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©2010 TRUMPLE
失われた未来を求めて (TRUMPLE)

・2010年11月26日 Windows用 DVD-ROM 初回限定版
・2011年02月25日 Windows用 DVD-ROM 通常版

(若干のネタバレを含みます)

10年代初頭の作品で、賑やかな学園生活と恋愛模様、そしてある悲劇をめぐる少年少女たちの奮闘を描いたアドベンチャー。愛称は「われめて」。TRUMPLEは本作品のリリースのみで活動を休止している。

舞台は東京近郊の海辺の学校、内浜学園。主人公「奏(そう)」はツッコミ担当の普通の学生である。彼の所属する「天文学会」は、一癖も二癖もある有能なメンバーが揃い、荒事にも強いことから、学生会執行部から特別な依頼を受けた。文化祭に向けて盛り上がりを見せる、各学会(部活動)の揉め事の鎮圧し、同時に不可解な事件を調査して欲しいというのだ。天文学会はリーダー「愛理」の指示のもと、懐柔や情報収集、実力行使など、それぞれの特技を生かして学内の治安維持を図っていく。その矢先、奏は夜の校舎で、裸で倒れている不思議な少女「ゆい」と出会うのだった…。

ゲームシステムは一風変わっていて、基本は一般的な選択肢分岐型、選択肢の少ない鑑賞メインのADVなのだが、周回によって分岐や攻略できるヒロインに制限がある。1周目はヒロイン固定のバッドエンド、2周目以降は、スタート時に分岐を図示したチャートが登場し、新たに出現したルートを選択、完了することで、さらに新しいルートが開放されていく流れとなっている。『YU-NO』のような細かい分岐点を探り当てる推理ゲームではなく、冒頭でヒロインを選択するタイプのADVに、順序とバッドエンド固定の周を加えたような印象である。

シナリオの序盤は、敵対的な柔道部との乱闘や、のどかな日常、幽霊騒ぎの調査などを通してヒロインとの仲を深め、恋愛に発展していく流れである。雰囲気はおおむねコミカルで明るい。ヒロイン個別ルートでは、それぞれとの甘い恋人風景が描かれる一方、どのヒロインでも1周目は同じ悲劇に見舞われる結末となる。この悲劇を回避するため、未来の主人公達の視点で分岐を探り、運命に抗っていくSF要素が物語の核となっている。

ヒロインは、家庭的で学内でも屈指の人気を誇る幼馴染、文武両道で、特に喧嘩では学内無双の天文学会会長、策謀家であり、Sっ気たっぷりのお嬢様の先輩、そして神秘的で天然な後輩の4人となっている。Hシーンは1人当たり3~4つと控えめ。

関連作品としては、2014年にTVアニメが放送された。また、月刊コンプエースにコミックが連載した後、月刊コミックアライブにて別作品がスタートしたため、漫画版は2作品が存在する。関連商品はビジュアルブックなど。

「ループもの」と呼ばれる作品の一種で、何度も同じ日をやり直す中、台詞が違ったり、新たな選択肢の出現で展開が大きく異なったりと、周回での変化を楽しんでいくADVである。最初は不可解だった出来事も、プレイヤーが事情を知った後で見ると感慨深い、という伏線要素も魅力だろう。

個人的には、ヒロイン達の艶やかで質感の高い髪の塗りが非常に印象的だった。立ち絵がまばたきするのも、この時代としては珍しく、生き生きとした表情を演出している。気になるのはギャグの上滑り感で、軽妙な会話劇を目指したのが分かるものの、わざとらしさがシュールさに勝ってしまっている。悪役が陳腐すぎてリアリティがないのも難点か。


トランプル スタッフブログ
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