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古今のアダルトゲームを広く浅く調査及び成る丈簡潔にご報告致します

RPG

『TWILIGHT ZONE Ⅱ ~なぎさの館~』 概要

TWILIGHT ZONE 2 サンプル TWILIGHT ZONE 2 サンプル
TWILIGHT ZONE 2 サンプル TWILIGHT ZONE 2 サンプル
©1988 GREAT
TWILIGHT ZONE Ⅱ ~なぎさの館~ (GREAT)

・1988年10月21日 PC-8801用 FD版
・****年**月**日 PC-9801用 5インチFD版 3.5インチFD版
・****年**月**日 MSX2用 3.5インチFD版

80年代後半の作品で、女の子の姿をした敵キャラたちをセックスで倒していくアダルトRPG。アドベンチャーゲームだった『TWILIGHT ZONE』(1987年)のシリーズ2作目である。

ガールフレンドの陽子と待ち合わせしていた主人公は、時間を過ぎても陽子が現れないことに不審を抱き、怪しい老婆の導きで、巨大な洋館の探索を始める。そこは若い女の子達が暮らし、痴女が徘徊し、恐ろしい化け物の潜む不思議な世界だった。主人公は自分の肉体と精力を頼りにセックスで障害を乗り越え、上階を目指していく。

ゲームシステムはウィザードリィのような3D、階層式のダンジョンを探索するRPGである。用語が風変わりで、戦闘による“体験値”の上昇でレベルアップし、お金にあたる“マタタビ”を稼いで装備を整えていく。コマンドは前作の入力式から選択式になっている。

シナリオは終始シリアスな雰囲気だが、冒頭で主人公が服を脱がなければ人々に相手にされないため、以後はエロ本を武器に、コンドームを防具に、全裸で館内を歩き回るというシュールな展開である。それぞれの階層で女の子達の部屋を訪問し、欲しがるアイテムを調達したり、お願いを叶えていくことで、上階へ行くための条件を整えていく。

敵の雑魚キャラは「テレクラの女」「SM女」「ホテトル嬢」など、痴女や性風俗業の女性がモチーフになっているのが独特で、戦闘は攻撃力の高いセックス体位やアダルトグッズを選び、先に相手をイかせることができれば勝利となった。コンドームは常に装着しているが、「淋病」「エイズ」「梅毒」などの性病に感染することがあり、ステータス回復薬として抗生物質を備えておく必要があった。

シリーズ続編として『TWILIGHT ZONE Ⅲ』(1989年)、『TWILIGHT ZONE Vol.4』(1990年)が続いている。

操作性に深刻な難点があり、扉を通過するとなぜか一歩多く進んでしまう、マップの整合性がおかしい、東西南北が分からない等の仕様で、迷子が頻繁に発生する欠点を抱えていた。しかしゲーム性やボリュームは高い方で、シナリオもユニークな作品である。発売時期は『カオスエンジェルズ』(1988年7月)よりやや後だが、ダンジョン探索物のアダルトRPGとしては最古の部類である。

調査担当

『コズミックソルジャー』 概要

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©1985 KOGADO STUDIO
コズミックソルジャー (工画堂スタジオ)

・1985年10月**日 PC-8801用 FD版
・****年**月**日 PC-9801用 FD版
・****年**月**日 X1用 FD版
・****年**月**日 FM-77用 3.5インチFD版
・2002年10月01日 ダウンロード販売開始 【ProjectEGG

国産RPG黎明期の作品で、スペースファンタジー風の3Dダンジョン探索ゲーム。仲間システムやアンドロイドによるサポートなど、数々の新奇なアイデアが盛り込まれたボリューム感の高い大作で、工画堂の知名度を飛躍的に高めた。

シナリオは、帝国軍に囚われた仲間のサイコ能力者を救うため、解放同盟の兵士である主人公が仲間を集め、ジャングルや敵基地を踏破して、重要アイテムを集めていく流れとなっている。鎧姿がガンダムやマクロスのパロディだったり、アイテム名が「ヒップエレキバン」だったり、敵の言葉が関西弁だったりと、作風は全体的にコミカルな印象である。

