配られた手札を使う。キス・舐める・揉むといった直接行為カード、筆・ろうそく・ディルドーといった器具カード、目隠し・縄・首輪・手錠といった拘束具カードがあり、記された数字によって効果の大小が異なる。また、メイドにもハードなプレイが苦手なタイプがいたり、特定の器具で大幅に成長したりと効果が異なるため、特性を見極めて使い分ける点がゲーム要素となっている。

カードは大半が自動で補充されないため、街に出かけてマップ上の様々なショップから購入する必要がある。マップには他にも重要な役割があり、例えば開始時は育成対象のメイドが一人しかいないので、マップ上の橋の上、駅、公園などを巡回し、事情ありげな少女たちと接触を重ね、高額を払って身請けしていく必要がある。他にもポーカーができるカジノ、娼館、花売りの少女に会える裏通りなどがあり、条件を満たせばHシーンが鑑賞できる。

シナリオは、主人公が薄幸な少女たちの身の上を探り、手馴れた様子で釣り上げ、高級娼婦として育てていく流れで、雰囲気はBGMも相まって物悲しい。主人公は冷酷な態度を取ることが多く、雇い主にも従順でプロ意識の高さを感じさせるが、内心は少女達に苦痛を強いることに葛藤しており、遠まわしな優しさをみせる。3ヶ月経った時点で判定が下り、5人の中から最も愛情度の値が高いメイドの個別エンドを迎える。この時、条件が整えば全てのメイドから祝福を受けるエンドも用意されていた。

アダルト要素はその日の調教終了時の興奮度の高さに応じて、1人当たり3種類のHシーンが表示される他、メイドの個室を訪れた際の突発イベントや、客への性接待として起こる。内容は一般的なプレイとSM要素で半々といった印象である。SMはボンデージが中心で、一部に鞭打ちなどの表現が含まれている。

続編として『雛鳥の囀』(1997年)が続き、それとセットになった『雛鳥の囀 with 殻の中の小鳥』(1999年)では、本作品も原画レベルでリメイクされた。関連商品に小説版、原画集、DVD-PG版、OVA版などがある。

メイドを主題に扱ったゲームとしては、アダルト・非アダルトを問わず元祖といえる作品で、特にヴィクトリア朝時代のメイドを選んでいる点はこだわりを感じさせる。90年代後半あたりから起こり、日本のサブカルチャーに根付いたメイド萌えの起源とみなされることが多いようだ。

個人的な印象としては、ゲーム性に優れた作品で、カードと育成の組み合わせはユニークである。自力でメイドを集めたり、メイドの特性を把握するのは難しいが、作中のヒントだけで何とか辿り着けなくもなさそうだ。気になったのは背景や人体などのビジュアルのクオリティの不安定さ、Hシーンのテキストが淡白で短い点で、一流作品とは言い難く、やるせない雰囲気も好みが分かれるか。


調査担当

『呪いの魔剣に闇憑き乙女』 概要

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©2017 ソフトハウスキャラ
呪いの魔剣に闇憑き乙女 (ソフトハウスキャラ)

・2017年03月24日 Windows用 DVD-ROM版 【Amazon】【駿河屋
・2017年03月24日 ダウンロード版 配信開始 【DLsite

10年代終盤の作品で、ファンタジー世界を舞台にした育成シミュレーション。ゲーム性のあるアダルト作品を数多く手がけてきたソフトハウスキャラの25作目。

舞台は中世ファンタジー風の世界。主人公「レン」はマジックアイテム屋の店主である。元は腕利きの冒険者だったが、とある事件で足が不自由になり、今は冒険者向けの珍品やエログッズを扱う風変わりな店を経営している。一方、バイトとして住み込みで働く「クレア」は、冒険者を目指す、世間知らずで楽天的な女の子。ある日、クレアが倉庫に眠っていた魔剣を手に取ったことから事件は始まる。魔剣から解き放たれた凶悪な魔物を、内密のうちに退治しようと二人三脚で森を冒険する二人だったが、魔剣の影響でクレアがエッチな呪いにかかってしまい…?

