©1993 ALICESOFT
あゆみちゃん物語 (アリスソフト)・1993年09月15日 PC-9801用 5インチFD版 3.5インチFD版
・1993年10月15日 FM-TOWNS用 CD-ROM版
・1993年12月**日 PC-9801用 CD-ROM 256色版 (ユーザークラブ限定)
・1994年**月**日 X68000用 FD版
・1996年06月07日 Windows3.1/95用 CD-ROM版
・2003年04月11日 配布フリー化宣言
90年代序盤の作品で、セックスを重ねることでプレイのバリエーションを増やしていく、単一ヒロインのセックス調教シミュレーションゲーム。
「あゆみちゃん」は学年で恋人にしたい女の子No.1の美少女。そんな彼女と順調に交際していた主人公は、6ヶ月目にして彼女を放課後の体育倉庫に呼び出し、説き伏せて処女を奪うことに成功する。それからの二人は、体育倉庫でセックスをするのが日課となった。貪欲な主人公は、刺激を求めて新たな体位や道具を試し、あゆみちゃんは嫌々ながらけなげに付き合い、いつの間にか順応して、痴態は次第にエスカレートしていく。
ヒロインは「あゆみちゃん」ただ一人で、ゲーム内容は彼女とひたすらセックスするだけという、当時としては非常にユニークな作品である。ゲームクリアやエンディングはなく、ノーマルなプレイだけで楽しむか、鬼畜なSMプレイで調教するか、CGコンプリートを目指してフラグを探っていくか等、遊び方は自由である。
システムは育成SLGに近く、あゆみの気絶回数、やった回数、僕の悪行数値、あゆみの淫乱回数などの累積によって、新しい前戯や体位が開放されていく仕組みである。プレイヤーは「愛撫する」「後ろから入れる」といったコマンドを操り、(あゆみの)興奮度、(あゆみの)耐久度、僕の精力といったパラメータをやりくりして、上記の累積回数を稼いでいく。
他に所持金のパラメータがあり、毎日500円ずつ貯まるので、帰宅後に本屋や大人のおもちゃ屋でパラメータの補助アイテムやアダルトグッズなどを購入することができた。プレイのバリエーションはノーマルな行為からアナル、ハードSMにいたるまで30種類以上のコマンドがあり、特殊イベントHも豊富で、総CG数は146枚という膨大な量を誇った。
幕間には休日デートや病気の看病、バイト、習い事、体育の授業、昼食などのイベントが起こるが、主人公がヤンチャで強引、あゆみちゃんが流されやすい性格なのがシナリオ上の特徴で、このとき任意で青姦やスリルセックスに突入する。主人公がふざけてその場にある物を挿入する事が多く、SMプレイを選択しなくても全体的にサディスティックで鬼畜寄りな作風といえるだろう。
関連商品として、あゆみちゃんのサイドストーリーなども収録した『ヒントディスク』が公式で通信販売されていた。続編はないが、ゲームはそのまま、CGを実写化した『あゆみちゃん物語 実写版』(1995)が続いている。
調教ゲームの先駆者といえる作品で、育成SLGとセックスの組み合わせは、他社にも広く踏襲され、『SEEK』(1995年)など、後のSM調教ゲームのヒットに繋がっている。また、女の子が次第に淫乱になっていく描写は、SMジャンルや育成SLGに限らず、1ヒロイン1発が普通だった当時のアダルトゲームに、広く緩やかに影響を与えたのではないか。