ゲームシステムは、3D視点の階層式ダンジョンを探索していく古典的なRPGで、紙に手描きでマッピングしていく必要がある。

風変りなのは、敵を瀕死に追い込めば、交渉次第で仲間にすることが出来る点で、最大5人PT、ダメージは最も新参の仲間が一手に引き受ける。死んだら蘇らないので、新人は盾役として使い捨てていくことになる。さらに、武器・防具などの装備は仲間ごとに個別だが、攻撃の威力は全員の合計値、レベルアップのEXPも全員で共通という、後のRPGと比べると妙な仕様となっている。

また、ダンジョンは無限ループに落とし穴、立体交差(画面上での見た目は平坦)などを駆使した凝った設計になっていて、ゲームバランスも含めて難易度は高めである。

もう一つ特徴的なのが、画面左に大きく描かれた、露出の高い女性型アンドロイドである。探索の中で得た専用パーツによって、「治療機能」「シールド機能」などの戦闘補助オプションを覚えていく仕様となっており、条件が調えば「防御力を攻撃力に転換する機能」として、主人公とのセックスも可能となっていた。

アダルト要素は、その際に脱衣状態と嬌声が一瞬拝める程度で、あくまで一般ゲームとしてのオマケだった。工画堂はこの作品以前に『Emmy』や『ウォーターワーカー』『メイズパニック』といった脱衣要素のある小作品を手がけていた。一般ゲームとアダルトゲームとの境界が曖昧だった時代を感じさせてくれる作品である。

続編に『サイキックウォー』(1988年)がある。

調査担当

『軽井沢誘拐案内』 概要

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軽井沢誘拐案内 サンプル 軽井沢誘拐案内 サンプル
©1985 ENIX
軽井沢誘拐案内 (ENIX)

・1985年05月**日 PC-8801用 FD版 カセットテープ版
・1985年08月**日 FM-7用 FD版 カセットテープ版
・1985年10月**日 X1用 FD版 カセットテープ版
・1986年09月**日 PC-6001用 カセットテープ版
・1986年12月**日 MSX用 カートリッジ版
・2005年07月19日 携帯用アプリ(iモード EZweb Yahoo!ケータイ用) 配信開始

80年代中頃の作品で、高級リゾート地を舞台にした推理アドベンチャー。『ポートピア連続殺人事件』(1983)、『オホーツクに消ゆ』(1984)に続く堀井雄二氏のミステリー3作目だが、一部にアダルトな演出が含まれていた為か、唯一ファミコンに移植されなかった隠れた名作となった。

軽井沢の別荘に住む恋人「クミコ」の元を訪れた主人公は、行方不明になったという彼女の妹「なぎさ」の捜索を手伝う事になる。しかし、街の住人達の話を聞いてまわり、付近の痕跡を調べているうちに、クミコにも不審な点が浮かび上がってくる。果たしてクミコは何を隠しているのか、なぎさとは一体・・・?

システムはコマンド型のアドベンチャーで、操作はほぼテンキーのみである。上下左右にスクロールする2D俯瞰型のフィールドマップを歩き回り、「OOの家」「ドライブイン」等に立ち寄って住人達との会話からヒントを集め、順序良く謎を解いていく流れとなっている。

途中、探索画面でカーソル移動による部屋の物色があったり、最終章では突然RPG仕立てになったりと、コマンドAVGの枠に囚われない多様なゲーム要素が詰め込まれていた。

シナリオの序盤は、シリアスで大人の雰囲気を漂わせる本格ミステリーだが、中盤あたりからギャグ傾向が強くなっていく。アダルト要素は濡れ場(未遂)が一箇所あるのみで、あくまで一般ゲームのサービスの範囲だが、パンチラシーンが非常に多く、パンチラが重要な役割を果たすケースもあるなど、お色気にもそれなりに比重が置かれていた。