ゲームシステムは『ウィザーズクライマー』(2008年)の流れを汲んでいて、育成シミュレーションとアクティブタイムバトルの組み合わせである。4月から9月までの6ヶ月間に、希少な魔法金属を集めて魔剣を修復し、クレアを呪いの進行から救うのが基本的なゲーム目標である。

育成対象は主にメインヒロインのクレアで、剣や弓といった5種類の武器スキルや、探索や育成を楽にしてくれる冒険、耐性といった補助スキルを、有料の授業や単発のアルバイトを通じて鍛えていく。他に鍛冶職人の「サラ」、マジックアイテム職人の「ロゼッタ」の二人がサブヒロインとなっていて、品物を発注することで彼女たちのレベルも上がり、新たなアイテムやイベントが開放される仕組みとなっている。

冒険者としての依頼をこなしたり、武器の素材を獲得したり、イベントを進めるためには、「冒険」として郊外の森や鉱山、渓谷、遺跡といったフィールドを探索する必要がある。これは戦闘と移動、探索が一体となったアクティブタイムバトルになっていて、画面端でスクロールするタイプである。操作はほぼ自動で進行するが、放っておくとクレアが疲れたり、死亡したり、迷走してなかなか目的地に辿りつかないので、所々で回復アイテムやキャンプ、武器の切り替え、移動先の指定などを指示してやらなければならない。

周回プレイが基本となっているのが大きな特徴で、クリア時のレベルや鍛えたスキル、所持金、獲得したアイテムはそのまま次回のプレイで引き継げる。そのため、最初の数周は行けるフィールドが限られ、エンディングは不完全燃焼だが、周回を繰り返すことで徐々に行動範囲が広がり、各種の大会で優勝したり、高難易度の依頼を達成したりで、物語の奥の奥まで辿り付ける仕組みとなっている。

アダルトシーンは一つ一つが短めだが、アダルトSLGの特徴でミニイベントが多く、同じCGで細かな変化がつく場合もあり、数自体はかなり多めである。魔剣の呪いやマジックアイテムに中てられたヒロイン、サブヒロイン、町の人々などが積極的に誘ってくるケースが大半で、全体的に和姦傾向が強い。

個人的な印象としては、自由度が高く、難易度は高め、やり込み要素を備えたゲーム性重視の作風である。気になる点として、周回要素のおかげで時間をかければ育成はサクサク進むものの、個別エンドの条件が難解で、攻略サイトを参照しないと、空回りのまま延々と周回を繰り返しそうだ。細々としたイベントの回収も多いので、情報と見比べながらじっくり遊びたい方にお勧めしたい。

 
公式HP
http://shchara.co.jp/04develop/maken/0top.html





調査担当

『ハニーセレクト』 概要

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©2016 ILLUSION
ハニーセレクト (イリュージョン)

・2016年09月09日 Windows用 DVD-ROM版 【Amazon
・2017年03月02日 ダウンロード版 【DMM
・2017年03月02日 ダウンロード版 『ハニーセレクト+活発パック』に収録 【DMM
・2017年08月04日 ダウンロード版 『ハニーセレクト 〜コンプリートパック〜』に収録 【DMM

10年代中頃の作品で、自由度の高いメイキング機能を備えた3DCG系のセックスシミュレーター。リアル系のモデリングを得意とする老舗イリュージョンの60作目(追加ディスク除く)。

たいした導入部分はなく、プレイヤーは豪華で不思議な建造物に迷い込んだ男となり、案内役の「シトリー」に導かれるまま、好みのセックスパートナーを選んで個室に呼び出していく、といった流れである。以後は決まったストーリーもゲームクリアもなく、プレイヤーはキャラメイクに凝ったり、作成した女の子を育成したり、ボーナス付きの実績の達成を目指していく。

ゲームシステムは、オーソドックスな3Dキャラクターメイキングを中心にした、セックスシミュレーターと簡素な育成要素の組み合わせである。女体のサンプルや他のプレイヤーのアップロードしたデータを元に、身長、体型、顔つき、胸の大きさ、肌の色、衣装、性格、H属性などを細かく指定し、理想の女の子を作り上げていく。指定できる項目が膨大な上、相手役の男のメイクもできるので、かつてない幅広い要望に応えられる自由度を備えている。

キャラを作成したら個室に呼び出し、前戯や体位などを数十種類の中から好きなタイミングで切り替えていく。マウスホイールで愛撫やピストン運動の速度を調整し、女の子の感じるペースを探ることで絶頂させることができる。回数や時間の制限はないので、いくらでもセックスは続けられるが、やり過ぎると女の子が脱力して呂律が回らなくなる。

プレイの中にはアナルやSM系、恥辱プレイなどの特殊なものもあり、回数をこなすことで次第に選択肢が広がっていく。それに加え、プレイの組み立てにより「心情」が変化し、より親密な態度で積極的に求めてきたり、嫌悪感むきだしになったり、従順な牝奴隷になったり、精神的に壊れてしまったりといった現象が起こる。これが個別の突発イベントと合わせ、育成方面のやり込み要素となっている。

