©1989 SYSTEM HOUSE OH!
アリスたちの午後 vol.1 (システムハウスOH!)・1989年11月**日 PC-8801用 FD版
・1989年11月**日 PC-9801用 5インチFD版
80年代末期の作品で、一流企業の集まるエキスポ会場を舞台に、各ブースの女の子達を口説き落としていくRPG。
199X年、日本国内の一部上場企業ばかりを集めたリクルートEXPOが開催された。求人週刊誌「OH!」の取材記者である主人公は、編集長の指示で会場内の各パビリオンを巡り、コンパニオンを口説いてヌード写真を撮影していくことに。果たして彼はすべての女の子と出会う事ができるだろうか・・・?
システムは1人パーティ、装備品なしの素朴なRPGで、表示パラメータはレベル、お金、気力(HPにあたる)の三つである。2D俯瞰型のマップ上を歩き回り、通行人と会話したり、道端で物を拾ったり、各建物で女の子をナンパ(戦闘)し、戦果をプレスセンターでお金に代え、レストランやアイテムで回復しながら、行動範囲を広げる重要アイテムを入手していく。
女の子(敵)の配置は固定で、ほとんどの場合は建物の入口で戦闘となる。気力が0になる前に口説き(攻撃)で倒せれば、女の子のCGが脱衣バージョンに切り替わるようになっていた。原画は漫画家の内山亜紀氏が担当している。参加企業の名前は、例えば「大味の素」「AIUU保険」といった具合に実在の大手企業の名前をもじったものになっていた。
また、攻略には関係ないが、オマケ要素として実写アダルト動画が音声付きで作中に登場する。磁気メディアの時代なので画質はひどく粗っぽく、時間もほんの僅かだが、アダルトPCゲームの中で実写の動画が登場したのはおそらく初だろう。(アーケードゲームでは『THE野球拳』シリーズのようにLDを利用した実写ゲームが既に珍しくない。)
同時期に『アリスたちの午後 vol.2』が発売されている。
個人的な印象としては、ボリュームは多いがビジュアルのクオリティはパッとしない。敵が固定配置で、倒せるのも一回限りなため育成要素がなく、RPGとしてのゲーム性も低い。『東京女子高制服を脱いだ図鑑』のようなCG集にゲーム性を付与した印象で、着想はユニークだったものの、全体的に洗練さに欠ける印象である。