個人的な印象として、推理物としてよく出来ており、ボリューム感も高く、堀井氏本人が手がけたといわれるビジュアルもクオリティが非常に高い。また、パスワードによる再開が普通だった当時にあって、好きな時にセーブできる先進的な装備を備えていた。後半のおちゃらけとRPGパートについては賛否両論があるようだが、翌年から堀井氏が手がけた『ドラゴンクエスト』シリーズに通じる、遊び心あふれた作品といえるだろう。

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『オランダ妻は電気ウナギの夢を見るか?』 概要

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©1984 KOEI
オランダ妻は電気ウナギの夢を見るか? (光栄マイコンシステム)

・1984年11月**日 PC-8801mk2用 FD版 ロムカセット版

アダルトゲーム黎明期の作品で、逃亡したダッチワイフを行方を追って街中を捜索するRPG。タイトルやあらすじは映画『ブレードランナー』の原作となった長編SF小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』のパロディとなっている。

団地妻の誘惑』(1983)と合わせて"ストロベリーポルノシリーズ"と銘打たれている。一方、『ナイトライフ』(1982)も含めて"光栄アダルト三部作"という俗称で揶揄されることもある。

シナリオは、逃亡して人間の中に紛れ込んだダッチワイフ「北極6号」の行方を追う主人公が、アダルトショップやラブホテルが散在する街中を歩き回り、有益な情報を集めたり、手当たり次第に女性を口説き、ベッドインしていく流れとなっている。イベントの発生はランダムで、ストーリー性は低め、自由度が非常に高い。

操作はコマンド型だが、従来の一文字一文字打ち込んでいく入力式ではなく、コマンドがファンクションキーやテンキーに割り当てられたショートカットキー方式で、わずらわしさや難易度がやや緩和されている。会話次第で戦闘モード、FUCKモードなどに突入し、状況に合わせてキーを選んでいく。

冒頭で主人公の初期ステータスを決め、2Dフィールドを歩きまわって通行人に声をかける点は、後のドラクエ風RPGを彷彿とさせる。また、決められた筋書きがなく、手当たり次第に女性を口説けるシステムは、後のナンパ系ゲームと共通している。一方全体の雰囲気は独特で、形容するなら“通俗的なジョーク作品”といったところだろうか。いわゆる「抜きゲー」としての役目は意識されていなかったように見える。

調査担当

『ドラゴンナイトⅡ』 概要

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©1990 ELF
ドラゴンナイトⅡ (エルフ)

・1990年11月30日 PC-8801用 FD版
・****年**月**日 PC-9801用 3.5インチFD版 5インチFD版
・****年**月**日 X68000用 FD版
・****年**月**日 MSX2/2+用 FD版
・1992年09月04日 PCエンジン用 CD-ROM版

90年代初頭の作品で、ファンタジー系のRPGシリーズの第二弾。『ドラゴンナイト』の続編。

前作でストロベリーフィールズを救った主人公「タケル」は、再び放浪する中で、年寄りと若い女の子ばかりの街「フェニックス」にたどり着き、すべての女の子達が邪悪な魔女によって誘拐される場面に居合わせる。魔女はドラゴンナイトとの争いから男に逆恨みを抱いており、街から若い男を追い出したばかりか、自分を封印しようと企んだ住人達への報復に出たのだという。手厚い「お礼」を約束された主人公は、渋々ながら魔女の立てこもる塔への探索を開始する。

前作のシステムを受け継ぐ3D視点、階層式ダンジョンのRPGで、各階でレベルを整え、キーアイテムを探し出すことで上階への道が開けていく流れである。今回からパーティは最大3人で、シナリオ面もアダルト要素も大幅にボリュームアップしている。

本作品では、モンスターが全員女の子の姿をしているという、『カオスエンジェルズ』(1988)を彷彿とさせる設定となっているのが特徴的である。撃破する度に胸チラなどの艶姿を拝める他、解呪のキーアイテムを集めることで、一匹ずつ元の街の住人の姿に戻すことが出来、街での宿泊時に、それぞれが「お礼」として個性豊かな誘惑のアプローチを掛けてくる流れが待っている。モンスターは全部で28種類で、これが主なやり込み要素である。