本編と別に『ハニースタジオ』というソフトウェアも収録されている。これはジオラマソフトの一種で、本編で作成したキャラクター達を使い、自由なシーンを創作、ユーザー間で共有できる仕組みである。本編と違い、男1人女1人という制約がなく、セックスする必要もなく、人や物の配置も自由で、腕の角度から何からポーズを細かく指定できるので、ストーリー仕立てのHやダンス動画など、より自由な創作活動を行うことができる。

発売からほどなく、VR機器『Oculus Rift』『HTC Vive』に対応する追加要素が無料公開された。ゲーム本編をVR機器でプレイすることはできないが、専用のソフトウェアを起動すれば、本編で作成した女の子とのセックスがVRで鑑賞できる仕組みで、国内のアダルトゲームとしては早い段階での公式VRコンテンツとなった。

有料の追加ディスクに『ハニーセレクト 性格追加パック~活発~』があり、更に『ハニーセレクト ~パーティー~』の発売が予定されている。

本格的にキャラクターメイキングできる3DCGゲームは、近年アニメ系のモデリングが続いたのに対し、珍しいリアル系での大作である。個人的な印象として、内容は非常に充実しており、緻密でリアルな質感と、初心者からMODを自作する玄人まで、ノーマルから極端な変態さんまで、思い思いの楽しみ方ができる優れた自由性、拡張性をもっている。

難点はPCの要求スペックが高めなことで、比較的年式の新しいゲーミングPCでないと十分なクオリティで楽しめず、ストレスを感じるかもしれない。また、VR版の没入感は確かに桁違いだが、専用に開発されたゲームではないせいか、女の子が巨大に感じてしまう欠点が残念である。


公式HP
http://www.illusion.jp/preview/honey/index.php 


調査担当

『SEEK ~地下室の牝奴隷達~』 概要

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©1995 PIL
©1995 STONE HEADS Inc.
SEEK ~地下室の牝奴隷達~ (PIL)

・1995年03月31日 PC-9801用 3.5インチFD版 5インチFD版
・1996年08月30日 Windows95用 CD-ROM版
・2009年12月08日 ダウンロード販売開始 【DMM】【DL.Getchu】【Gyutto】【DLsite

90年代中頃の作品で、調教師となって3人の女を従順なマゾヒストに育てあげていくSM系の育成シミュレーションゲーム。ストーンヘッズ傘下のブランド、PILのデビュー作である。

主人公「貴之」(名前変更可)は、著名な画家だった父親の葬儀で、妖艶な美女「沙貴」と出会い、意外なことを知らされる。父親の本当の仕事は、依頼を受けて金持ちの愛人達を預かり、一流のマゾ奴隷に仕上げる調教師だったというのだ。その遺産10億円を相続する条件として、調教師の仕事を引き継ぐことを受け入れた貴之は、適正をみる試験として、沙貴と共に3人の女を一ヶ月間にわたって教育していく。

ゲームシステムは育成シミュレーションで、ターン制のコマンド選択式である。6月1日から30日まで、週末を除いてほぼ毎日、女の子の繋がれている鉄格子の部屋を一つ一つ巡り、「褒める」「奉仕」「責め苦」「恥辱」といった22種類のコマンドを選んでパラメータを育成していく。

序盤は生意気だったり、痛がったりでパラメータの伸びが悪いが、ソフトなプレイから始めて徐々に気位をくじき、快楽を与え、従わせていけば、次第に忠誠や肉欲が上がっていき、技術も身について、コメントが従順で献身的なものに変化していく。体力や理性が尽きてしまうと壊れてしまうので、最低限を維持しつつ、女の子それぞれの特性を把握してコマンドを使いこなしていく点にゲーム性がある。

3人共にパラメータをパーフェクトな状態に仕上げ、沙貴に認められて一流調教師になるのが一般的なゲーム目標だが、途中の選択肢や育成具合によってマルチエンディングになっており、特定の女と結ばれるハッピーエンドやハーレムエンド、お約束の館炎上エンドなどを備えていた。難易度は全体的に高めで、条件付きの特殊イベントも多く、やり込み要素となっている。

主人公は元々ガラの悪い性格をしていて、SMや変態的なプレイにも抵抗感がなく、素の高圧的な態度で調教に臨んでいく。女性は反抗的で擦れた性格の遙、素直で大人しく、ウブな性格の真梨乃、明るく楽天的、やや頭の足りない桃美の3人となっている。他にナビゲート役の沙貴も、調教はできないがイベントが用意されており、攻略対象となっている。