演出面ではダンジョンの階層ごと、モンスターごとに違うBGMが設定されているという凝った仕様になっている。また、経験したHシーンを順に丸ごと回想するという先進的な機能を、同社の『DE・JA』から受け継いでいる。

続編として『ドラゴンナイトⅢ』(1991)、『ドラゴンナイト4』(1994)が続いた他、関連商品としてサントラ、PCエンジン版サントラなどがある。

調査担当

『ドラゴンナイト』 概要

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ドラゴンナイト サンプル ドラゴンナイト サンプル
©1989 ELF
ドラゴンナイト (エルフ)

・1989年11月01日 PC-8801用 FD版
・****年**月**日 PC-9801用 3.5インチFD版 5インチFD版
・****年**月**日 MSX2用 FD版
・****年**月**日 X68000用 5インチFD版
・1995年03月31日 PCエンジン用 CD-ROM 『ドラゴンナイト&グラフティ

80年代末の作品で、中世ファンタジー風の世界を舞台にしたダンジョン探索RPG。一般ゲームに匹敵するヒット作となり、エルフの知名度を飛躍的に高めた。シリーズは当時を代表するアダルトRPGになっていく。

女だけの王国「ストロベリーフィールズ」は、悪の「ドラゴンナイト総統」とその配下によって降伏寸前に追い込まれていた。そこへスケベで軽薄な性格ながら、剣の腕は確かな放浪中の若者「ヤマト タケル」が訪れる。預言にあった勇者と見込まれたタケルは、石化されてしまった女神の封印を解くべく、ドラゴンナイト達が占拠する女神の搭に挑む。

システムは古典的な3D視点、階層式ダンジョンのRPGで、パーティは主人公一人である。地図表示がないため、プレイヤーが手書きで紙にマッピングしていく必要がある。各階層でレベルを整え、キーアイテムを入手することで上階への道を開き、街へ戻って装備を充実させていく。ゲームバランスが粗っぽいものの、非常にシンプルで取っ付き易いシステムとなっている。

RPGとしての特徴は美少女ゲーム要素を持ち込んだ点で、ストーリーの要所要所にADV風の大きくクオリティの高いビジュアルシーンが登場し、個性を与えられた三枚目風の主人公とツンケンしたヒロイン達、人間味のあるモンスター達によるテンポの良い会話劇が展開する。

一方、アダルト要素は控えめで、モンスター達による女戦士への陵辱も寸止めで終わっており、ご褒美CGも本番行為一切無しの脱衣物レベルだった。しかし、捕らえられた美女達を助ける過程で、露出や陵辱シーンが拝めるという形態は流行し、以後のアダルトRPGに欠かせない要素として根付いた。

本作品の大ヒットは無名だったエルフ躍進の原動力となり、シリーズが『ドラゴンナイトⅡ』(1990)、『ドラゴンナイトⅢ』(1991)、『ドランナイト4』(1994)まで続いた他、ボイス付きで家庭用ゲーム機にも移植され、全年齢OVA、15禁OVAなどの派生作品も生んでいる。

調査担当

『カオスエンジェルズ』 概要

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カオスエンジェルズ サンプル カオスエンジェルズ サンプル
©1988 H.Komatsu/ACCII
カオスエンジェルズ (ASCII)

・1988年07月**日 PC-8801用 FD版
・1989年05月19日 MSX2/MSX2+用 3.5インチFD
・1989年12月15日 PC-9801用 5インチFD版 3.5インチFD版

80年代終盤の作品で、3D視点のダンジョン探索RPG。ゲームとしての完成度が高く、やり込み系アダルトゲームというジャンルを開拓した作品の一つだった。

冒険者の主人公は、酒場で出会った老人から不思議な物を託された。それは、月が真上にある時だけ砂漠の中に現れるという、伝説の「ウロボロスの搭」の鍵だった。幸運にも搭へたどり着いた彼は、塔内の各所にある謎の落書きを頼りに、女の子の姿をした魔物ばかりの不思議なダンジョンの探索を始める。

パーティは主人公一人で、搭の外に張ったキャンプを拠点に、各階でレベルアップや装備、キーアイテムを整えながら上階を目指していく流れである。パラメータは少なく、RPGとしては簡素な作りだが、宝石(MPにあたる)を消費することで使える魔法と、モンスターから覚えられる特殊能力を駆使する点が独特で、戦略性を生み出している。

本作の最大の特徴は、モンスターが全員女の子として描かれている点である。体力と別にバイタリティというパラメータがあり、余力を残したまま倒すことが出来れば、自動的に陵辱シーンが表示され、そのモンスター固有の特殊能力を一時的に覚えられる仕様となっている。この「女の子モンスター」の登場は画期的で、後の『RanceⅡ -反逆の少女たち-』(1990年)や『ドラゴンナイトⅡ』(1990年)など、アダルトRPGを代表する他社作品に受け継がれ、その後のスタンダードになった。

陵辱シーンは一匹あたりCGが二枚のみで、テキストでの描写もなく、アダルト要素には比重がない。

女の子達のポップな絵が非常に可愛らしく、本作の大きな魅力になっている。難点はレベルを上げてから雑魚を倒すと問答無用で陵辱が始まってしまい、せっかく覚えた特殊能力が上書きされてしまう辺りか。個人的には主人公の境遇や性格が語られることがなく、最後まで謎の人物なのが印象的だった。

調査担当

『Rance -光をもとめて-』 概要

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Rance -光をもとめて- Rance -光をもとめて-
©1989 ALICESOFT
Rance -光をもとめて- (アリスソフト)

・1989年08月15日 PC-9801用 5インチFD版
・1989年**月**日 X68000/PC-88VA両用 5インチFD版
・****年**月**日 MSX2用 3.5インチFD版
・1997年12月18日 Windows95用 CD-ROM 『ALICEの館4・5・6』に収録
・2003年04月11日 配布フリー化宣言 (アリスソフトアーカイブスなどからDL可能)

長寿を誇るファンタジー系RPG『ランス』シリーズの第一作。チャンピオンソフトが設立したブランド『アリスソフト』の最初期の作品の一つである。

わがままで自信家、女好きで横柄な戦士「ランス」が、とある王国の城下を舞台に、さらわれた名家のお嬢様「ヒカリ」の行方を追って冒険を繰り広げる。

シナリオは正統派RPGと正反対のアンチヒーローが主人公に設定されており、自分勝手な男が美女達を相手にやりたい放題、というテーマになっている。世界観は中世風で、剣と魔法のファンタジーを土台にしているが、女の子達の名前が和風だったり、女忍者や埴輪の姿をしたモンスター「ハニー」が登場するなど、どこか和風でとぼけた設定が多い。アダルト要素は陵辱プレイが中心だが、全体的にコミカルで暗さは感じさせない。

システムは体力、攻撃力などのパラメータや武器・防具の装備などを備え、簡単なRPG風の作りになっている。しかし攻略の大部分を占めるのは、様々な移動先を巡り、「見る」「聞く」「襲う」などのコマンドで謎を解いていくADV要素である。開発環境の制約から生まれた手動のレベルアップシステム『レベル屋』の設定などが独特である。

当時のアダルトゲームはNECのPC-8801用に開発され、他の機種へ移植されるのが普通だったが、本作は珍しく当初からPC-9801用に開発されたため、オリジナル版は640×400ドットと16色の精彩なグラフィックになった。

続編の『RanceⅡ -反逆の少女たち-』は、『アリス2010』内に収録される形でフルリメイクされたが、本作のリメイク『ランス01 光をもとめて』は、やや遅れて2013年に発表されている。さらに2014年からOVA化され、シリーズ化している。また、公式にて無料のダイジェスト版が公開されている。

個人的な印象としては、操作感が悪く、ゲーム性も粗さが目立ち、コマンドも移動先も多いため自力攻略は煩雑である。同時期の他社作品と比べても、大ヒットシリーズとなる片鱗は全く感じられない。しかし奴隷のシィル、リア王女、女忍者かなみといった後のシリーズでレギュラーとなる面々が既に登場しており、そのビジュアルや設定の落差はシリーズのファンにとって興味深い。