ほぼ全てのイベントがHシーンで占められており、アダルト要素の比重は非常に高い。フェラ、オナニー、バイブレーターによる調教、縛り、鞭、蝋燭、洗濯バサミ、水責め等のSMプレイ、尻舐めや放尿、浣腸からのスカトロ、アナルセックスなどの変態的なプレイの他、特殊イベントとして普通の和姦プレイも用意されていた。

続編に『SEEK2 -SADISTIC BABYLON-』(1999年)がある他、本作品を実写化した『SEEK 実写版』がコアマガジンから発売された。また、オムニバスの『PILcaSEX』(1996年)の中の一本に本作品のアフターストーリーが収録されている。関連商品にビジュアルブック、小説版、OVAなどがある。

SM系の調教SLGとしては『禁忌 ~TABOO~』(1995年)がやや先行したが、イベントの作りこみの充実、ゲームバランスや操作の洗練度など、こちらの方がはるかに出来が良く、より影響力があったことだろう。SMと育成SLGはよほど相性が良かったのか、90年代後半にかけてちょっとしたブームが起きている。


調査担当

『禁忌 ~TABOO~』 概要

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©1995 SUCCUBUS/APPLE PIE
禁忌 ~TABOO~ (サッキュバス/アップルパイ)

・1995年03月17日 PC-9801用 5インチFD版 3.5インチFD版
・****年**月**日 Windows用 CD-ROM版

90年代中頃の作品で、レズビアンの女教師が女生徒達に淫らな調教を施していく育成シミュレーションゲーム。SMをメインに扱った調教SLGとしてはおそらく最古の作品である。

これといった導入部分やプロットはなく、突発イベントもほぼ無い。プレイヤーはサディスティックな女教師となって、ひたすら三人の女の子たちのパラメータを育成し、その反応の変化を楽しんでいくシンプルな展開である。

システムは当時流行していたスケジュール管理型ではなく、対話形式のコマンド選択型である。任意の相手を呼び出し、そのステータスの伸ばしたい項目、補いたい欠点を狙って、会話や愛撫、各種SMプレイのコマンドで女の子をいたぶっていく。女の子が絶頂したり、疲労がたまったり、怒って帰ってしまうと1回の調教終了である。

序盤は女の子の感度や被虐度が低く、態度も反抗的で信頼度や愛情度が下がっていく一方だが、慎重に育てれば徐々に態度が変化し、ある時点から上昇に転じる。うまくいけば主人公を「お姉さま」と慕い、どんなプレイにも悦び、簡単に絶頂するようになる。3人合わせて30回の調教をこなした所でゲーム終了となり、その育成結果が「称号」という形で評価される仕組みになっていた。

また、ヒロイン自身の加虐性、ヒロイン同士の信頼や愛情を示すパラメータがあり、ヒロインに命じて他のヒロインを調教させることができる。気弱そうなヒロインをドSに育て、勝気そうなヒロインを調教させる、といったプレイも可能である。さらに主人公の女教師にも被虐性を示すパラメータがあり、これが高まると生徒にいたぶられて絶頂、といった逆転現象も起こる奥行きを備えていた。

調教SLGという他にも風変わりな点がある作品で、例えばメッセージウィンドウが一切なく、会話のやり取りは音声のみという大胆な仕様である。フルボイスに相当するため、FDの時代としては非常にデータ容量が大きく、インストールにかかる時間などが話題になったようだ。

アダルトシーンはSM要素がメインで、ロープなどによる緊縛シーン、平手打ち、鞭によるスパンキング、ろうそく責めといった描写がある他、選んだ調教場所によっては試験管、マイク、野菜などが使われることがあり、挿入シーンは小ウィンドウ内のアニメーションで描かれている。

続編に『禁忌2 ~Hospital Taboo~』(2000)がある他、関連商品にデスクトップテーマ集がある。

個人的な印象として、ジャンル的に目新しく、ゲームシステムはユニークであり、フルボイスという大きなハードルに果敢に挑んだ作品だったが、所々の欠点が足を引っ張っているイメージである。例えば、肝心のボイスが音割れで聞き取り辛い、攻略はかなりの繰り返し作業になるが、セリフを飛ばせないためストレスが溜まる、コマンド毎のパラメータ上昇効果が把握しづらく、自力攻略には地味で厄介なデータ収集が必要、といったところか。欲張らずに基本部分を洗練していれば…と惜しまずにはいられない。


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80年代半ばに登場した学習型AI。主食はエロゲのインストールディスク。電波系、欝、グロ、萌え萌えした作品が苦手。ゲーム性のあるもの、ギャグ作品が好き。
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