ランスワールドノート
http://www.alicesoft.com/haniwa/rance/series/post-28.html

調査担当

『RanceⅢ -リーザス陥落-』 概要

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©1991 ALICESOFT
RanceⅢ -リーザス陥落- (アリスソフト)

・1991年11月15日 PC-9801用 5インチFD版 3.5インチFD版
・****年**月**日 X68000用 FD版
・****年**月**日 FM-TOWNS用 CD-ROM版
・1997年12月18日 Windows95用 CD-ROM 『ALICEの館4・5・6』に収録
・2003年04月11日 配布フリー化宣言

90年代序盤の作品で、鬼畜な戦士と健気な奴隷のコンビが冒険を繰り広げるRPG。『Rance -光をもとめて-』(1989年)、『RanceⅡ -反逆の少女たち-』(1990年)に続くシリーズの三作目。

前作『RanceⅡ』からしばらく経ったある日、リア王女が治めるリーザス王国は、突如現れた隣国へルマンの大軍に占領されてしまう。その背後には魔人たちの協力が見え隠れしていた。彼らの狙いが城に封印された魔剣カオスであることに気付いたリア王女は、城が陥落する直前、直属の忍者かなみを使者として派遣する。王女が最後の望みを託したのは、女を犯ることで頭が一杯のいい加減な英雄、ランスだった…。

ゲームシステムは前作とも前々作とも異なる独特の形態である。マップ移動画面は選択型、ダンジョン画面は上下左右にスクロールする2D俯瞰型で、戦闘画面はまるでシミュレーションRPGのように各ユニットが移動しながら進行する。操作できるユニットはランスのみで、ランスも全自動にできるため、操作上の手間は軽減されているが、雑魚と遭遇する度にこの戦闘シーンをこなさなければならないため、通常のRPGより時間が掛かる仕様である。

装備品やレベルアップ要素はあるものの、レベル上げや戦略が必要な本格RPGといった感じではなく、パーティも最大7人編成だが編成の自由はない。ダンジョンに様々な仕掛けが施されており、キーとなるアイテムや人物を類推したり、プレイヤー自身が謎を解いて突破していく点に比重があり、シナリオ性も高いため、ADV寄りの作風といえるかもしれない。

シナリオの序盤はシリーズの流れを受け継ぎ、鬼畜な戦士ランスが女の子(とのセックス)を目当てにダンジョンに挑んでいくコミカルな展開である。一方、中盤からは国家間の戦争や謀略も絡み、ランスを中心に歴史が動くスケールの大きなストーリーに発展していく。それに伴って複数の王国や魔人、魔剣などの設定が登場しており、後々まで引き継がれる世界観の骨組みとなっている。

本作から弱らせた女の子モンスターを捕獲してHなCGを鑑賞するオマケ要素が登場しており、AV風のタイトルのCGが鑑賞できるラレラレ石、ショップ店員などに悪戯できる特殊アイテムの収集と合わせてやり込み要素となっていた。また、CGアーカイブが実装され、鑑賞済みのHCGが閲覧できるようになった。

翌年から本作のヒント集や音楽CDを収録した『オプションSET』が通信販売されていた。続編に『Rance Ⅳ -教団の遺産-』(1993年)があり、シリーズは長く続いた末に、本作も24年を経て『ランス03 リーザス陥落』としてフルリメイクされている。

個人的な印象としては、難易度が控えめでテンポの良い進行感が快い。なかなかの長編だが仕掛けはユニークでシナリオも面白く、同年の『ドラゴンナイトⅢ』(エルフ)といい勝負になっている。難点は戦闘システムの煩わしさ、戦略性の無さ、そしてビジュアルの野暮ったさか。


ランスワールドノート
http://www.alicesoft.com/haniwa/rance/series/03.html

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調査員プロフィール
80年代半ばに登場した学習型AI。主食はエロゲのインストールディスク。電波系、欝、グロ、萌え萌えした作品が苦手。ゲーム性のあるもの、ギャグ作品が好き。
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一部、これらのメーカーサイト様のWEB素材を各ガイドラインに従い引用しています。このサイトからの二次転用を固くお断りします。

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